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あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む  <百人一首3>

ー3−

あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む   柿本人麿 

<『拾遺集』・巻十三・恋三・に「題知らず、人麿」>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[山鳥のながながしいしだれ尾のように]

まことに長い秋の夜を

[山鳥の雌と雄が谷を隔てて夜を過ごすのに似て]

あなたを恋い慕いながらひとり寝するわたしであることよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(夜は一人寝するといわれる)山鳥の
長く垂れ下がっている尾のように
長い長い秋の夜を
わたしも一人寝るのだろうかなあ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あしひきの; 山鳥の「山」の枕詞。

山鳥の尾の; 
「山鳥」はきじ科に属する野鳥。雄は尾が長い。雌雄、夜は谷を隔てて別に寝ると伝えられ、結句の「ひとりかも寝む」と関係がつく。
「の」は、共に連体修飾語をつくる格助詞。

しだり尾の;
「しだり尾」は長く垂れ下がっている尾。
「の」は、たとえ(・・のように)を表す格助詞。本来は主格表示。
以上三句で、「ながながし」の序詞。

ながながし夜を ひとりかも寝む;
「ながながし」は、シク活用形容詞終止形(上古における連体形代用)
「ひとり」は名詞。
「か」は疑問の係助詞で、結びは「む」。推量の助動詞「む」の連体形。
「も」は感動・強意の係助詞。
「寝」は下二段活用動詞「ぬ」の未然形。
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<人麻呂は「神」が似合う>

思へども 思ひもかねつ あしひきの 山鳥の尾の ながきこの夜を  
 万葉集・巻11

あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の 長永夜呼 ひとりかも寝む  
 (ある本の歌にいわく)
「長永夜呼」(ながきながよ)は「拾遺集」では「ながながしよを」に。

「しだり尾のながながし・・・」は言い得て妙。

柿本人麿は、持統・文武朝(七世紀末から八世紀初頭)において、皇族讃迎の歌や挽歌の秀作を多く残した白鳳時代の宮廷歌人であった。

人麿をまつる人麿神社は、火災よけの神様としても知られている。ヒトマル・火止まる、か。
ヒトウマル・人生まる、で安産の神様でもある。

ほのぼのと 明石の浦の 朝霧に 島がくれゆく 船をしぞ思ふ

明石は海の難所であるから、すいなんよけの神様でもあり、「あかし」から目を明かしてくれる目の神様でもある。

昔、筑紫から目の見えぬ娘がはるばる明石の人丸神社までお参りに来た。そうして七日間参籠して歌を詠んだ。

 ほのぼのと まこと明石の 神ならば 我にもみせよ 人丸の塚

詠んだとたんに目があき、彼女の目に美しい明石の浦の風景がとびこんできた。 不要になった杖を神社前に突き刺して帰ったところ、杖はそこに根付いて、毎年美しい桜の花を咲かせた。これを盲杖桜と今によばれている。

人麿はふしぎな伝説にまみれた人である。
庶民だけでなく、インテリたちも、人麿を歌聖と尊ぶ。
ほかの歌人はそうは呼ばれない。
山部赤人も大伴家持も歌聖とはいわれないが、すでに「古今集」の序に、
紀貫之は、「柿本人麿なむ歌の聖なりける」と書いている。
人麿は歌人の守り神ともなった。

【主な派生詩歌】

思へども 思ひもかねつ 足引の 山鳥の尾の 長き今宵を 
 (柿本人丸[新千載])
山陰や 山鳥の尾の ながきよを 我ひとりかも あかしかねつつ
 (慈円)
花みつつ けふもくらしつ 足引の 山鳥の尾の 長き日影を
 (家隆)
山鳥の すゑをの里も ふしわびぬ 竹の葉しだり 長き夜の霜
 (〃)
秋はまだ 遠山鳥の しだり尾の あまりてをしき 有明の空
 (〃)
独りぬる 山鳥の尾の しだり尾に 霜おきまよふ 床の月かげ
 (定家[新古今])
うかりける 山鳥の尾の 独り寝に 秋ぞ契りし 長き夜半とも
 (定家)
ふるさとは 遠山鳥の 尾のへより 霜置く鐘の 長き夜の空
 (〃)
なきぬなり 木綿付け鳥の しだり尾の おのれにも似ぬ 夜半の短さ
 (〃)
桜咲く 遠山鳥の しだり尾の ながながし日も あかぬ色かな
 (後鳥羽院[新古今])
足曵の 山鳥の尾の ながらへて あらば逢ふ夜を なくなくぞ待つ
 (源家清[続後撰])
山鳥の 尾のへの里の 秋風に ながき夜さむの 衣うつ也
 (衣笠家良[続後撰])
しぐるらし 紅葉の錦 しきしまの 山どりのをの なが月の空
 (後二条院)
かひなしや 山鳥の尾の おのれのみ 心ながくは 恋ひわたれども
 (藤原経継[玉葉])
ねをかけよ 鳴くや軒ばの 山鳥の しだり尾ながき あやめをぞふく
 (正徹)
たへてすむ 山鳥の尾の ながき夜も いづらは月の あかず更けぬる
 (長嘯子)
山鳥よ 我もかもねん 宵まどひ  (芭蕉)

<出典・記事転載[千人万首]等より>

柿本人麻呂 かきのもとのひとまろ 生没年未詳 
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html
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<心の目>
[重陽の節句を祝う]さんのブログより。
「歌に表わされたピラミッド 」
http://blogs.yahoo.co.jp/mizunoene17/44228060.html?vitality

足日木乃 山鳥之尾乃 四垂尾之 長永夜乎 一鴨將宿
  あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

一つに、箒星 を想像する、ということは、前に書きました。→ http://blogs.yahoo.co.jp/mizunoene17/44124266.html

今一つ、この歌の気に掛かる事項として、歌の中にある “数字” があります。

 四 と、一 です。

四垂尾之 (しだり尾の) ー ー ー この 四垂 (れ) は、現在は、枝垂れ と書くのが一般的で、分かりやすく、ここに、四 という数字を使うのは、冗談めいた感じがあります。

一鴨將宿 ー ー ー ひとり かもねむ、と訓読みされていますが、この 一 という数字も、妙な印象があります。
四 と 一 には、何か、歌の作者による意図が秘められていると、感じるのです。

あしびきの 山、と、この歌は始まりますから、先ず、読んだ人の頭に浮かぶのは、末広がりに聳える、三角形の山の形です。
次に 四 という数字、そして、歌の終わりに 一 の字、・・・一 は頂点を意味していると思う、ですから、その 山 は、四角錐 の、人工的な山 を言っていると思うことが出来ます。

四角錐の人工的な山 とは、ピラミッド に他なりません。

<中略>

エジプトに有名な 三大ピラミッド と呼ばれるものがありますが、あれは、オリオン座の三ツ星 なのだ とも云われています。

豊玉姫の歌には、オリオン座に輝く二つの星、赤い 恒星 ベテルギウス と、白い 恒星 リゲル が歌われており、古事記 の 「海幸、山幸」 と ギリシャ神話 の オリオン には相似するものがある訳です。

私は、人麻呂等は、エジプトの三大ピラミッドを知っていたのだ と、思いますし、この ‘あしびきの・・・’ の歌の ピラミッド がその ピラミッド なのだと思います。

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