ジビエ料理&ハンティングのシェフブログ

ジビエ料理専門店「アレコ・レーノ」のシェフブログ。

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それは何気ない会話から始まった・・・




A:「鵜(う)って美味いのかな?」

B:「ウだけにウまいんじゃね?」

C:「確か魚食ってるから臭くて食えないって聞いたことあるぜ」

D:「うんオレもかなりまずいって聞いたコトある」


話題は狩猟鳥に認定されたばかりの鵜(う)。




ハンターは実に単純な生き物だ。

不味いと言う獲物の話題はほとんどスルーになる。

現にその後鵜(う)について語る人間はまったく居なかった。




普通の猟談義の中でも不味い獲物の話題はスルー傾向にある。

鹿やイノシシ、キジや鴨などの話題はひんぱんに出て来るが、タヌキはどうしたとかゴイサギはどうだと言う話はほとんど出番がない。




つまり魅力の無い獲物には誰もが興味を示さない。

これは人間社会で言えばOLが社内の男性を見定めるようなもので、魅力の無い男は鼻もひっかけられないのと極めて似ている。

ひとたび他のOLがそんな話題でも持ち出そうものなら 「あら○子、あなた彼のこと気になるわけ?物好きねぇ〜」 と相成ること間違いなし。




ハンターもしかり。

もし鵜(う)やタヌキやゴイサギ、はたまたカラスなどの話題ばかりをしているハンターが居たとしたら、仲間うちから変わり者と言う非常に名誉な称号を与えられるコトになる。





しかし鵜(う)に至っては昨年解禁になったばかりのニューフェイス。

テーマに出したところでまだまだ許される(笑)。

これが不味いキモい臭いの3拍子が同定されてしまった後ならば、鵜(う)など食おうと言った途端、間違いなく変人のレッテルを張られるに違いないのだ(@@)。



しかし鵜(う)の何たるかを語るにはある意味今が

どうせ試食をするなら話題が旬のうちのほうが良い(~~)。





そこで今回のお持ち帰りになったと言う次第。





見るからに鹿肉チックな胸肉に塩と胡椒(こしょう)を振る。

フライパンに油をひいて焼きはじめると、新鮮な肉特有の丸みを帯びだす。

熱が入るにつれ、鳥類の特徴にたがわず急激にサイズの縮みが生じる。




香ばしい匂いがおいらの予想をはるかに裏切る



なんだ!?この美味そうな香りは!




そう、焼きが進むにつれ実に美味そうな香りが立ち始めた。

それは鹿肉の香りにも通ずる。

しかし問題は味だ。こればかりは実際に食べてみないコトには・・・




この日は偶然にもM君と某豊和精機の社長夫妻が顔を揃えた。



ふっふっふ・・



試食には実に都合が良い。

仮においら一人が食べたとてその評価の信憑性をいぶかるヤツはどこまで行っても疑うに違いない。

がそれが4人の感想ともなれば、その評価は極めて真実味を帯びる。





しかも一組はハンターやシューターを相手に商売をしている銃砲業界の経営者。

そうそういい加減なコメントなど出来るはずもない。



見た目には実に美味しそうに焼きあがった肉をみんなの前に持って行く。




かたずを呑んで見つめるM君に引導を渡すおいら。



「見てないで食べてみ」





恐る恐る肉を口に運ぶM君。

一口食べた途端その表情が激変した。




うっ!

コレふつうにうめーじゃん



豊和精機『まじっすか!?』


M君「うん。普通に鹿肉。まんま鹿肉だよコレ」




そこで豊和精機の社長も一くち口へ。


豊和精機『ほんとだー!何これっ!鹿肉だよ〜』




社長夫人「へぇ〜そうなんだー(@@;)」

豊和精機『お前も食べてみろよ』


社長夫人「うん」


と言って夫人もう肉を口へ。



夫人「ほんとだー。鹿肉だねー。おいしい!」



とめいめいに感嘆の声。




そこへ豊和精機の社長が・・



『これ、最後のほうに磯の味がするっ。海草の味って言うか・・』




全員ほんとだー!!





そう、鵜(う)のお肉は鹿肉にクリソツ。そして最後のほうにまさしく磯の香りがすると言う何とも不思議な味のお肉なのでございました。


決して巷に言われているような食べられないシロモノではないのです。




M君は痛く気に入ったようで、彼が残さず最後まで食べたことから察すると、腕の悪い料理人の作る鴨料理などよりははるかに美味いのではないだろうか。




この意外な結論に一同・・





まいった!




