『ガメラ4』 Chapter5 目標南下
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Chapter5 「目標南下」
京都7月9日早朝、まだだれも出勤していない京南大學考古学研究棟の1室、高来千里は薄暗い廊下にある古びた自販機で買った生温い缶珈琲を片手に、研究室の片隅に置かれた小さなTVの画面を食い入るように見つめていた。そこには報道ヘリからの生中継で、巨大な異形の生物が朝霧の中をゆっくりと深い峡谷沿いに移動していく姿が映し出されている。
「昨夜半、飛騨市池ノ山より出現した巨大生物に対して、松本市郊外に展開した陸上自衛隊第1、第10戦車大隊及び攻撃ヘリ部隊が通常火力による一斉攻撃を試み、巨大生物が西南方向に進路を転換したため、松本市市街地への侵入を一応阻止することに成功しました。しかし巨大生物が放射する高温熱線の直撃を受け、戦闘車両の消失、隊員の負傷等多大な損害を被ったもようです。なお損害の規模等詳しいことは未確認ですが、攻撃部隊の損耗があまりにも大きいため、防衛省幕僚本部から今後、有効な排除手段が確定できるまで巨大生物への直接攻撃を中止し、進行方向住民の避難および監視を徹底して、人口密集地への侵入阻止を重点とする誘導作戦に変更するよう各部隊に通達されました。なお緊急避難命令発動区域は長野県塩尻市、伊那市、駒ヶ根市…」等々
ニュースキャスターがせわしなく原稿を捲りながら無表情にマイクに向かって繰り返ししゃべり続けていた。
千里は、ここ数日徹夜続きで疲れがピークに達していた。しかし体の倦怠感が増すにつれ、逆に思考力はカミソリのように研ぎ澄まされ、視線だけがギラギラとして、まるで獲物を狙う肉食獣のような近寄りがたい危険なオーラを放っていることを自分でも自覚している。ここ数ヶ月守部文書の解読に没頭する中、いま中部地方を蹂躙している怪物の出現が自分の中で漠然とではあるが予見されていたことのようのに思われ、思いのほか冷静な自分にかえって違和感を感じていた。ただひとつ、このまま怪物が南下を続けると… 浜松の実家に預けている一人娘“梓”のことだけがどうしようもなく気がかりだった。
ドンドンドン!突然ドアをたたく音にはっと我に返り、振り返る間もなく若い男が倒れ込むように研究室に入ってきた。前屈みで肩で荒く息をする様子に一見してどこか負傷していることが千里にもすぐ理解できた。
「大丈夫!」
千里は青年の体をささえ近くにある古びたソファに誘導した。青年とは面識がなかったが、なぜかすぐに今回の一連の事件の重要な鍵をにぎる人物ではないかという想いが千里の脳裏に本能的に浮かんだ。
何時間ぐらい眠っていたのだろう。悟は混沌とした意識の中で何度も彩奈に対面していた。姉は何か大声で伝えようとしているだがどうしても聞き取ることができない。だんだん深い闇の中へ遠ざかっていく彩奈をどうすることもできずただ追いかけていた…
気がつき、あわてて起き上がろうとするとまた胸に激痛が走りソファに倒れ込んだ。外はどんよりとした曇空であったが陽はかなり高くなっているようだ。 「無理しちゃダメ」 声の方向に視線を移すと、長身の中年女性が缶珈琲を両手に持って近づいてきた。ひとつを悟に差し出すと、ソファの脇にある机によりかかって少し虚ろな視線で微笑んだ。 「理学部の比良坂悟君ね」 千里を何度か大學のキャンパスで見かけたことはあったが、物理学専攻と考古学専攻では普段何の接点もなく、面識はまったくといいっていいほどなかった。なのになぜぼくの名前を…悟は不思議に思った。 「さっき南飛鳥村の守部さんから連絡があったの。うちの院生の比良坂悟くんていう子が私に会いにくるって、大体のお話は聴いているわ。神岡でずいぶんひどい目にあったらしいわね」 そうか…昨日飛騨の病院を抜け出すときに、守部龍成に取りなしてくれるよう連絡したことをすっかり忘れていたことに気づく。まだかなり思考が混乱してるみたいだ。冷静にならなくては… そう思って起き上がろうとした瞬間また激痛に襲われ表情がゆがんだ。
