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先日、東京にて建築家の深川良治先生の講義を受けた。
講義のタイトルは「かりてかえす熱と水と光の家」。
エコ建築について知りたい事があった矢先に、講演のお知らせが飛び込んで
来たので急遽東京まで受講しにいった次第だ。
詳しい内容は後日書くが、講義の中で一番関心を惹いたのが「土壌」の話。
現在、放射能汚染地では除染の一環として土壌のはぎとりが行われようと
している。
これをやっても大丈夫なのかどうかについて先生は一石を投じてくれた。
表土にはいろんな生物が住んでいる。
上から 5〜10cmには好気性微生物
10〜30cmには嫌気性微生物
30〜60cmにはミミズなどの小生物
らが住み、落ち葉などのリタ―を分解して植物の栄養素と変換
させている。
微生物が一番分解させる力を持っている。
土壌をはぎ取ると微生物の活躍できる場所を奪う事になる。
分解してくれる微生物がいなくなれば、木や植物は栄養を得る事が
出来ずに育たないと言う事になる。
除染して表土15cmと落ち葉をはぎ取るとしよう。
落ち葉などのリタ―はできるのに100〜200年ぐらいかかるそうだ。
と言う事は、一度表土を剥ぎ取ってしまうとそこは植物が育ちにくい土地に
早変わりするわけだ。
それも長いスパンで。
何億という微生物を殺すことにもなり、これはすぐには復活しない。
やはり元の数に戻るには相当な年月がかかるだろう。
除染するには表土を剥ぐのが一番効果がある。
剥いだ表土を隔離してコンクリート製の大きな建屋に保管できるのなら
人間にとっての安全はきっと保証されるだろう。
だけど、その後木や草が育たないのならどうなのだろうか。
市街地はそれでも良いと思う。
植栽には栄養剤が必要になるかも知れないけど。
畑も田んぼも農作物ぐらいなら大丈夫なのかな?
チェルノブイリで前例もあるだろうしね。
しかし、山の表土をはぎ取るのは怖い話だ。
現実問題、一番放射性物質が溜まっているのは山だ。
木の葉っぱ、樹皮、落ち葉、土壌など高濃度の放射性物質が溜まっている。
「除染」という事を最優先で考えるのならば、全ての木を切り倒し、
表土を全部剥いで最終処分場に保管してしまえばほぼ完ぺきな除染が
出来るであろう。
だけど、それは景観が崩れるという事だけでなく、植物が育たなくなり、
山の保水力が無くなるから頻繁な土砂崩れと下流の都心部での川の氾濫を
引き起こす結果につながってしまう。
人間の都合をつきつめて考えた結果が後々に人間を苦しめるというのは
良くある話だ。
戦後、木材需要を見越して日本各地の山々に杉の植林をしていったのは
いいが、安い外国産材に押されて間伐しないようになり、日本の山は
荒れ果ててCO2を吸わない森になってしまった。
そして根を浅く張る針葉樹ばかり植え過ぎた事によって土砂崩れが
頻発するようになった。
原発なんかにも言えることだろう。
効率よく大量の電気を生み出す装置として作られた原発には放射能の
問題が付きまとっていた。
原発を造れば儲かる仕組みが出来あがっていた為、どこもかしこも
ろくな調査もせずに作っていった。
耐用年数が30年と言われていたものを経済的理由で30年を超えても
使用年数を延ばす許可をしていった。
しかも核廃棄物の最終処分場は決まっていない。
この原発にはこの先もずっと苦しめられる事になりそうだ。
他にも例を挙げるとキリがない。
話を元に戻す。
人間の都合ばかりでものを判断していくと後で痛い目に逢うというのは
長年の歴史で学んだ事。
山の除染を最終的にどうするのかはわからない。
木を全部伐採するのか、部分的に伐採するのかによっても違って来る。
私は1/3〜4以下の伐採及び土壌のはぎ取りに抑えるべきだと思う。
一番良いのは山の除染はあきらめる事かな。
放射能汚染も確かに怖いが生態系を崩しすぎるのはもっと怖いと
思っている。
ここはもう住めないと判断して、人間が撤退するのも一つの手だ。
山が汚染されていれば、花粉が飛ぶ時期にはきっと放射性物質が
舞い散るだろうし、川を伝って海に放射性物質が流れ込み続ける
事だろう。
それが怖いのはわかるし、私も怖いとは思っている。
キチンとした対策は取れないかも知れない。
もしくは生態系を崩さない除染方法だけを実践して少しでも減らすか。
色々な除染技術が日々生まれているので、除染方法が確立されるまで
少し待って見たらどうかな。
ちょっと、人間のペースで物事を進め過ぎだと思う。
生きているのは人間だけでは無いのにね。
それらの存在を無視すれば後で大きなしっぺ返しを喰らう事になる。
自分や党のことしか考えていない「どじょう」の気持ちなんてどうだって
いいし、興味もない。知ったところで日本が良くなる事はない。
本当に耳を傾けなければいけないのは、
土壌の気持ち、生き物の気持ち、みんなのキモチ。
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