和尚の仏の話

仏教を知りたいと思っている人の為に書きました。

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第75話 『昔話(むかしばなし)を話せない大人達へ。』

「昔々あるところに」から始まる昔話は、お母さんから寝物語(ねものがたり)に聞くのが楽しみでした。今のお爺さんやお婆さんは子供の頃に毎晩のように昔話を聞いていました。ことに「桃太郎、浦島太郎、一寸法師、金太郎、舌切り雀、かぐや姫、鶴の恩返し、花咲か爺」は、昔話のヒーローやヒロインでした。昔話の中には子供の感性を養い、礼儀作法を学び、目上の人達を敬い、両親や祖父母を大切にして、社会人としての常識を持ち、人の為に役立つ人間になる教えがいっぱい詰まっています。
昔の親達は子供の躾(しつけ)にはさまざまな知恵を使いました。たとえ話も上手でした。子供は厳格な父と良妻賢母の母に厳しく、そして優しく育てられました。親達から教わった事は、世の為人の為に役に立つ人間になる事でした。
最近の大人達は自分の子供に昔話を話せなくなりました。なぜならば今の親達の大多数は子供の頃、鍵っ子だったのです。
その頃の親達の大多数は物質の豊かさだけを求めた為に、子供達と親達との心のふれ合いが少なく、対話も無かった為に昔話も聞いた事がなかったのです。
この頃のブックストアーには子供の為にならないコミック本が山のようにあり、バトルゲームソフトも数多くあります。その結果子供達の中には人を殺してもリセットをすればまた生まれ変わると思っている子供達がいます。凶暴的な少年や排他的(はいたてき)な少女も多くなりました。今のお父さんお母さん達、今からでも遅くはありません。子供達との心のふれ合いを多くとり、情操的な趣味の共有に努め、家庭の団欒(だんらん)を多くつくりましょう。そしてもう一度忘れかけていた昔話を読んでみませんか。きっと役に立つと思います。
 
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吉祥寺・昇華山阿羅耶識院本堂の
京都・奈良の名刹寺院の仏像(写仏)三十八体の一体奈良・新薬師寺の薬師十二神将
卯年生まれの神様
安底羅(あんてら)大将
 
 
 

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第74話 『西行(さいぎょう)の時代の話』

NHKの大河ドラマ「平清盛」で登場する西行法師は、出家前の名前を佐藤義清(のりきよ)と言い北面の武士でした。
西行が登場した時代は平安時代の末期で、世の中は朝廷から庶民に至るまで混乱の極みでした。
西行が鞍馬寺で出家した理由は定かではありませんが、厭世の心である事は察せられます。当時の政治混乱を極め朝廷の崇徳院(すとくいん)〈崇徳天皇〉までもが島流しに遭い讃岐で逝去(せいきょ)されました。小倉百人一首の崇徳院の詠んだ歌は「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」と詠まれ、その歌は怨霊歌(おんりょうか)とも言われていて、菅原道真(すがわらのみちざね)の詠んだ「東風吹かばにおいおこせよ梅の花、主なしとて春な忘れそ」も恨みの歌として有名です。
西行の時代は殺戮(さつりく)と怨霊の時代でもあり、詠み人知らずの詩である「平家物語」も厭世(えんせ)の物語です。そして西行の歌は「新古今和歌集」には九十四首も記載されていますが、かなりの歌は世の中を憂える歌です。
最近の現代も平安末期の混乱の時代によく似ています。今は弱者切り捨ての時代です。
お墓のない霊達の声がどこからともなく聞こえてきそうです。
世の中や家族や子供達に見捨てられた親達の霊達が叫ぶ「厭離穢土(おんりえど)・欣求浄土(ごんぐじょうど)」の声が聞こえてくるような気がします。
そして数百万体にのぼる墓に入れない霊達が怨霊にならなければよいのですが。
 
 
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吉祥寺・昇華山阿羅耶識院本堂の
京都・奈良の名刹寺院の仏像(写仏)三十八体の一体
奈良・新薬師寺の薬師十二神将
寅年生まれの神様
迷企羅(めきら)大将
 
 
 

