俺の哲学

俺の言うことを信じるな!

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鈴木常吉さんのこと

こないだもいつも通り千鳥で働いていたら、ひょろ長い体の上に、いやにエラの張った大顔を乗っけたお客がいらした。
こういう風体の人はそういない。あ、鈴木さんだ、と思った。

イカ天キングにもなった「セメントミキサーズ」の歌とギターの人。
おふくろに共通の友人がいたので、彼女はさっそく友達になって、木馬亭の演奏会でもぎりをやって遊んだりしていた。
種村季弘さんのエッセイにその風景が描かれたものがあったと思う。
おふくろはなぜかイカ天バンドと仲良くなることがあって、「たま」の知久さんなんかとも親交がある。
そんな縁で、そういうことで、もう20年も前のことだからあまり覚えていないけれど、ご本人と会ったことがあるかないかも判らない。でもこっちは先方を認識した。

こういうときに声をかけるべきか否か。どう声をかけるか。だいぶ迷ったけれど、最後のお会計のときに名乗った。
「某の息子なんです」
鈴木さんは目を剥いて驚かれた。これはたまげた、と叫ばれた。
母君にはずいぶんとご無沙汰ですが、どうぞよろしく。だいぶ稼いだみたいだねえ。

帰ってから鈴木さんのことをネットで調べて、今度はこっちが驚いた。
漫画もドラマもどっちも素晴らしい『深夜食堂』の歌を歌っていらっしゃったとは。
恥ずかしいことに、ドラマがかかっていたその当時に、探した挙げ句myspaceで「あれ歌ってる人」見つけて聴いて、やっぱりいいねえなんて枯れてるんだろうね、なんて呟いていたのだ。それがあの鈴木さんとは、あの時は全然繋がらなかった。
鈴木さんのホームページにライブスケジュールのところがあって、千鳥に来てくれたときは、あのあとすぐ近所のライブハウスで歌を歌っていたんだった。

本日、吉祥寺の「中清」という蕎麦屋でライブをなさることを、そのホームページで知っていた。仕事だからライブには間に合わないけれど、CDだけでも買いにいこう、きっと売ってる、と思って、仕事が終わってから五日市街道をまっすぐ自転車漕いで行った。
ちょうどほとんど終わりかけで、「クロマチックスケールアコーディオン」とはいかなるものか、講釈たれていらっしゃるところだった。
右手はバカ用に作られているけれど、左手はちょっと頭よくないと難しい、そんな楽器らしい。
もとより狭い店だし、ガラリと戸を開ければそこにいる全員がこちらを振り向いた。なにを今さら来やがった、という風情。
本当に相すみません、手前の都合でライブに間に合わないことは判っていたんですが、CDだけでもいただこうと思いまして参上した次第です。CDください。
こう言ったら、今度は手のひら返したような、手のひら返したら打てないけれども、万雷の拍手でお迎えされるはめに。
すぐ帰るつもりだったから開けっ放しにしていた戸を、まあ閉めねえ、寒くてしょうがないよ、こっち座って酒飲みな。木戸銭はいらないよ、もう終わったも同然なんだから、そんな心配するなよ。この福島の酒はタダだよ。
恐縮するのも野暮なので、じゃあビールくださいとおかみさんに声かけて腰掛けた。
鈴木さんは、しばらく質疑応答のあと、楽器を床に置いてこちらに来てくださった。

酒を交わしながら話した。
世知辛い話をできるようになってしまった。
鈴木さんは何度か「闘う」というワードを使った。
古いなあ、そんなの、と思ってしまったけれど、鈴木さんにとっては、歌い続けることは「闘う」ことなんだろうなあ、と、徒然聞いて思った。
何より、今の今、鈴木さんが歌っていることが、もうそのまんまそれをやっているのだなあ。
翻って俺は。
帰りの自転車を漕ぎながら、泣けたのだった。泣くしかなかった。
前がよく見えないから、細い道をゆっくり折れて走りながら帰ってきた。

鈴木さんは、お役目終わっておかみさんに「おなか減ったでしょ、なに食べる?」って訊かれて、
「うん、腹減った。タネソバが食いたいなあ。うん、そうだなあ、トジソバちょうだいよ」
格好いいな。

