不惑の「芸術鑑賞日記」

以前は、オールジャンルでブログを書いてましたが、これからはクラシック音楽を中心として書いていきます。

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名古屋フィルハーモニー交響楽団 第369回定期演奏会「バーゼル」

5月の名古屋フィルの定期は、14日と15日。

本当ならば、14日の金曜日に行く予定であるが、今回は仕事の都合で、15日の土曜日に。
今回は、家族そろって名古屋に出かけました。
妻と長男もクラシック鑑賞につきあわせました。
ほかにもう二人男の子がいるのですが、託児所で遊ばせておりました。
(一人につき1000円の託児料金は、ありがたい限りです、開演前から終演まで面倒を見てくれます)。

いつもこの時期は、妻の誕生日近くで、Jポップのコンサートに行くのですが、
今回は、残念ながらJポップで私も好きそうな歌手がおらず…。

プログラム:
オネゲル:交響曲第4番『バーゼルの喜び』
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調(ピアノ 北村朋幹)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 作品47

今回のプログラムの目玉商品は、なんといっても「ショスタコーヴィチの5番」。
吹奏楽からクラシックは入った私にとっては、ショスタコ5番といえば、終楽章。
金管楽器が勇壮な旋律を吹奏する曲ですね。大変に有名な曲ですね。

バーンスタインとニューヨークフィル(東京ライブ)の演奏をLPで擦り切れるほどに聴きましたが、
あの演奏からすでに30年も経っているのですね。時の経つのは、早いです。

中学の時には、三楽章は眠くなるほどにつまらないと思っていたものですが、
30年後の現在では、三楽章も聴きどころはたっぷりの充実した音楽に思えきました。
年とともに、クラシック音楽はじっくりと味わえるようになってきた、そんな気がします。

さて、前置きが長くなりました。
ショスタコーヴィチの5番は、私の大好きな曲の1つでありますが、
未だに生演奏は聴いたことがありませんでした。

今回の名フィルの演奏を聴いて、
「ああ、なんてショスタコーヴィチはいい曲を書くんだ」と思いましたね。
「やはり、これはフィッシャーさんがショスタコを大の得意としているからだ」と。

すばらしい!!!
今回のショスタコの演奏では、何度も背筋がぶるぶるっと震えるような感動を覚えました。
フィッシャーさんが指揮されたからでしょうか、
このたびたび聴いてきた曲が「新鮮」「斬新」に思えました。

細かいミス、そんなもん関係ないように感じましたね。
弦楽器のピッチのずれ、コンマス氏のミス
どうでもいいやん、そんなもん。って気にさせられた大熱演でした。

フィッシャーさんが初めて名フィルを振ったのが、ショスタコの交響曲を中心としたプログラム。
その一度の出会いから、常任指揮者依頼に繋がったというから、
見事な演奏をするのも当然かもしれません。

指揮者の意図をよく飲み込みながら、演奏する名古屋フィルがおり、一体感が強く出ていましたね。

フィッシャー氏の相変わらず「贅肉をそぎおとすような弦楽器の切れ味鋭い音だし」
寒い地方の作曲家を髣髴とさせるようなヒンヤリとした弦楽器の響きの美しいこと、
ビブラートを極力控えた奏法も、
大変効果的にショスタコーヴィチの世界を描き出していたように思えます。

その前の北村朋幹さんのピアノによる「ラヴェル:ピアノコンチェルト」は、
とても楽しい曲。客席一番前のあるおっさんも、足でリズムをとりながら聴いていましたが、
ガーシュインの音楽などを思わせるような軽快で、洒落た音楽。
北村さんは、昨年の定期に続く登場ですが、前回のモーツァルトのコンチェルトよりも
こちらのほうが自由度が高い伸びやかな演奏のように感じました。

まだまだ19歳。東京藝術大学に入学されたばかりというではないですか、
のちのちが楽しみな地元の名ピアニストです。
昨年の演奏よりも拍手は大きかったように感じました。

ただ、相変わらずそっけないステージマナーです。
お辞儀をすると、そそくさと引き上げてしまうんですね。
もう少し、観客に顔を十分に見せてからお辞儀するといいと思うのですが…。
だれか…本人に言ってあげてくださいよ。
なんでしょう、照れてしまうのでしょうかね。これも「プロらしく」してほしい。

