○漫画映画(アニメ)全般
■形式■
○猫の漫画映画
■フリッツ・ザ・キャット■
○漫画作者
■ラルフバクシ■手塚治虫■
○漫画作者の生活
■収入■
猫が主人公の漫画映画と手塚治虫氏 (丙0043)
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実家は農家であるので、鼠除けの猫が、いつもいた。数年あるいは十数年生まれては死に、生まれては死に何世代も引き継がれた。一匹乃至は二匹ぐらいしか飼えないので、引き継がれない時、病気や事故で死んだ時には、別の猫が貰われて来た。鼠を捕る限り猫はペットではない。鼠を捕る限り、猫の主体性を失うことはなく、例え寝てばかりいても野生も失わうことがない。猫が猫たる由縁である。私はこういう猫という動物から人生を学んだようだ。いや学びたいと思った。子猫を生む時も屋根裏で生んだり、私の寝ている隣と言って良いほどの近くで生んだこともあった。生まれたばかりの猫を人間が干渉すると、食べてしまう猫もいるが、逆に子猫を見せに来るといっていいほどの猫も多くいる。物心つくころからいたので、猫には親しみをもっていた。このためか、猫の出るTVなどは、よく見ていた。猫が主人公といえば、ロボットのドラえもんは別格として、トムとジェリー、猫のフィリックス(?;タイトル名の記憶が曖昧)、ドラ猫大将などしか知らない。それらは、猫の習性は良く描かれたものが多く、見ていて楽しいものである。鼠を捕る猫は、その野生も含めて習性が良く描かれ、捕らない猫はそのぐうたらな習性を誇張してそれなりに描かれていた。大学生になった頃、当時キネ旬で、哲学的で過激な発言や行動で話題になった漫画映画があった。ラルフバクシの「フリッツ・ザ・キャット」である。1971年制作、1973年公開。その当時、岐阜にいたか、金沢にいたか記憶はないが、このような映画は、田舎では上映されず、これを見ることは諦めなければならなかった。その後、上京し、そのころ勤めていた会社が東横線沿線にあったことから、多分、元住吉(木月祇園町)か新丸子(小杉陣屋町)に住んでいたころだと思うが、京橋のフイルムセンターで「フリッツ・ザ・キャット」が上映されることになった。
そこで、当日、仕事を定時(多分4:50頃)で切り上げ、最寄りの新丸子駅に走って行き、そこから中目黒経由で京橋に向かった。急いでセンタに向かい、できるだけ前の方の空いた席につき席をとった。その席の直前の列にベレー帽をかぶったいつものスタイルの手塚治虫氏が偶然にも座っておられ、隣席の方の求めに応じて色紙にサインをされているところであった。鉄腕アトムを形づくる緩急のある曲線の軌跡を瞬時に描かれ、その早さに驚いた。晩年、なんでもない曲線が書けないと、その衰えを嘆いておられたが、それが信じられないような早業である。後で寄った一階奥にあった喫茶コーナの壁にも、その前に書かれた異なるバーションの色紙が早速飾ってあった。そのスタッフの方もその経緯と見事な様子をお客さんに対し話しているところだった。
ロバ−ト・クラムの有名なアングラコミックを映画化した「フリッツ・ザ・キャット」は、ニューヨークのグリニッジビレッジやハーレムなどが舞台で、ベトナム戦争後の米国の状況が反映されたものであった。猫の他に警官の豚、カラス、兎、馬、等々の動物が登場し、調子のよい猫のフリッツの言動に沿って物語は進行し、その当時の状況として、フリーセックス、大麻、ヒッピー、革命、暴力、爆破などを、シリアスではなく、面白おかしく描いたものであった。その状況の細部の記憶は、あまりない。公開から数年、制作から5年程度経過していたので、漫画以外の同種の映画も多く、映画がアニメであったことから、強烈な印象もあまりなく、特別に哲学的もなかったようだ。仮にそうであったとしても、夏目漱石の『我輩は猫である』もそうであるように、その習性から驚くことでもない。だからあまり驚かなかったかもしれないし、記憶にも残らなかったかもしれない。鼠を捕る猫は真剣で身のこなしはしなやかである。鼠を捕らない時も縄張りづくりや、身づくろい、睡眠と、バランスの取れた生き方を猫はする。人間のように、忙しがったり、環境を破壊するような無駄なことはしない。よく生きる猫が哲学的でないはずがない。近頃の猫は、家の中だけ生活し、カリカリのペットフードを食べるだけのものになりさがっている。都会では、中外自由な生活は難しく、可哀想で飼っていないが、田舎の猫も鼠を捕らなくなり、あまりかわらない。猫だけでなく、人間も会社の中だけで生きているサラリーマンが多すぎる。私は、鼠を捕る猫に学びたい。調子のよい猫のフリッツがDVDやHD DVDになったら、もう一度会ってみたい。
キネマ旬報DBのフリッツ・ザ・キャットURL;
http://www.walkerplus.com/movie/kinejun/index.cgi?ctl=each&id=7862
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