原発全部停止でもリニア営業に問題ないなら節電も原発再稼動も必要ないじゃん!?
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南アルプスの自然破壊について再検証しようかと思いましたが、たいへん気になる記事を見かけたのでそちらの話題です。
国内の原子力発電所が全て停止し、関西を中心に夏場の電力不足が大きな懸念となっています。政府は関西電力管内では15%の節電が必要とし、沖縄を除く日本全土で数%の節電を求めています。また、福井県大飯原発の早急な再稼動を模索し、東電の再建計画では新潟県柏崎刈羽原発の再稼動を予定しています。
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超電導リニアは、1列車あたり現行新幹線N700系の3.5倍、勾配を考慮すると4倍の電力を消費し、大阪開業時の営業運転時には最低でも74万kWhの電力消費を見込んでいます(JR東海作成の環境影響評価方法書より)。勾配を考慮するとこれより大きくなるでしょうし、瞬間的な消費を考慮して電力会社が供給すべき電力は100万kWh台になるだろうと見込まれています。
100万kWhというのは、30Aで契約している世帯の33万軒分に相当します。大雑把にみて、政令指定都市1つ分に相当します。また、リニア中央新幹線の通る中部電力管内の総発電量の4%、東京電力管内総発電量の2%に相当します。
このことを頭に入れて、次の新聞記事(5月24日朝日新聞)をご覧ください。
リニア活用を論議 甲府市が懇話会
2012年05月24日 ■初会議 現場視察など提案
リニア中央新幹線の停車駅建設地が甲府市大津町周辺に事実上決まったことから、甲府市はリニアを市の活性化に結びつけようと、「リニア活用推進懇話会」を設け、23日に初めての会議を開いた。 懇話会は経済界やPTA連合会、女性団体などの代表委員20人でつくる。会長に選ばれた宇野善昌・副市長はあいさつで、「中央線や中央道開通が県の発展に結びついた右肩上がりの時代とは状況が異なる。何もせず待っていたのでは、享受できるものはない」と述べ、「委員の知恵でプラスに結びつく策を練り上げてゆこう」と呼びかけた。
会議では委員から、JR甲府駅へのアクセス方法や消費電力について質問が出た。事務局を務める市リニア交通室の担当者は「県の利用客予測結果が出た段階で協議していただきたい」「原発が全機停止した現状でも使用電力は十分まかなえる」などと答えた。
停車駅予定地周辺の自治会代表委員からは、今年度に入ってようやく市から地元に説明があったことに対し不満の声があがった。さらに、後継者がいる農業振興地域であることを考慮してもらいたいという注文もあった。
以下省略。
なんてことのないベタ記事のようですが、非常に意味の深い一文を含んでいます。原発が全機停止した現状でも使用電力は十分まかなえる」という部分です。 原発が全停止しても74〜100万kWhの使用電力を十分にまかなえるのなら、現在、政府が原発の再稼動を求めていることも、数%の節電を求めることも、全くナンセンスということにほかなりません。
現在、原発が完全停止した日本でも、100万kWhの余裕があるといことを、甲府市が公言したともいえますし、節電対策で大きな社会的混乱を招くことも全く必要ないということになります。
なんかヘンですね。 この発言は、おそらく山梨県で行われた環境影響評価方法書審議でのJR東海関係者による発言が下敷きになっていると思われます(2011年12/26審議http://www.pref.yamanashi.jp/kankyo-sozo/documents/20111216gijiroku.pdfの6ページ目)。
抜粋しますと、「首都圏と中京圏で見ますと、中央新幹線で約27万kWの消費電力に対して、電力供給力は今夏(注:2011年)の時点で8153万kWあったということですから、(中略)安定的な電力供給が行われていくと考えます。(中略)このリニアのために、例えば原発1つ必要だといったような機運にはあたらないのではないかと考えております」という発言です。
すなわち、関東で節電が求められた昨年夏でも27万kWh程度の余力はあったから、将来的には大丈夫だろうという意味合いであり、上記記事はこれに基づいているのだろうと思います。
でも微妙にズレていますね。
27万kWhは名古屋開業時の最低限の消費電力であり、実際に供給すべき電力はこれより大きなものです。しかも、1%単位での節電を求められている「現状」を考えると決して無視できる数字ではなく(27万kWhでも中部電力管内総発電量の1%に相当)、「原発が全機停止した現状でも使用電力は十分まかなえる」とは絶対にいえるものではありません。節電を依頼している自治体側からの発言としては不適切ともいえます。まして大阪開業時のことは想定していません。
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リニア計画は莫大な電力供給を前提としているため、昨今の電力事情をふまえて電力消費のことを考えると、どうも論理的に破綻している点が多いように思われるのです。
原発全停止でもリニア走行分程度は供給に余裕がある →節電や早急な原発再稼動は全く無意味 実は現状では電力不足 →原発再稼動 →リニアとは別の大きな問題発生 火力発電でまかなう →「航空機に比べてCO2排出量が少ない」というリニア推進の建前が崩れる 再生可能エネルギーでまかなう →100万kWhを安定的にまかなえるなら、リニア計画にかかわらず原発を再稼動する意味はない 将来は人口が減少するので電力供給に余裕 →電力問題以前にリニア利用の需要という別次元の問題 JR東海が自社で発電 →やらないと明言 将来的に電力供給は回復する
→そうなってもらわなければ困るが、全く見通しの立たない現段階ではただの願望
どうなっているんでしょうか? 電力ひとつをとってもこんなに矛盾点の多い「国家的プロジェクト」なんて信頼できるのでしょうか? |

