ブログ水族館/中村 元

次回のトークライブ『中村元の超水族館ナイト2017春』は2/5(日)開催。チケット発売は1/5の10:00〜です。

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お待たせしました〜!
さあさあ、サンシャイン水族館裏ネタ情報はじめますぞ。

サンシャイン水族館のリニューアル工事現場など、今まで運良くテレビでご覧になった方は別にして、想像もつかないのではないだろうか?
そしてきっと、リニューアルって言っても、パチンコ店の新装入れ替え開店みたいなものだと思っている方もたくさんいらっしゃるだろうと思う。

しかーし!
それは違いますぞ。
今日はまず、どのくらいリニューアルしちゃうのかを実感していただきたい。

閉館1ヶ月後の昨年10月。
サンシャインシティの10階に重機が入った!

イメージ 1

サンシャイン水族館通ならば、ここがどこだか一目瞭然?
屋内展示の、入ってすぐのホール。
右手奥は、潜水ショーをやっていたドーナツ水槽の正面。
左手にはバイカルアザラシの水槽も見える。

赤い重機(愛称はAkikoさんらしいw)が、それらを壊し始めたところなのだ。
もちろん、この時点ではまだ手始め。
Akikoさんは、全て取っ払ってしまうつもりなのだ。

そしてもちろん、11階だってバリバリいっちゃう。
10階は完璧に全て、11階は一部を除いてほとんど、いったんリセットしたのだ。


さて、同じ頃、屋外の屋上はこんなことになっていた。

イメージ 2

奥の建物を除き、すっかりからりんと、な〜んもないですな。

これだけ更地になると、ここにいったい何があったのかさえ忘却のかなた。
ここには、アシカショーステージやら、奥の方にはカワウソとリスザルのゲージやらがあった。

つーことは、カワウソはいなくなっちゃうのか?
アシカショーは止めちゃうのか?

気になるところですなあw。


さてその半年後……。

10階屋内は、こんなことになっておりましたぞ!

イメージ 3

Akikoさん、ホントに全てを破壊しまくったようですなw。
柱以外は、全て新たな水槽の基礎となっている。

しかもなんだか、以前とは違う大きな水槽ぽい基礎が見えますね。
そして、曲線が美しいつくりになっていますね。
この基礎の時点でもう、以前のサンシャイン国際水族館とは、まるまる違う水族館が誕生すると想像できちゃうのではないだろうか。

ただね、実はこの写真からは一つ重大な事実が浮き彫りになっているのです。
水族館関係者なら、すぐに判るやろな〜。

それは、天井があまりに低いということ。
深さのある水槽が流行の現在、この天井の低さはあまりに厳しい。
そしてそもそも、水槽というのは、水面の上に照明があり、飼育作業のできる高さもなくてはならい。
水族館にとって、天井の高さは命であったりもするのです。

さあ、困ったぞ展示プロデューサー。
しかーし! そんなことなどモノともしない方法を考えましたともさw。
逆境に強いのが持ち味なのじゃ〜!

ていうか、『困りはてた者が進化をする』というのが、ボクの持論。
この逆境に大奮起し、
「自由度のある水族館を真似て、中途半端なことをするよりも、後々サンシャイン方式と呼ばれる展示を開発しましょう!」
と宣言したのである。


そのときから、「サンシャイン方式を開発」はボクの口癖になった。
屋上。
屋根がなくて、暑いし寒いし雨が降れば最悪、しかもアシカショーにはプールを掘ることもできなかった、今までネックとなっていた場所。

それがこうなる!
イメージ 4

今までハンディだった屋上を、「緑化して日本一気持ちのいい屋上をつくりましょう」と提案をしたのだ。
ネックとなっていた部分を、強みとなる特徴として利用するのは、骨のないタコしかり、進化の常套手段やもんね。

しかもここは、お客さんの入館時と退館時に見られる広大な場所。
ここに、コンセプトとして提案していた「天空のオアシス」を実現させなくちゃ、プロモーション効果が不足するとも思ったのだ。


ところで、特徴的な空に浮かぶドーナッツ。
これは、ワークショップをやっていたときに、普段は水族館の仕事とはまったく関係のない、いわゆる素人さんのスタッフが、「頭の上にチューブがあってその中を動物が泳いでいるの見たいなあ」と言った一言から始まった展示だ。