最初のオネゲル作曲の曲は、どなたも書かれているように、私もきれいなんだけど
どこかつかみどころがないなあという印象。
眠りを誘うような音楽で、気持ちいいなあって感じさせるものでした。
ショスタコの大音響の前に比較的小編成の曲をもってくる
フィッシャー氏の選曲はいつもながらうまい。

いいことばかり書いてきたみたいだが、ちょっと気になったのが管楽器群のメンバー。
ファゴットのシャシコフさん、クラリネットの井上さんがいなかったのは、なぜでしょう?
トランペットねえ、名フィルから退団と書いてあった藤島さんが、フル出場?
メインの部分をトラ頼み(元団員とはいえ)でよいのでしょうか?
クラ2、ペット1しかメンバーがいないのは、大丈夫なのでしょうか?

帰りに、トロンボーンの藤澤さんを駐車場で見かけるも、声をかけられず。
うーん、一昨年前の「ボレロのミス」がねえ。もし、それが見事なソロだったら、
「藤澤さん、サインお願いします」となったかも。

サントリーホールでの東京公演も、いろんな方のブログを見ると好評だった様子。
定期会員として、鼻が高いなあ。

この日は、振替でチケットをとったため、座席は再びステージ左のサイド席。
今回は、フィッシャーさんの表情をじっくり見られて良かったかもしれません。

あ、そう、この日の開演は16時なんですが、私15時と間違って記憶しており、
到着したときは、まだ開場前の14時40分。
約1時間ほど、オアシス21で、買い物や喫茶して過ごしました。
子供も喜んでいたし、まあいいかという感じでした。

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名古屋フィル 新シーズンはじまる

名古屋フィルハーモニー交響楽団の新シーズンプログラムが始まりました。
今シーズンは、「都市と音楽」シリーズとのこと。
常任指揮者ティエリー・フィッシャーさんが就任してから3年目になりますが、
今シーズンは、今までに比べて一般的によく知られた楽曲が選択されていますね。
肩肘張って聴くことがなくなるものの、新鮮な驚きが少なくなるのはちょっと寂しいようにも思えます。
 
第1シーズンでは、「ツァラトウストラ」で選曲に度肝を抜かれ、続く「四季」シリーズでは、指揮者、ソリストに
大変興味が沸きという感じでした。さて、今回はどうかというと、名曲シリーズという趣が強いです。
この不景気の中、観客動員に気をもんだせいだということでしょうか。
 
その際たるものが、4月の超人気指揮者のコバケンこと小林研一郎さんの起用でしょう。
しかも、チェコ本場でもコバケンさんの評価の高いスメタナ作曲の「わが祖国」。
 
定期会員になって3年目。
すでに、毎月1度は、名フィルの演奏会に行かないと気がすまないという半ば習慣化してしまった感じ。
それほど名フィルの定期演奏会に行くのは楽しみとなっています。
 
さて、4月の演奏会は、4月16日、17日なんですが、
毎度金曜日の夜に行くことにしていますので、私は16日。
 
今シーズンのマイシートは、今までのステージ近くのシートを捨てて、3階席にしました。
やはり、ステージのサイドや、指揮者の正面では、音の聴こえ方が不自然ですからね。
3階席は、演奏者の表情は捉えにくいのですが、音はバランスよく聴こえると思うのです。
 
その3階席、通常の定期演奏会ですと、空席が目立つのですが、今日はほとんどが埋まった状態。
やはり、コバケンさんの人気ゆえなんでしょう。観客の熱気もただならぬものが感じられます。
 
コバケンさんは、4月9日に70歳のお誕生日を迎えられたということで、古希ってことですね。
花束を贈られていましたが、まさしく指揮者自らの渾身のタクトで、
自らの誕生日を祝うような演奏だったと思います。
 
民俗舞踊的なところは、時に荒々しく、時に軽やかに、音の粒立ちもよく、
クラリネットのソロの井上さんも美しく歌い上げていて見事でしたし、
ホルンの安土さんのソロも柔らかい音色で安定感がありました。
金管楽器のコラールも、存分な音量で豊かなハーモニーを生み出しており、
力感も感じられるとともに、やはりマエストロ小林の存在の大きさだろうと思いました。
 
