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フェムトファイバー考察

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フェムトファイバーに関する第六次考察

今回の考察は、フェムトファイバーを構成する高分子(以下、これを「フェムト」と呼称する)

の高強度繊維用途以外への利用の可能性についてのものです



とりあえず、考察の前に、現在の私のフェムトに対する性質の想定を述べておきます

物理的安定性・・・準安定〜強く安定

化学的安定性・・・不安定

物理的性質・・・非常に強力

とまあとてつもなく簡単ですがこんなところです

とりあえず、フェムトで構成された長繊維(フェムトファイバーなど)は

物理的切断は非常に難しいなど、高い力学的性質を持つものの

溶媒などには十分可溶であり、容易にコロイドやゾル・ゲルを形成可能で

化学的切断も比較的容易など、化学的耐久性はそこまで高くない物質であると考えています

また反応性も高く、フェムトをホスト、又はゲストとするような様々な誘導体を製造可能

とも考えていたりします



というわけで今回のお話


1、樹脂・コンクリート・金属などの強化材料

おそらくもっとも可能性が高い使用方法です

樹脂に使用するのはほぼ当たり前でしょうが

金属に使う繊維強化材料は少々特殊なものが要求されるため

それに合致する繊維であるならば、特に強化材料としての広範囲な使用が見込まれます



2、不織布

フェムトが化学的に切断が可能であり、短繊維(ステープルファイバー)状に加工可能なら

それらをシート状に吹き付けた不織布への使用が見込まれます



3、膜

フェムトが極細繊維として加工可能であるならば高分子膜への使用が想定され

それらを応用した医療用材料としての使用や

特殊用途膜(濾過膜、吸水膜、吸着膜など)としての使用などいが見込まれます



4、電子デバイス

もしCNTに代表されるような特異な電子物性が認められれば

キャパシタの電極材料やLSIの配線など電子デバイスへの使用が見込まれます



5、光学特性

もし、光に関する何かしらの特異な特性(発光・偏光・特異な光学遷移など)が認められれば

それらが必要とされる特殊用途材料への使用が見込まれます



6、人工筋肉

フェムトを利用したゲル(注連縄に想定されるロタキサンなど)に

ポリ塩化ビニルのゲルに代表されるような電場応答性が認められれば

それをアクチュエーターに使用した高分子ゲルロボットや人工筋肉などへの使用が見込まれます



7、出発原料

ポリインがCNTやフラーレンへの出発原料として使用されているように

フェムトを出発原料とした様々な材料への転用が可能ならば

フェムトの材料や、材料にとどまらない分野(医薬品・化粧品など)への未来が広がるでしょう




というわけで適当に思いついた繊維材料の用途を連ねてみただけともいえますが

とりあえず書いてみました


フェムトがこの全てを満たす「ぼくのかんがえたすーぱーうるとらざいりょう」

である訳は無いでしょうが、どれか一つでも満たしているならば

ただの紐以外にフェムトが使用されている可能性がぐっと高くなります

まあ、本当にただの高強度繊維である可能性も高いのですが

個人的には6の人工筋肉や7の出発原料(特に超分子への)、などをプッシュしたいところです


逆に上記のどれかに使用していることが解れば、そこから構造を想定できるのですが

まあ、描かれていない以上、好き勝手に妄想するとしましょう

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フェムトファイバーに関する第五次考察 (第四次考察の追試)

この前の考察で最後に書いた

フェムトファイバーの予測構造であるカルビンの追実験結果をまだ途中ですが少し記します




対象分子 炭素数12(両末端には水素)のポリイン&クムレン 閉殻一重項状態

     → 炭素数8〜16で末端基を有る無しの条件を付けて追試を行う

使用ソフト Gaussian 03 
     
      → 追試ではGaussian 09に変更

計算条件 制限HF法、6-31G(D)基底関数系で構造最適化

      → 追試においての計算条件は同じ




結果

構造はポリイン型に収束

 →末端基の影響が非常に大きいことが判明
  末端基が無い場合はむしろクムレン型に収束

分子の中心(端から数えて6と7の炭素の真ん中)を起点とした原子間距離(単位:Å)


H    8.082063
C    7.024790
C    5.836665
C    4.452852
C    3.260395
C    1.882221
C    0.688676
C   -0.688676
C   -1.882221
C   -3.260395
C   -4.452852
C   -5.836665
C   -7.024790
H   -8.082063
(C:炭素、H:水素)

