ミステリー
奇面館の殺人(綾辻行人:2012年作品)懐かしくも新しい――これぞ綾辻・館ミステリの神髄!!
登場人物全員の“顔”が仮面の下に……!? 前代未聞のシチュエーションで繰り広げられる驚愕の推理劇。 奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。館に伝わる奇妙な仮面で全員が“顔”を隠すなか、妖しく揺らめく<もう一人の自分(ドッペルゲンガー)>の影……。季節外れの吹雪で館が孤立したとき、<奇面の間>に転がった凄惨な死体は何を語る? 前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実(ししやかどみ)が圧巻の推理を展開する! 名手・綾辻行人が技巧の限りを尽くして放つ「館」シリーズ、直球勝負の書き下ろし。 (講談社HP紹介文)
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「館」シリーズ第9弾。久々の「館」シリーズです。「びっくり館」以来ですから、6年ぶりということになります。作者のあとがきによると、シリーズは全10作を予定しているみたいですね。
「吹雪の山荘」「仮面(来客全員が鍵のかかった仮面をはずせないという特異な状況です)」「首なし死体」と、ミステリファンを喜ばせる要素がてんこもりです。
またこれら要素のうち、「吹雪の山荘」のクロズドサークルはともかく、「仮面」や「首なし死体」のシチュエーションの必然性に、従来の作品にはないような意味づけがなされており感心しました。特に「仮面」の使い方が巧いですね。
これまでの「館」シリーズの中では、「水車館」や「迷路館」に近い雰囲気。きわめてロジカルで細かな伏線がいくつも張られており、丁寧に作りこまれた本格色の高い作品だと思います。綾辻氏の様々な作風の中でも私の好きな作風でした。
ただ読後感はいまいちなんですよねえ。「十角館」や「迷路館」で味わったような驚きが不足していたような・・・、探偵役の鹿谷の後半の推理シーンが延々と単調に続き若干辟易させられた気も・・・、綾辻氏の新作への期待度が高すぎたのか・・・等々、いい作品だとは思うのですが何か物足りなさを感じ、いまいち感激が薄かったのが正直な感想です。
次回「館」シリーズ最終作に驚愕の作品を期待しています。
私的満足度:70点 ★★★☆ (2012年のミステリーのランキングでは、もちろん上位にいくとは思いますが・・。)
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