流通の歴史と未来のブログ

食品流通は凄く面白い世界です。昔・今・未来を語りたい

更新が減ります

 例の仕事の関係で3月初めの締め切りに向けて、力をいれなければならなくなりました。
更新の頻度が下がると思いますが、よろしくお願いします。

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地ものと旅もの 6

 これまでは地ものを中心に書いてきましたが、では旅ものというのは、どういう調達をし、どのような経路ではkばれてくるのか、それを地域のスーパーはどのように評価しているのかを書きます。

 繰り返すようですが、旅ものというのは、地域内で品揃えできない産品を他の市場、特に大消費地の市場の卸から仕入れる場合がほとんどです。
 かつては大型農協や県農協が主導する流通では、大都市とその周辺市場にはトラックを走らせてくれたのですが、今は交通事情というよりは乗務員の立場の方が強くなっていますから、いいとこ2,3箇所しか卸してくれません。勢い受けた市場からその先は市場を起点とした物流の仕組みが構築されます。ですから旅ものというのは、相当に広くあることにもなっています。

 卸の営業同士が、電話で注文する形ですが、プロ同士ですから単純ミスはともかく、産地、規格等級など正確でトラブルの比較的少ない取引がなされます。この際に価格なしで行われることもしばしばあります。特に鮮魚の関係では商品を見なければ値段が付けられない場合も少なくないことから、着荷してから値段を受領した側が付けることもあります。
 互いに相場を熟知している間柄ですから、こういう形も可能であり、しかも見ず知らずの間でも、こういう取引が行えるというのは市場卸の信頼から成り立っているというべきなのでしょう。

 こういう取引は傍目で見ていると、すごく早く、見切りの速さは秒単位で、切り替えが非常に速い。ここらも信頼の問題もあるけれど、膨大な取引の中での一取引であり、いつまでもごちゃごちゃしていても仕方ないというか、無駄なのでしょう。こういう取引の中で貸し借り、ある時には相手の都合を聞いてあげる=貸しを作る、今度はこちらの都合を聞いてもらいたい=貸しを返す、借りを作る、そんなものが当事者同士の中で起きてきます。これは会社対会社ではなく、個人対個人の関係です。

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地ものと旅もの 5

 卸というのは、どのようなポジションを設定するのか、産地側を自身の商売の基盤にするのか、消費側を基盤にするのか、その間のどこら辺をポジションとするかによって商売の形が変わり、自身の強さも決まって来るところがあります。それはつまり経営の安定性であり、収益の拠り所でもあり、発展の方向でもあります。

 これは別に固定されたものではなく、経営陣や経営を担う課長クラスの力にも左右されるものです。ここらは組織の力も大切ですが、個人の能力にも強く左右される面を持ち、ライバル同士で競うこともしばしばです。個人が担う部分が大きいために、何らかの事情でその個人がいなくなると、勢いを失うこともしばしばです。

 地もの、旅ものという形で語ってきましたが、この基本的スタイルは国内と海外とも同じように論じることが可能であることです。つまりはグローバリゼーションと言いながら、そんなに世界各国と輸出入をする訳ではなく、遠隔地の産地が国内ではなく海外になるという意味でしかない場合が少なくないことです。

 勿論、海外ですから国内とは違ったリスクが生じやすくなる事は確かです。商品が確実に行くのか、来るのか、途中で品質劣化しないか、そもそも約束通りの商品が来るのか。通関は?、税は?、為替は? 等々心配は国内とは比べものにならないほど大きいですが、それでも取引の基本形は同じです。

 青果卸に係わっていた時には、北朝鮮からの松茸の話をよく聞きました。仲介者は在日朝鮮人であったり、中国の商社が間に入ることもあったようです。商品として少なくとも当初は相当に良いものでしたし、なかなか日本産は希少ですし、カナダや中国ものに比べれば価値の高いもので、卸としては魅力がありました。

 まぁ、こんな話をしていると長くなってしまいますが、このように輸入と言っても直接現地に行って買い付けをするという形では始まりません。誰かを介しての話から始まり、軌道に乗ってくれば現地との契約栽培にまで至るようなケースもあります。

 要は当該産地のものを自身の商売のどの辺に位置づけるかに係わった話になる事です。

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