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ラーメン屋始末2

まだ記憶が生々しいので、こうやって追体験するのもつらい。
なんだこの不味い代物は。
醤油は酸味が立ち、塩はいくら分量を調整しても定まらず、出汁の効いた海水。
「ダメだ、失敗だ。こんなもの、お客に出せない。お店の顔に泥塗れない」
ツヨシ君と、シェフのツトム君に味見をしてもらう。当然「???」な顔をしている。
「塩はともかく、醤油はまだいけるんじゃないの? 生醤油で試してみましょうよ」
やってみる。でもネガティブ。生醤油でダメって、スープどんだけ?
スープ単体で飲んでみても、ややパンチは弱いが、充分に成立している。でも、タレと合わせると、あり得ない味になってしまう。
それは焦る。
ツヨシ君、ツトム君、挙げ句は千鳥の店主も顔を出してくれていろいろとアドバイスを出してくれ、様々な手を試してみる(味の素も入れたけどダメ)なか、もし「ラーメン」をあきらめたら、麺も全部無駄になる。タレとスープは切ったとしても、「はつね」さんに分けてもらった麺だけは捨てたくない。
「ジャージャー麺にしよう」
急遽ツレに連絡して、ワケを話して、店に来てもらって、ジャージャー麺の肉味噌を作ってもらうことにした。
「ジャージャー麺なの? ジャージャー麺は辛くないんだよ。ジャージャー麺はむしろ甘いんだよ。辛いのは麻辣麺っていうんだよ。でも辛くしたいの? じゃあ、それはジャージャー麺じゃなくて麻辣麺だよ」
俺としては、もうそんな些末なこと(全然些末じゃない)に気を配る余裕などない。辛くていいからジャージャー麺を作ってくらはい。スタッフにそう言っちゃったし。ピリ辛ジャージャー麺ってことで。
裏の肉屋で豚挽1キロ、合挽1キロ買って、八百屋でネギ買って、その他揃えて、幸い店にでかい中華鍋があったので、ライブ本番始まっているにも関わらず、ニンニク臭店中にまき散らしながらどんどんやる。
ラーメンを期待して来てくれているお客さんもいる。ワケを話して、そんなワケでこうなって、などとずっと弁明しながら麺を茹でるだけの人になってしまった。
おかげさまで美味しい肉味噌ができたので、お金を払って食べてくれた人たちはおおむね満足のご様子。ああよかった。
烈女なり。

でも。それにしても。
ものすごいショックだった。
いくら初体験(分量が、家でやるのの20倍近いところとか、お代を頂戴する責任を負ってやるというのも)でも、失敗したとはいえ、その原因がいまだにわからないのが、ショックの主たる原因である。
スープは、その後も弱火にかけ続けたせいか、とても濃厚なスープが取れた。
半分以上は捨ててしまったが、持って帰れるだけのものは家に持ち帰って、何かと重宝するものにはなっている。
そんなスープと、ただの生醤油と合わせると、とたんに不味くなる。
この相性の悪さは、一体なんなんだ。

ラーメンって、とてもとても難しいものなんだなあと。
「俺が消えるか、ラーメンが消えるか、どっちかにしたい」
と思った一夜でありました。おしまい。はい、おしまい。もう人の悪口言わない。

