「街宣右翼=在日朝鮮人陰謀論」に失笑
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ネット上で流布している都市伝説の類で、笑ってしまうのが「街宣右翼は在日コリアンが右翼・保守派のイメージダウンを図るために行っている自作自演であり、反日思想に基づく工作活動である」といった言説である。 この荒唐無稽とも思える陰謀論を真面目に信じている方がけっこう多いらしく、いろいろなブログのコメント欄などで本当によくお目にかかる。たぶんうちのブログにも、過去に書きこんだ人がいたんじゃなかったかな。 彼らの典型的な主張は、以下のようなサイトによくまとめられている。 http://uyoku33.hp.infoseek.co.jp/ http://www.geocities.jp/uyoku33/ http://brain.exblog.jp/1159945/ 陰謀論の根拠として彼らが挙げるのは、たとえば「街宣右翼にはこんなに在日が多い」といった程度の事実や、「右翼なのに○○に抗議しないのはおかしい」「こんな行動をしているのは不自然だ」などの主観的な事柄ばかりである。 いろいろ探ってみると、どうやらこの言説のルーツは英BBCで放映された(と彼らが主張する)番組にあるらしい。が、放映日や詳細な内容は定かではない。 「番組の放映」という事実があったのかどうかすら疑う声も散見されるが、辛うじて「番組」の内容が分かる唯一の手掛かりが、ネット上でよく見られる以下のコピペである。 10年くらい前イギリスのBBCが日本の右翼を取材した事がある。
もちろん本国向けの放送だが、それをNHK衛星が放送した そのときのBBCの女性リポーターのコメント 「右翼の主張は天皇制復活、日本民族の国粋主観(原文ママ)等だが、実際の構成員が 国粋主義者とは相容れない筈の韓国、朝鮮人、また天皇制と言う身分階級 の下では最下層に位置され最も身分制度の被害者であったはずの被差別 出身者で90%を占めている。はっきり言ってこの取材で、彼らの真の 目的を知ることは出来なかった。」 しかし、この「女性リポーターのコメント」からは「右翼のイメージダウンを図ろうとしている」という陰謀論の根拠を窺い知ることはできない。「韓国・朝鮮人・被差別(部落)出身者が90%」という数字の根拠も非常に怪しい。国籍はともかく、被差別部落の出身者の割合をどうやって調べるのか。全国の被差別部落のリストと、実際の構成員の出身地を照らし合わせる作業を誰がどうやって行ったのか。こうした言説こそ、差別助長以外の何物でもないだろう。 また彼らが「街宣右翼構成員に占める在日(および被差別部落出身者)の比率」として挙げる数字はバラバラであり、上記コメント中の「90%」の他にも「7割」「3分の1」などさまざまな数字が混在する。確たるデータに基づいた話とは到底思えない。 街宣右翼(警察用語では「行動右翼」と言うらしい)の構成員に、在日コリアンが無視できない割合で存在していることは事実であろう。しかし、そこから「右翼のイメージダウンを図るため」という陰謀論を導くことはできない。 ある社会に溶け込むためのハードルがマジョリティに比べて圧倒的に高いマイノリティが、より極端な国粋主義的立場を取りうる事実は、通常の感覚でむしろ自然に理解できることである。 だが在日コリアンへの憎悪に囚われている人々には、「反日の朝鮮人どもが右翼であるはずがない」という思い込みから、そうした人間的な機微が理解できない。 思考上の混乱を回避するために、あくまでも日本への憎悪によるネガティブキャンペーンとして、極めて単純な「敵/味方」論で理解するほかないのだろう。「敵」とみなす集団の行為は、すべて自分たちへの悪意に基づくものとしてしか解釈できないのである。 そして、彼らがシンパシーを寄せる「在特会」のような新興の右翼勢力と、“カッコ悪い”旧来の街宣右翼とは別物であることを強調しようとするのだ。 どっちもカッコ悪さでは五十歩百歩に見えるのだが。 「○○はみな我々に敵対しており、我々を陥れるための計画を秘密裏に企んでいる」 そうした文脈での理解を補強するために、さまざまな主観的「状況証拠」が集められ、独自の理論体系が構築されていく。