フロム・ア・ディスタンス/ベット・ミドラー
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人類はまたやってしまった。そう、戦争を。グルジアとロシアの衝突。独立運動と石油の利権に絡んだ争い。また罪のない人々が死んでゆく。何度繰り返されるのだろう。そして指揮をした指導者たちは何食わぬ顔で停戦協定に応じる。 湾岸戦争を思い出す。 この曲が発売された1990年、イラクのクウェート侵攻があった年。もとは作者のJulie GoldがNanci Griffithのために書いた曲を、Bette Midlerがカバーしたのだ。そして翌年がアメリカを中心とした国連軍によるイラク空爆という、いわゆる「湾岸戦争」の年。ただ、この曲が書かれたのは1985年ごろなので、湾岸戦争を意識して書かれた曲ではないとは思われる。God is watching now(神様は見ている)というサビのフレーズ、日常に「神」が根づいているその他多くの宗教については心にくるものがあるフレーズなのだろう。仏教徒(というか宗教的発想のない)日本人には理解しがたいかもしれないが、単に距離的な遠さから考えて、from a distance(遠くから)眺めると、you look like my friends(あなたも私の友だちみたい)、みんな同じ人に見えるわけだ。細かい差異を争って何になる。他者を激しく攻撃する人が日本でも増えているが、from a distance, you look like my friendsなんだよ。 でも、この歌、湾岸戦争に派遣された兵士を励ます歌として使われたそうだ。(アメリカ国防省からも表彰された) God is watching now.と繰り返す所が兵士の心を和らげ、また、「私たちは、中東の平和を願って派兵してるんだ」という意志を示したいということなんだろう。 結局、現代の戦争は、「私たちが侵略します」と言って始めるわけがないのだ。すべて、「守る」ため、自分たちの信じる「正義」のためなのだ。本音は決して口にしない。 歌っているベット・ミドラーは元はミュージカル俳優、その後歌手としても有名になる。ジャニス・ジョップリンの半生を描いた映画「ローズ」を製作・主演し、主題歌も唄った。(名曲!) 彼女の歌声は、心に響く。 youtubeユーザーが作った映像。たぶんアメリカ人。映像の後半からはいかにも国防省が喜びそうな感じ。だけど戦っている兵士たち自身に罪はない、と私は思う。罪は指導者が負うべき。 http://jp.youtube.com/watch?v=ouUXmLkMS-s ///////////////////// 遠くから見れば 遠くから見れば、 この世界は青と緑で、 雪を頂く山々は白い。 遠くから見れば、 海は川と接し、 鷲は飛び立とうとしている。 遠くから見れば、 ハーモニーが聞こえる。 それは国中に響き渡り、 それは希望の声、 それは平和の声、 それは全ての人々の声。 遠くから見れば、 みんな満ち足りて、 困っている人はいない。 そして、銃もなく、 爆弾もなく、 病気ももなく、 飢える人もいない。 遠くから見れば 私たちは音楽隊の楽器。 ひとつの国を練り歩く。 希望の歌を奏でながら、 平和の歌を奏でながら、 それはあらゆる人々の歌。 神様は私たちを見ているのよ、 はるか遠くから。 遠くから見れば あなたは私の友だちみたい。 それでも私たちは戦争をしている。 遠くから見れば、 こんな争いがが一体何になるのか、 私にはさっぱりわからない。 遠くから耳を傾ければ、 ハーモニーが聞こえる。 それは国中に響き渡り、 それは希望への希望、 それは愛するものへの愛、 それはあらゆる人々の心、 それは希望への希望 それは愛するものへの愛。 そう、これはすべての人々の歌。 Translated by hotel_zihuatanejo
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「こんな争いが何になるのか」
正にその通りですね。
自国の体制維持の為だけに敵を見つけ、体制から眼を逸らすように争いを起こす。それはかつて見た姿、通ってきた道。
2009/1/5(月) 午後 10:22 [ axel ]
axelさん ようこそ。
>自国の体制維持の為だけに敵を見つけ、体制から眼を逸らすように争いを起こす。
うん、納得です。
2009/1/6(火) 午後 8:58
なるほど、そんな解釈になってしまうんですねぇ。詞そのものは、決して戦争を認めてるわけではないのに、数奇な運命をたどるもんですね。いい曲だけに、変な使われ方はして欲しくないですね。
TBありがとうございました。オムニバス記事ですが、TB返しさせていただきます。
2009/3/10(火) 午前 0:19
コシさん
アメリカ国防省のくだりは、当時友人から聞いた情報でした。びっくりしましたね。それ、逆だろ、と。Godが詞に登場すると、保守派などは自分の方に反応してしまうのでしょうか。
2009/3/10(火) 午後 8:47