おばちゃんチップス
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『おばちゃんチップス』(田中誠監督 2006 日本) 11月3・4日の両日開催された、「大阪アジアン映画祭2006」にて、"日本代表"として上映された『おばちゃんチップス』を観て来ました。 一般公開は来年1月です。今回は試写会も兼ねての上映のようでした。映画祭の共催である関西テレビ放送が、ホリプロとともに映画の製作にも参加しています。 わたくし、生まれてはじめて舞台挨拶ってやつを体験しました。おもしろいものですね。ゲストは、主演の船越英一郎さん、misonoさん、京唄子師匠、そして田中誠監督の4人でした。 わたしは、『タナカヒロシのすべて』を傑作だと信じています。鳥肌実氏はもちろん、作品自体がすばらしかった。 ただ、これが田中誠監督の(商業長編映画での)デビュー作ということもあり、次の作品を観るまで、念のため判断を保留していました。2作目の『雨の町』をさあ観ようか、としていた矢先に今回の映画祭参加を知り、かけつけたような次第です。 さて。 鑑賞後の感想。 断言させていただきましょう・・・やはり、判断は間違いじゃなかった! 田中誠は、現在の日本映画界で、もっともすぐれた監督のひとりだ!と言いきっちゃっても過言ではない! 『おばちゃんチップス』で、わたしはそれを確信いたしました。 <あらすじ> 大阪。通天閣周辺のディ−プな下町が舞台。 東京から、中年の言語学者(船越英一郎)が大学の非常勤講師として赴任してくる。彼は言語学への夢を忘れられず、営業マンの生活を捨て、研究の道を選んだ。大阪弁の研究もかねて、下町の雑貨屋で下宿生活を始める。その町は、おばちゃんの行動原理がすべてを支配するおばちゃん帝国だった(笑)。ベランダの距離が1mも離れていない隣のボロアパートに住むのは、若くてピチピチのキャバクラ嬢(misono)・・・ オープニングがすばらしい。 駅のホームで大阪のおばちゃんふたりがベラベラしゃべっている。と、その背後で、おばちゃんたちの会話をそーっと録音している男。 おばちゃんが気づき・・・「にいちゃん、アメちゃん食べるか?」 ここで場内大爆笑(笑)。しかもおばちゃんたちを演じているのが、吉本新喜劇の"マドンナ"中山美保と"吉本のチェ・ジウ"浅香あき恵というところがニクい。 次のショットで男が大きなスーツケースをひっぱって駅を出る。遠くに通天閣の頭がちらりと見え、ここが大阪の下町であることが観客にわかる。 通天閣の「頭だけ」が見えるのが、またまたニクい!微妙なセンスが問われるところでっせ。もしも主人公が通天閣のそばを歩いたりする観光紹介的なショットだったら、ダサダサだったでしょう。この心憎いオープニングで、わたしのハートはもうわしづかみでした。 大阪のおばちゃんパワーはすでに全国区ですが(笑)、そのステレオタイプなイメージを利用しつつも、愛情のこもったまなざしで「おばちゃん」たちを描いているのが良かった。笑ったし〜! 文字通りたくさんのおばちゃんが出演しています(舞台挨拶にも"乱入"していました)が、地元の素人さんを使ったりせず、プロの役者にやらせたのも、正解です。素人を役者として使うのは、賭けですし、わたしは個人的にあまり好きではない。 ところで田中誠監督の強みのひとつは、すぐれた脚本が自分で書けることです。 脚本の力はないのに自分で書こうとする若手監督が多い中、田中監督の脚本はとびぬけていいと思う。沈黙の美しさ、陰影の美しさを知っている監督です。日本の現実、「生活する」ことのどうしようもないいやらしさ、汚さ、それと同居する美を、知っている人だと思う。それがわたしの胸を打つのです。 もちろん課題もありますが、でもきっとそれを乗り越えて、ますますいい映画を撮ってくれるはず!と、わくわくさせてくれる。「映画って、本当にいいもんだなあ」と思わせてくれる。そんな映画作家に、ひさびさに出会えて、わたしはうれしいです。 役者もみな良い。船越英一郎さんがとにかくすばらしかったです。こんなにすてきな人だとは知らなかった。ちょっとホレてしまった♪ 元営業マンの言語学者というめずらしい役を、完璧に演じていました。大学の研究室(しかも文系)が舞台になるというのも、非常に新鮮です。アカデミズムの場って結構ドロドロしてますが(笑)これまでドラマに取りあげられることはほぼ皆無でしたからね。 また、クイーン・オブ・おばちゃん、京唄子師匠のカリスマ性が、うまく役にとけこんでいました。船越さんの相手役misonoちゃんは、映画初出演ということで演技はいまひとつ、でもめっちゃ可愛い。