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クラシック音楽を使った映画はたくさんあります。古くは、映画「逢びき」(イギリス、1945年)や「七年目の浮気」(アメリカ、1955年)でラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」の第2楽章が使われました。
http://www.youtube.com/watch?v=ORabTJEB8AY
非常にロマンティックで映画に合っていますね。特にクラリネットのソロが印象的です。
「地獄の黙示録」(アメリカ、1979年)では、ワーグナーの「ワルキューレ」が使われました。
http://www.youtube.com/watch?v=1aKAH_t0aXA
もっとも有名なのは、「2001年宇宙の旅」(イギリスとアメリカ、1968年)でしょう。ここでは色々なクラシック音楽が使われていますが、何と言ってもリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき(ツァラトゥストラはこう言った)」の冒頭部分が印象的でした。
http://www.youtube.com/watch?v=lyJwbwWg8uc&feature=related
このリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラ」は、この映画の音楽として使われたことで、一躍有名になったと言っていいでしょう。かくいう私も、映画音楽で初めて「ツァラトゥストラ」を知りました。
こうしてみると、映画音楽に使われるクラシック音楽は、ロマン派以降の音楽が多いですね。けれども、バッハ、ヴィヴァルディなどのバロック音楽も、もちろん使われた例があります。モーツァルトは一応古典派なので、映画音楽には合わないように思われるかもしれませんが、やはりたくさん映画音楽に使われています。それだけモーツァルトの音楽は映画に合っているということでしょう。
でも考えてみると当たり前です。オペラのオーケストラ部分は、そもそもドラマのバックグラウンドミュージックとして作曲されたので、映画音楽のようなものです。たまたま当時は「映画」という技術がなかっただけのことです。モーツァルトのオペラでオーケストラだけで演奏される部分は、その場面の雰囲気によくマッチしています。いや、もっと細かく言うと、モーツァルトは、「調性」までも場面に応じて変えています。これは単に「短調」か「長調」か、という違いだけでありません。例えば同じ長調でも、「ハ長調」は堂々とした勇壮な場面、「ニ長調」は快活で陽気な場面、「イ長調」は穏やかで柔和な雰囲気と、場面場面で微妙に変えています。この詳細は別の機会にしましょう。いずれにしても、モーツァルトが現代に生きていたら、映画音楽やテレビドラマの音楽で大儲けをしたことでしょう。
さて、モーツァルトの音楽が使われている映画として、私が印象に残ったものは、前回述べた通り「みじかくも美しく燃え」です。この映画は、1967年にスウェーデンで製作されたものです。あらすじの詳細は省略しますが、一言で言うと、妻子ある貴族の男が、サーカス芸人の娘と恋におち、逃避行するという話です。要するに「不倫」の話で、今考えるとテレビのメロドラマのように、どうということはない内容ですね。もっともモーツァルトのオペラのあらすじも、これとそれほど変わらない「不倫もの」、「浮気もの」が多いので、似たようなものですね。
さて、この「みじかくも美しく燃え」で使われたのは、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番ハ長調K467です。第2楽章と第3楽章が使われていましたが、何と言っても第2楽章の美しい調べが印象的です。モーツァルトのピアノ協奏曲の緩徐楽章は総じて官能的で美しい「しらべ」が多いのですが、この曲の第2楽章も、まさにこの映画のために創られたような感じがします。長くなりましたので曲については次回にします。
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