このことから、カルビンは中心を起点として完全に左右対称となること

中心から末端に行くに従って、三重結合は短く、単結合は長くなることなどがわかります

 →これらは条件をかえても特に変わらず

また分子軌道から求められた電荷分布は


H    0.357158
C   -0.869429
C    0.804893
C   -0.443400
C    0.491846
C   -0.273440
C   -0.067628
C   -0.067628
C   -0.273440
C    0.491846
C   -0.443400
C    0.804893
C   -0.869429
H    0.357158

となり、これも中心を起点として完全に左右対称となること

中心から末端へ、非常に電荷分布が偏ること

中心の二つの炭素を除き、負と正、交互に帯電することなどがわかります

 →さらなる追試の結果、上記二つは炭素数14を超えた場合必ずしもそうでは無い事が判明

例:炭素数16のポリイン

H    0.356192
C   -0.860695
C    0.726695
C   -0.342553
C    0.196292
C   -0.036731 ←
C   -0.185174
C    0.140782
C    0.005192
C    0.005192
C    0.140782
C   -0.185174
C   -0.036731 ←
C    0.196292
C   -0.342553
C    0.726695
C   -0.860695
H    0.356192

上記の二点で電荷の偏りのバランスが変わっている



とりあえずまだ詳しいことは私自身もまったくわかっていないので、めったなことは言えませんが

この結果だけでもカルビンがいかに不安定かが良くわかります

まだ炭素数を12に限定したからこそ、なんとか直鎖状で最適化出来ましたが

これ以上多い場合は直鎖状で安定することは非常に困難であると考えられます

 →追試においてgaussian09を使用した場合、炭素数14以上でも構造最適化が可能であった
  しかし、炭素数12以下の場合とはまた違ったデータが得られることも解った
  このデータの違いこそが、直鎖状で安定しない原因とも推測される

そのためフェムトファイバーの構成成分がポリインの長繊維である以外に

ポリインの短繊維(ステープル・ファイバー)の可能性

環状ポリインの可能性

ポリインを基本としつつ、別種の構造も持つ可能性

などを考慮する必要がありそうです


一応、いくつか安定の報告例がある、ポリイン内包カーボンナノチューブも計算しているのですが

計算終了予定時間が1000時間オーバーというふざけた計算量となったため

まだ全く進んでいません

 →第一原理計算を使用した方法ではほぼ不可能と断定
  密度汎関数法の使用を検討


結局はカルビンは不安定であるということを再確認したに過ぎない、とも言えますか

今後はこの結果をふまえて


ポリインの物性の研究

ポリイン構造で安定するとされる、ポリイン内包カーボンナノチューブや環状ポリインなどの計算

その他のポリイン構造安定の可能性の検索

フェムトファイバーの、超分子方面、特にデヒドロベンゾアヌレンを足がかりとした考察


などを行っていこうと思っています

これらの結果は来年発行予定の「フェムトファイバー本2」にでも



最初はふとした妄想程度でしか無かったフェムトファイバーの考察ですが

気付けば超分子の方面に片足を突っ込もうというほどにのめり込んでいます

最近は締め切り前という理由があるとはいえ、頭の中までフェムトファイバー一色になりつつあります

もうこれが一体、東方の設定考察なのか化学の学習&研究なのか良く解らなくなってきました

ただフェムトファイバーは、化学屋としての私に少なからず影響を与えたのは間違いありません

とりあえず行く所まで行ってみましょう

ヒャッハー!!



2010/8/01 追試データを追記

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フェムトファイバーに関する第四次考察

なんか考察が妙な方向に進み始めたので、一段落つけるためにちょっと書いてみる

今回書く内容はフェムトファイバー本の考察方向の簡易纏めであり

具体的な考察手順は本に書くので、ちょっと解りにくい話になっとります

手っ取り早く結論を知りたい方用となるか?



