美容室トパーズの「マイブーム」

トパーズは鏡と椅子がひとつ、そして美容師が一人で営業している完全予約制のお店です。

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ホクロ(再11)。

 
=2010年10月11日=
 
 
朝の起きがけ。。。
 
 
中1の息子  「パパ、手に2本線があると人の2倍の運を
持つんだって」

 
私 「ふ〜ん。それはすごいな」

 
息子 「それとさっ。親指にホクロがあると、、、。」

 
私 「なに?」

 
息子 「性欲が強いんだって!」

 
私 「・・・・・・・」

 
息子 「でも、パパ。性欲って何?」

 
私 「・・・・・・」
 
 
 
〜それは、お前の「朝の股間」が証明している。。。〜

と、言おうと思ったがやめた。

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「おかまちゃんのホルモン屋さん」での宴(再10)。

 
=2010年11月2日=

 
先日のこと。
台風上陸の雨の日の夕方。
営業中、うちと道路を挟んだ向かいにあるホルモン屋さん
http://blogs.yahoo.co.jp/kamihatopaz/31680124.html)のエ○カさんから電話がありました。
エ○カさんは最近地元でも有名になった還暦のおかまちゃん。
ホルモンを扱うお店ということで、これまでの女装を封印したという真面目なおかまちゃんです。

 
エ○カさん  「お世話になってます、向かいのホルモン屋なんですけど、、、お店はそろそろ終わりでしょうか?
実は今、お宅のお客さんのHさんが何人かで飲まれてまして、終わったら一緒に飲みませんか?というお誘いがあるんですけど。
もしよろしかったらお待ちしておりますね」
私  「あっ、あ、はい。。。」
 
 
Hさんは先ほどうちの店でカットをして帰られて、その足で向かいのホルモン屋さんへ行かれた模様。

 
Hさんは70歳の女性ですが、背が高く色白で、明るい性格、茶色の髪色とショートヘアがお似合いの華のある女性です。
歩くときは背筋がピンと伸びていてとてもかっこいいんです。
お若いときは老舗百貨店の三○でエレベーターガールをやっていたそう。
また、ご結婚され熟年となったころにはスナックを経営されていました。(現在は引退して孫ちゃんをみながらの悠々自適生活)

 
さて、私としましては
今晩、うちの家内が昨日から仕込んでいたおでんをツマミに日本酒を燗でゆっくりやろうかなと思っていたんですが、
この状況により急遽予定変更と相成りました。
 
 
あいにくの雨でお客様のご予約もきれた状態だったので、私はそそくさと店を閉めて子一時間ばかりと出かけていきました。

 
ホルモン屋さんの入り口を開けると、
「あ〜ら、今日はきれいにしてもらってどうもね!」と、Hさん。

 
店内にはHさんとお友だち男女2人とエ○カままさんの4名が、日本酒の一升瓶を傍に置きホルモン鍋を囲んで盛り上がっておりました。
外は台風の影響で結構な雨。
早速私はHさんたちの傍に招かれ、とりあえず生ビールを注文し乾杯という運びになりました。
 
 
Hさんのお隣に座る目鼻立ちのしっかりしたスポーティーな服装の女性はHさんの昔からのお友達だそう。
彼女は、ミ○チーさんという愛称で皆に呼ばれていました。
 
 
Hさん  「ねえねえ、マスター(私のこと)。この彼女、誰かに似てない?」
私  「う〜ん、誰かな。 芸能人ですか?」
Hさん  「ほ〜ら、ほらほらよく見て!」
私はジッとミ○チーさんをみつめましたが、そこには60歳代ですが少しお若い感じのご婦人という印象のみです。
Hさん  「ほらっ、マスター。ち、あ、き、な、お、み!」
そう言われて、もう一度ミ○チーさんを見つめてみると、「ああ、なるほど。なんとなく。。。」と思いました。

 
そんな表情の私に、
 
 
ミ○チーさん  「ちょっと待って。写真あんだから」
と言ってバックの中を探りながら、出てきた1枚の写真。
ミ○チーさん  「○ントリー・クラブって知ってる?ほら、昔、国分町(仙台で一番の夜の歓楽街)で一番流行ってたクラブ!」
Hさん  「彼女、そこに勤めてたのよ」
私  「ああ、そうですか」
写真は、お店らしきところのカウンターの前に目鼻立ちが整って色白のセクシーな美人が写っていました。
 
 
私  「き、きれいですね。。。」
ミ○チーさん  「それっ、34のときの!」
私  「うしろにいる男の方は?」
ミ○チーさん  「死んだとうちゃん!」
私  「ああ〜、そうですかぁ。。。」

