=2010年11月2日=
先日のこと。
台風上陸の雨の日の夕方。
営業中、うちと道路を挟んだ向かいにあるホルモン屋さん
エ○カさん 「お世話になってます、向かいのホルモン屋なんですけど、、、お店はそろそろ終わりでしょうか?
実は今、お宅のお客さんのHさんが何人かで飲まれてまして、終わったら一緒に飲みませんか?というお誘いがあるんですけど。
もしよろしかったらお待ちしておりますね」
私 「あっ、あ、はい。。。」
Hさんは先ほどうちの店でカットをして帰られて、その足で向かいのホルモン屋さんへ行かれた模様。
Hさんは70歳の女性ですが、背が高く色白で、明るい性格、茶色の髪色とショートヘアがお似合いの華のある女性です。
歩くときは背筋がピンと伸びていてとてもかっこいいんです。
お若いときは老舗百貨店の三○でエレベーターガールをやっていたそう。
また、ご結婚され熟年となったころにはスナックを経営されていました。(現在は引退して孫ちゃんをみながらの悠々自適生活)
さて、私としましては
今晩、うちの家内が昨日から仕込んでいたおでんをツマミに日本酒を燗でゆっくりやろうかなと思っていたんですが、
この状況により急遽予定変更と相成りました。
あいにくの雨でお客様のご予約もきれた状態だったので、私はそそくさと店を閉めて子一時間ばかりと出かけていきました。
ホルモン屋さんの入り口を開けると、
「あ〜ら、今日はきれいにしてもらってどうもね!」と、Hさん。
店内にはHさんとお友だち男女2人とエ○カままさんの4名が、日本酒の一升瓶を傍に置きホルモン鍋を囲んで盛り上がっておりました。
外は台風の影響で結構な雨。
早速私はHさんたちの傍に招かれ、とりあえず生ビールを注文し乾杯という運びになりました。
Hさんのお隣に座る目鼻立ちのしっかりしたスポーティーな服装の女性はHさんの昔からのお友達だそう。
彼女は、ミ○チーさんという愛称で皆に呼ばれていました。
Hさん 「ねえねえ、マスター(私のこと)。この彼女、誰かに似てない?」
私 「う〜ん、誰かな。 芸能人ですか?」
Hさん 「ほ〜ら、ほらほらよく見て!」
私はジッとミ○チーさんをみつめましたが、そこには60歳代ですが少しお若い感じのご婦人という印象のみです。
Hさん 「ほらっ、マスター。ち、あ、き、な、お、み!」
そう言われて、もう一度ミ○チーさんを見つめてみると、「ああ、なるほど。なんとなく。。。」と思いました。
そんな表情の私に、
ミ○チーさん 「ちょっと待って。写真あんだから」
と言ってバックの中を探りながら、出てきた1枚の写真。
ミ○チーさん 「○ントリー・クラブって知ってる?ほら、昔、国分町(仙台で一番の夜の歓楽街)で一番流行ってたクラブ!」
Hさん 「彼女、そこに勤めてたのよ」
私 「ああ、そうですか」
写真は、お店らしきところのカウンターの前に目鼻立ちが整って色白のセクシーな美人が写っていました。
私 「き、きれいですね。。。」
ミ○チーさん 「それっ、34のときの!」
私 「うしろにいる男の方は?」
ミ○チーさん 「死んだとうちゃん!」
私 「ああ〜、そうですかぁ。。。」
それからというもの、Hさん、ミ○チーさん、エ○カままさんは昔の自分の話を始めて場は一段と盛り上がるのでした。
エ○カままさんは少々酔っ払ったのかカウンターの奥から大きな額縁に入ったジャニーズ系の男の子と女装している自分のツーショット写真をもってきました。
エ○カままさん 「ねえ、みてみて!いい男でしょう!このときの私は40ぐらいだから、ええ〜と今私は60だから、彼は今きっと40代だわね。今、なにしてるんでしょうねぇ。。。きっと、どこかでがんばってることでしょう!」
その後は、こんな楽しい雰囲気の中、皆で宴を過ごしました。
途中、ブンブン飛び回る一匹のハエがいて、
Hさん 「ちょっと、まま!このハエ、なんとかして!」
エ○カままさん 「なんとかしてったって、ほら、みんなここで食べて飲んでるでしょ。考えても見なさい。殺虫剤、振りまくわけいかないわよ!」
Hさん 「でも、やなの!なんとかしてっ!」
エ○カままさん 「もう〜、しょうがないわね。こういうときは楽しくやらなくっちゃねっ。
みんなで、あのハエの名前を考えましょ!私は○○子ちゃん!」
私は心の中で、「ままさん、さすがっ!」と感服致しました。。。
そんな粋なやりとりもあり、
外の大雨とは対照的にこのホルモン屋さんの天気は穏やかな能天気となっておりました。
翌朝のこと。
私がお茶を飲み新聞を読んでいると、
あのカリスマ演出家「宮本亜門」さんの「お父さんの言葉」が目にとまりました。
「ぼくらは楽天的なところが似てるんじゃないかな。人生は深く悩むには短かすぎる」。
このとき、私にはこの言葉がなんとなくわかるような気がしました。。。