こういう一見荒唐無稽とも思えるアイデアの面白さをくみ取って、展示として実現する方法が、ボクのプロデュースのやり方だ。
哺乳動物が魚の形になって海で暮らすなんて、めちゃくちゃ荒唐無稽だけど、イルカを見てみればすごく画期的な進化の成功。
そしてそういう荒唐無稽な発想は、我々水族館の玄人にはなかなか出てこない。

『困りはてた者が進化をする』の持論も、別に飼育には困っていない展示係にはなかなか通用しない。
飼育とか、他の水族館の常識とかを知らない素人にこそ、進化のアイデアがあるのだ。
ここには他にも、展示スタッフが苦悩の末に考えた、天空のオアシス的アシカ展示がいくつかあるのだが、それはまたおいおい。


さて、屋上の水族館として特徴的な「エレベーターを降りたら水族館」
それが、天空のオアシスな水族館ではどんな風になるかが、コチラ。

イメージ 5

満員のエレベーターから降りたみなさんを出迎えるのは、水をたたえた青いプールとそこに流れ落ちる滝である。

今までは、壁と柵で囲まれた暗くて閉塞感の強かったエントランスを、明るく水のたっぷりなオアシスへと生まれ変わらせる。
水族館は「水塊」を見にいくところというカンチョ持論を、エントランスから体現した。

展示プロデュースは、来館者の感受性に方向性を持たせるところから始めなくちゃならないのである。
たぶん、ここに立っただけで、このリニューアルが新水族館誕生なのだと実感していただけるはずだ。

というわけで、今回はリニューアルが新装入れ替えではなく、ほとんどがまったく新しくなっていることと、それは展示哲学の進化から始まっていることを知っていただいた。

次回からは、それぞれの展示開発に関する「サンシャイン方式」的進化をお披露目していこうと思っている。
そこには、展示スタッフが異星人ナカムラの襲来に悩まされながらも、バトルの末に編み出してくれた必殺技、展示係工夫のサンシャイン方式が見えてくるだろう。


●8月4日オープン! カンチョはサンシャイン水族館の展示プロデューサーです


●サンシャイン水族館の、過去の記事と写真はコチラ ⇒東京の水族館記事リスト



恥ずかしながらTwitter始めてみました…。
□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
□携帯版もできた!→水族館ワールド

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エレベーターを降りた場所はプラネタリウムへの入り口もかねているのでどのように変化するのか楽しみだったのですが・・・こんな感じになるんですね。

ただ1つ不安なのが、空中ドーナツ。
いきなりケチを付けてしまって申し訳ありません。(-_-;)
というのも、相手は自由気ままな生き物達ですし葛西マグロの大失敗が頭をよぎってしまうので、果たして思惑通りに泳いでくれるのかと・・・。

ですが、中村さんプロデュースですから「そんな心配無縁ですぞっ」と太鼓判な内容なのだと思っております。
ちなみに・・・入り口のリュウグウノツカイはどうなったのでしょうか?(笑) 削除

2011/6/1(水) 午後 6:14 [ Elpaso ] 返信する

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新装(しむさう)おーぷんが楽(たの)しみです♪

震災(しんさい)で被災(ひさい)されたかたの癒(いや)しにもなりませう。カンチョさんのやうに、ぼくも學藝員飼育員視野(がくげいいん・しいくいんしや)の生物學的(せいぶつがくてき)に繁殖(はんしよく)がどうで、生態(せいたい)があーたらこーたらてふより「みる・みせる」カタチ、ふしぎ、おもしろさ、いやし といふ もつと基本的(きほん)なことが大事(だいぢ)とおもひます。おほくのひとはさうおもつて水族館(すいぞくかん)へ来館(らゐかん)します。
今回(こんかい)は水族館(すいぞくかん)ナイトも、ひさびさおうかがいいたします♪。さんしゃいん新装(しむさう) も すいぞくかんナイトも非常(ひじやう)に楽(たの)しんご・・・否(いな) 楽(たの)しみです。

☆☆さんしゃいんりにうある・カンチョさんに感謝(かんしや)いたします。☆☆ 削除

2011/6/1(水) 午後 8:27 [ たまちやん ] 返信する

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東京在住時、当時お付き合いしていた女性と、プラネタリウムと水族館は足を運んでいました。
リニューアルですか・・・なんとも複雑な場所ですので、足が重い(苦笑)

2011/6/1(水) 午後 9:27 [ 鈴木ちゃん ] 返信する

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一番下の写真はエントランスでしょうか?
何とも今風な感じですね。今までのサンシャインからは想像もつかないモダンな雰囲気!!