 
それからというもの、Hさん、ミ○チーさん、エ○カままさんは昔の自分の話を始めて場は一段と盛り上がるのでした。
エ○カままさんは少々酔っ払ったのかカウンターの奥から大きな額縁に入ったジャニーズ系の男の子と女装している自分のツーショット写真をもってきました。
 
 
エ○カままさん  「ねえ、みてみて!いい男でしょう!このときの私は40ぐらいだから、ええ〜と今私は60だから、彼は今きっと40代だわね。今、なにしてるんでしょうねぇ。。。きっと、どこかでがんばってることでしょう!」
 
 
その後は、こんな楽しい雰囲気の中、皆で宴を過ごしました。

 
途中、ブンブン飛び回る一匹のハエがいて、
 
 
Hさん  「ちょっと、まま!このハエ、なんとかして!」
エ○カままさん  「なんとかしてったって、ほら、みんなここで食べて飲んでるでしょ。考えても見なさい。殺虫剤、振りまくわけいかないわよ!」
Hさん  「でも、やなの!なんとかしてっ!」
エ○カままさん  「もう〜、しょうがないわね。こういうときは楽しくやらなくっちゃねっ。
みんなで、あのハエの名前を考えましょ!私は○○子ちゃん!」
 
 
私は心の中で、「ままさん、さすがっ!」と感服致しました。。。

 
そんな粋なやりとりもあり、
外の大雨とは対照的にこのホルモン屋さんの天気は穏やかな能天気となっておりました。
 
 
 
翌朝のこと。
私がお茶を飲み新聞を読んでいると、
あのカリスマ演出家「宮本亜門」さんの「お父さんの言葉」が目にとまりました。
 
 
「ぼくらは楽天的なところが似てるんじゃないかな。人生は深く悩むには短かすぎる」。
 
 
このとき、私にはこの言葉がなんとなくわかるような気がしました。。。
 
 

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親と子(再9)。

 
 
=2012年4月5日= 
 
 
 
 「久しぶりのお客様」のご来店。
 
ご年齢は、80代です。
 
 
〜パーマをおかけしながら〜
 
お客様 「息子が胃がんで余命がないんだよ」
 
私 「そうですか。。。息子さん、おいくつでしたっけ」
 
お客様 「55かな」
 
私 「確か僕と同じ高校で学年が上でしたね」
 
 
お客様 「もう末期で、去年胃は全部とったから。今は体力がないということで入院してる」
 
私 「ああ、そうですか。。」
 
お客様 「昨日、普段は流動食なんだけど、アイスクリーム食べたいって言って食べてたな」
 
私 「美味しかったでしょうね、アイスクリーム。。」
 
 
お客様 「ここでパーマかけてから息子の病院に行くんだ」
 
私 「お時間、間に合わせますからね」
 
 
〜お会計のとき〜
 
お客様 「風強いから、帽子かぶっていっかな」
 
私 「いや、かぶらないでください。パーマかけたばっかりでスプレーもかけてないので、乱れてもすぐ直せますから」
 
お客様 「そうかい」
 
私 「どうかきれいになった髪で、息子さんに会ってください。」
 
お客様 「・・・・・・・」
 
私 「息子さん、きっと喜びますよ。僕も子供の立場で言わしてもらうと、子供はいつでもおかあさんがきれいにしてるのがなにより嬉しいんです。大きくなっても年齢いっても、親は親、子供は子供ですから。変わらないんです」
 
お客様 「じゃ、そうするよ」
 

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どうしてもご予約をお取りできないお客様(再8)。

 
 
=2012年3月4日=
 
 
 
午後8時ごろなんですが、
私がセット面で最後のお客様を仕上げておりましところ、
入り口のドアチャイムが鳴り、人が入って来たんです。
 
 
中肉中背の黒い服を着た30〜40代とも思える男性が
私のそばにいきなり向かってきて、
頭を指差し、「カラー、、、。カラーやって欲しいんですけどっ!」と言いました。
 
