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小水力発電の現状

先月28日、長野県木島平村でありました、小水力発電の講演会に行ってきました。
講演会でもありましたが、日本の場合地形や降水量の特性から水力発電、とりわけ小水力発電に適したところが多いのですが、今までの電力政策のおかげで日陰者の地位に追いやられていました。しかし、ここへ来て環境の問題やエネルギーの地産地消の意識の高まりで小水力発電に再び目が向けられ始めたと言うことで、市民参加型の小水力発電の模索が始まっていました。

小水力もコストが見合うようになると、企業の参入も予想され風力発電と同じようなことにもなりかねません。特に、山間部の農山村は太陽光発電や風力発電には適していなくても、小水力発電に適したところは多いと思われ、特に一般家庭で自家の消費電力ぐらいはまかなうエネルギーのポテンシャルは十分あるのではないでしょうか。

転載


ECO JAPAN 2010年03月01日
ニッポンの自然エネルギー最古の自然エネルギー 
小水力発電に脚光
金子憲治、相馬隆宏(日経エコロジー)、山根小雪(日経ビジネス)
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20100215/103206/?P=1
古くから伝わる出力1000kW以下の小水力発電が注目を集めている。河川や上下水道、農業用水など国内における利用可能量は300万〜500万kWに達する。有望な環境ビジネスとして大手商社も市場に参入した。

イメージ 1

 国内有数の温泉地として知られる静岡県伊豆市の天城湯ヶ島。ここで出力100kWの小水力発電設備が稼働中だ。10年以上放置されていた発電設備を東京電力の子会社、東京発電(東京都港区)が改修し、2006年8月から運転を再開させた。

 発電に使われた最古のエネルギーといわれる水力。かつては自前の水力発電設備を持っていた地域が多く、停止した状態の設備があちこちに存在する。湯ヶ島のものも老舗旅館である落合楼(現・落合楼村上)が1953年から自家用に使っていた。

「水利権」の取得が壁に
 小水力発電の国内での導入実績は約20万kW。環境省は、2020年までに約9倍の174万kWの導入を見込む。全国小水力利用推進協議会は、2050年までに原子力発電所数基分に相当する300万〜500万kWの発電が可能と推計する。

 だが、「水利権」などを定めた河川法が障壁となり、導入が思うように進んでいない。発電のために河川などから取水する場合、国土交通省などの許可を得なければならない。下流で水を利用している土地改良区や漁業協同組合などの承諾が必要になる。関係者と協議し、国交省などから許可を取得するまでに2〜3年かかるケースが珍しくない。

 2009年3月には、東日本旅客鉄道(JR東日本)の信濃川発電所が、取水量の超過や最低限、放流しなければならない「維持流量」の不足などで国交省から行政処分を受けた。こうした不祥事の影響もあって水利権を得るには時間がかかる。

 東京発電の落合楼発電所は落合楼から水利権を譲り受けたが、10年以上も取水していなかったために「遊休水利権」と見なされ、水利権の取り直しを求められた。その結果、放流する量が増え、発電コストが上昇した。取水口にたまった落ち葉を自動的に取り除く装置を取り付けずに人手で掃除するなどコスト削減を徹底。約1億3000万円を投じた建設費は、国の補助金や売電収入によって20年で回収できる見通しだ。

 発電の再開に当たって堤防を整備したことで、「水のきれいさがお客様によく伝わっている」(落合楼村上の村上昇男社長)と宿泊客の満足度向上にも一役買っている。

 河川に比べて大きな発電出力は期待できないが、浄水場で浄化処理を終えた水など水利権の取得が緩和されるケースもある。小水力発電事業を推進する東京発電は、浄水場をはじめとする水利権不要の水資源を狙う。自社が所有する8カ所の小水力発電所のうち6カ所は、新たに水利権を取得しなくて済んだ。

汎用水車を導入しコスト削減

 採算が厳しい中で、小水力発電市場に本格的に参入する大手企業も登場した。丸紅は2009年2月に、グループ会社である三峰川(みぶがわ)電力の4番目の発電所として、出力480kWの小水力発電設備を稼働させた。

 建設費の3分の1に国からの補助が使えることに加えて、RPS法に基づく売電収入が見込めることで、「なんとか投資基準レベルに入ってきた」(丸紅の酒井宗二国内電力プロジェクト部長)。商社の持つコスト削減ノウハウをフル活用し、5年以内に小水力発電所を10カ所、発電出力を3000〜4000kWまで増やしたい考えだ。

 小水力発電設備の建設費は一般に1kW当たり約160万円ともいわれる。事業を拡大するには、コストの大部分を占める建設費をいかに抑えるかがカギを握る。水力発電は、地域によって水の流量や落差が千差万別。発電効率を高めようとすると一つひとつ独自仕様の発電機を開発することになり価格が高くなる。


丸紅が出資する三峰川電力の小水力発電所。複数の汎用発電機を水量に合わせて稼働させることでコストを抑えた。 そこで丸紅は、国内メーカーの汎用製品を利用する方法を選んだ。出力100kWの発電機を6台設置し、流量に応じて運転する台数を制御する。専用に開発した機器と比べると効率は落ちるが、導入コストを下げられる。

 発電所まで水を運搬する導水管の素材はFRP(繊維強化プラスチック)を採用した。一般に使われる鉄鋼に比べて材料費は上がるが、導水管を接続する溶接工程を省ける上、重量が軽くなり土木工事費を抑えられる。こうした工夫の結果、計画時に7億円と見積もっていた総工費は約3割少ない5億円で済んだ。発電した電力は、電力小売りを手掛ける親会社の丸紅に販売し、RPS法の環境価値を中部電力に売る。

山梨県に小水力支援室

河川の状態を遠隔監視して運転担当者の負担を減らす 電気事業法で義務づけられている主任技術者の選任も大きな課題だ。三峰川電力は3つの発電所が近くに集まっているので、技術者を兼任させることで増員を抑えた。

 水資源の豊富な地域では、自治体が主体となって小水力発電を開発する動きが活発になりつつある。

 山梨県は2008年11月、「小水力発電開発支援室」を設置。自治体などに開発候補地の情報を提供したり、流量の測定など技術面の支援を実施したりしている。山梨県が調べたところ、県内には98カ所、2万2000kW分の候補地が存在することがわかった。これまでに約120件の問い合わせを受けており、26地点で支援を開始した。2009年度は2つの発電所を建設し、2010年度以降はさらに2カ所追加する計画だ。

 水力は、設備の建設から発電までライフサイクル全体のCO2排出量が最も少ない。昼夜に関係なく発電できるため、設備の利用率も70%以上を期待できる。小水力は1カ所で発電できる量は少ないが、地域の電力を賄う地産地消型のエネルギーとして開発余地は大きい。

 上記の記事「脚光浴びる自然エネルギーの老舗 小水力発電」は、『日経エコロジー』2010年2月号に掲載された記事です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2010年2月号掲載時の内容となっております。
 『日経エコロジー』は環境経営やCSR(企業の社会的責任)推進体制の構築、ISO14000の導入・運用を担当される方々に向けた、月刊ビジネス誌です。
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