「ダメダメそら言わんこっちゃない」 千里は笑いながら悟の体を支えた。千里には大學の教授のイメージにありがちな近寄りがたい厳格な雰囲気はまったくといっていいほどなく、スリムでスタイリッシュ、古びた研究室にはちょっと不釣り合いな存在に思えた。それでいて親近感を覚える人なつっこい微笑みが印象的な女性だった。 「蒼龍王がなぜ出現したのか真相を知ってる?」 千里がなぜ蒼龍王の名を…!?悟は再び驚かされ、表情が苦痛にゆがんだ。 「ゴメン驚かすつもりはなかったのよ。いま解読してる守部文書、その中にこの名が何度も繰り返し記述されているの。あと劉朱鳥に黒霊亀…判っているのは単語の羅列だけ、全容の解読はまだこれからなんだけど…たぶんあれが蒼龍王だろうと直感的に思ったわけ…」 千里は缶珈琲を一口飲むとふっとため息をついた。視線はやはり遠くを見つめているようで、凛としてはいたが疲労の色が深く読み取れた。 「ぼくには、なんであんな禍々しい怪物が神岡に現れたのかも理解できません。それにどうして姉がかかわっているのか…」 「実は私にも少なからず因縁があるのよ。あの怪物…」 脳裏にふと貴幸の笑顔が浮かんだ。千里はまた缶珈琲に口をつけた。
「悟くん『天羽羽斬(あめのはばきり)』って知ってる?」
千里の唐突な質問に悟は正常に戻りかけた思考を再びかき回されて混乱した。
悟はなにも答えることができなかった…。
「『天羽羽斬』は十束剣のひとつなの。十束剣というのは古事記や日本書紀に記述されている神剣の総称で、刃渡りが十束の長さの剣という意味で固有名詞じゃないのね。だから綾奈さんが龍星張の社から持ち去った剣は龍成さんからお話を聴いたかぎり真の十束剣じゃないように思う…。守部文書の中にも再三登場するんだけどその前後の意味が判らない。でも、今回の事件にとても重要な役割をしてるように思えてならないの。そうして今のところ最も真の十束剣に近いと思えるのが『天羽羽斬』、奈良の石上神宮に伝わる神剣で…」 そのとき、巨大生物関連の報道特番を流し続けていたつけっぱなしのTVから緊急放送のチャイムがけたたましく成り響いた。 「防衛省特殊生物対策本部より通達、本日13:30頃 南鳥島近海にて海自の哨戒機に捕捉された未確認飛行物体はガメラと確認、14:00分現在、小笠原諸島父島近海上空6,000mを亜音速にて日本本土に向け北上中!付近航行中の船舶および航空機は厳重なる警戒を要す!繰り返します…」
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最初、簡単なプロットを書くつもりだったのにここにきて会話を入れなければストーリーを表現しきれなくなりまして、えらく中途半端なものになってますけど〜プチ小説みたいなテイストで気にせず進めて参りま〜す
大学の研究棟の画像はコブクロムシの大学の建物を拝借、なかなか古さかげんがGOODでしょ〜
いよいよ、次回はシアンキングとガメラの第1ラウンド・・・かな?かなァ〜 |
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いよいよガメラが正体を表すのですね!
面白くなってきました。
早く続きをお願いしまーすm(_ _)m ポチ!
2012/1/24(火) 午後 10:02
ポチどうもです〜
やっと次回はガメラが登場できそう〜
第3ラウンドぐらいまでがんばって戦ってもらおうと思いマッス
これから続き妄想しますのでしばらくお待ちくださいませ〜(^^ゞ
2012/1/24(火) 午後 11:26
こんばんは。
千里さん、天海祐希さんを思い浮かべながら読むました。続きが愉しみです。
2012/1/25(水) 午後 6:13 [ ねんたん ]
いやァ…あ〜でもないこ〜でもないでUPしてからも休み時間にいじくり回してます〜(^^;
日本語の文法や表現ってほんと難しいですねェ〜
文章の修まりが悪いとすごく気になってかゆいところに手が届かないみたいに落ち着かなくなります〜いつのまにかぜんぜん違うストーリーになってたりして・・・
千里さんは天海さんを意識して書いてます。缶珈琲をトレードマークにしようかとwwwダハハ
2012/1/25(水) 午後 7:17