名フィルの定期演奏会で、コバケンの指揮でわが祖国は、4度目だそうです。
この指揮者は、取り上げた曲は、すべて完成度を高くしたいタイプなんでしょうか。
 
相変わらず、70歳となられても、炎がたぎるような熱い指揮ぶりは変わらずですね。
まだ長く、見ていたい指揮者です。
おそらく、この指揮者がまたまた「わが祖国」を振っても聴きたいと思うことでしょう。
金曜日にしては、めずらしい「満席」の客にこたえた名演奏でした。
 
マエストロの例の「口上」があったのですが、
「この曲を演奏したあとは、本場のチェコ・フィルでもへとへとになりますから、アンコールはありません。」
今日は、これでというあいさつがあり、マエストロらしく、すべてのお客さんに角度を変えながら
楽団員に礼をさせてお開きとなりました。
 
演奏もさることながら、いつもながら無料で配布されるパンフレットにも感心させられます。
今回は、都市と音楽シリーズ、
1回目は「プラハ」なんですが、プラハの町の写真がパンフの正面を飾っています。
いつも思うのですが、残したくなるパンフレットです(2年前の4月のものからずっとほぞんしてありますが)。
このパンフの解説を見ながら、演奏会を振り返ることもできますし、
これからも立派なパンフをお願いしたいです。
 
次回は、常任指揮者のフィッシャーさんの登場。しかも、ショスタコーヴィチの人気シンフォニーの№5です。
とても楽しみですが、無事いけるといいなあと思っております。
 

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年末にて今年聴いた演奏会を振り返る。

今年も、昨年から引き続き名フィルこと名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期会員になっておりました。まだ、シーズンは1月から3月の公演を残していますが、今年1月から印象に残った公演を書きつられていこうと思います。

定期公演では、5月、10月が行けませんでしたし、4月と7月は最初から聴くことができませんでした。昨年は、9月のみ行けなかっただけでしたが、今年は都合がつかなかったときが多かったです。ですので、今年は、第九と2月の市民会館名曲シリーズ、1月のしらかわシリーズ、コバケンスペシャル、名古屋国際音楽祭のチャイコフスキーチクルスを含めて名フィル演奏会には、年間14回聴きに行っていることになります。
外来のオーケストラは、3度、国内オケの名古屋公演が2度(都響、関西フィル)、地元のセントラル愛知は1度(11月)、ポップス系は2度、松本で1度(サイトウキネン)、東京で1度(NHK交響楽団)という内訳です。

私の感銘度からいきますと
まず挙げられるのは、8月の「サイトウ・キネン・オーケストラ(小澤征爾指揮)」のブリテン作曲「戦争レクイエム」です。
名演奏家を集めた大人気の国際的な音楽祭のメインプログラムです。
オーケストラのうまさは、格別ですし、合唱、ソリストまですべて圧倒的なうまさです。
これは、ケチのつけようのない完璧な演奏でした。
最後が、まさしく祈りのように終わっていくのですが、すべて音がなくなって「シーン」となった
時間の長かったこと、まさしく死者に対して深い祈りを捧げるかのごとくでした。
当然ながら、聴衆も熱狂的歓声が上がっていました。
いつもながら、本当に満足して演奏会場を後にできる質の高い音楽祭です。

松本市のこの演奏会会場も文句のつけようのない立派なホール(長野県松本文化会館)ですし、
ホールにいたるホワイエなどもすばらしいです。
本当に、長野県、松本市の誇りとするイベントであると思います。

今年は、意外にもチケット争奪合戦が低調で、定価よりも安くチケットが手に入ってしまいました。
確かに、チケット代は高価ですが、お値段だけのことはある公演内容です。

引き続いては、4月のドレスデン国立歌劇場管弦楽団(ファビオ・ルイジ指揮)。
「ドン・ファン」(リヒャルト・シュトラウス作曲)の冒頭だけでも圧倒的に美しく、
さらに勢いのある弦楽器の響きに圧倒されました。終始、美しい響き、まったく粗さのない演奏で、
圧倒的な音量のときも、音がつぶれないのが素晴らしいと思いました。

