ブログ水族館/中村 元

超水族館ナイトが贈る映画『ビハインド・ザ・コーヴ』上映会4/13(木)開催。チケット発売は3/13の10:00〜です。

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そして今日は、2階「天空の旅」の後半にある、バイカルアザラシから。

イメージ 1

涼しげ〜!

バイカルアザラシが2階にやってきて、アマゾンの巨大魚が屋上に行ったことで、屋内の1階は全て海のゾーンとすることができた。

この水槽の斬新さは、氷に覆われたバイカル湖の氷下を再現したことで、その展示手法の開発経緯は以前に報告したとおり。⇒進化系水族館:バイカルアザラシ水槽

その結果、今までは「ちっちゃくて黒いアザラシ」程度にしか思われていなかったバイカルアザラシが、淡水のしかも氷の下にいるアザラシとして特徴づけられるようになった。
そして、水中感たっぷりの涼しげな水槽として、以前よりも人気者になっている。

イメージ 2


嬉しいのは、バイカルアザラシが、こんな風に氷の下を気持ちよさげに泳いでくれることだ。
陸上では特別臆病なバイカルアザラシなのだが、やっぱり頭上が氷で覆われているのは落ち着くのか、この新しい環境にも、擬氷の下にだけはびびることもなくすんなりと入ってくれた。


バイカルアザラシの展示の後、旧水族館時代からの水槽がいくつか続くが、今回のリニューアルで、どうしても必要であると考えて付け加えたのが、屋内展示最後の水槽だ。

日本の清流を、湧水池で表現した水槽。

イメージ 3

特に日本の清流である必要はなかったのだけど、屋内展示の最後に、リニューアルしたことを再度印象づける『水塊』が欲しかった。
屋内の最初が、海中展示では一番明るい「サンゴ礁水槽」だったので、最後もその明るさに匹敵するほどの輝きと澄みきった水に満たされた水槽がいい。

その要望に応え、担当者が度重なるダメ出しを乗り越えてひねり出してくれたのが、この「湧水池」の水槽なのである。

背面上部に生えるはずの水草が、まだ茂ってきていないのが残念なのだが、右の底には、水に流れる水草があり、
そしてちゃんと、地下水がボコボコと吹き出ている様子を見ることができる。

イメージ 4

日本の川魚は、どこの水族館でも観覧者にもっとも人気の薄い生き物の一つだ。
そのため、日本の川の水槽は多くの場合、半水面にして、滝をつくったり植物を植えるなど陸上部を凝ることでお客さんの目を惹こうとしている。

しかしながら、中村元流観覧者ストーキング観察によれば、半水面にすることで水中部はますます暗く感じるようになってしまい、あるいは立派な滝に目を奪われるせいで、水中の魚たちへの注目はさらに下がってしまうのである。
実はこれ、自ら担当して作った初めての水槽で失敗に気づいたんやけどねw。

しかし、失敗は成功の神様!
その失敗を糧に、日本で最も注目される日本の川の展示を開発しようと呼びかけて、新江ノ島水族館展示監督時代に開発したのが、川魚のジャンプ水槽だ。
川魚ジャンプ水槽、世界初公開!

これには、手応えを感じた。
その前に3mもの高さの巨大滝を作っても見てもらえなかった川魚が、小さな水槽でも注目されるようになったのだから。

そして、今回のこの湧水池の水槽。
思った通り、観覧者は立ち止まってくれる。
キレイだ!と言ってくれる。
癒される!と言ってくれる。
これ、柿田川だ!と言ってくれている人もいる。

ウシシ……。大成功!