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ラーメン屋始末1

10月30日、友人が切り盛りしている西荻窪「三人灯」がめでたく5周年を迎え、記念イベントが行われた。

「ラーメン、出してみませんか?」と店主のツヨシ君が言ってくれて、プロの厨房を使わせてもらうまたとないチャンスをくれた心意気に痛く感動して「ぜひよろしくお願いします」とお役目を承ったのが、もう記憶のむこうに遠のきつつある酷暑のおり。
ワンコインで、一玉100gくらいの軽めの量で、トッピングは叉焼、ほうれん草、ナルト、海苔。スープは醤油と塩の2種類にしよう。60食用意しよう。割高でも喜んでもらえるラーメンを作ろう。めでたいイベントだしね。
家で作るラーメン(わりといけるのである。客人をもてなしたこともある)のレシピを基本に、いろんな文献を読んだり、ネットで情報を集めたり、あちこち食べ歩いてイメージを作りながら、週に一度行く築地で食材をちょっとずつ揃えた。レードルやテボも購入した。
麺は「竹田製麺所」に相談に乗ってもらったが、100gの特注は割高になる(普通は150g前後)し、60玉の小ロットも難しいと言われ、あまり頼りたくなかったのだけれど「はつね」の店主にワケを話したら、「じゃあ、うちが頼んでる製麺所に訊いてみてあげる」。
結果、やはり100gは難しいと。なので、2玉をあわせ、3つに分ける作戦にすることにして、40玉取ってもらうことに相成った。
叉焼と醤油ダレと塩ダレはあらかじめ用意。
スープに使う親鶏と鶏ガラは「鳥一」で前日にゲット。親鶏が思いのほか高くてちょっとびっくりした。家にある一番大きい鍋にも入らないビッグサイズ。「三人灯」の冷蔵庫に預ける。道具その他も預ける。
当日は家からタレと叉焼と若干の乾物と包丁を持っていくだけで済むようにして、準備万端。
台風が近づいている。

本番当日の朝。やっぱ雨だよー。
10時に店を開けて準備を始めると聞いていたので、その時間に合わせて出立。
まず「はつね」に寄って麺をいただき(もちろんお金払ってね)、ついでに「これを入れるとぐっと旨味が出るよ」という、敢えてマル秘にさせてもらう具材をプレゼントしていただき、店へ。
あれ? まだ開いてないや。店先の椅子に座ってしょぼ降る雨の中待ち続ける。
だんだん焦る。開店が15時。スープを取る時間を逆算すると、そろそろ来てくれないとやばい。
それにしても、飯も食わずに出てきたので、いい加減腹が減った。駅前の「笠置そば」に戻って天丼セットを食う。
西荻でちょっと用足しがあって小腹が減ったときには、このお店は本当に重宝する。豊富なセットメニューがグンバツにコスパがいい。立ち食いの中でも(椅子だけど)蕎麦のうまさは特筆もの。「富士そば」やら、変な牛丼チェーンなんかに行かないで、ご用の方はこっちを使ってください。

腹を満たして、すぐ近くの「千鳥」に寄って、仕込み中の店主に「まだ来てないみたいなんだよ」とか愚痴をこぼしながら電話してみたら、「ごめんなさい、今来ました」とツヨシ君。
全速力で戻り、仕込みを開始。
まずガラ類を湯でこぼし、寸胴にスープの具材を投入して再度水から沸かす。
沸騰してからこまめに火加減を調節しながら、アクを取ったり、麺をほぐし分けたり、海苔を切ったり、なんだかんだしながらどんどん開店時間が迫る。
お手伝いのスタッフが来たり、ライブやってくれるバンドが来てリハを始めたり、だんだんわさわさしてくる。
時々、2階のステージから音響のことでお呼びがかかる。リバーブのセンドリターンがうまくいかないとか、シンセのEQはどうすればいいのかとか、左のメインから音が出ないとか。よほどこっちの方が蓄積があるので、我ながら人に安心感を与えつつ音と環境を整えるディレクションができるのである。
かたや、60食ものラーメンを提供するなんて、生まれて初めてやること。お代を頂戴する以上、相当の責任が生じるわけで、こっちは完全にテンパっている。
雨脚が強くなる中、ついに開店の時間を迎えた。やはり台風のせいか、客足はにぶい。
もうスープも出ただろう。味見をしたら、まあ良かろう。ようやくこの時点で試食にこぎ着けた。テボに麺を投入し、器にタレを入れ、スープを入れ、見よう見まねで覚えたタイミングで麺を湯切りして泳ぎ入れ、食べてみた。

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尖閣諸島は誰のもの?