3番目には、3月のオランダのアーネム・フィル(小林研一郎指揮)。
日本でも人気指揮者の小林研一郎が常任を務める楽団であるので、あまり有名な楽団とはいえませんけど
聴きに行きましたが、思ったよりも素晴らしい楽団であると思いました。
とりわけ金管楽器の音色が素晴らしいのです。豊かな音量とともに、美しくコクのある音を聞かせます。
金管楽器が大活躍する「展覧会の絵」(ムソルグスキー、ラヴェル編)は、金管の妙技を堪能するに十分な曲であったと思います。

そのあとでしょうか名古屋フィルは。
2月のシューベルトの「未完成」と藤倉大の初演作品「アンペール」(フィッシャー指揮)
   市民会館でのプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」(フィッシャー指揮)
3月のグラズノフの交響曲第五番(小泉和裕指揮)
6月のショスタコーヴィチの「祝典序曲」(フィッシャー指揮)
9月のストラヴィンスキーの「火の鳥」(フィッシャー指揮)
11月のグリーグの「ペールギュント」(広上淳一指揮)
12月のドビュッシー/ホリガー:「黒い熱」(フィッシャー指揮)
が印象に残った公演ですね。
この一年、常任のフィッシャーを中心に聴いてきたのが分かりますよね。
フィッシャー指揮では、ほとんどはずれがない充実した演奏を聞かせてくれます。

名フィルの定期演奏会のプログラムは、常任指揮者のフィッシャー氏がセッティングしていると思うのですが、実にバランスよくプログラムしてくると思います。知られていないけれど、いい曲を随分と紹介してくれているように感じますし、ソリストも素晴らしい人を連れてきます。

ヴァイオリンのオーギュスタン・デュメイや、フルートのエマニュエル・パユのような世界的な奏者を迎えられるというのは指揮者の力によるところが大ではないかと思えます。

ついでではありますが、
名古屋フィルの公演では、演奏内容としてちょっとがっかりさせられたのは、
「コバケン・スペシャル」3回目、「しらかわシリーズ」でしたでしょうか。
あとチャイコフスキー・チクルスのヴァイオリン協奏曲を演奏したジョセフ・シン氏の奇抜な「カデンツア」。チャイコフスキーを聴きに来てあんなアジアンテイストのカデンツはありえないのではないかと。
あまりに私の好きなチャイコフスキーを愚弄するようなやり方で、ムカっときましたね。
こんな感情は普段は持たないのですが…。技術は、もちろん素晴らしいのですが。

日本のオーケストラでは、東京都交響楽団の演奏会を1月に聴きましたが、
とてもバランスのよいオーケストラですね。日本のオケは、管楽器が弱いと思うのですが、
都響は、どのセクションも大崩れしません。「新世界より」の各管楽器のソロも素晴らしかったです。

残念だったのは、関西フィル。「久石譲ミニマリズムコンサート」のオーケストラとして名古屋に来たのですが、どこかやる気が感じられません。久石さんのような有名人ですと、演奏内容がしょぼくても、お客さんは満足してしまうのでしょうか?それとも8月という夏休みシーズンは、気が乗らないのでしょうか。首を傾けるような演奏でした。演奏会で、このコンサートが「唯一のハズレ」といっても過言ではないでしょう。

私は、スタジオジブリ作品の音楽を担当している久石さんは、とても好きなんですがね。
あの自己満足的な第一部の作品は、なんとも理解できないですね。やはり、「映像とセットでの音楽」でないと合わないのです。メロディーメーカーとしては、尊敬もできる久石さんですが、
指揮者としては、三流。ピアニストとしては二流ではないでしょうか。
正直、久石さんよりもうまい指揮者は、ごろごろと転がっていると思います。
おそらく二度といかないでしょう。

逆に、満足できたコンサートとして「ディズニー・オン・クラシック」があります。
これは、アメリカのミュージカルスターによるところが大きいです。エンターテイメントとしては、アメリカのディズニー社のものは楽しく、しかも質も高く、視覚的にも工夫され、あっという間に時間が過ぎていくという感覚になりました。おすすめできます。
東京フィルの楽団員も実に楽しそうに演奏なさっていたように思います。
ただ、このコンサートは、スピーカー音源ですので、他のクラシックコンサートとは、単純比較はできません。