だって、柿田川をイメージして欲しいと担当者に言ってたんやもんw。





恥ずかしながらTwitter始めてみました…。
□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
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アピストくん。その鋭い洞察どおり、プールの中はけっこう毛だらけ底砂だらけw。
でも、あの岩場階段を上がっていく間に、ほとんどの砂は落ちちゃうしね。

それに、そんなことは先刻承知で濾過循環も準備し、プールの砂の処理にも泣きべそかかないのが、サンシャインスタッフのいいところなわけ。
いい展示のためには、バックヤードの狭さや、作業の面倒さについては二の次にする、という飼育展示スタッフを、ボクは初めて見たよ。
これは、この水族館が世界に誇る美徳やと思う。

丸秘テクニックを見に来るときには、ぜひ裏方も見せてもらうといいよ。
きっと衝撃的に驚くから。

2011/8/16(火) 午前 0:51 kapaguy 返信する

tomokeyさん。見てくれてありがとー!
ボクはね、常識とか既成概念とかをとにかく壊したい性格なので、日本の淡水魚がどこでも不人気と分かったとたんに、必ずみんなが観る展示を作り出してやる!と心に決めて20数年なのw。
常に日本の淡水魚を見せるアイデアを考えて、今はわりといくつもすぐ使える新しい技持ってますぜw。

バイカルの写真。この写真は、担当者の許可をもらってストロボ使って撮った写真。とは言っても、ストロボ使えば誰でも撮れるかというと、プロでもきっと無理でしょうw。
水族館の動物写真の上達のコツは、
1に、生き物の一番カッコいい姿を知ってること。
2に、それをどこでするかの観察。
3に、スローシャッターでの知識。です。

2011/8/16(火) 午前 1:03 kapaguy 返信する

丸ちゃん。もう予備知識、あふれてしまうくらいあるんやない?w
秋には来てちょうだいね〜!

あ、ボクも、姫路水族館と宮島水族館、近いうちに行くから、広島ではまた遊んで下さいね。

2011/8/16(火) 午前 1:04 kapaguy 返信する

しろねこさん。旦那さんって、もしかしたら子どもの頃は川ガキでは?
子どもの頃に川で遊んでいた男の子は、大人になっても川が好きなので、日本の川の展示にけっこう惹かれるものなのですよ。かく言うボクも川ガキの端くれやったもんw。

最後の水槽でのカップルの話情報、すっごく嬉しいです。
それに、しろねこさんが写真撮りまくってくれたことも。
ボク、川の水槽のレジェンドになれるかなw。

川の水中の癒し感は、日本人に特有の癒し感かも。
もちろん、海中の癒し感は「人類水中進化説」による人類共通の癒し感なのですぞ!w

2011/8/16(火) 午前 1:12 kapaguy 返信する

にっし〜さん。分かった〜?www
そうそう、あのシーンを撮る時に、ずっとにっし〜さんがトンネルの前にいて、しかもボクの方をチラ見するので、ボクが言いに行こうと思ってたら、撮影クルーが「すみません…」とか言いに行ったのねw。
あれ、ボクは見えてもカメラは見えないからどうしようもなかったよねえw。

バイカルアザラシの水槽はかなり暗めで、素人さんがストロボ使うと、もろに目に当てちゃったりするので、解禁にはできないのですよ。
まあこういうところは、関係者にお任せ下さい。

2011/8/16(火) 午前 1:17 kapaguy 返信する

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あぁ・・・あのバイカルアザラシたちの顔が明るく撮れてる(笑)

一生懸命カメラのセッティングでごまかして撮っても、こんなにはっきりと可愛い顔撮れないです。
うらやましすぎです〜。(^^;;

私も最後のあの水槽には感動しました・・・が、申し訳ありません中村さんの見て欲しい川魚ではなく湧き水の部分です。
というのも、吹き出し部分のモコモコとした山のような盛り上がりではなく、砂柱(?)が長く綺麗にいくつも立っているからです。
その後ろ側とかにヤマメが良い感じに入ってくれるとこれまた良い絵になったんです・・・。

何枚も夢中になって撮ったんですが・・・中村さんのような腕が無いので、家に帰ってからガッカリとしてしまいました(笑)