果ては「ポストが赤いのも電柱が高いのもすべて○○のせい」式の妄想に取り憑かれる重症者も出てくる。「○○」には在日コリアンのほか、マスコミ、日教組、大企業、外資、国家権力、共産主義、アメリカ帝国主義、ユダヤ人、フリーメーソン、宇宙人、地底人…etc.が入る。 あらゆるオカルト思想や陰謀論に共通した生成パターンである。 そういえば10年ほど前に通っていた編集の学校で、雑誌制作実習の一環として街宣右翼の主宰者(?)にインタビューしたことがある。サービス精神旺盛な人物で、言うことは派手で過激だったが、この国を想う熱い気持ちはよく伝わってきた。あれもすべて日本国民を欺き右翼のイメージ低下を狙うための演技なのだとしたら、日本の街宣右翼はみな大した役者だということになる。 2chでも論争になったようだが、誰もちゃんとした根拠を示せていないことが分かる。
http://korea-log-02.hp.infoseek.co.jp/1078825116.html というわけで、この陰謀論を真面目に信じている皆さんは、明確かつ客観的な証拠を提示してください。 |
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おお、これはまた、色々な方々が、コメント欄にワラワラと湧いて出てきそうな記事を書きましたね。
陰謀論は、複雑な事象を簡単に説明できちゃうから、楽なんじゃないですか。あと、集団心性というか、一種の群集心理のようなものでしょう。アメリカでも、日米戦の前、西海岸に日本が攻め込んできて、日系人がその先導役を果たすという話がまともに信じられたりしました。日本でも「35年〜36年危機説」というのがありました。太平洋の両岸で、妄想が肥大化しちゃってますから、どうしようもない。ただ、銘記すべきは、冷静なメディアが、ちゃんとした分析をしていても、妄想が臨界点に達すると、そんな声がかき消されちゃうことです。世の中が混沌んとしてくると、主張の是非より、「声のでかいほうが勝ち」になっちゃう。戦中世代の方とか、9・11直後にアメリカにいた方とかは、それを肌身で体験したんじゃないですかね。9・11と言えば、こいつの陰謀論は、左派に人気があって、いかがなものかと思うんですが・・・
2010/2/18(木) 午後 10:29
これでもか、これでもかと、陰謀論を裏付ける「かのような」議論のシャワーを浴びていると、本当なんじゃないかと思い始めるというのは、人間の心理としては、まあ理解出来なくもないですが。ただ、自覚的に「煽る」人もいますからね。Wikiのリンクに、「田布施人脈陰謀論」があるのが面白いです。あそこは、松岡洋右とか岸信介なんかにゆかりの土地だし、戦前中山公威という人物が昭和松陰会なんてのを作ってましたし、北村サヨが立教した天照大神宮の発祥地でもあって、「いかにも」という感じがありますからね。ちなみに、ユングの著作に、Flying Saucers: A Modern Myth of Things Seen in the Skiesというのがあって面白いですよ。多分、日本語版もあると思いますが。
2010/2/18(木) 午後 11:35
>NANAMIさん
いろいろな方のコメントを期待していたんですが、意外に来ませんね(笑)
なので、この陰謀論を主張している記事にいくつかTBしてみました。
右翼団体に在日コリアンが多い背景は、彼らが考えるほど単純ではないでしょう。でもこうした彼らの世界観に合った陰謀論を持ち出されると「そうだったのか!」と納得しやすいし、すっきり説明できて気持ちいいので、よく考えずに飛びついてしまうんでしょうね。陰謀論一般に共通する構造だと思います。
たしかユングは、歴史の浅いアメリカで共通の神話を求める人々の無意識が、UFOという神話を生みだしたみたいな説を唱えていましたよね。
多くの人が「こうあってほしい」と無意識のうちに望んでいる事柄が共有されることで、それがあたかも実体があるかのように独り歩きを始めるということかもしれません。
2010/2/19(金) 午前 1:37
>内緒さん