来期は、名フィルの常任フィッシャー氏は3期目となり、おそらく退任となるでしょう。名古屋の聴衆たちに圧倒的なインパクトを与えた氏には、まだまだ残って欲しいと思いますが、もっと世界的な指揮者となる器の人だと思いますのでね、さらなる世界的活躍を期待したいと思います。

引き続き、愛知の名古屋を中心にオーケストラを中心としたクラシック音楽を楽しもうと思っております。コンサート会場で見かけましたら、ぜひともお声をかけていただけたらと思います。

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11月1日より代表者に

私ですが、11月から父よりバトンを渡されまして

税理士法人いび会計センターの2代目の代表社員となりました。

父も70歳をむかえましたので、一線を引きたい、第二の青春を謳歌したいということから交代ということ

になりました。

前々から覚悟していたのですが、嬉しいという気持ちよりも、

責任が重くなるという気持ちの方が大きいです。

とはいえ、その責任から逃げないで、立ち向かうという気構えでこの職責を全うしたいと思います。

今年、あまりブログに力を入れなかったのは、

現実の世界でのコミュニケーションの時間を長くとりたいと考えているからです。

「従業員とのコミュニケーション」「家族(妻、子供)とのコミュニケーション」

いずれも私にとってとても大切なことです。

その時間が、ブログによって削られてしまうということであれば、

ブログにかける時間を減らさざる得ないと思いました。

これが、ブログからしばらく遠ざかっていた理由です。

ブログに対する「飽き」も多少は、ありましたし、

ケータイを買い換えたら、「カメラの性能」が落ちてしまったということもあり、

画像をアップしにくくなったことも一因でもありますし、

今年はさまざまな方に裏切られたという思いもありまして…。

昨日、2009年の仕事も終わりということで、年賀状も書きながら、ブログもということで、

書いている次第です。

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ドレスデン国立歌劇場管弦楽団:ファビオ・ルイージ指揮

イメージ 1

初めて聴いたドイツの超一流オーケストラサウンド

クラシック音楽の本場であるドイツのドレスデンからはるばるやってきてくれた
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(以下ドレスデンといいます)。

これまで海外のオーケストラを聴いた経験はあまり多くはなく

イスラエル・フィル、スカラ・フィル、アルメリア・フィル、
アーネム・フィルと「超一流どころ」ではなく、
知名度ではワンランク以上落ちるところばかりだったと思います。

ドレスデンは、まぎれもなく世界でもトップ10にも入るようなオーケストラです。
16世紀からの伝統のある「世界遺産」的なオーケストラ。
「レコード芸術」(音楽の友社刊)2008年5月号の評論家によるオーケストラランキングでも
ベスト10以内に入る超名門です。

会場の雰囲気も、みな期待感に溢れていました。
オーケストラメンバーが入場するときの拍手もいつも以上に大きく、期待の裏返しにも思えました。

指揮者は、イタリア人指揮者のファビオ・ルイージさん。
クラシック音楽に詳しい方のブログを拝見すると名指揮者であるという評判であり、
ぜひとも生で見たいという欲求に駆られていました。
前回は、オペラの公演で来日されていたと思いますが、
今回はリヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲を中心とするプログラムを携えての来日です。

プログラム(有料500円)によると、ドレスデンとシュトラウスの関係は深く、
シュトラウスはこのオーケストラによって自らの曲が演奏されるのを前提に作曲していたとか。
まさにシュトラウスの曲を演奏するためのオーケストラが、ドレスデンであると。
それを如実に示しているのが、ルドルフ・ケンペ指揮によるシュトラウスの作品全集の録音。
ケンペとドレスデンによるシュトラウスの作品集CD9枚組です。
通常、有名な交響詩などは、録音しても、あまり有名でないものは録音しないのが通常でしょう。

私もCDは、かなりの枚数持っているんですね。
ウィーン、ベルリンの次くらいに多いと思います。
レコードなどでも、とても有名なオーケストラです。

さて、ドレスデンは名古屋を飛ばしはしませんでした。
ウィーン、ベルリン、ついでにシカゴも名古屋飛ばしでしたが(笑)。
ロイヤル・コンセルトヘボウは、名古屋公演ありで、
ドレスデンもありがたいことに名古屋公演を行ってくれました。