9月の平日にまた行って、納得のできる写真をぜひ撮りたいです。 削除

2011/8/16(火) 午後 1:23 [ Elpaso ] 返信する

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良いな〜^^
バイカルアザラシさんの涼しげな目つき〜。
今日もすごい人だったでしょうね〜。

2011/8/16(火) 午後 8:33 maru 返信する

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すいません、自分も日本の川魚とかあっても、素通りしちゃう人ですm(_ _)m
アユや岩魚を見ても塩焼きのイメージが(汗)

2011/8/17(水) 午前 11:17 YUSIS 返信する

Elpasoさん。湧き水に注目してくれたのは、それでいいんですよ。
水中世界に心を奪われてもらうためのアイテムの大きな一つが湧き水の再現なのだから。
以前にボクが失敗したのは、立派な滝をつくったことで水面上にばかり注目をされたため、水中の魚たちを見てくれないという現実でした。
少なくとも、水中砂柱の後ろにヤマメが来るのを見てくれたわけだから、すばらしい効果があったというわけ。

で、その砂柱のこと、ボク気づかなかった。
オープンしてからやっと水が澄んできたので、一眼レフでこの水槽をのぞいたこともないしね。
実は今回の下2枚、いずれもコンデジで撮影した写真なのです(^^;

2011/8/17(水) 午後 4:22 kapaguy 返信する

maruさん。不思議なもので、別に彼らが涼しいとか言ってるわけでなくても、表情や目に涼しさを感じるのよね。
ヒトの目というのは、そういう想像力によって機能している部分が多いです。
砂浜のアシカもそうで、岩場にいるアシカと顔が違っているわけでもないのに、めちゃくちゃリラックスした表情に見えちゃうんよね。
今回の展示計画は、そのあたりのヒトの心理をかなり意識して利用しました。
わりと正解w。

2011/8/17(水) 午後 4:27 kapaguy 返信する

YUSISさん。いいんですよ、素通りしてることはダメなことではありません。
むしろ、素通りさせてしまうような展示をしている側に大きな責任があることを、我々の方が反省するべきなのです。
なので、興味を引かない水槽は、どんどんパスしちゃってくださいw。

でも、この水槽は、きっとYUSISさんの足を止めさせることができると思いますぞw。

2011/8/17(水) 午後 4:31 kapaguy 返信する

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川魚水槽、私も『水草のお花が咲いてるし、柿田川みたい!』と思いましたよ。滾々と水が湧き出ているのも、いいなぁ〜と思いました。バイカルアザラシといえば、超水族館ナイト in サンシャインのあとに再び館内をひとまわりしたのですが、その時に擬氷の上の秘密(カーテンとガムテープ)をしっかり観察してしまいました。近々また行く予定なので、いろいろな秘密をたくさん観察したいと思っています。 削除

2011/8/17(水) 午後 10:23 [ つーさん ] 返信する

バイカルアザラシさん、シベリアの氷の下で、涼しさを通り越して、寒そうですね。
アーモンド型の目が可愛いですね。
落ち着ける環境の分、お客さんと遊んでくれるんですね。
日本の清流は富士の湧水なんですね。綺麗なヤマメさんがとっても涼しそう。
海水はべたつく感じがするので、清流は本当に涼しそうです。
日本は水に恵まれていて、蛇口をひねるとそのまま飲める水が出てくる世界でも珍しい国ですよね。
日本人には日本の情景が一番落ち着きます。ポチ☆

2011/8/18(木) 午前 1:54 眼とろん星人 返信する

こんにちは〜〜!
夏休みは、ブログもお休みして、ひたすら千葉鴨川の海を潜ってました〜(笑)
あ、鴨シーにも行って来ましたよ〜〜ん。
鴨シーは年に3回位は行くのですが、今回はどうしてもサンシャインと比べてしまって、サンシャインがいかにすごいか〜ってことを実感して帰って来ました♪
昨年10月に、鴨シーにもクラゲコーナーがオープンしてるんですが、ふわりうむ見ちゃったら、もはやどこもかなわないですよね〜。
ポチ☆

