ブログ水族館/中村 元

次回のトークライブ『中村元の超水族館ナイト2017春』は2/5(日)開催。チケット発売は1/5の10:00〜です。

全体表示

[ リスト ]

加茂水族館「クラゲドリーム館」グランドオープンまであと2日!
6月1日に、あのクラゲ水族館「加茂水族館」が奇跡のグランドオープンを果たす。

長いこと、ほったらかしにしていたブログ水族館だけど、不屈の精神の大先輩である村上龍男館長の夢が叶おうとしている時だから、なんとしてでも書かなくちゃあかん!
そんなわけで、とにかく応援ブログを書かねばと、先日はオープン前の内覧会に出かけていったのです。

じゃーん!

イメージ 1

順番違うけど、この世界最大クラゲ水槽からいっちゃおう!
ていうか、いかずにいられないこの水槽。

う〜ん、ミズクラゲの浮遊感が天界まで届くような浮遊感。
すごい! すごいのだ!
新館が誕生したばかりだというのに申し訳ないのだけど、もうこの水槽だけ見ることができれば、他は全て付け足しみたいなくらいにすごいのだ。

1ヵ月ほど前に、テレビのロケハンで訪れたときに、村上館長は『クラゲプラネット水槽』ていう名前にしよと思ってるとおっしゃってた。
うん、ええやんそれ! クラゲの地球や!クラゲの宇宙や!

イメージ 2


水槽の前に立てば、クラゲしか見えなくなる。

イメージ 3

クラゲで立ち直った水族館だから、だれも考えたことのない世界一のクラゲ水槽をつくる!
ただただ、そんな少年みたいな情熱で、直径5メートル以上もあるクラゲ水槽をつくってしまった。

村上館長のその情熱と、それを可能にさせた奥泉副館長の情熱がこの水槽からほとばしっている。
ずっと観てるとね、なんか涙が出てきそうになっちゃうんよ。ボクは。

イメージ 4

加茂水族館は、すでに誰もがご存知のとおり、廃館になる寸前からクラゲで立ち直った水族館だ。
その廃館になる寸前に、ボクは訪れたことがある。
そして、その頃連載していた『旅の手帖』に書いちゃったのだ。
『日本海の荒波にさらわれてしまうかのような、小さくて古い水族館があった……』と。ひどい!

そしてなんと、村上館長はそのエッセイを読んだらしい。
それが、館長とボクとの最初の接点だった。
いやはや、村上館長はそのことを今でもネタにして、「中村元がなくてもいい水族館と書いた」とか思いっきり盛って、その頃の水族館がダメな水族館だったと話されている。
そのためにテレビや新聞から、旧水族館をこき下ろした張本人ということで、ひどいコメントをくれという取材がいくつもあったくらいw。

イメージ 5

ボクは村上館長が、そのエッセイを読んだってことはずっと知らずにいたのだけど、その後全国水族館ガイドを書くようになってから、あの本当に日本海に流されてしまいそうだった加茂水族館が、クラゲ世界一を目指し、クラゲアイスを食べさせているという情報を知って、がぜん興味を持った。

そして、これは面白い!と思い、週間朝日のグラビアや、テレビのベストハウス123で、「有名じゃないけれどすごく面白い水族館」として紹介したのだ。
全国ネットの媒体に載ったことでお客さんが増えたとかで、村上館長はたいへん喜んでくれて、それから仲良く付き合わせていただいているのだけど、くだんの旅の手帖のエッセイのことを聞いたのは、それからかなり後、なんと超水族館ナイトに村上館長をゲストでお招きしたときのことだった。

ゲスト登場でいきなり、村上館長はその話をされましてね。
超水族館ナイトでボクのドヤ顔が引きつり固まったのは、あれが最初で最後の出来事ではないかとw。

イメージ 6

さて、荒波に流されるがごとく印象以上に、加茂水族館の窮乏は、それはもうハンパじゃなかった。
起死回生を狙って入れた高額なラッコの借金や、当時の親会社から背負わされた負債などを抱え、村上館長は自分の家を抵当に入れてまで資金繰りをしていたのだ。

旭山動物園が閉園の危機にあったとか、そんな甘いレベルではないよ。
スタッフに来月支払う給料をどうするか?動物の餌代をどうするか?借金がかさむばかり。
しかし、水族館を廃館にしたら、抵当に入っている館長の家は銀行に取られてしまう。
崖っぷちギリギリというか、すでに崖から落ちてますよね?それ。というような状況だったのだ。

そんな状況から、クラゲを始めた。

イメージ 7

最初はクラゲの種類日本一を目指し、そして世界一を目指し…。

でも、クラゲの種類が日本一になっても、誰も興味ないよね。
案の定、日本一になった年は、前年比割れの入館者だったらしい。

でも、そこからが、村上館長の奇跡の物語の始まりなのだ。

イメージ 8

村上館長が取り組んだのは、クラゲと食を繋げる話題づくり。
「クラゲを食べる会」を主催して、クラゲのヘンテコ料理をつくらせたり、みんなに食べさせたり。
そんな中から、あの有名なクラゲアイスが発明され、ボクはそれにつられてまんまと取材に行っちゃったというわけ。

