研究者としての私

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今回の危機を「観光振興」、「街づくり」のチャンスに転じよう

私は、大学の講義で観光産業論を担当している。毎年、観光産業の振興や発展は「安心・安全」が前提だと講義で話してきた。

日本の「安心・安全」は今回の震災で前提でなくなった。客観的ではない。イメージとして。だが、いうまでもなく、イメージとしての「安心・安全」の崩壊だからダメージも大きい。

昨晩の(夜間部の)観光産業論の講義で、昨年と同様のスタンスからの講義はできないよと正直に吐露した。ここにいうスタンスとは、「観光産業が日本のリーディング産業として・・・・・」と観光産業を位置づけるスタンスだ。自粛ではない。客観的な状況に照らしての戸惑いであり、躊躇だ。

昨晩も話したが、海外のミュージシャンの来日取り止めでコンサートが開けなかった場合、それだけで、興行会社の見込みの「売り上げ」はゼロ。しかも契約上は海外ミュージシャンへのフィーは支払わねばならないケースが多い。自然災害等の理由によるキャンセルはミュージシャン側に責任がないからだ。小さな興行会社ならこれでつぶれる。宿泊施設なども同じ理屈で資金ショートの危機に見舞われる。

この危機をチャンスに転じるしか、日本の観光産業の明日はない。私の観光産業論の講義も成立しない(意味ある形で)。

昨晩講義をしながら、危機をチャンスに転じる方針として確信したのは次の二点だ。

1つは、海外からの観光客誘致よりも国内観光の振興に重点をおくこと。域内観光の充実があって、域内の観光施設、サービスの水準が高まり維持される。この、観光立国「欧州」では当たり前のスタンスが日本では忘れられがちとなる。メインのターゲットを国内の観光客に定めることでしか観光産業の進化はない(そもそも論として)。国内観光の減少を海外からの観光客で補填する、海外観光客優先で観光振興を考えるといったスタンスからは中途半端で目先の利得だけに右顧左眄する観光振興策しか生まれない。日本では重視されない、「観光の原点」(地元の人が楽しく快適に暮らし活動している場はストレンジャーにとっても楽しく快適だ)に立ち返るチャンスとしよう。

2つには、日本人の海外観光を今年は重点的にプロモートすること。これまで以上に、パリやロンドン、ローマ、NY、シドニー、上海等で日本人観光客をみかける状況をつくること。日本が「安心・安全」であることを海外で訴求する上で、情報・コンテンツ発信型のプロモーションよりも有効な手段だと思う。夏休みの長期休暇を今年こそ大胆に取り込むなど打つ手はいくらでもある。「待ち」の戦略ではなく、「打って出る」戦略をいまこそ促進するチャンスにすべきだ。

私は、この二点を念頭に、今年の観光産業論を進めよう。

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講演ネタは参加者起点で

昨日、KAILのプログラム「考える技術・書く技術 ロジカルコミュニケーション演習」を一日、オブザーバー席で聞きながら、合間に木曜日の講演ネタを練っていた。

講演において優先すべきは、何を話すかよりも、どう話すかの方だ。そのことがわかっていながら、ついつい、新しいネタで聞く人の興味を刺激したい誘惑にかられる。この誘惑に負けると、だいたい、講演はこける(笑)。

私の悪い癖で、自分にとって新味のないネタだと、話す気力が落ちる。そして上記の誘惑が頭をもたげてくる。

講演慣れした人は、同じような話を、性懲りもなく、される。何度も人前で話しているネタなので、話しぶり、話の流れに説得力があふれる。以前も書いたことだろうが、究極の講演は「落語」かもしれない。

昨年度、私には珍しく、同じネタで3、4回講演をした。同じシリーズだったので同じネタでの講演になったのだ。同じパワポを使い回したわけでなく、毎回、手直しはした。とはいっても、大きく内容が変わったわけではなく、気が引けながら講演をこなした。

同じネタで講演することに、いまだに後ろめたさを覚える。だが、客観的にみると、同じネタで話した方が受けはいい。

その事実に素直になるべきだと思いつつ、妙な拘り(美意識)をすてられない。

昨日、「ロジカルに書くにはロジカルに考えることが不可欠だ」との話を聞ききながら講演ネタを練っていたこともあり、今度の木曜日は美意識を捨てて臨めそうだ。私の話を聞く機会が多い方は、ネタの新味はないので、そのつもりで聞いてください!

