≪ニュースのリサイクル≫(以下、東京新聞:TOKYO Webより)<【社会】
スカイツリー初日 エレベーター停止 天望回廊 営業中止>
2012年5月23日 朝刊
【写真】
「粋」のテーマで点灯した東京スカイツリー(圷真一撮影)=22日午後7時2分 東京都墨田区で
二十二日に開業した高さ六百三十四メートルの東京スカイツリー(東京都墨田区)で、天望デッキ(三百五十メートル)と天望回廊(四百五十メートル)という二つの展望台を結ぶ二基のエレベーターが午後五時十五分ごろ、強風のため運転を停止するトラブルが発生した。運営会社の東武タワースカイツリーは、天望回廊の営業を午後十時から約二時間半前倒しして、終了した。
同社によると、二基のエレベーターは高所にあり強風の影響を受けやすいため、風速三○メートル以上で運転停止する規定になっている。
ところが、この日の風速は一四〜一五メートル。同社広報宣伝部の高梨博武課長は「開業初日でもあり、安全を最優先した」と説明。エレベーターを悪天候などで停止するかは内規に基づき判断するというが、内規で風速三○メートルと設定した根拠について同社は「説明できない」と話している。
二基は、二十三分間にわたり停止。天望回廊には約二百人の入場客がいたため、二基とも下り運転のみ再開して、天望デッキへ誘導を始めた。その後、天望デッキに滞留する客が増えたため、入り口フロア(四階)から天望デッキへ上るエレベーターも三十七分間、上りに客を乗せるのを取りやめた。
天望回廊へ上れなかった来場者へは、料金の払い戻しに応じた。
この日、スカイツリーを中心に商業施設なども含む東京スカイツリータウンの来場者は約二十一万九千人。このうち展望台へ上ったのは約九千人だった。
<【経済】
EV充電器 規格争い回避へ> 2012年5月23日 朝刊
電気自動車(EV)の急速充電器の規格をめぐり、米独メーカーが日本勢の「CHAdeMO(チャデモ)」とは異なる規格の採用を決めた問題で、自動車メーカーなど四百二十九の企業・団体でつくるチャデモ協議会は二十二日、互換性を検討し、両規格が併存できるよう働きかける方針を明らかにした。
規格の国際標準化をめぐる争いが利用者の不安を招き、EVの普及を遅らせるのを避けたい考え。協議会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は同日開かれた総会で、「コネクタ以外の部分で互換性を検討することは十分可能。細部の意見の相違に時間を浪費するのではなく、実行可能な解決策に取り組みたい」と語った。
チャデモは急速充電のみに対応し、家庭電源を使う普通充電はコネクタが別。日産の「リーフ」や三菱自動車の「アイ・ミーブ」が採用するなど既に普及段階にあり、四月二十七日現在、国内外の千三百九十三カ所に対応した急速充電器が設置されている。
一方、米独メーカーが推進している「コンボ規格」は急速充電と普通充電が一つのコネクタで済むのが特徴で形状もチャデモとは異なる。まだ開発途中だが、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)など米独メーカー八社が採用を表明している。
米独メーカーがチャデモを採用しなかった背景には、「EVで先行する日本勢をけん制する狙いもある」(自動車業界関係者)とみられる。これとは別に、中国も日本のチャデモに類似した独自の規格を打ち出している。
ただ、コネクタの形など一部の違いを除けば充電器の仕組みはほとんど同じ。事務局の担当者は「ガソリンスタンドにレギュラーとハイオク、軽油があるように互換性の確保は可能」と指摘し、チャデモとコンボの両方のコネクタを備えた急速充電器の開発に期待を示した。
<【社会】
50秒で地上350メートル 雲の中散歩 ガラスの床に人垣 こわごわ> 2012年5月23日 朝刊
【写真】
天望デッキのガラス床から真下を眺める人たち(市川和宏撮影)=22日午後、東京都墨田区で
江戸切子で内部を彩られたエレベーターが、分速六百メートルまで急加速する。スカイツリーの中腹、地上三百五十メートルまで、わずか五十秒。つられてテンションも最高潮。扉が開くと、そこに広がっていた光景は−。
「うわー、真っ白!」
