いわゆる「不正受給」騒動の気持ち悪さ
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この騒動にはほとんど嫌悪感しか感じない。 正義ヅラして過剰な個人バッシングに興じる大衆への嫌悪感である。 芸人の側に一定の非があるのは確かだが、それはせいぜい「認識の甘さ」といった類のものにとどまる。 たとえば彼の母親が十分な援助を受けたうえに生活保護も満額受給していたのであれば、それこそ二重取りであり明らかな不正受給だろうが、今回のケースはそうではない。 彼が売れない芸人だった当初は、支援できる資金力もないことから母親の生保受給が認められた。 ある程度の売れっ子になり十分な援助を行えるだけの資金力ができた後も、母親の生活全てを賄うには不十分な援助にとどまり、母はずるずると生保を受給し続けてしまった。 ただ不十分な援助が行われるようになった後は、その分生保支給額も減額されていたのだという。 これらはすべて福祉事務所も把握したうえで、受給を認めていたはずである。 要するに「まぁ親子関係も良好なようだし、税金に頼るよりも肉親が援助してあげたほうがよかったよね」という程度の事柄だ。 これは「いかにもありそうなケース」の一つであり、実際に今回の件に限らず似た事例は日本中にごまんとあるだろう。 単に有名人だからという理由で殊更にクローズアップされ、生贄にされただけの話である。 口を極めて芸人を罵っている人々は、それほど厳格に自らを律して品行方正かつ清廉潔白な生き方をしている自信があるのか。 ちなみに、資金援助可能な肉親がいないことは生保受給の必須条件ではなく、仮に受給者にそうした肉親がいたとしても、ただちに「不正受給」となるわけではないというのが厚労省の見解だそうである(5/25朝日新聞)。 つまり本件に法的な問題はなく、巷間言われるような「不正受給事件」ではない。 無論、肉親による援助が可能であるにもかかわらず、税金で生活費を賄うことには倫理上の問題が大きいと感じる向きは多いだろう。 だが仮にそうだとしたら、それはいわゆる無縁社会に象徴されるこの国全体に横たわる問題の一断面であるといえる。また親子といえども互いに生計は独立した個人同士であり、扶養義務のない肉親への援助を行うかどうかは純粋に個人の道徳や品格、矜持の問題にすぎない。その判断によって周囲から非難を受けることはあるだろうが、直接的には無関係な第三者がよってたかって責任を追及するようなことだろうか。 まして法的な問題が存在しないにもかかわらず、政治家が一民間人の個人名を挙げてこれ見よがしにプライバシーを追及したり、記者会見を開かせたりといった行為は、カタルシスを求める大衆の「気分」に竿差した愚劣な過剰反応にほかならないと思う。 宮台真司の意見に賛同する。 「河本追及は人気取りで不必要」 宮台真司の片山さつき批判に賛否両論
お笑いコンビ、次長課長の河本準一さんが、母親の生活保護受給を謝罪したことについて社会学者の宮台真司さんがコメントした。河本さんを追及していた片山さつき自民党衆院議員を批判する内容で、話題を呼んでいる ( 略 ) 謝罪会見後もネットでは、河本さんを批判する声が大々的に挙がっている。宮台さんは「今はネット社会なので、こういう道徳的なフレームに触れるような問題があると炎上する」とし、今回の騒ぎも予測できたとする / 最初の週刊誌報道では河本さんの名前は伏せられていたが、その後、一部ネットメディアが実名で報道した。片山議員も河本さんの名前を出して、ブログやツイッターで追及していたが、これが「非常に大きな問題だ」だとする。片山議員の行動は「人気取りであると同時に不用意な、というか不必要な問題の拡大」だとし「本質的な議論がなされないで倫理的な批判ばかりが出てくるということになってしまう」と懸念する。 (以下略) J-CASTニュース 5月26日(土)18時13分配信 |