のひと言でございました(~~)v

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閉じる コメント(22)

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leadshockさんこんにちは。今回の試食に関しては私も初めてのことであり、美味しい不味いを一羽の試食程度で同定出来るものではありません。またご指摘のようにダイオキシンなどの蓄積も見逃せない問題です。また有害物質の圧縮蓄積に関しては日本人が主食としている魚貝類にも同じことが問題化しています。

しかしこれらはあくまでもサンプリング調査の中でたまたま発見されたに過ぎず、全個体がそうであると断定された結果ではありません。なので現時点では鵜(う)やカラスやタヌキなど、人間の生活環境と接する機会の多い野生動物全てにそのような危険性があるかのような発信にはやや問題がありますね。

しかしそうは言っても見付かった事例があることも事実です。あとはハンター自身の自己責任に於いて遊ぶしか方法はないでしょう(笑)。

2008/12/3(水) 午前 8:35 あれこしぇふ 返信する

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woodenpestleさんこんにちは。少なくとも食べた鵜の肉は最後までちゃんと食べられる食味を有していたと言わざるを得ません(~~)。野生動物の行動範囲と環境変化による行動変化については専門家であっても断定的結論を出す事は不可能です。ゆえに全野生動物が食に値するかどうかのお墨付きを発することも不可能と言うことですね。日本近海で漁獲される貝類や魚類などからも重金属やダイオキシンなどを蓄積した個体が見つかっており、ノルウェーなどの北欧圏ではそのことを踏まえた魚の養殖事業が盛んになっています。つまり人間が絶えず水質を検査し、そして有害物質の入った食餌を排除することにより完全に安心な魚類を提供しようとする試みです。これはすでにかなりの成果をあげ、このシステムそのものによる認定証の発行もなされ、トレーサビリティの完璧化を図っています。無理とは思いますが、野生動物にも安心と言うお墨付きはほしいですよね。

2008/12/3(水) 午前 8:54 あれこしぇふ 返信する

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捌いている画像が無きゃ〜〜鹿肉とすり替えても判らないじゃん!(爆)

2008/12/3(水) 午前 10:46 [ 禁多 萬之助 ] 返信する

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興味のある方は一度ご自分で試されればこの画像がまぎれもない真実であることは一目瞭然となるでしょう。この画像だけでもかなり貴重だと思うのですが、これでもまだ足りないと言う方はぜひご自分の手でお試しあれ(笑×5)。

2008/12/3(水) 午前 11:25 あれこしぇふ 返信する

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いやいや貴重な情報をありがとうございます!
最初から最後まで、興味深く読ませていただきました。
意外な結末には度肝を抜かれましたです。

実はうちの近所でもとうとうカワウが出没し初めました。
アユ釣りの盛んな地域ですので、カワウを見たら出来るだけ射殺してくれと役場からも言われているのですが、狩猟期間に関しては、最初から食べないのを前提に射殺するのは、私自身ためらいを感じていました。

今回の記事を拝見して、私もカワウを捕獲して食べてみようかという意欲が湧いてきました。

シェフの狩猟&調理技術には遠く及びませんが、上手く獲って食べることができましたらご報告いたしますね。 削除

2008/12/3(水) 午後 0:01 [ 桔梗屋 ] 返信する

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桔梗屋さんこんにちは。遠く北海道から離れてさぞかし猟場の違いにとまどいを感じておられることでしょう。鵜は前述の通り有害物質の問題や寄生虫の問題などがあります。本当に食べたいと思うなら別ですが、あえて食べるに値するかどうかは疑問です(笑)。

ただし一度味見をしてみたいと言うことであればそれは食べないことには実現出来ませんのでとても貴重んなチャレンジかと(笑)。きれいに剥くコツは丸剥きです(~~)v。

2008/12/3(水) 午後 0:19 あれこしぇふ 返信する

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シェフの文章でバッチリ伝わりました。私の脳でのイメージは出来上がりです。
機会があったら実物にチャレンジしま〜す(笑)。

2008/12/3(水) 午後 1:09 [ びでんと ] 返信する

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コツは「丸剥き」ですね。了解しました。
貴重なアドバイスをありがとうございます! 削除

2008/12/3(水) 午後 3:46 [ 桔梗屋 ] 返信する

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>人間の生活環境と接する機会の多い野生動物全てに
私もキジやカモを獲って食べますので、そのような考えで書き込んだ訳ではなかったんですが、誤解を与える発言だったようで、失礼しました。