いやー、むしろ取り上げてほしいくらいですが。
2010/2/20(土) 午前 1:09
たしか「ノストラダムスの大予言」で怖くなったちびまる子ちゃんは宿題も手に付かず、しかし夏休みの終りはやって来て、いつものようにお母さん(お姉さん?)から怒られていたかと思いますが、この五島勉さんはじめ商売のネタはつきないようですね。
ただ旧約聖書がらみの、歴史の陰に潜んで進行する類の物語りは面白くて、西洋史をよく知らずフランス語の素養は皆無の私には、それを検証する手立てがないことにすら気付かないまま、何冊か読んでいました。
今に生きる授業料だったかもしれません。(五島勉さん、恨んでませんよ!w)
2010/2/20(土) 午前 3:00
実は私もノストラダムス本はけっこう読んだクチです。五島氏のほかにも、エリカ・チータム氏とか加治木義博氏とか、今どうしているんでしょうかね。
2010/2/21(日) 午前 2:18
陰謀説って、すごく魅力なんですよね。
そう説明されると、今まで自分の中でぐちゃぐちゃしていたものが、ああそうだったのか!と、すっきりわかったような気になるから。
それにしても、『街宣右翼は在日コリアンが右翼・保守派のイメージダウンを図るために行っている自作自演であり、反日思想に基づく工作活動である』っていうのは、あまりにも安易で無謀な陰謀説だと思います。
これが真実だと言い切ってしまえる根拠が、「在日」は反日(?)に決まっているという偏見であるわけで、これって排外主義もいいところだと思います。
哀しいアイデンティティの持ち方だわ・・・
2010/2/22(月) 午前 1:34
陰謀論の“魅力”はあなどれませんね。何か不可解な事象に出会うと、人は「早く理解してすっきりしたい」という欲求に襲われます。そこに一見筋の通った説明が与えられると、飛びつかずにはいられない人も多いんでしょう。
しかしこんな杜撰でご都合主義的な説でも、案外信じてしまう人が多いんですね。「在日=反日」という観念に凝り固まっている人は、敵とみなす相手との関係を「憎悪」というフィルターを通してしか解釈できないんじゃないでしょうか。
2010/2/22(月) 午前 2:48
入れ食い状態になるかな?と、思ったら、・・・シーンとしてますね、
何故だろ(爆)
「反日」=「在日」=『在特会』=打倒対象、じゃなかったのかしら(爆)
2010/2/22(月) 午前 3:30
>どっちもカッコ悪さでは五十歩百歩に見えるのだが。
激しく同意します!
記事のタイトルどおり「街宣右翼=在日朝鮮人陰謀論」に失笑 するしかないって感じです。
そこまで朝鮮人を貶めたいのかと思うと、国を愛する前に人を愛することのが大切じゃないのかな?と反日左翼(らしい( ̄w ̄) ぷっ)の私は思います。
国籍や身体特徴で差別意識を持つのって一番嫌いです。
陰謀論が人を惹きつけるだけの魅力があるのは確かですね。
NANAMIさんが奇しくも提示した【9.11陰謀論】なんかは当時かなり真剣に本を読みまくってしまいました。(;´▽`A``
2010/2/22(月) 午後 10:10
>たんぽぽさん
誰も答えてくれませんね。せっかくTBまでしたのに、そのうち一つは向こうに削除されてしまいました。
2010/2/23(火) 午前 1:35
>まけおさん
大きな書店に行くと、陰謀論関係の本だけで一つのコーナーができてますからね。真偽は別として、面白さは否めません。無害でフィクションとして楽しませてくれるようなものならあってもいいと思うんですが、このように差別や憎悪と表裏一体なのが厄介ですね。
2010/2/23(火) 午前 1:58
>内緒さん
その対談は中刷りで見出しだけ見て興味がわきましたが、未読です。どちらも組織にとっては厄介者ですが、きっといろんな裏事情を知っているんでしょう。
へぇ、市長選はそんなことになってましたか。
2010/2/23(火) 午前 2:01
>内緒さん
いろんなのがいますね。
2010/2/26(金) 午前 2:55
過日、Yahooブログを閉鎖しました、縞馬田ベティ(通称:シマウマ女)です。
重苦しいテーマですね。