それにしても、サンシャイン、ドンガラになるとあらためて驚かされますね。
ビックリするくらい天井低いんですね!!
いっそのこと、一部上のフロアを取り払う… ワケにはいかないんでしょうなぁ。
写真見てるだけで、梁の邪魔くささにイラッと来ます。
そもそも、何でこんな所に水族館作ろうと思ったんでしょうね!?

オープン前に、この工事現場を見学してみたいものです。
中村さんとバトルを繰り広げてる? 水族館スタッフ氏の話も聞いてみたいです(笑)

2011/6/1(水) 午後 10:15 [ ミストラル ] 返信する

天気になるとめちゃ暑くなるイメージの屋上
そこがこんなオアシスになるんですね

屋内だって、天井の低さ、壊せない柱、
1フロアの重量制限ある中で、何を見せてくれるのでしょう
楽しみだな〜〜〜

2011/6/1(水) 午後 11:59 にっし〜〜〜。 返信する

さすがはカンチョ先生。リニューアルと言うより根本的に変わるのですね。
ユンボのアキコさんの勇姿を見ただけで、その思いが伝わってきます。
屋上緑地は最近注目されている手法で、大阪のなんばパークスの人工土壌「ビバソイル」をはじめ、高木を地下から強力に支える地下支柱「スーパーグランドサポート」、散水管理を省力化する「自動灌水設備」があるそうですが、屋上階に巨大な水塊があるというのは、ビル自体の熱効率も良くなってエコですよね。

以前の、少しうらびれた感じのアシカショーステージも個人的にはとても好きだったのですが、それがどうなるかもとっても楽しみです。
さらに進化していく水族館。期待していますよ!ポチ☆

2011/6/2(木) 午前 2:07 眼とろん星人 返信する

ゆきりんさん。あと2ヶ月弱、もうちょっとねw。

さすがにビルの10階では、イルカの運動量に見合うほどの水槽ができないのです。
小さなイロワケイルカでも、やっぱりかわいそうだということで早くに手放しました。
この場所には、これからもイルカの展示はないだろうと思います。

2011/6/2(木) 午前 9:32 kapaguy 返信する

わなげいぬさん。夜になるとアシカたちは寝ちゃうので、いくらシシャモを見せびらかしても出てこないと思います。
まあ、昼はアシカたちのオアシス、夜はおじさんたちのオアシスということですねw。
大阪梅田には、今まで水族館計画が複数回ありましたよ。
そのうち2つにはボクも絡んでいたけど、実現はしませんでした。
そういえば梅田には、無料の水族館というか、水槽通りがありますね。

2011/6/2(木) 午前 9:32 kapaguy 返信する

みりおんばんぶーさん。旧サンシャインで披露宴だったんですか!
では、新しいサンシャイン水族館で、今も仲いいぞ!披露パーティーとかいかがですか?
今度のサンシャイン水族館は、パーティーも最高に楽しめるつくりになっています。

2011/6/2(木) 午前 9:33 kapaguy 返信する

潜水馬鹿くん。それよそれ!近所の勤め人とか、マンションの住人にMy公園として使ってもらいたいというのがこの屋上緑化なん。
毎日ここをお弁当場とか、赤ちゃんの公園デビューとかね、安全でベビールームも完備しているこの天空オアシスでしてもらって、毎日来ていれば、年間パスポートなんかめちゃ安いやん。

2011/6/2(木) 午前 9:34 kapaguy 返信する

Elpasoさん。さすがサンシャイン通!しっかりエレベーター降りたところのことにまで興味が回っていたんですなあw。
空中ドーナッツの不安、それはもちろん、ボクかって不安ですがなw。
そもそもまず、この水中から見下ろす風景に慣れてもらわなくちゃあかんしねえ。
こういう目立つものが失敗したら、ボクの水族館プロデューサー人生は終わっちゃうし。。。

でも、水中って実は、こんな風に見下ろす世界だし、好奇心の強いアシカたちは慣れれば人を見下ろす快感を感じるのではないかと…。
ぽか〜と浮いてるだけになってしまったら、一つはちょっとした隠し球を持っていますが、まあ、不安がいっぱいなのが新しい展示を開発する面白さです。

2011/6/2(木) 午前 9:34 kapaguy 返信する

たまちゃん。
ややこし〜!

