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鈴木式電磁気的国土拡張機 / 粟岳 高弘

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 全1巻  作:粟岳 高弘  「久龍(河出書房新社)」掲載他(2001〜05)/コスミック出版



【あらすじ】

 1930年から50年までの20年間、
 5世代にわたり、密かに開発が続けられてきた「電磁気的国土拡張機」は、
 素材も出所も不明の巨大結晶の側面に磁気ヘッドを押し当て、特定の信号パターンを入力すると、
 そこには存在しないはずの新たな空間が創出されるという画期的な装置であった!


 1950年代の末、国土拡張機により「空間ボーリング法」が発見されると、
 異世界に通じる孔を開けることにより、異世界への航行が可能になるかと思われたが、
 世界で8番目に開けられた孔より、突如、異星人の創り出した「惑星改変構造体」の侵入を受ける。


 こうして始まった異星人の侵攻は、
 1960年代に「環境改変ユニット」と呼ばれた「惑星改変構造体」を大量に送り込むことにより、
 地球環境の劇的な改変を実行して、人類を存亡の危機へと追い込んでいった。


 そしてついに人類は、最終的な対抗手段として、アラスカに出現した巨大環境改変ユニットに対し、
 核攻撃を実施したのであった!



【感  想】

 念のためにお断りしておきますが、上のあらすじは、正確に言うとあらすじというわけではありません。

 この作品集に収められているお話のうち、『鈴木式電磁気的国土拡張機』『3型拡張空間』
 『空中線』『遷移点の鉄塔』『上内沢遷移点』『異星構造体』
に共通する背景設定になるのですが、
 この漫画は、こうした設定に基づくストーリーを読ませるものではないと思います。


 じゃぁ、なんだ?ということになりますが、
 「環境改変ユニット」によって改変されてしまった、妙に田舎っぽくて、けっこう自然豊かな世界で、
 人語を解する妙な生物や異星人が登場して、
 少女が必ず、スクール水着やふんどし姿、もしくは全裸になる
、という趣向の漫画なのであります。


 なんだか、さっぱりわけのわからないことになっているわけですが、
 どうにも、「よくわからない」というのは、この作品を評する正しい言語なのではないかと思います。


 お話的には、設定や世界観はあるものの、ストーリーに結末やオチが明確にある作品はありません。

 それでは、つまらないのでは?ということになりますが、
 正直に言って、結論が無いのですから、話としては、面白いとは言えません。

 ただし、設定の持っているミステリアスかつ大ボラで、やけに壮大な雰囲気と、
 実際に登場する裸の少女と変な生物によって描かれる日常的ドラマとのミスマッチな雰囲気は、
 ちょっと味わったことのないような、ゆる〜い雰囲気を醸し出していて、
 なんとも魅力的なものがありました。


 作者によると、全編、一話完結の読み切りであり、
 作品集のテーマは、「80年代で田舎で夏」なのだそうです。


 絵柄は、鬼頭莫宏氏の少女をふっくらとさせ、ジブリ的な背景に取り込んだような絵柄という感じですが、
 少女のおっぱいを、乳首まできちんと描いていることには、妙に感心してしまったりもしました。

 また、たくさん登場する女の子の顔が、ほとんど同じなので、話がわかり難いところがありますが、
 もともと、大したストーリーということではないので、気にせずに読めば良いと思います。


 次は、ちゃんとしたストーリーのある中篇を創ってみてもらいたい作家さんです。

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