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ひらめきを待つ・・・・・

来週、地元のプランニング会社の公開発表会で講演をする。今年で3度目、3年連続の登板だ。今年はもういいだろう、私とは違う人に登場願った方がよいと思っていたが、テーマが天神(福岡市の都心)の集客問題だけに今年も「田村に」となったらしい。

ありがたいことである。「芸者」学者を自らの生業のコンセプト、立ち位置とする私にとって、お座敷からお声がかかることは一番大切にしていることだ。そのために、芸の鍛錬に励み、あろうことか鏡の前でシナをつくる練習までしている(ウソです!)。

今回のプランニング会社からのプレゼンはよく纏まっている。切り口といい、分析水準といい、非常に高い。

それだけに私の講演が転けてはいけないのだ。

だが、1週間前になったというのに、私は「待ち」を決め込んでいる。「ひらめき」が訪れることを、いつものように、待っている。

そしていまは、ひらめきの神が降りてくることを願いつつ、功刀さんのCDを聴きながら白ワインを飲み、本や資料を斜め読みしている。

このようなタイトロープ人生にはまるとなかなか抜け出せなくなる(笑)。お勧めしません、誰とはいわないが、私を手本、ロールモデルに、意識的か無意識か、しようとしている君にいってるのだよ!(爆)。

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マーケティングの本質理解を妨げているもの

書庫は「研究者としての私」ですが、「マーケッターとしての私」とした方がいい中身の投稿です。

昨日の経済番組で取り上げられたのは「5000円のノリ」だった。ディレクターの要望もあって、「高いから売れないわけではなく、高いからこそ売れるマーケットもある、まさにプレミアムマーケットが・・・」的なコメントをした。

番組中のコメントとしてはいえなかったが(流れや構成に照らして)、高級ノリ路線は基本的なところで誤りを犯している。

取材されたノリは、手間暇をかけて高い品質のノリをつくり、自己認証的な評価基準を武器に、高級商品としてのポジション獲得を狙う。

その取り組みは、マーケッターとしていうなら、プロダクトアウトの発想から一歩も出ていない。つまりは、自分を変えずに、相手が自分のこと(商品)を受容してくれることを期待しているにすぎない。いいモノをつくれば、その品質保証を示せば、消費者は買ってくれるだろうとの期待は甘すぎる。

関係者には悪いが、新しいマーケットの創出や商品開発に不可欠なマーケティング的な取り組みが欠けている。

マーケティングは難しい。なぜなら、マーケティングは、仕掛ける側の人生観、世界観がイノベーティブで戦略的なものであることを要求するが、それにこたえることが、多くの組織、人では困難だからだ。現状維持派(自分を変革できない、あるいは変身する気がない組織、個人)にマーケティングが何たるかは、そもそも、理解できるはずもない。だから、効いたとしてもカンフル剤にしかならないプロモーションをマーケティングと勘違いして、無駄ガネを投入するのが落ちだろう。

マーケティング的には、5000円のマーケットを起点に、誰に、何を(もしかしたらノリ単体ではないかもしれない)、どのチャネルを使って、どのようにプロモーションをかけていくかを考えるのが筋である。既存の商品(品質が高くなったとしても関係ない)を起点に、当該商品の高級化を図るという発想そのものが違うのだ(正確には、高級化を図る戦略が功を奏す商品か否かの見極めをした上で)。

顧客にあわせることをマーケティングはまず要請する。それは、必然的に、自社のあり方や自社商品・サービスを変える。もちろん、この要求に、そのまま応えたのでは(鵜呑みにしたのでは)、マーケティングが一方で要請するユニークなポジショニングに反する。だから戦略的な判断が求められるわけだ・・・・つまり、柔軟な思考と常に自分を突き放してみるスタンスが、である。

地域産品の商品開発、地域ブランド化が失敗する原因もマーケティングに関する誤解、不理解にある。マーケティングの理解(導入)を阻むのは、現状を大きく変えたくないという立ち位置なのだが、当事者自身がそのことに気づいていない。だからマーケティングは難しい(わからない)といわれるのだろう。

大名塾の次のテーマは「マーケティング」にしようかな・・・・

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昨日の報告

昨日の研究会での講演は、正直、失敗だった。やはり、「すとん」と落ちていないことを話したので、聞いている方はキツネにつつまれた感じだったろう。2つか3つ、参考になる、おもしろい部品は提供したので、それなりの収穫は聞いてる方に提供できたと思いたいが、全体の講演を通して、何がいいたかったかは伝わらなかったと懺悔しておきたい。

できあがったものを話すと、私の方のやる気、熱意、集中力が落ちて、話に精彩を欠く。だから、ちょとした冒険をいつもやる。話ながらひらめき、「すとん」とおちることもあるからだ。その快感が忘れられず、講演を引き受け、賭けにでる。私は、ギャンブルは弱い(そもそも興味がない)が、人生や仕事においてはギャンブラーを気取る(笑)。

さて、昨日は、研究会後、夕方からの講義のために大学に戻った。そして夜間の講義を終えて、主催者が待つワインバーに向かった。都心から大学まで、大学から港近くまでTAXIを使った。私には珍しい。雨が降っていることに加え、時間をなかったからだが、車中でメールを書き送受信した。こういう使い方をするならたまにはTAXIに乗るのもいいなと自分で悦にいった。どうでもいい話、まさに蛇足でした(笑)。

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