ブログ水族館/中村 元

次回のトークライブ『中村元の超水族館ナイト2017春』は2/5(日)開催。チケット発売は1/5の10:00〜です。

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超水族館ナイトの1週間前になっちゃった。
今回の前売りチケットは、最後の1〜2枚が予約されては入金されずみたいな状態がここ4〜5日続いてるらしく、予約の数字が99番、100番とうろうろ変わっています。
誰かゲットして、早く終わらせてくれ〜!


さて先週末は、ウソみたいに寒い北見市温根湯に行ってました。
FaceBookやTwitterでは、美味しそうなもんばっか食べててええなー!とか思われてたと思うけど、あれは寒い北の夜を乗り切るためのほんのわずかなお楽しみ。
もちろん昼間のカンチョは働き者なのじゃ。
水族館建設の展示プロデュースにおいては数少ない現場仕事、その中でもボクが最も大切にしている『擬岩の監修』に行っておったのですよ。


さて、擬岩造りは、模型から始まっている。
これは、滝壺水槽の模型。

イメージ 1

でも、擬岩が模型から始まっているというのは、写真がこれしかなかったからで、
ホントのところはまず、ボクの手書きのスケッチから始まり⇒さらに手作りの模型となり⇒擬岩業者の図面⇒擬岩業者の模型(つまりこれ)に、やっとたどり着くのだ。

さらにここから、手直しをする。
かつて、動物のレプリカ造りを、自ら粘土をこねて縮小原型造りすることからやっていたカンチョは、模型段階にかなりこだわる。
鳥羽水でも、新エノスイでも、サンシャインでも、仙台でも、模型に粘土を付けたり削ったり、ついついやってしまうのがカンチョだ。

そして模型の時点で、近ごろとても役に立つのがコンデジの液晶画面。
この写真も、実際の人の目の高さにコンデジのレンズを入れて、臨場感を出して見ているときについでに撮ったものなのである。


模型が終わると、今度は工場での組み立てに、何度も足を運ぶ。

イメージ 2

信じられんやろけどボクね、図面とか上の模型の段階で、このスケール感をちゃんと頭の中で想像できてるんよ。
たぶんこれは、いくつもの水族館で擬岩にこだわってきたから備わった、カンチョが持ってる唯一と言える職人技なのだ!

この時点では、岩のボリュームの細かいバランスとかテクスチャー、基本色などを指示する。
特にボリューム感は、模型をコンデジで見るのと、実際に見上げるのとでは、岩陰になるところの見え方が全然違ってくる。

実のところ、超ビンボー水族館だけに擬岩の金額も超低料金なため、もっと薄っぺらい擬岩になると思っていたら、ぜんぜんそうでもなく想像をはるかに超えて立体的なボリュームだった。
これはもうすごく嬉しい誤算なわけで、この時には、擬岩の上に見える防水壁の露出をかなり多くしたり、右側につくった川の下流への谷間を複雑に細くするようにした。


そして、先週行ってきた、新水族館の水槽での取り付け。

イメージ 3

この時にはもう形は変更できないのだけど、最終的な着色の指示がある。
サンシャイン水族館の時から特にこだわり始めたのが、この最後の着色だ。

水槽の中の擬岩というのは、実物そっくりであればリアルだというわけではない。
水と空気の屈折によって、水中の距離感はおよそ7割に短くなってしまうし、水の粒子やガラスの反射のせいで、岩の立体感はおそろしく失われてしまう。
さらに、□μζ▽θξゞ☆λω‖ηβγ仝ψγ△ξゞ☆λω‖ηβγ…とまあ、企業秘密なので言えないんやけど、いろいろあるのじゃw。

それで、カンチョ独自の着色方法を編み出したというわけですよ。
サンシャイン水族館では、かなり冒険的に(とはいっても計算尽くで)挑戦したら、計算通りになったので、さらにここではインディージョーンズ並みに冒険的テクニックを使ったのだ。

それがどんなもんなのかは、今週末の超水族館ナイトに来てくれるか、水族館がオープンしたら北見市の温根湯に来てもらえば分かりますぞ。
はい、ぜひお越し下さいませ〜w。


大人が求める水族館での水中感。
川の水槽ではそれがどうしても出ないこともあって、なかなか集客ができない淡水系水族館。
しかも、建設費3億円ちょっとというこの計画。

しかしそんな無理は百も承知で、日本で一番水中感を感じる日本の川をここにつくったるんじゃ!……とカンチョは心密かに誓っとるのでありますよ。

あれっ? ぜんぜん心密かやなく宣言してるんですけど。。。



●温根湯の水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒北海道の水族館記事リスト

★トークライブ『中村元の超水族館ナイト』次回は2012年2月12日に決定!



