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★『平らな国デンマーク/子育ての現場から』〜2/4
・出産のシステム〜無料で安心して出産できる環境
私の著書『平らな国デンマーク〜「幸福度」世界一の社会から〜』でも詳しく触れているのですが、妊娠の確認ができると、ホームドクター、出産する病院、ヨーモアとよばれる助産師の3つの傘の下に入り、安心して出産に望む事ができます。出産にかかる費用はありません。定期検診や母親(両親)学級的なものも含めて、出産時の入院費も全て無料です。出産はヨーモアが取り仕切るのですが、医者は必要に応じて出てきます。つまり定期検診も含めて、ヨーモアがしてくれる割合が多い事もあり、医者不足でたらい回しになる可能性など、まずないと感じられます。またそう言う心配をしている妊婦もほとんどいないのではないかと思われます。
・出産後のケアー
日本ではマタニティーブルー、という言葉をよく耳にしますが、この国では育児ノイローゼを生み出さない工夫や仕組みがあります。
チャイルドナースの存在とマザーグループという活動がそれにあたりますが、それ以外にも社会的な環境として、母親が育児に悩まず、家に閉じこもる事なく、楽しく過ごせる要因がいくつかあります。
後述しますが、バリアフリーで大きな乳母車ごとどこにでも気軽に外出できることや、男女平等の意識が高く、男性(父親)の育児補助も大きな役割を担っています。
話を戻して、チャイルドナースとは、出産と同時に自宅訪問してくれる看護師システムで、出産(退院)後すぐにチャイルドナースから自宅に電話があり、訪問日を決めて、自宅に育児のノウハウと赤ちゃんの健康診断をしに来てくれます。退院後1週間以内に1回目。その後は生後2週間、1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、8ヶ月、1年という具合に、赤ちゃんの成長に応じて、その頻度は少なくなるのですが、2歳になるまで3〜6ヶ月の間隔で希望に応じて来てくれます。その間、離乳食の指導や、とにかく初めての育児で何もわからない新米ママに、様々なアドバイスをしてくれ、いろいろな相談にも乗ってくれます。
赤ちゃんの体重を毎回計って成長の記録をとり、目や耳の働きや、言葉の指導なども含めて、多方面にサポートしてくれます。定期的に自宅に来てくれる事で、安心してそのサポートを受ける事ができる仕組みで、もちろん無料です。
マザーグループとは、このチャイルドナースが担当している母親のうち、出産した時期が似通っている赤ちゃんの母親を5〜6人集めて一つのグループを作り(居住地区も同じです)、週に一度グループでメンバーの自宅に集まってランチやお茶を楽しみながら、月齢の似通ったお互いの子どものことで、悩みや愚痴も言い合って、楽しく過ごしながらも子育てに役立つ情報交換などをする活動です。チャイルドナースは最初のグループアレンジをするだけで、あとはメンバーが自分たちで集まる日を決めて、順番にメンバーの自宅を回る形で、自分たちだけで活動します。
これはデンマーク人が自宅に人を呼ぶ事が大好きである、という国民性もあるから成り立っているとは思いますが、似たような月齢の赤ちゃんをもつ母親同士で共通する話題は多いですし、何を食べ始めた、とか、こんな病気をしたとか、いいおもちゃがあるとか、それぞれが持っている情報を交換する事は、とてもいい刺激にもなり、人と話す事で、思い悩んでいる事も内に秘める事なく、それがノイローゼに繋がったりしない環境づくりにも役立っています。
・男女平等の意識
先にも少し触れましたが、男女平等の意識が高い事で、男性の子育て参加の役割が大きく、母親はずいぶん助かっていると思います。子育ては母親だけの仕事ではなく、両親の責任という意味での平等の意識があります。
日本でも、文京区の区長が育児休暇をとる事が話題になっていましたが、ようやく日本にもそう言う気運が出てきた事は喜ばしい事だと思います。デンマークでは、男性が育児休暇をとるのは当たり前ですが、むしろとりにくい環境にしている上司は良くないとされるくらいです。出産後、父親に与えられる2週間の育児有給休暇は、おそらくほとんどの父親が何のためらいもなく確実に取っている休暇だと思います。
デンマークでは新生児の育児は夫婦でするものであって、母親の実家で母親の両親の手助けの元で父親不在で行われることはまずありません。母親と父親が直接関わってこそ、これから始まる長い育児を夫婦で確認できるわけで、この最初の2週間を父親がいっしょに過ごす事の意味はとても大きいと思います。
また、ほぼ全ての父親が、こうした新生児の育児体験をしていることで、社会的にも子育ての感心や意識が高くなる事は間違いのない事実だと思います。実際、学校に行くようになっても、送り迎えや教師との面談にも父親も積極的に参加しますし、そうした時間をとることに雇用主の理解もあります。
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