≫「街宣右翼は在日コリアンが右翼・保守派のイメージダウンを図るために行っている自作自演であり、反日思想に基づく工作活動である」
…これは、全くの出鱈目です。
一方、一部で囁かれている、『「在特会」に韓国籍もしくは日本国籍を取得したコリアン民族の右派が紛れ込んでいる』という噂…悲しいけれど、信憑性を感じるものがあります(「在特会」の野次のイントネーションなどから)
同じ民族が相手に「お前ら、◎◎◎臭いねん!」という言葉をぶつける悲しさ…。
あの場面を観て、第2次世界大戦中、日系アメリカ人がアメリカ国籍を取得していながら差別・強制収容され、それゆえ日系人が日本国を「卑怯なジャップ!!!」と怒りを募らせ、積極的にアメリカ政府に協力し、戦後40年あまり経った時代に、大河ドラマ『山河燃ゆ』(原題「二つの祖国」)のアメリカでの放送が日系人によって猛反対をされた…という話を連想します。
2010/2/26(金) 午後 3:23
>シマウマ女さん
そういうケースは私も多いんじゃないかという気がします。故国の同胞を憎悪したり、マイノリティとして暮らす社会に過剰に同調したりというのは、古今東西を問わず見られる現象なのかもしれません。悲しいことです。
2010/2/27(土) 午前 1:23
Jinneeさま…
私の拙い意見にご返事賜り、ありがとうございました(ひょっとして、『在日コリアンへの差別を深める劣悪な誹謗中傷』として、抹殺されるのではないかと、心配していましたが(…少しノイローゼ気味)
≫「街宣右翼は在日コリアンが右翼・保守派のイメージダウンを図るために行っている自作自演であり、反日思想に基づく工作活動である」
ここまで言うのなら、戦前は日本共産党員で、戦後、右翼に転向した、田中清玄氏も…と、これらの言説を信じる人たちの教養があまり深くないことに、少し失笑してしまいます。
ビョーキが治ったら、「アンサイクロペギュア」(インターネット版・フリー『ウソ八百科事典)に、明らかにこれらの言説が『ウソ』と分かる、パロディ記事でも書こうかな?
(街宣右翼とは、私がウグイス嬢をやっていた頃、よく神戸の三宮・元町で、マイク合戦しましたからね、実態や『公安』との裏関係など、ある程度、肌身で知ってますので)
2010/2/27(土) 午後 3:47
そんな事典があるんですか。
右翼に在日の人が相当数いることは事実でしょうが、少なくとも現在の街宣右翼のスタイルは、半世紀ほど前から日本人が作り上げてきたものでしょう。
2010/2/28(日) 午前 1:56
>内緒さん
「街宣右翼の構成員に、在日コリアンが無視できない割合で存在していることは事実であろう」と記事中で書いている通り、そのこと自体を「デマ」とは言っていません。
しかしそれが「右翼のイメージダウンを図るため」の在日朝鮮人による自作自演の陰謀であるとする言説は明らかなデマだと考えており、その根拠が示せるものなら示してもらいたいと述べています。
記事について意見があるなら、内緒で書くのはやめてください。
2011/4/27(水) 午前 1:21
みんさん綺麗事言って差別反対とか言ってますが、ホントに朝鮮人と在日の事知ってて言ってますか?私から見れば同じ民族なのにとか、差別反対とか言ってる人は無知にしか見えない。大口は調べてから叩いてくださいね
2011/10/2(日) 午後 5:04 [ big**ngya* ]
というか、無知なのはこういうデマを垂れ流している人たちだと思いますが。
2011/10/3(月) 午前 1:08
はじめまして。
複雑なほうが真実だと言うつもりはありませんが、陰謀論を唱えるのであればそれなりの根拠を出してほしいという話です。
陰謀論を否定するのに反証や根拠が必要になるのは、それを言いだした側が客観的かつ合理的な根拠を挙げている場合だけです。それが見当たらないので、自分の立場からは「根拠がない。したがって信用できない」と言えば事足りると考えています。
「警戒心」というのも、個人の問題意識の違いによって何を対象とするかが違ってきます。私は、こうしたデマに等しい言説がなんら批判されずにはびこっている状況にもっと警戒しないと、この社会は危ないと思います。
2011/11/4(金) 午前 2:04