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建設費三億円ですか^^そうなんだ〜と妙に納得です。

それにしても岩の下に並んだ職人さんの商売道具?
いっぱいありますね!
淡水系ということで 色なども工夫凝らされるのでしょうね^^。
ポチン。

2012/2/6(月) 午前 7:38 maru 返信する

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名前すいません(笑)淡水魚水族館と聞いて思い浮かぶのは、アクアトトですね。岩の感じリアルでいいと思います!淡水魚は海水魚に比べ地味な奴が多いですが地味な美しさがありますよね!アマゴの赤い斑点、パーマーク大好きです。水槽のレイアウトは確かに難しいです!特に水族館の場合はそうだと思います!お客さん目線なら魚を見やすく尚且つ自然な感じで、しかし魚目線なら隠れる場所の確保など、両立は大変なんですよね。北海道に行く機会があれば、ぜひ寄らせていただきます!多分(笑) 削除

2012/2/6(月) 午前 10:56 [ 海水魚オタク ] 返信する

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楽しみですねぇ・・・完成したら本当に行ってみたいです、というか例の移動手段でルート検索はしていますので、後は完成を待って休暇届出すだけです(笑)

最初の写真を見たときは、滝つぼの水槽の割りに岩が平坦で綺麗過ぎるなぁ・・・と感じたのですが、下に移る度に「おぉっ!」と。
これに水が入り、さらには照明効果でさらにワクワクすることが大きくなるんですよね、本当に待ち遠しくてたまりません。

マイナス二桁でも、記録的大雪でも、マニアは向かいますよっ!(笑) 削除

2012/2/6(月) 午後 0:51 [ Elpaso ] 返信する

maruさん。われわれ世代は3億円というとミョーにリアリティーありますよね。ジュラルミントランク3個分、一人で強奪できるお金w。
この記事を読んだ水族館作りたい人が、まず白バイつくろか!とか思わないといいのですけどw。

淡水系の擬岩の岩の色の工夫。
そう!そこが今回かなり冒険的な工夫をした部分です。
お金はないけど、戦略的チャレンジ精神はある!
なんか、ボクの生き方そのものな水族館ですな…。ポチンまいどです!

2012/2/7(火) 午前 3:27 kapaguy 返信する

海水魚オタクさん。エエんよ。水族館に来る人のほとんどは海水魚に見とれるんやから。
たぶん日本では、川は浅くて透き通っていて水中もまる見えなので、魚に興味がないというよりも、水槽に興味がないという感覚なのだと思います。
だから、水槽にさえ目を向けてくれれば、魚たちの美しさにも感づいてくれるはず。

アクアトトぎふは、日本の淡水水族館で最大かつ建設費も莫大な水族館だけど、やっぱり水中感が薄いのです。
水中感だけなら、建築費1/20くらいでも勝てるだろうと思ってます。

2012/2/7(火) 午前 3:46 kapaguy 返信する

Elpasoさん。アナタはきっと来てくれるでしょう。すでに初年度の入館者数の中の一人にカウントされてます。しかも夏と冬の2回分w。

おっしゃるとおり、最初の模型を見て、これはちょっとマジイな…と思ったん。それで指示出しまくったのだけど、実物ですごく立体的になったので、今度は嬉しい誤算に再び考え方を変えました。
そういうところが、モノづくりの現場の面白いところですね。
そして、そこまで見てくれる水族館マニアのみなさんには、ぜひマイナス二桁の水族館を楽しんでいただきたいものです。
お待ちしております〜!

2012/2/7(火) 午前 3:57 kapaguy 返信する

擬岩は、重量感があって、こんなのの下敷きになったら、ぺっちゃんこになりそう!
中川翔子さんなら「ギガント カッコユス」とか言いそうですね。
岩というと、ウツボが顔を出しているところを思い浮かべてしまうのですが、淡水魚がここで憩うのですね。
四万十川に行ったとき、船着き場の横の『アカメ館』という『食べ物&おみやげ屋さん』の水槽で飼われているアカメを見たときは、桂浜の水族館で見たときよりも嬉しかったから、やはり地元のお魚を見ることが出来るって良いですね。なんといっても北海道だし!
やはり模型が大事なのですか。立体は物を介して見ないと分かりませんからね。
車のクレイモデルみたい。
並べられている塗料の缶を見ると壮観です。
こういうのを拝見すると、本当に水族館って大変だなって思います。でも形が出来つつある工程を見るのもとても楽しくて好きですよ。
ポチ☆

2012/2/13(月) 午後 8:00 眼とろん星人 返信する

眼とろんさん、この擬岩は重量感たっぷりながらFRP製なので、ぜんぜん軽いのですよ。それが擬岩の擬岩たるところですねえ。
擬岩は図面ではまったく表現できないので、ある段階からは模型が図面代わりになるのです。まさしくクレイモデルですね。
実は本当なら(例えばサンシャインの場合にも)、擬岩屋さんにこんなのを造って欲しいと伝える時点で、こちら側の意図を手作り擬岩で示すのがボクのやり方です。でも、今回はそんな時間も手間もかけられなかったので、もっぱらスケッチでやりとりしました。

擬岩監修は、水族館プロデュースの仕事の中ではあまり本質ではないところなのだけど、ボクはこうして自ら擬岩に手を入れていく作業が一番楽しいです。
そして、その一手間が、水族館の出来上がりを大きく左右するというのも無視できないところなんです。
ポチ☆まいどありがとー!

2012/2/14(火) 午前 4:57 kapaguy 返信する

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