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第73話 「馬の耳に念仏」の話。

「馬の耳に念仏」の意味を成語大辞苑には「馬にありがたい念仏の声を聞かせても、意味もわからず、喜びもしないように、どんなに理のある意見を説いて聞かせても、聞き流すばかりで効果のないさまを言う」と書かれています。
「馬の耳に念仏」とは、まさに現在の人達のすがたを現しているような気がします。
お釈迦様はおっしゃいました「すべての人間には、喜怒哀楽を感じる心が備わっている。感情の起伏だけで生きているのは、人間ではなく、猿以下のけものです」と言われました。
東日本大震災も一年が過ぎましたが、瓦礫の山はほとんどそのままです。復興もしていません。
日本は地震国ですから、何時自分の住んでいる所が大震災に遭うかもしれません。「情けは人のためならず」と言う喩えがありますが、昔の日本人は助け合いの精神に富む国民で、困っている人が居たら我が事のように助け合いました。今の政府は災害被害者の声を「馬耳東風」と「馬の耳に念仏」とばかりに、我利我欲が国会にはびこっています。日本人の多くは阿鼻叫喚の現実を知らずに、刹那的な人生を送っています。「慈悲」と言う文字は日本には存在しないのかもしれません。お釈迦様が説かれた「法華経」というお経の中に「三車火宅の喩」という喩えがありますが、まさに今の日本は「三車火宅の喩」のなかの災害の中で無我夢中で遊んでいる童と同じような気がします。今の日本人の多くの人達は「智慧は知識に勝る」と言う格言を知らないのです。
 
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吉祥寺・昇華山阿羅耶識院本堂の
京都・奈良の名刹寺院の仏像(写仏)三十八体の一体
奈良・新薬師寺の薬師十二神将
丑年生まれの神様
伐折羅(ばさら)大将
 

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72話 『お花の名前を知らない子供達』

三月はおひな祭り、四月はお花祭り、五月は端午の節句と言うようにまさに春の花盛りです。しかし残念ながら都会のお花屋さんが少なくなり、お花はスーパーで買う物と思っている子供達が多くなりました。その結果スーパーで売っているお花の種類が少ない為に、お花の名前を知らない子供が多くなりました。
三月は桃の節句ですが、桃と梅の区別が出来ない子供が多くなり、ましてやお寺ではお花祭りを行うところがほとんど無くなり、お花祭り名物の甘茶は全然わかりません。ましてや五月の菖蒲(しょうぶ)やあやめや燕子花(かきつばた)はわからないし、ツツジとサツキもわかりません。そして牡丹(ぼたん)と芍薬(しゃくやく)はほとんど見た事がないようです。
日本は四季を通して花が咲き乱れる国ですが、団地やマンションが多くなった都会では猫の額ほどのお庭も造れず、コンクリートジャングル育ちの子供達は、魚や干物が泳いでいたり、切り身が泳いでいると思っています。情緒不安定はお花の美しさを知らない子供に多くいるそうです。
美しい日本に産まれて、四季の素晴らしい山や川や海があるのに、親が共稼ぎで忙しく、美しい四季を見に行けない子供達が多くなり、家庭や学校で虐めや非行が増えるのは、親だけの責任ではなく、日本の大人達全員の責任です。
情操豊かな子供達は大人になっても思いやりのある人になり、心の豊かな人達の国になるでしょう。
 
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吉祥寺・昇華山阿羅耶識院本堂の
京都・奈良の名刹寺院の仏像(写仏)三十八体の一体
奈良薬師寺の薬師三尊 月光菩薩
 
 

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第71話 『慈悲の光に傘を差す人達。』

私が子供の頃、毎日母親は朝起きると、東の方角に向かって手を合わせます。夕方になると西の方角に向かって手を合わせます。
ある日その理由を聞いたところ「今日も起きられた事に感謝をして神様に手をあわせて拝むのだよ」と言いました。「では夕方は」と聞きますと「今日一日無事に過ごせた事を感謝して神様に拝むのだよ」と言われました。何気ないその言葉が今ではものすごく大切な事に思えてくるのです。
私は毎日を生きて行くのに精一杯で、ともすると自分を産んで育ててくれた両親の事さえ忘れる事があります。
お釈迦様は「人間は生きているのではなく生かされているのです」と言われました。自分の耳、眼、鼻、舌、身体のどれ一つをとっても自分の自由になるものはありません。
よく母は「自分の身体のどれ一つをとっても神様の慈悲のお陰で自分が生きていられるのだよ」と言いました。
たしかに人間は天地自然の恵み(神仏)によって生かされているのです。
後進国の人達は飢えに苦しんでいるのに、先進国の人達は肥満に悩みダイエット食品に血道を上げている。日本はスマホ(スマートフォン)ブーム。自然への感謝を忘れ、神仏の慈悲の恵みと光に傘を差して拒否をすれば、いずれは自業自得の寂しい毎日が待っているかもしれません。
 
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吉祥寺・昇華山阿羅耶識院本堂の
京都・奈良の名刹寺院の仏像(写仏)三十八体の一体
奈良薬師寺の薬師三尊 日光菩薩像
 
 
 

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