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小説アンブロークンとそれに関する話題について語ります。

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続きです。

東京大空襲の場面

町山氏は東京大空襲の場面もちゃんと描いていて公平だと述べています。


(町山智浩)で、たとえば東京大空襲のシーンがあって。それではその、日本の民間人が家を焼かれて、ものすごくもう、大虐殺されるっていう画もちゃんと見せてるんですね。


前回書いたとおり、わたしはこの意見には賛成できません。原作はさらにひどいです。前回のコメント欄にpickyさんへの回答として書いたとおり、原作では民間人の犠牲者に関して一切触れられていません。それどころか司令官のカーティスルメイが民間人殺戮を正当化するために主張した民間人も家内工業も軍需産業に携わっているということをあとづけするような証言をザンペリー二は行っています。
"...Louie noticed something shining.  Standing in the remains of many houses were large industrial machines.  What Louie was seeing was a small fragment of a giant cottage industry, war production farmed out to innumerable private homes, schools, and small 'shadow factories'."(27章、p438)
(ルイ(ザンペリー二)は何かが光るのに気づいた。多くの家のがれきに残っているのは大きな産業機械だった。ルイが目にしたのは巨大な家内制産業のほんの一部だった。軍需産業は数え切れないほど多くの個人家屋、学校、そして小さな隠された工場が請け負っていた。)

戦後のザンペリー二

映画には出てこないザンペリー二の後半生について。

伝道師Billy Graham により「再生」する。

戦後ザンペリー二はしばらく荒れた生活を送ったのち、1949年に福音派のBilly Grahamに出会い感化されます。
(町山智浩)で、限界まで追い詰められたところで、この人、結局、やっぱり教会にいって救われたんですね。で、キリストの言葉でね、『汝の敵を愛せ』って言葉がありますよね。

Billy Grahamについて言及がありませんが、彼なくして戦後のザンペリーには語れないとおもいます。
ザンペリー二は福音派(Evangelicals)(プロテスタントです)の伝道師Billy Grahamに出会います。彼によって”Born-again” 再生したのです。このBilly Graham という伝道師は政界にも多大な影響力を持っています。歴代の大統領とも親しく関わってきました。ニクソンとの関わりはとくに有名ですが、以前ジョージブッシュJr.の強力な支援団体は福音派だと話題になったと思います。がちがちの共和党支持者だとばかり思っていましたが、今回調べて本来は民主党支持だったのに、アイルランド系カトリックのケネディが大統領候補になったことに反発して、共和党とのつながりが強めたと初めて知りました。融通の利く人みたいで、2012年の大統領選でモルモン教徒のロムニー支持にまわると、それまで彼のサイトにあったモルモン教はカルトであるとの記述があっという間に消去されたとか。民主党のオバマ大統領とのツーショットもみられます。



ザンペリー二は1949年にはこういった大物の知己を得、感化され、「赦し」たのだそうです。案外あっという間ですね。その後、彼は2014年に亡くなるまでChristian inspirational speaker として、自分の体験を語ることで生活しました。

Inspirational speakerとは講話者とでも訳すのでしょうか。人々を啓蒙するため自分の経験を話して聞かせる仕事をします。私は信者ではありませんが、プロテスタントの礼拝に参加すると、誰かが自分の経験等を話した後で、神に祈ったりしますね。ザンペリー二のテーマは「赦し」戦後70年一貫して自分の戦争体験を語ることで生活してきました。

こちらは、Billy Grahamの伝道の集会で話すザンペリー二。日本人が一般に思い浮かべる礼拝(大草原の小さな家みたいな)とは随分趣きが違いますが、米国で日曜日の朝テレビをつけると、こういうのを見かけます。


https://youtu.be/O5UkPM0mTh8
Louis Zamperini Testimony at 1958 San Francisco Billy Graham Crusade

(ビデオがうまく貼れません。ごめんなさい。)

巣鴨プリズンの中に入れるザンペリー二

(町山智浩)で、救われたってことで、それをザンペリーニ氏がですね、それを渡邊軍曹に伝えたくなったんですって。私は救われたよ!と。


1949年に感化されたワタナベを赦したザンペリー二は1950年突然巣鴨プリズンを訪れます。これは39章に書かれています。彼の生活は貧しかったと話しているにもかかわらず、です。いったいどうやって飛行機代を工面したのか、誰かが出してくれたのか、巣鴨へいく目的はなんだったのか、何かの任務でもあったのか。何も書かれていません。

巣鴨ではワタナベ以外の自分を虐待した看守達に再会し和解したとあります。捕虜収容所の看守達は巣鴨に収監されていたので巣鴨を訪ねたとあります。巣鴨の850名の元看守達の中に自分を虐待した連中をみつけたけれでも、ワタナベはいなかったと。「赦した」わりには執念深いですね。

そして彼らと和解したと。

Inbewilderment, the men who had abused him watched him come to them, his handsextended, a radiant smile on his face.

(奇妙にもザンペリー二を虐待した連中はザンペリー二が腕を伸ばし輝く笑みで自分たちのところにやってくるのを見たのだった。)

だから、町山氏の言う彼を虐待したのはワタナベだけという話は誤りです。

(町山智浩)これは周りの証言から照らし合わせると、事実ですよね。他の人は虐待してなかったんで。


不思議なのは、ザ

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    アンブロークンは民間人に対する無差別爆撃を正当化する意図があるように思います。
    ザンペリーニの著書「Devil at my heels」にも、次のような、空襲の正当化ととれる文章がありました。

    The raid over Tokyo was more than inspiring, and it gave our souls the power to endure through any hardships to come. In the Tokyo area alone, 250,000 civilians were armed, knowing the Allies might invade any day.

    [ picky ]

    2015/3/21(土) 午後 9:54

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