2008/12/3(水) 午後 8:14 [ leadshock ] 返信する

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シェフの勇気ある行動に敬意を表します。でも、私は食べないでしょう(笑)。お腹の虫は無視できません〜(爆)。

2008/12/3(水) 午後 11:58 セラヴィ 返信する

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意外な結末でしたね。そうなると今の所タヌキ意外は美味しく食べれるということですね。タヌキも克服して全ての狩猟鳥獣は美味しく食べれるということを実証してください(笑) 削除

2008/12/4(木) 午前 7:49 [ 川ガニ ] 返信する

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えっ!?びでんとさんも食べる気?(笑)

2008/12/4(木) 午前 7:57 あれこしぇふ 返信する

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桔梗屋さん、はい丸剥きです。でも特に美味ってわけでもないですからね(笑)。別にあえて食べなくても・・・(笑笑)

2008/12/4(木) 午前 7:59 あれこしぇふ 返信する

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leadshockさんこんにちは。いえいえそんなに気になさらないでください。くだんのダイオキシン等の件は私も以前から知っていたことですので特に問題ではありません。

問題なのは鳥インフルエンザの時もそうですが、原因や因果関係が特定もされないうちに報道やネット発信のみが一人歩きしてしまって、不確定であるにもかかわらず全てがそうであるかのように不安と誤解を与えることですね。特にネットは文字と言う手段でその時の発言
や意見が残ってしまいます。その点はテレビなどの電波発信と違い、ある意味怖いことですね。ですので私は研究機関や専門家の手によってある程度裏付けの取れたものしか信用しないようにしています。

2008/12/4(木) 午前 8:06 あれこしぇふ 返信する

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seraviさん、鵜(う)は食べると言うことに関しては味的に大きな問題はないかと思います。しかし私の今までの研究結果に照らすと、個人的に鵜よりは烏のほうが味的には勝っていると思われます。

ただしこれはあくまでも私の個人見解ですので、「鵜呑み」にしないでくださいね。きゃはは

2008/12/4(木) 午前 8:09 あれこしぇふ 返信する

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川ガニさん、今度ワナにかかったタヌキの内臓を即取り出して送って下さい。実際に検証してみましょう(←マジです)。

しかし北海道方面の方はこのコメントを読んで善意で「キタキツネ」も送ってやろうなどとは思わないで下さい(笑)。キツネも肉を充分に加熱すれば食べられるようですが、それ以前に生体を触ることによるエキノコックス感染のほうが重大ですので(~~)v

2008/12/4(木) 午前 8:13 あれこしぇふ 返信する

お肉を食べるために、かなりの手間隙かかってますね…
私ならもうコリゴリって思ってしまうかも(笑)
特に臭いに堪えられなさそうですぅ〜

2008/12/4(木) 午前 9:07 shimako☆ 返信する

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しまこさん、電車内のワキガ〜よりはずっとマシですよ(笑)

2008/12/4(木) 午前 9:46 あれこしぇふ 返信する

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結論、ありがとうございます。
美味いのですね?

ここまで読んでくると、捌き方にポイントがあるようですね。
だとすると、食べられないほど臭い肉など無いのでしょうか?

狸が臭いというのも、単に捌き方。
特に、消化器系に傷つけた時に発生するものなのでしょうか?

その辺も知りたいですねーーー・・・・

何はともあれ、『食べられないほど臭い肉はない』
と言う可能性が大きくなったので、嬉しいです。

2008/12/5(金) 午後 9:09 [ - ] 返信する

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arakisanda1さんこんにちは。旨い不味いのどちらかと言われれば不味いと言うことにはならないと思います。が美味いと断言出来るものでもありません。捌き方は衛生上の問題であって食味にはほとんど影響しないと思います。内臓を露出させたくないのはおびただしい数の寄生虫が存在するとされているからです。

食べられないほど味のキツイ肉と言う意味では、狩猟鳥獣の中ではおそらく狸(既に実験済み)とキツネが想像されます。ゴイサギもまだ試したことはありませんが、おそらく鵜に準ずるのではなかろうかと考えています。イタチもそのうちに実験するつもりですが、イタチには臭腺があるのでかなりドキドキものかと思います(^^)。

2008/12/6(土) 午前 7:33 あれこしぇふ 返信する

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