 
男性 「金髪じゃなくって、、、あのちょっと茶、みたいな。わかるでしょ?」
 
私 「いやぁ〜ごめんなさい、もう営業終わりなんですよ」
 
男性 「あっちゃ〜、だめですかぁー!」
 
私 「一応、予約制なのであらかじめ電話でご予約いただくとなるべく待たないで入れます」
 
男性 「実は、知り合いの人にここがいいって聞いて来たんですけど」
 
私 「ああ、そうですか。もし、差し支えなければご紹介されたお客様の名前は」
 
男性 「いやっ〜、言ってもいいんですが、、、。なにせ個人情報なもんで」
 
私 「・・・・・・・・・・」
 
 
男性 「明日は?」
 
私 「明日は予約が詰まっていてお入りできないんですよ」
 
男性 「じゃあ、オレ、木曜日が休みだから、先に仮予約してってもいいですか?」
 
私 「あっ、いいですよ」
 
 
予約帳を見ながら、、、。
 
私 「ええーと、お名前は?」
 
男性 「いやぁ〜、ちょっと。言わないとだめですか?」
 
私 「えっ、普通、予約のときはお名前をお聞きするんですが。。。」
 
男性 「いやぁ〜、これって、ほらっ個人情報ですからぁ〜」
 
私 「言えないんですか、名前。。。」
 
男性 「ええ、ちょっと。。なにせ、ほらっ、個人情報ですからぁ〜」
 
私 「・・・・・・・・」
 
 
私 「それと、ご新規のお客様にはお電話番号もお聞きするんですが。。」
 
すると、男性はいきなり頭をかかえながらしゃがみこんだ。 
 
男性 「あちゃー、電話番号ですかっ!うわぁ〜、勘弁してくださいよぉ〜。なにせ、ほらっ個人情報ですからぁ〜」
 
私 「・・・・・・・・・」
 
 
やがて、男性はおもむろに姿勢を正し、
「ここ、シャンプーってありますか?」
 
私 「ええ、ありますけど」
 
男性 「オレは、ビダルサッスーンかツバキかエッセンシャルしか使わないんすよ」
 
私 「それは、ちょっと残念ながら無いですね」
 
男性 「オレ、パーマなんかかけたほうがいいですかね?」
 
私 「パーマヘアがお好みなら」
 
 
男性 「それから・・・・・・」 
 
 
男性が話しを続ける感じでしたので、
 
私 「今、お客様を仕上げている途中なので。。。」
 
と言いましたら、
 
男性は、頭をかかえながら、「あちゃー、また今度来ます!」と言葉を残しドアの外に消えていきました。
 
ごめんなさい。
 
お名前とお電話番号をお聞きしないと当店ではご予約をお受けすることができません。
 
どうかそこのところ、宜しくお願い申し上げます。

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小学生のとき(再7)。

 
 

=2011年12月9日=

 
1960年代。
 
近くの道は、土や砂利で埃っぽかった。
車がよく通るところは、タイヤが砂利を跳ね除け深い轍ができていた。
 
 
いたるところで大工さんが木組みの家を建て始めた。
ショベルカーで土地をひっくり返した土片の新しい断面に、遠い昔の化石をたくさん発見した。
建てまいのお払いのときには、屋根上から蒔く餅や硬貨を皆で争いながら夢中で拾った。
 
 
広場や空き地は、工場の資材やスクラップが山積み。
その上に乗ったり飛び降りたり、隠れたり壊したりして楽しむ。
捨てられた自動車に乗ってハンドルを握り、大人になった気分で運転の真似をした。
 
 
春は川釣りに行った。
湿った藁の山に潜んでいるミミズを釣り針に刺し、川の向こう岸めがけ、思いっきり竿を振り抜いた。
ふと上を見上げると、そこには雨水を含んだ藤の花。
木々の隙間を通り抜けた陽の光に反射して、キラキラ光っては揺れていた。
釣った川魚は綺麗な虹色。
家に帰って水道水を貯めたタライに入れたら、、、すぐ死んでしまった。
 
 
夏、早起きして林の中へ。
前日、砂糖水を木々の幹に塗っておいた。
その箇所を、恐る恐る覗いてみる。
と、クワガタムシが気配を感じたのか穴の奥にしり込みした。
すかさず手を穴の中へ。
しばらく無言で格闘した後、引き出した手を高々と上げ雄叫びを上げる。
青空に、クワガタムシに挟まれた指が痛い!
 
 
秋は山歩きしながら草や実で遊ぶ。
道端の長い草の茎を軽く剥いて口にくわえれば、豆腐屋さんの縦笛に。
椿の実は角を擦って穴を開け、中身をくり貫いて斜めに息を吹くと優しい音がした。
この楽器があれば、日が暮れようとも怖くない。
 
 
冬になると、天日干ししている藁を積み上げ基地作り。
懐中電灯やマンガとお菓子をみんなで持ち寄って、
暗くなるまでそこでゴロゴロしていたらいつのまにか眠ってしまった。
 
やがて、
近くの道はアスファルトでコーティングされ埃も立たなくなった。
 
そして、僕の前を真新しい中学生の制服が、大人のような顔をして通り過ぎて行くのだった。
 

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開設日: 2008/3/27(木)


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