| 「ぬらりひょんの孫」 椎橋 寛 |
| 既刊1巻(ジャンプコミックス/集英社) 週刊少年ジャンプ連載(2008〜) |
≪こんなお話≫
関東平野の、とある町・浮世絵町を根城に活動する極道一家「奴良組」。
その実態は、魑魅魍魎の総大将である大妖怪「ぬらりひょん」が率いる、
百鬼夜行の総本家なのであった!
奴良リクオは、祖父である「ぬらりひょん」の血を4分の1継いだ、
奴良組3代目となるべき正統な後継ぎ候補。
これまで何回か、正統な血筋である妖怪としての底知れぬ力を発揮してきたリクオに、
一家の期待は高まっていたが、リクオ自身にはそんな自覚はまるでなく、
普通の中学生としての生活を送ることに悪戦苦闘する日々であった。
しかし、そんなリクオを取り巻く環境が平穏でいられるはずもなく、
「ぬらりひょん」の孫の存在をめぐり、様々な事件がリクオの周りで起きていくのであった…。
≪今後の期待度 ☆☆☆ ≫
妖怪一族のサラブレッドの物語というわけでありますが、
設定的な新味としては、人間と妖怪の血の配分比ということで、
それがゆえに、主人公における人間としての思いの強さがポイントになっていると思います。
いまのところ、主人公の行動の動機は人間としての立場からのものが多いわけですが、
時折表出する妖怪としての血がもたらす能力の強大さも、
物語の伏線として大きなアクセントになっています。
で、この妖怪である時の心情と人間である時の心情のギャップに、
ちょっと違和感を覚えてしまうのであります。
妖怪と人間という、ものすごく対照的な状況の明確化を狙った演出なのかもしれないのですが、
妖怪である時の力強いキャラがあまりにも際立ちすぎていて、
物語の連続性を考えた時に、ちょっとリアリティに欠けてしまっているのではないのかと…。
この辺のちょっと子供騙しなところが、良くいえば少年漫画らしさなのかもしれませんが、
大人の鑑賞にはちょっと辛いなと思うところでもありました。
ただ、ストーリー展開のヴァリエーションとして、いろいろなエピソードを構築し、
単純な妖怪退治とか、悪人退治とかに納まっていないところは面白いと思えます。
極道仕立てに設定をしたことで、跡目争いと勢力争いを話の中心として展開し、
今はそれが物語の流れの中心ですが、作品から感じる雰囲気としては、
もっと大きな話の展開が待っていそうな感じもします。
いずれにしても、今後主人公の立ち位置がどのように固まっていくのかで、
物語の方向性が大きく左右されそうです。
また、絵については無難ですが個性的でもないので、更なる向上を望みたいと思います。
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