フェムトファイバーの構成成分に関する考察まとめ


第一想定:カーボンナノチューブ

結果:No

最も始めに考えた想定であり、もっとも始めに想定から外したもの

カーボンナノチューブ(以下CNT)は理論強度や理論弾性率を考えれば

おそらく最も合致するものだろう

しかし、CNTは繊維の枠にとらわれるような材料ではない

とくに「チューブ」、中空構造を持つ点が重要である

CNTはナノサイズのチューブであるため、その内部空間内の利用がとても重要であり

また、その特異な電子構造とも相まって

ただの細い繊維では到底出来ないような様々な利用法が考えられている

(例:CNT使用燃料電池、ナノ試験管、フラーレン内包ナノピーボットなど)

これら繊維材料以外の用途にフェムトファイバーが使用されているとは(記述からは)考えにくい

よってこの想定は考察初期段階で除外



第二想定:ケブラーに代表される芳香族含有剛直性高分子

結果:限定的ながらYes

ポリ-p-フェニレンベンゾビスチアオール(以下PBZT)

ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール(以下PBO)

などが考えられ、強度、弾性率の面からも高強度繊維として申し分ない

PBZT、PBO共に現存する有機系合成繊維としては最強クラスである

しかし、この物質はベンゼン環や窒素や硫黄、酸素などを含むヘテロ環を有することから

「余計な物がない」というフェムトファイバーの記述面を考えるに

以下で挙げる物質よりも可能性は低くなると言わざるを得ない

よって限定的とした

しかし、性能の面では十分条件を満たしていると考えられる




第三想定:炭素繊維

結果:おそらくNo

これは性能の面では申し分ない

また、「余計な物がない」という点も炭素のみで出来ている点からクリアしていると思われる

しかし、先のCNTやPBOなどと違い二次元の層構造をとるため、「細い」という点をクリアしにくい

また、PAN系炭素繊維はポリアクリロニトリル、ピッチ系は石油、というような

特に後者は月面環境においてあまりにも入手しにくい原料を出発原料としているため

その点も無視できない

そもそもこれをOKとする場合には第一想定もOKとしなければならなず、Noとした

ただし、PAN系ならば可能性もあるため、おそらく、とする



第四想定:チラノ繊維に代表されるシリカ系繊維

結果:限定的ながらYes

先の第三次考察(原料)の面からもっとも可能性が高いとした繊維であり

性能面では上記の物よりはわずかに劣るものの、十分高強度・高弾性としての能力は有する

しかしながら、この繊維自体の用途が高温条件下における強度の保持のような耐熱性が重視される点

から、必ずしもこの繊維を高強度材料に使う必要が無いとして限定的とした




第五想定:ポリエチレンの超延伸繊維に代表される屈曲性高分子の超延伸材料

結果:おそらくYes

現存する「工業利用可能な」材料の中で、最も構造が単純であり(-(CH2-CH2)n-や-(CH2-O)n-など)

また、分子の断面積も200pm前後と最も細いため、これが最も可能性が高いと考えられる

強度の面も、先のCNTや炭素繊維などグラファイト構造を持つ繊維を除き

超延伸した理論強度のみなら有機系合成繊維の中でもトップクラスとなる

ただポリエチレンなどは60度を超えると強度が低下し、伸度が増え

100度の環境においては実に30%程度まで強度や弾性率が低下する、など

屈曲性高分子の多数に当てはまる、あまりの耐熱性の低さは無視できない欠点である

(先にあげた繊維は数百度から、炭素繊維などは実に三千度の耐熱性を誇る)

また、次に想定する材料の存在から「おそらく」とした




ここまでが以前までの想定であり、現存する高強度繊維から考えた考察である

ここまでの想定からの考察として



フェムトファイバーとは

ポリエチレンを極限まで超延伸して得られる分子鎖(これを固有名「フェムト」とする)

を束ねて得られる高強度・高弾性繊維である



と半ば結論づけていた



しかし、調べている内にとある仮想的な物質が出てきたため、考察が妙な方向に進み始めた

具体的にはガチの学術研究分野への方向という意味で

なので、これから先は

フェムトファイバー「考察」ではなく、フェムトファイバー「研究」になるのかもしれない

まあ、おもしろそうなのでかまわず進むことにする

というわけでその想定をわずかながら記す




第六想定:ポリイン構造・クムレン構造を持つ直鎖状炭素クラスター(カルビン)

結果:未知数

カルビンとは

クムレン構造(=C=C=のように二重結合が直鎖状に続く構造)と

ポリイン構造(−C≡C−のように三重結合と単結合が直鎖状に続く構造、アセチレン構造ともいう)