2011/8/18(木) 午前 11:28 ゆきりん 返信する

つーさん。柿田川幻想にハマっていただきありがとうございましたw。
今までの展示プロデュースでは、自然界の本当の景観をモデルにすることや、隅々までリアルに再現「写実派」だったのだけど、
今回は、写実派でリアリティーを出すには、キャンバスである水槽が小さかったのです。
そこで、リアリティーと伝える力を重視して、「印象派」ときには「抽象派」の水槽づくりを目指しました。
視覚というのは、目ではなく脳で感じるものなので、「印象派」主義はけっこう効果があるということが分かりましたw。

2011/8/18(木) 午後 1:20 kapaguy 返信する

眼とろんさん。シベリアの寒さの中で暮らしているから、バイカルアザラシは脂肪たっぷりな丸い体。ホントに氷がはるくらい冷たくできれば、この体よりももっとまるまる太って、寒そうには見えないんだけど、それはこの節電の世の中で無理でしたw。

日本人の清流好きは、水族館の水槽に現れています。世界の水族館の中で日本の水族館の水がもっとも澄んでいますね。
だから淡水の水槽の美しさが分かるのも日本人のはず。そう思って、陸上よりも水中の美しさを出してみたら成功しました。
ポチ☆ありがとうございます〜!

2011/8/18(木) 午後 1:25 kapaguy 返信する

ゆきりんさん。海潜り〜!うらやまし〜!
近頃は夏になると涼しい室内に引っ込みたくなってるけど、やっぱり夏だからこそ海に山に行くのが正しい四季の過ごし方ですね。

サンシャイン水族館が鴨シーよりもスゴイと言ってもらえると、メチャ嬉しいです。
今回の仕事で、水族館は規模や展示生物の珍しさ、ましてや工事費などでは決まらないと、ますます確信を持つことができました。
水槽の魅力はまだまだ開発できますね。
ポチ☆ありがとうございます〜!

2011/8/18(木) 午後 1:38 kapaguy 返信する

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な〜るほどなぁ、、(妙にリラックスしたコメントですみません、笑い)私も岩場より砂浜でゴロンとしたいですもんね〜。

2011/8/18(木) 午後 3:24 maru 返信する

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バイカルアザラシはちっちゃくて黒い…ではなく、焼き芋のような形のアザラシと鳥羽水族館で見て思いました。

鳥羽水族館ではダミーの氷は無かったですが、あったら動きに違いが出るのでしょうか?

あと、バイカルアザラシも産まれて間もない頃は白い毛が生えているのでしょうか?質問ばっかりですいませんが。

柿田川の湧水をイメージしたというのは、個人的にいいと思います。柿田川には何度も行って湧水を眺めた事があります。

日本の淡水魚は地味だから、水族館的にはやはり難しいかも知れませんね。 削除

2011/12/7(水) 午後 11:39 [ &oh ] 返信する

&ohさん、神出鬼没ですなw。
擬氷は、バイカルアザラシの動きよりも、水中の広がり感(奥行き感)を演出するとともに、氷下の水中で活動するアザラシであることを、誰にも一目で分かってもらえるために付けたものです。
ただ、バイカルアザラシの動きも少しは変わると思っていました。彼らは、頭上がひさしのようになっている場所が好きで、通常だとプールの奥のオーバーハングしている場所にジッとしていることが多いからです。
サンシャインの旧館では、そのようにして観覧者から最も遠い場所にいることもしばしばあったのですが、現在は、どこもかしこもオーバーハングなので、常にプールを大きく使って泳いでくれています。

バイカルアザラシの子も白い毛が生えています。
そしておそらく、周囲の景観が白ければ白いほど、赤ちゃんの毛は純白になって生まれるのではないかとも思われます。(ゴマフアザラシなんかもそうですからね)
なので、この擬氷に囲まれて生まれる赤ちゃんにはさらに期待しているところです。

2011/12/10(土) 午後 0:16 kapaguy 返信する

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