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チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第2番」。
本来であれば、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」と言えば「第1番」でしょう。営業的にもピアニストなら誰でも吹き込む「超人気曲」となっています。
しかし、今回取り上げるのは「第2番」。第1番ではありません。それは何故か。

「第1番」と言えば、あのホルンから始まる「インパクト抜群」の導入部。一度聴けば忘れることの出来ないテーマです。
ところが、ピアノの技法となると、「鍵盤を叩く」「分散和音」に終止します。
もちろんチャイコフスキーですから「魅力抜群」なのですが、「piano」の技巧を聴きたい向きにおいては物足りないのも事実。

第一番のエピソードとして、当初初演を頼むつもりだった「ニコライ・ルビンシテイン」に、草稿の段階で「この作品は陳腐で不細工。役に立たない代物であり、貧弱な作品で演奏不可能。私の意見に従って根本的に書き直す事を進言する」と非難された、とあります。
大家である自分に意見を訊かなかった「腹いせ」とも言われますが、私はそうは思いません。

当時のピアノの常識としては「お粗末」である。
チャイコフスキー自身もそのあたりは自覚していたからこそ、研鑽を重ねて続く「第2番」では技巧的なピアノを書いたのではないか。
「第2番」を聴くと、まるで「第1番」が習作であったと言ってしまいたいくらいに進化しているのですから。

とは言うものの、やはり「インパクト」という点では「第1番」には敵いません。
また、第2楽章も問題です。
冒頭で、ピアノに入る前にヴァイオリンとチェロの長い二重奏があるのですが、「本当にピアノ協奏曲?」と首を傾げたくなるように長く、私にはチャイコフスキーの意図が分かりません。

チャイコフスキーは「カット版」を認めていませんが(この冒頭部分をカットし、ピアノを修正)、その演奏が数多く存在しています。これは多分に録音時間の問題もあるでしょう。
しかし、最近は「原典版」が見直されてカットせずに演奏する事が多く、私も聴くのであれば、こちらをお勧めいたします。


ではお勧めの演奏です。

イーゴリ・ジューコフ(P)、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団

これが最高でしょう。もちろん「原典版」です。

エミール・ギレリス(P)、マゼール/ニューフィルハーモニア。
ヴィクトリア・ポストニコワ(P)、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/ウィーン交響楽団(夫婦共演ですね)。
等、他にも色々出ていますが、やはりカット版が多いですし、チャイコフスキーの魅力が今ひとつ届いて来ません。
やはりチャイコフスキー独特の華やかさが欲しいところです。

それでは演奏です。

エミール・ギレリス(P)、マゼール/ニューフィルハーモニア
1/4(第1楽章−1)
2/4(第1楽章−2)
3/4(第2楽章)
4/4(第3楽章)

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お座敷パンダも「チャイ2」に興味を持ち、
収集にハマった時期があります。
確かに日本ではこの曲の認知度が低く、
国産のCDではあまり集まりませんでしたが、
輸入物ショップで探すと、
これがまた以外にも沢山あるんですよ。
海外では、案外日本ほどマイナーではないのかも知れないね。
ただ、やはりその多くは二楽章のカット版です。

お座敷パンダとしては、この際「版」より「演奏」を重視しますね。
数として「1番」と比べて、はなはだしく少ないので、
その分「名演」も明らかに少ないです。
やはりジューコフが良いとの意見には同感です。
アップ出来ないのは残念ですね。

ギレリスも勿論持ってますよ。1楽章は秀逸ながら、
やはり2楽章がカット版なのと
3楽章で精魂尽き果てている感じが残念ですね。
その点、ジューコブの剛腕はこの曲には必要だと思います。 削除

2011/1/9(日) 午後 9:08 [ お座敷パンダ ] 返信する

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お座敷パンダさん。
ギレリス、そうなんですよね。
もしすると、コンチェルトとしては様々な意味で第一楽章が重厚長大過ぎるのかもしれません。

好みの演奏としては、1番とは違って来そうな気がします。聴かせ所が違いますから。
いずれにしても、カット版でも良いので色々な演奏が出て欲しいです。
3番の記事もいずれ書くかも知れませんが、チャイコフスキーはピアノのためのピアノ協奏曲は向いていなかったのではないでしょうか。1番はオーケストラのためのものであり、ピアノもその発想からピアノスケッチ的テクニックに終始していますし。
しかし、だからこそ魅力が爆発したのだとも言えるのですが。

2011/1/10(月) 午前 10:40 jinichi 返信する

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