の二種の共鳴系を持つ直鎖状炭素クラスターで、特に後者はπ共役系として興味深い挙動を示す

この物質は考えうるあらゆる繊維状物質の中で最も「細い」と考えられ

末端を除き炭素のみで構成されることから最も「単純」である

また、理論強度も炭素繊維の理論強度よりも大きいとされ、とても高強度でもある

以上のことからフェムトファイバーの記述に最も合致するといえる


ただ、この物質の最大の問題点はまったく安定でない、という事である

(炭素数が多くなればなるほど通常条件下では数分と持たない)

いまだ、真空や極低温など特殊な条件下や、ロタキサン構造をとるなどの特別な構造をとらない限り

全く安定にならないなど、繊維材料としての使用は不可能ともいえる


しかし、通常環境下において直鎖構造で安定して存在することができたなら

これはまたとない科学力の証明ともいえる

なにせ現状ではこれを安定させることは非常に困難なのだから

もし、これ単体が安定して使用できるとされるなら化学屋は腰を抜かして驚くだろう

そうなれば「月の圧倒的な科学力」と言われても十分納得できる


よって色んな意味でフェムトファイバーの構成成分の可能性が高いと言える

ただ、さすがにあまりにも未知数であり

研究データもCNTやフラーレンなどと比べて圧倒的に少ないため、今後の研究が必要であるので

結果は未知数とした

続報を待て!