じゃなくて、きのうの続き。長いし極私的な回顧録(捏造あり)なので、読んでくれなくていいです。

といっても、二日目土曜日の記憶があまりない。土曜深夜に飲んだ酒が、可逆的に記憶を飛ばした模様。
「練習の番ですよ」と起こされ、寝ぼけ眼でベースを弾き、終わったら酒を飲み、また眠くなって寝てたら「練習ですよ」と起こされ、弾き、飲み、そろそろ夕食の支度だねってことで、ガスパチョとトルティーヤを作った。気がする。昼飯の記憶はない。
トルティーヤに茄子を入れたのが失敗で、色が悪くなってしまった。中華鍋で無理やり作ったわりに味はまあまあだったけど、見た目の悪さで子供たちが手をつけないことったら。そういう素直さに、大人は落ち込むのであった。
夕食前にみんなでキャンプファイヤーを囲み、サイモン&ガーファンクルの美しいハーモニーを堪能しながら燃え盛る火を見つめる。一刻として同じ形をとどめない火の姿に、なんか感じる。
夕食後も練習やら酒やらでグニャグニャ。音禁の23時まで入れ替わり立ち替わりバンドが練習している。
日付が変わったあたりで、ああそうだ明日の昼食は手打ちうどんだった、でも俺午前中から起きて作業できるか自信がないということで、前倒しして見本打ちを始める。
粉の総量は6キロ。50人分のうどんを打つのだから、これだけ必要。これを1キロずつに分け、厨房にいた数人に説明をしながら(つってもレシピ参照しながらだけど)、水回し、捏ね、踏み、寝かし、のし、切りと手順を追って打つ。
そのあとで中高大の若者の輪に参加して飲み始めた焼酎が悪かった。残りのうどんをやったのが次の日の朝だったか、うーん次の日の朝だったような気がする。つまり日曜日。子供たちが喜んで踏んでたのを覚えている。
ただ、完全グロッキーで頭が割れんばかりに痛くて、もう一滴たりとも酒は入らん状態。固形物だって受け付けない。だから昼食時には寝込んでしまい、うどんを食べ損ねた。
ようやく復活の兆しが見えたので、のこのこ起き出して厨房に行くと、ほとんど残ってない。てことはうまくいったんだね、美味しかったんだね、と、ちょっと安心しつつ、作業を放棄してしまったことと食べ損ねたことを後悔。
その後はなんとか練習などをこなすも、酒は相変わらず受け付けない。そうこうするうちに夕食の準備。エビのパエリャ、イカスミのパエリャ、これらは炊飯器で。大量のエビの頭を刻んだタマネギにつぶし入れ、旨味たっぷり。サフランを一瓶全部水に戻す贅沢。イカスミの方にはなんとイカがないということで、急遽鶏肉を入れて取り繕う。
イカスミの炊飯器が駄々をこね、芯が残った生炊きになってしまう。これを、美人でボインのあやねさんのご長男が見事復活させてくれる。美人でボインのあやねさんは飲食店を経営していて、ご長男もバイトで厨房に入っている由、センスがいい。
野菜庫から大量のマッシュルームが出てきて、あ、これも俺の当番だったっけと、オイル煮を慌てて作る。これは、自分で言うのもなんだけど、とてもうまくいった。子供もよく食べてくれた。美人でボインのあやねさんのご長男の提案で入れた、残り物のベーコンを入れたのもよかった。
日が暮れた頃からようやく飲めるようになり、ハイチオールCもドロップして今晩に向けて万全の体制を整える。
厨房に立っているうちに、食堂では宴が始まっている。今年は「参加することに意義がある」ショパンコンクールが開催され、さっそく盛り上がっている。
それからバンドがどんどん演奏。子供たちだけで組んだバンドが初登場。中でもベースのサラちゃん(高1)が秀逸で、とてもベース歴半年とは思えない貫禄。大人は本気でジェラシー。終演後、ご褒美にストラップをプレゼント。
にぎやかな宴も終わり、みんなあっちこっちで飲んでしゃべって笑って。子供たちにとっては、盆と正月と通夜がいっぺんにやってきた感じで大はしゃぎ。去年に引き続き「陽水ゲーム」をやって声をつぶす。
夜半、給水塔に登った。残念ながら曇っていて、初日のような星空は見られなかったけれど、酒でほてった体を那須の風(田舎の香水つき)がひんやりと包んでくれる。後づけなのはわかっているけれど、こここそが、ある意味原点なような気がする。ここに登って、風を感じて、風景を眺めているのが、他でもない俺自身なんだという実存の証明ができるというか。脳が活発になると同時にトロリとなる。そんな場所が毎年待ってくれている。とても幸せなことだ。
明けて月曜日、同乗させてもらうY子さんが旦那と長男をピックアップしなければならないというので、ちょっと早めに帰路につく。渋滞もほとんどなく、大変スムーズに帰京。あーあ、帰ってきちゃった。
次の日から、みんな、通勤電車に揺られたり、家事に追われたり、宿題したりしてるんだろうなあ。
そういう日常と、那須での非日常。でもあれって、「非日常」って言ってしまっていいんだろうか。どっちの方が虚像? どっちの自分が「本物」?
賢い大人はこういう問いを立ててはいけない。答えは自明なのだから。
そして想いはまた来年に向けて密やかに胎動を始める。

