松井冬子展〜世界中の子と友達になれる〜副題の意味するもの
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いきなり何の準備もなく、内臓をさらけ出した女性の絵画を目前に示されたなら、そのグロテスクさに、眉をひそめるだろうが、きちんと筋道を立てて鑑賞するとそうでもない。 会場は9つのステージに分かれて相互に補完し合っている様にも見える。受動と自殺〜幽霊〜世界中の子と友達になれる〜部位〜腑分〜鏡面〜九相図〜ナルシシズム〜彼方、 と進む最後に「生と死」のメッセージがあった。 日本画の古典絵画の基本と技法がしっかりしているからだろう、彼女の作品を鑑賞していると、仏教画を見ているような境地に陥った。 極楽浄土・念仏修行・転生輪廻などの教えを示す仏教画は「生と死」の世界と相通じるものがあると思う。 現実の彼女の作品は恐怖・狂気・ナルシシズムといった形で表わされる。それは人間の心に宿っている精神的、肉体的「痛み」にあるという。 痛みを抱えたまま現代に暮らす我々は、整備された無機質な世界に生かされている。しかしいつか死はやってくる。老衰や病気で死を迎える人もいれば、自ら命を絶ったり災害や事故で命を失う人もいる。 その時痛みはどう昇華するのか?現実から目をそらさず「生きる意味」をナチュラルに探究することで豊かな人生を送れることを、絵画は我々に説いているのかもしれない。 |