というわけで、本格的にカルビンの研究をやってみようかと思います

とりえあえず、ここに書いてある考察の具体的な思考法を月の宴3で出すフェムトファイバー本で

カルビンの研究とそれによるフェムトファイバーの考察結果を纏めたものを次の本で

という形にします




フェムトファイバーを知らなければカルビンという興味深い物質を知る事もなかったかと思うと

なにか、フェムトファイバーに感謝しなければならないのかもしれません

もう、私にとってはカルビンを知る事ができただけでも儚月抄という作品は十二分に評価に値する

とも言えてしまうのでしょうか

いやはや、人生なにが起こるか解らんものですなぁ

だからこそ面白いとも言えますか

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フェムトファイバーに関する第三次考察

というわけで半分習慣になったフェムトファイバー考察をば


といってもこの内容は次の月の宴で出すフェムトファイバー本にも書くつもりですが

まあ、この項目は本を作成する用の考察メモ的な感じで



今回は原材料からフェムトファイバーを考えてみましょう

いくら「月の科学は世界一ぃぃぃぃぃ」

といっても無から有を生み出せるとは思えません

「出来る!」

と言われたらこの考察はそこでストップしてしまうため無視し、出来ないことを前提とします

「某蓬莱の薬ばりに月人の能力を使って作ってた場合はどうすんの?」

と言われた場合もこれは完全に科学の範疇を通り越すため、この想定では考察を行わないこととします


あくまで、フェムトファイバーが化学的手法に乗っ取って作られた物質であると想定します



繊維は原材料の種類や製造法、機能や用途によっていくつかの種類に分ける事ができます

まあここでは最も一般的な方法で分類するとしましょう

まずは繊維の製造法から、ものすごく大雑把に


天然に産出される物質をほぼそのままの形で使用し、それを繊維状に紡いだ

「天然繊維」

人が程度の差こそあれ、原料に手を加えた後、紡糸した

「化学繊維(人造繊維)」


の二種に分けられます

といっても、ここはほぼ悩む事は無いと思われます

まさか月の大地はフェムトファイバーが天然に取れ放題なカオス空間、というわけでは無いでしょう

ということでフェムトファイバーは化学繊維であることは想像に難くありません



ここからが本題となります

この化学繊維をさらに分類すると

天然高分子(木材パルプや海草など)を一度溶解した後、繊維状に凝固し再生する

「再生繊維」

天然高分子を化学反応によって一度、分子構造を変化させ(官能基の置換など)た後、紡糸する

「半合成繊維」

石油などを原料した低分子(ベンゼン、各種アルコール、アルカンなどなど)を縮重合させて合成する

「合成繊維:有機系」

各種無機物(ケイ素、フッ素、ホウ素、アルミニウム、チタンなど)を縮重合させて合成する

「合成繊維:無機系」

の以上の種類に分けられます


では、フェムトファイバーはどの分類に当てはまるのでしょうか

といっても、これも余り難しい話ではありません

前者二つは程度の差こそあれ、糖類やタンパク質を原料とし、それを「再生」した繊維であり

フェムトファイバーの記述にあるような「高強度」はとても満たせるような代物ではありません

もちろん、それが繊維として優れていないというわけではなく

これらの繊維が持つ風合いなどは中々合成繊維では代替しにくいものですが

残念ながら資材としての繊維には適していません

これらのことからフェムトファイバーはおそらく後者の二つのどちらかである事が推察されます

これは私が今まで行ってきた、そしてこれからも行うであろう考察の根本とも言えます



閑話休題、それでは本題の原材料を考えてみましよう

漫画版儚月抄の記述などから見て取れること(月の環境が正確に記述されているとして)から

繊維の原材料となりうる物質は


木材(セルロース)

アルコール類(酒があるので)

窒素化合物(植物が育つということは無いとおかしい)

岩石(ケイ素、硫黄、チタンなどは月の石より月面に存在することが確認されている)

各種金属類(月の海の下層に存在するとされる)

星間物質(直鎖状炭素クラスターなど。これは特殊、というか結構無理があるので割愛。本にて解説)


あたりと考えられます

とりあえず、炭素、酸素、窒素、硫黄などの有機物、そして各種金属などの無機物

これら合成繊維の構成成分となりえる両種の物質がとりあえずは存在する、という事が考えられます

しかし、ここで重要な事が一つあります

それは有機系合成繊維の根幹ともいえる石油・石炭類の存在が確認できないことです

もちろん木材を燃焼させることによりベンゼンやアルコール、カルボニル化合物の類は得られますが

いかんせん収率が悪い

そもそも地面の下にやたらと鉱物資源があるのだから、そちらに目を向けるのは当然でありましょう


たとえ科学がいくら進んでいようと、技術は必要や環境に応じ、段階的に進んでゆきます

合成繊維も当初は無機系の合成繊維(ガラス繊維)からスタートしました

これは一次大戦において石綿代替材料として求められたものが切っ掛けだったのです

そしてこれはガラス糸や石綿、岩綿という無機繊維の歴史があったからこその技術でありました


その後有名な「ナイロン」が開発され、有機系の合成繊維の道がスタートした訳ですが

これはセルロースなどを研究する(有機)高分子化学という学問と

石油・石炭を研究する石油化学という学問の融合による技術でありました


さて、では(裏の)月というある種閉鎖的な場所において

資源が地球よりも相当数限られる場所において

有機系合成繊維という、はっきり言えば有機系の資源を大量に消費する技術が

果たして発展可能だったのでしょうか

そもそも月社会において有機化学という学問自体が発展する「必要」があったのでしょうか

正直、それは考えにくいと言わざるを得ません

そして有機系に対し、圧倒的に鉱物系資源が多い環境において、無機系の発展の方が促される

そう、考えるのが自然ではないでしょうか

といっても、薬学が真に発達しているのであれば

その方面より有機化学が発達していてもおかしくは無い訳のですが

ただ、「能力を使って薬を作った」だとか

桃の木しか生えてない様な環境(薬学は薬草学、そしてその薬草を利用する医学から出発している)で

薬学が我々の世界と同じような発展をしたとは考えにくくはあります


そもそも、それを言い出すと(自称)圧倒的に進んでいるという月の「科学」と

我々の定義する「科学」が本当に一緒のモノなのかとかなり怪しいのですが

なにせ我々が持つ理論と月の理論はかなり違うものなので

まあ、これ以上話すと本筋とは全く関係がなくなるのでこの程度としておきましょう

ただ、「科学とは幾重にも重なった知識と歴史、そして先人達の努力の結晶である」

とだけ書いておきます



というわけで原材料の面から考えるとフェムトファイバーは

ケイ素(Si)を主成分とした、シリカ系無機繊維(例:チラノ繊維)

アルミナを原料とした、セラミックス繊維(セラミックスファイバー)

フラーレンナノチューブ、カーボンナノチューブなどの直鎖状炭素クラスター

などの無機系合成繊維の可能性が結構高くなるのです



なお、実の所はフェムトファイバーは有機系、と当たりを付けているのですが(詳しくは本に記載)

この仮説に対する反証として、この考察を行っていたりします

まあ、各種物質から構成元素を単離可能で、なおかつそれらの元素を自由に組み合わせることも可能

なんてトンデモ科学力を月が持っているのならば

上記に述べたような考察は素粒子扇子で吹き飛ばされるがごとく粉みじんになるのですが


…ハッ!