ただ、ちょっと残念であったのが「シュトラウスをメインに据えるのでなくブラームス4番がメイン」
であったことでした。
以前、イスラエル・フィルの公演は、
前半をシュトラウスの「ツァラトウストラ」、後半を「新世界」(ドヴォルジャーク)としていました。
その際の「新世界」での音の重なりが貧弱に感じてしまいました。どうも物足りなく感じてしまうんです。
シュトラウスの大掛かりな音楽を聴いてしまうと、
他の作曲家で対抗できそうなのは「マーラー」「ブルックナー」くらいじゃないかと思うのですよね。

名古屋国際音楽祭 2009年4月27日(月) 午後6時45分開演
愛知県芸術劇場コンサートホール
ファビオ・ルイージ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
R.シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」作品20
         交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
ブラームス    交響曲第4番ホ短調
アンコール:ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
最大の見世物が、オーケストラそのものなんですよというプログラムではないでしょうか。
コンチェルト抜きのプログラムは、オーケストラの実力があることが大前提だと思います。

さすがに世界でも指折りのオーケストラサウンドです。
前半、シュトラウスのステージいっぱいの巨大編成で演奏された二曲のサウンドには
圧倒されっぱなしでした。
音の美しさ、強奏時の迫力どれをとっても、今までに体験したことのない素晴らしさです。
とりわけ弦楽器は、どのパートをとっても穴がないように感じられました。見事にそろえられたサウンドであり、その結果が圧倒的な迫力となって聴く者に訴えてきます。
CDで聴いているだけでは味わえない、立体感のある厚みのあるサウンドなんです。

このオーケストラ独自の美しい音に加えて、ルイージさんの指揮も見ごたえたっぷりでした。

もともとの重心の低い音作りに加えて、
ルイージさんのタクトは、さらに熱っぽさ、緩急の巧みさを
付け加えていたように思いました。
ルイージさんの棒さばきは、スタイリッシュでかつエネルギーに満ち溢れていました。
エネルギッシュとはいえ、よくコントロールされているのですね。
外見からしますと、学者なり哲学者然としていらっしゃるので、
「クール」な棒振りをなされるのかなと想像していましたが、
はじめから、その予想は外れたことがわかりました。
「ドン・ファン」の冒頭の指揮を見ただけでも、
「この指揮者はただものではない…」という雰囲気を感じました。

私としては、「ティル」が一番の名演だったと思いました。
パートソロの見事さ(とりわけE♭クラリネットでしたか)が印象的でした。
11000円の席でしたので、オーケストラの後ろ側に位置する席から聴いたのが残念でした。
このようなサウンドを生で聴けるのであれば、よりよい席で聴くべきでした。
2万円出しても惜しくないサウンドなのではないかと思えます。

これほどの名演を聴かせてくれるオーケストラは、滅多にないと思いますが
2階のサイドに位置しているシートの空席が大変に目立ちました。
もう少し値段を安くして、満員にするようにできなかったものかと思います。
いつもの名フィルの定演の方が、はるかにお客の入りはいいですよ。

休憩後の後半のブラームスについては、そこそこ味付けがあるパッションが入った演奏でしたが、
粘りは少なく、テンポが速めで、どちらかというと爽快感のある演奏でした。
前半と変わって、オーケストラの編成も人数を減らしたため、物足りなさを感じさせます。
それだけ、シュトラウスの管弦楽法が素晴らしいということであり、
決してオーケストラのでき自体が悪かったということではありません。
前半と同じく、美しくも濃厚なサウンドであり、
いつまでもこんな美しいサウンドに浸っていたいと思わせるものでした。

10年後は、ルイージは、指揮者界の中心にいるだろう

このように予感させられた今回の演奏会でした。
演奏終了後にできたサイン会に並ぶ人の列の長さにもそれを感じさせられました。
私も、「英雄の生涯」「アルプス交響曲」二枚のCDを購入し、サイン会の列に並びました。
大変に長い列でしたので、ゆっくり挨拶することはできませんしたが、
大変にこやかにサインしておられる様子が印象的でした。

マエストロという言葉を軽々しく使うのは、いやなのですが、
ルイージさんは、まさにマエストロという言葉にふさわしい指揮者だと思います。
今回、できればシュトラウスの三大管弦楽曲のうちの一つを聴きたかったです。
それだけが、心残りです。

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