前に「うたばん」で見た時よりずっと可愛かった。 さらに脇には、大学の落ちこぼれ講師役の徳井優。『タナカヒロシのすべて』でも「俳句とテルミンの会」の先生でいい味出してた伊武雅刀。キャバクラの客の若い男(お名前がわかりません)。渡辺いっけいさんも出ていたけど、大阪弁がいまいち・・・そういう設定だったのか? もっとも驚きだったのが、次長課長の河本準一。地上げ屋のできそこないのチンピラのような役でしたが、うまかったです。椅子からころげおちたり、電柱にかきついたり、と、身体をはった演技が笑わせてくれました。ひょっとすると彼は今後、役者として大化けする可能性あり? 公開前にあまり書くのもナンなので(ってさんざん書いたがな)、この辺で堪忍しといたろか血い吸うたろか・・・もっと誉めたいけど!! 東京と大阪。同じ国に、厳然と存在するカルチャーギャップ。そして人と人の間にある、エモーション・ギャップ。『GO』や『パッチギ!』とはまたちがう視点から、人間同士が分りあい、寄り添いあうことのあたたかさ、そしてどうしようもない悲しさを、じんわりと感じさせてくれる映画です。 帰り道、阪急電車から見えた淀川の水面に、大阪のネオンが静かに映って、いつもよりちょっとだけ、大阪の町が哀しく、そしてきれいに見えたのでした・・・ 公開は、東京が来年2007年1月下旬、大阪が2月の予定だそうです。わたしも必ずもう一度観に行くつもりです。みなさまも、ぜひ。
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2007/1/24(水) 午前 11:20 [ 沖縄住民からの沖縄見どころ情報 ]





これから上映だったらDVD化はず〜っと先ですね(映画館にはなかなか…^_^; )面白そうなのでタイトルを記憶にとどめておこうと思います(^_^)
2006/11/5(日) 午前 8:39 [ ]
トラバありがとうございました!ファイアーさんも大阪の方だったんですね♪私は昨日、『胡同愛歌』と『愛された記憶』を見てきました。これも面白そうですね!劇場公開、楽しみです。
2006/11/6(月) 午前 1:04
読ませていただきました。 おほめいただきありがとうございます。 課題を乗り越えて(笑)、これからもがんばりますので応援よろしくお願いいたします。
2006/11/6(月) 午後 1:30 [ macoto! ]
タイタンさん>そうですね、DVD化されるのは多分来年夏くらいじゃないかと…^^;またその頃に記事にして思い出していただけるようにしたいと思います^^
2006/11/7(火) 午後 5:28
はい、大阪なんですよ^^もしかしてお近く!?『愛された記憶』ニコラス&阿梅観たかったんですけどね〜仕事でどうしても…いかがでしたか?本当はMr.Boo愛憎バトルも観たかった!もう少し長期間上映があれば良かったんですけどね〜
2006/11/7(火) 午後 5:30
監督、ご訪問いただきコメントまでくださって、本当にありがとうございます!!!感激です。遅ればせながらこのブログでも、全力をあげて応援させていただきます!こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
2006/11/7(火) 午後 5:33
見る!わしも! ってか…。タナカヒロシを見逃した事を心から後悔してます。
2006/11/7(火) 午後 5:46
ぬくぬくさん>即返しっ!^^見て!ぜひ!タナカヒロシのすべて、私も劇場で観とくべきでした。DVDセル&レンタルでぜひどうぞ。もっと高く評価されてしかるべき作品です!!ところで香港映画専門ブログさんを最近ヤフーで見つけました。我的電影筆記さんです。おきに登録してます。よろしかったらぜひ。今から晩ご飯ですので、後でぬくぬくさんちにうかがいますね♪
2006/11/7(火) 午後 5:53
公開をみすごしました。絶対みにいくはずだったのに(>_<)かなしー 京都ぐらいなら追いかけてでもみようとおもったけど愛知県でしかしてないー大阪にいる私ぬは無理?だれか教えて!
2007/3/27(火) 午後 10:40 [ まま ]
ままさん>愛知では4月に公開のようですね。関西ではどうかな?二番館で上映があるかもしれませんが…千里中央にある千里セルシーシアターあたりに来そうな予感もしますが、いまのところ上映予定作品には入ってないみたいです。いずれ来るかもしれませんので随時確認してみられてはいかがでしょう?セルシーシアターHPは→http://www4.ocn.ne.jp/~selcy.t/
2007/3/29(木) 午後 6:50