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特捜検事逮捕

こいつ、プライドが異常に高そうなので、自殺してしまうかもと思っていた。それを防ぐためにも、早く身柄を確保したのはよろしい。

ということが書きたいのではなく、今年の山の個人的記録を書いておこうと思う。

金曜日22:30。美人でボインのあやねさんのご長男は今年大学1年生で、真子様のご学友である。サークルも一緒だそうだ。そのご長男と高円寺駅にて美人でボインのあやねさんカーにピックアップしてもらう。車には美人でボインのあやねさんのご長女(爆睡)と、先輩のW山さんがすでに乗っている。
荷物の積み替えなどをしつつ、出発したのは23:00前。先行車と蓮田SAで落ち合いましょう、でもこっちが遅れるようだったら先に行ってくださいねなどと連絡を取り合う。
しばらく環七を北上。適当なところから首都高に乗って東北道に入るんだろうなあ、と思っていたのに、十条あたりでカーナビの挙動が不審になる。
ご丁寧に赤羽駅のロータリーをぐるりと回ってみたり、一生行かないであろう住宅街の中の道を次々と指示する。
「これ、ひょっとして一般道優先で設定してませんか?」と問うも、美人でボインのあやねさんは取り合おうともしない。そういう人なのである。
ようやく川口に入ったあたりで、先行車から連絡が。もう蓮田にいて、休憩も済んだんだけど、そっち今どこらへん? え、川口の下道? なんで? じゃあ先に行ってるね。
そうこうするうちに、11時も半ば近くなり、こうなったら日付が変わったところまで下を走って、1,000円高速の恩恵にあずかろうではないかということになり、目的地に到着するのはだいぶ遅くなるなあと、覚悟を決める。

結局久喜から東北道に乗ったんだっけ。
そこからは順調にかっ飛ばす。美人でボインのあやねさんは、結構男っぽい運転をする。そう、あやねさんは美人でボインなのに性格は男なのである。
途中で運転を交代し、目的地までは俺が運転。普段運転しているわけではないし、人の子供を乗せているし、夜の高速だし、安全運転を心がける。でも、仕事をしていたときにはノアとハイエースを運転していたので、セレナは運転しやすかった。
車中バカ話で盛り上がりながら(「死因は歯槽膿漏ってあり得るんだね」とか)、2:20無事に到着。途中で高速優先に設定を直したカーナビの予想時間とほぼ同時。

空を仰いで息をのむ。なんて星空だろう。
那須にて詠む 星空や ああ星空や 星空や
としか言いようがない。
先に到着した大人たちは(当然)ビールを飲んでいる。すでにベロンベロンの人もいる。こんな時間だから当たり前か。
まだ起きて遊んでいる子供もいる。
俺もさっそくビールをグビリ。ああ美味しい。本当に美味しい。
今年もパラダイスに来た。風呂も便所も壊れて使えないし、熊が出るし、スズメバチは怖いし、布団は湿ってカビ臭いけど、我々にとってはまごうことなきパラダイスなのだ。
未明に就寝。続きはまた。

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