まさか、素粒子扇子の真の姿とは

素粒子を自由に制御し、化学物質の分解・生成を思いのままにする超技術の結晶であり

それを利用した兵器である、ということか!

そして、18〜19話の一連の流れの根底にあるのは

その制御技術を駆使して作られたのがフェムトファイバーである!

という、このフェムトファイバーと素粒子扇子の関係を描いた

とてもとても深く考えられた設定だったんだよ!


…もし、これらのような設定が本気で考えられていたのなら

もうフェムトファイバーで何話使おうとも一切文句も言いませんが、まあ、無いでしょう


結局は記述が少な過ぎて判らないという話に行き着くのですが

それゆえに考察(妄想)のしがいがあるので別にいいんですけどね




はてさて、ではどのような繊維構造がフェムトファイバーとして考えられるのか

それは…(これを書くにはブログは狭すぎるので、続きは月の宴3で発行のフェムトファイバー本で!



………いや、ね、決して宣伝している訳じゃないのですよ

ただ、本気で書き始めると本当にここでは収まらないのです

現状30ページを軽く超えそうなペースで進んでいるので

後、しっかりと基礎から説明しないと本当に化学系の人にしか理解できない内容になっているので



なので、もしよかったら実際に本を見てねー

…こんな内容じゃ客寄せにもならんでしょうが

それでも、少しぐらいは興味を持ってくる人が、ほんの一握りぐらいはいる!はず!だといいな!



しかし、自分でもアレなんだが、ここまでフェムトファイバーにハマるとは思わなんだ…






考察参考資料

新繊維材料入門  宮本武明・本宮達也:著

新繊維原料学  相宅省吾・岡村雍一郎:著

高機能繊維の開発  シーエムシー出版:発行 渡辺正元:監修 

東方儚月抄  一迅社:発行 ZUN:原作




うどんげっしょー

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フェムトファイバーに関する第二次考察

フェムトファイバーという物を考える時、実はその名前が微妙に思考を阻害するのでは思い始めた


つまり、帝人が開発したパラ系アラミド繊維が「テクノーラ」という商品名であるように

米Carborundum社が発明し、日本カイノール、群栄化学と引き継がれた

フェノール系繊維、ノボロイド繊維が「カイノール」という商品名であり

これを材料や前駆体とした繊維が「カイノール繊維」や「カイノール炭素繊維」と呼ばれているように

実際の所、フェムトファイバーという名に使用されているフェムトという単語は

実は量としての、10^-15を意味する接頭語としての“フェムト”では無く

商品名、もしくは一般名としての「フェムト」であり

この「フェムト」という一般名の素材を使用した繊維商品が

「フェムト繊維(ファイバー)」であるのではないか


さらに広義として考えるならアラミド、ポリエステルのような

ある種の結合や縮合が存在する重合体の総称として

ある種の有機化合物、もしくは無機化合物の総称として

「フェムト」という言葉が使用されているのでは無いか


あの紫の腕を縛る場面で使用したのはあくまで商品の一つであり

その他にもフェムト繊維強化プラスチック(FFRP)とかの複合材料や

フェムト系〜繊維、フェムト超延伸繊維などが存在するのではないか


豊姫があのシーンで述べた「フェムトとは〜」のくだりは

実は「フェムト繊維」を開発した企業なり研究所なり開発者なりが

月の行政府にこの商品を納入するにあたって

技術畑ではない一般人の心に響き易いように作ったただの謳い文句なのでは

そしてこの商品の能力が必要であり、別に本質などどうでもよかった豊姫が

あのシーンで嘯いてみただけなのでは無いか


そう考察してみる次第である
















と、まあ考察というより半分以上妄想に近くなったような気がしないでも無いが

この考えが今の所、繊維学に片足を突っ込んだ身としての私が納得しうる回答である

実際の所そこまで突っ込んで考えられてないし

フェムトというのも量の意味で使ったというのが答えなのだろうが

そう言ってしまっては風情もクソもないので気にしない

まあ、いずれ考えも変わるかもしれないが、次の月の宴3で出してやろうかと考えている

「フェムトファイバーにみる繊維学」本もこのような考察を元に

初等繊維学の解説や、さらに踏み込んだ材料としてのフェムト繊維の考察をしてみるつもりである

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