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記者が参加したのは、東京観光の老舗「はとバス」のツアー。プラチナチケットといわれるツリー展望台の入場券付きとあって、約十五分で売り切れたという人気バスツアー(一万五百円)に同乗できた。記者はツリーがある墨田区の隣、台東区民なので、タワーはいつも見上げる身近な存在。上るなら絶景を楽しみたい。そんな願いもむなしく、雨模様の開業日を迎えた。
朝九時すぎ、バスは四十四人の客を乗せ、JR浜松町駅前を出発。日本一の座を明け渡した東京タワーがお見送りだ。川崎の娘夫婦宅に滞在中という徳島市の本間和子さん(70)は「十日前から来ているのに、今日だけ雨なんて」と苦笑い。
国会議事堂を見学し、バイキングの昼食の後、午後一時半、いよいよツリーのふもとに到着。もやがかかって足元しか見えない。カメラのフラッシュが光った、と思ったら雷だった。でも大丈夫、ツリーの落雷対策は万全らしい。
一行は高速エレベーターで、地上三百五十メートルの「天望デッキ」へ。巨大ガラスの窓からは、白い雲しか見えなかった。手前にあるパノラマ写真で眺望を味わった気分になる。きょうが誕生日という和田友子さん(36)=埼玉県所沢市=は「開業日でもなければ雨の日には上らないので、いい記念になった」とプラス思考だ。
次は、デッキからさらに百メートル上の「天望回廊」を目指す。チケット売り場では大行列を覚悟したが、五分で購入できた。
地上四五一・二メートルの最高到達点「ソラカラポイント」に到着。外は相変わらず真っ白だが、気温がぐっと下がった。雨が白いものに変わり、「あ、雪だ」の声が飛び交った。
デッキに戻ると、人だかりができていたのは、はるか地上を見下ろすガラス床の周辺。高いところは苦手なのだが、高すぎて感覚がまひしたらしく、何とかガラスの上に足を載せ、空中に立つ感覚を味わった。
地上に戻り、バスに帰る道すがら、夫婦で参加した富川映子(てるこ)さん(84)=横浜市緑区=から、東京大空襲で墨田区一帯が焼け野原になったころの話を聞いた。「きょうはうれしいのが半分、残りは鎮魂の気持ちで上りました」。いつか晴れた日にまた上ろう、と誓った。 (樋口薫)
<【経済】[東電利益 家庭から9割 電気料金審査委販 売量は4割弱]>
2012年5月23日 夕刊【図】
東京電力が申請した家庭向け電気料金の値上げの妥当性を検証する経済産業省の審議会「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念(あんねん)潤司中央大法科大学院教授)は二十三日、東京電力などの全国の十電力会社の収益構造を明らかにした。東電の販売電力量の六割は企業など大口利用者向けだが、利益の九割は家庭向けで上げていた。
全国平均でも傾向は同じで、家庭向け料金が企業向けより、大幅に割高になっている実態が初めて明らかになった。
経産省が全国の電力会社の二〇〇六〜一〇年度の販売電力量や電気事業利益などの比率をまとめた。東電管内では年度平均で、企業向けの販売電力量が千八百一億キロワット時で全体の62%を占め、残り38%の千九十五億キロワット時が家庭向けだった。一方で、利益は家庭向けが千三百九十四億円と全体の91%も占め、企業向けは百四十三億円とわずか9%だった。
この日の審議会で、東電の高津浩明常務は企業向けの利益が少ない理由について、「新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発の全号機停止や燃料価格の歴史的な高騰で、燃料費の比率が相対的に高い(企業向けの)自由化部門の収支が悪化したため」と釈明した。
全国でも、企業向けの販売電力量が全体の62%を占め、家庭向けが38%だったの対し、利益は家庭向けが69%を占め、企業向けは31%にとどまった。
企業向けの電気料金は自由化されており、電力会社は自由に価格を設定できる。小売りの新規参入者の特定規模電気事業者(PPS=新電力)などとの競争で、販売価格を下げたため、利益幅も少なくなっている。
一方、家庭向けは電力会社が各営業区域で販売を独占している。電気料金も発電にかかる費用に利益を上乗せできる「総括原価方式」に守られ、経費削減で身を削らなくても安定的な利益が得られる構造になっている。企業向けの競争が、家庭にしわ寄せされている形だ。