今週の「週刊エコノミスト」から注目記事抜粋
10月23日号。「原油再高騰」草野豊己(草野グローバル・フロンティア代表)
9月12日に原油先物価格が80ドル台に乗った。この原因は、ヘッジファンドが原油先物市場にリスクマネーを持ち込んだためだ。今回の原油価格高騰を主導しているのは、「バブル転がし」のシナリオに乗ったヘッジファンドを中心とする、リスクマネーである。
サブプライム・ローン問題でリスクマネーを株や証券化商品から引き揚げ、原油先物市場に持ち込んだのだ。
先の8月の市場混乱では、ヘッジファンドの4分の3が損失を出した。そこで儲け口を考えたのが原油先物取引だ。取引原油価格の400倍もの投資資金が飛び交う、原油先物市場で一儲けをたくらんだのだ。
もう一つヘッジファンド資金の行き先が、東南アジア株式市場だった。そのため香港などのアジア株は高騰している。
問題のサブプライム・ローンは来年12月までに金利があがるものは約100兆円もある。だから再び来年、金融危機がやってくる。そのためヘッジファンドは原油先物投資においても、短期の投資を繰り返し、リスクを最小化しているのだ。
しかしあらたなバブルを生みながら、舞台を次々と移す「バブル転がし」は永遠でないことを覚悟すべきだろう。
原油高騰は、日本経済にどのような影響をもたらすか。(神田慶司。大和総研エコノミスト)
原油価格が10ドル上昇すると、日本のGDPは0.1%低下する。それは名目輸入額が増加し、輸出から輸入を差し引いた純輸出が減少し、名目GDPが押し下げられることである。
06年度の原油輸入額は11.4兆円。他の石油製品と併せると13.2兆円です。原油価格が10ドル上がると、石油製品輸入額は2兆円増加する。GDPの名目では0.4%の低下だ。
加えて設備投資や民間消費も減速する。しかし企業の営業利益への影響度は、全産業で1%ほどの低下で、企業業績を左右するほどの影響はない。しかし産業によっては、大きく収益を低下させる分野もある。
矢島の意見。
以前から述べているように、原油価格の高騰はアメリカの石油備蓄政策によるものである。今年当初、戦略石油備蓄(年間消費量を1割を備蓄)を中止したとき原油価格は60ドルに下がった。
しかし石油メジャーやヘッジファンドが悲鳴をあげるや、ブッシュは再び備蓄を開始したのである(10年間で倍の量)。ヘッジファンドは、もう政府による備蓄中止はないとみるや、堂堂と原油先物市場に投資を続けたのだ。
しかし、このまま原油価格が上がり続けることは考えられない。原油バブルもいつかははじけるのだ。というのはアメリカでは物価上昇がすさまじい勢いで起こっている。アメリカを始め世界の消費者がいつまでも黙っているはずはない。
そして、再び金融危機が到来するであろう。しかしそれはバブルの崩壊であって、世界の崩壊ではない。むしろ世界は正常化へのリターンとかんがえればいい。
|
トラックバックされた記事
http://blogs.yahoo.co.jp/hotcreationjp/trackback/327657/47186921
トラックバック先の記事