2011/6/2(木) 午前 9:35 kapaguy 返信する

鈴木ちゃん。プラネタリウムも改装します。
水族館はもう同じ水族館ではなく、新しい水族館なのだから、過去のことはすっかり忘れましょう!

2011/6/2(木) 午前 9:35 kapaguy 返信する

ミストラルさん。はい、この天井の低さには驚きでした。そして何度も何度も悩まされました。
スタッフのみなさんの話を聞ける機会は、できそうです。またそのうち発表します。

とても感心したのは、スタッフのみなさんが、作業のしやすさについては後回しに考えることです。
今までの仕事では、見せ方と作業のしやすさの対立がよくあったのですが、サンシャインではまったくなかった!
スタッフが、腰を曲げての作業などに慣れているからですが、それも逆境による進化なのでしょうねえ。
なんと「いいですよ、這えば通れますから」なんて言葉も何度も聞きましたよ。

2011/6/2(木) 午前 9:36 kapaguy 返信する

にっし〜さん。まあ、やっぱり炎天下では暑いでしょうけどw。それでも外に出られる気持ちにはなれますね。
実は、新しくなってお客さんがどっと押し寄せていただけたとき、外にもたくさんいてくれないとキャパシティーが厳しいということもあり、屋上の居心地の良さは需要だったのです。
なんせボクは、集客実績を作るのがウリのプロデューサーですからw。

2011/6/2(木) 午前 9:36 kapaguy 返信する

眼とろんさん。ボクは全面改装をお勧めしただけで、本当にサスガなのはお金を出すことを決定された執行部のみなさんですけどねw。
エコ指向の屋上緑化にはほど遠いガーデン化ですが、屋上そのものの涼しさとか、見た目の涼感は感じていただけるでしょう。
少しうらびれた感じのアシカショーステージw。なんとなくあれがサンシャイン国際水族館のイメージでもありましたねえ。
さて、今度はみなさんには、どの展示がサンシャイン水族館のイメージになるのか、とても興味のあるところです。
ポチ☆まいどです〜!

2011/6/2(木) 午前 9:36 kapaguy 返信する

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模型が欲しい、、って思ってしまいました^^。
白が基調になってるのかな^^?ほんとサンシャインは明るいですね!

昨日、大王町にある ある会社のゴルフコンペの
打ち上げの盛り上げ役に わたしらフラのグループが行ったのですが、
その時 コンペの表彰式で 「ナカムラハジメ君」と聞こえて
え! って少々びっくりしました、アハハ。
いつ来られたのですか!神出鬼没なんや〜。

2011/6/2(木) 午後 1:14 maru 返信する

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う〜ん、またもや真剣に魚を勉強している飼育員の目からウロコボロボロ技法!魚を勉強したことを後悔するぐらいうらやましい発想♪

そして、安泰やノンキでいられる環境からは進化は生まれない!論。これもマジメに「進化そのもの」を暗記的に勉強してきた科学系人ではなかなか思いつかないでしょうね♪
ものごとの本質を突き詰めてそれを展示に活かさなきゃって改めて思いました!そういうことがホントの「勉強」ですかね。 削除

2011/6/2(木) 午後 8:53 [ アピスト ] 返信する

maruさん。模型展とかやりたいなあと思ってるんですよ。
でも、白が基調になってるんではなくて、模型だから白いのw。

ゴルフコンペのナカムラハジメは、ボクやない!
それきっと、黒スパイダーマンみたいな悪いボクの分身やね。
そうやなかったら、コンペで表彰されるほど頑張らへんもん。

2011/6/3(金) 午前 0:13 kapaguy 返信する

アピストくん。真剣に魚や進化論を学んできたことは、知識としてとても有効よ。
その知識をいかに上手く、展示や人生に使うかのセンスを磨けば、元々の知識がないボクなんて、簡単に超えられちゃう。
でも、オレかってセンスは今でも毎日磨く努力してんからね。簡単には抜かさせへんぞ!w

2011/6/3(金) 午前 0:17 kapaguy 返信する

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