ところが、クラゲアイスってさ、アイスクリームにクラゲをぶつ切りにして混ぜるだけやったからねw。
まあしかし、それがまた面白いわけでw。

イメージ 9

いや、なんにせよ、展示生物だけに頼らず、展示生物に関わる話題を自ら作り、マスメディアに注目させて集客に繋げるのは、ボクの水族館プロデュースにおける、集客成功への道ヒミツ作戦その一なのだ。
そんなヒミツ技を、失礼ながらボクより一回り以上ものお歳の、さらに失礼ながらあの田舎の水族館の館長が、次々と成し遂げてこられたのはそれこそ奇跡的な才能を持った方だと思うのだ。

そんな村上館長のハチャメチャな努力が実を結び、加茂水族館は奇跡のV字復活を遂げた。
そしてついに、念願の新水族館グランドオープンである。

ボクは思う。
加茂水族館がクラゲで復活したのではない。
村上龍男館長の不屈の闘志が、加茂水族館を復活させたのだと。

でももちろん、一人でそれが成し遂げられるわけではない。
難しいクラゲの飼育と展示を、知識も機材もない中で実現させた奥泉副館長という相棒がいた。

村上館長の少年のような情熱と、巧みなパブリシティ術。
その情熱を、飼育と展示の技術を開発することで可能にする、奥泉副館長のやっぱり強い情熱。
その二つの情熱が実を結び、今、新しい加茂水族館はグランドオープンを迎えようとしている。


ドヤ顔で立つ村上館長と奥泉副館長。  (ボクまでドヤ顔する必要あったんかw)
イメージ 10

このクラゲプラネット水槽の前に立つと、村上館長と加茂水スタッフの不屈の情熱が伝わってくるのです。
みなさんも、その魂を受け取って欲しいと願っています。

ところでね、そんな自分の身体と人生を張って加茂水族館に奇跡を起こした村上館長が、なんと鶴岡市から退任勧告を受けているというではないですか。 え〜!そんなアホな!
鶴岡市のみなさん! そんな全国に恥をまき散らすようなことにはならないようにして下さい。

そもそも、新しい水族館ができた直後には集客は簡単でも、あの不便な場所にいつまでも人を呼ぶことができるのは、村上館長なくして誰にもできません。
なによりも村上館長は、鶴岡市の宝であり、山形県の宝であり、そして日本の水族館界の宝なのです。
鶴岡市民のみなさんが立ち上がってくれることを心より期待しています。

※この記事の後編はこちら⇒新・加茂水族館、本日オープン【後編】

●加茂水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東北の水族館記事リスト


□最新刊→『水族館に奇跡が起きる7つのヒミツ』
□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
Twitterfacebook始めてみました…。
■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド

この記事に

閉じる コメント(16)

ついに…!毎日FBで加茂水をチェックし本当に楽しみにしてました。あぁ、ついに!秋頃を目指そうかな(*´∀`)♪

日本海の荒波がすごすぎて流されちゃいそうで、山形大学理学部(in 鶴岡)を蹴ったことを思い出しました。お受験は真冬ですからね…笑

ってか、退任勧告って何ですか〜鶴岡市!アホなこと言っちゃいかんですよ!
あの館長がいたからこその奇跡の復活だろうに…こりゃ署名ですかね(=`ェ´=)

2014/5/30(金) 午前 7:53 あざらし2号 返信する

読んでて涙が出ちゃいましたよ(T^T) まさに村上館長あっての加茂水族館なのに!

6月1日はさっそく行く予定です

2014/5/30(金) 午前 8:25 [ しろねこさん ] 返信する

顔アイコン

どや顔 ええんちゃいますか! みんなここに来て癒されて帰って欲しいねぇ!

2014/5/30(金) 午前 9:02 ○丸ちゃん○ 返信する

顔アイコン

行きます!!

行きますとも!!

感動の記事をありがとうございました。

2014/5/30(金) 午前 10:55 じゅりまま 返信する

海豹さん、冬の日本海はすごいけど、今の日本海はまるで大きな湖のように穏やかな表情ですね。
とりあえず、まずは新しい加茂水族館に足を運んであげてください。でも、早く行かないと、村上館長と会えないかも……。いややなあ、そんなん。

2014/5/30(金) 午後 2:06 kapaguy 返信する

しろねこさん、退任勧告は市役所の考えなのか、トップの考えなのか?いずれにしても、市長が「村上館長を大事にする」って言えば片付く話やと思うのやけどね。
なんか考えてると、すごく悔しい。箱モノを人モノに変えることで復活させたのが、また箱モノになってしまいそうな…。
まあ、よそさまの行政のことなので、市民以外はなんも言えないんやけどね。でも、加茂水族館のお客さんは、市民以外で成り立ってるもんなあ、。言わずにいられなかった。

2014/5/30(金) 午後 2:14 kapaguy 返信する

丸ちゃん、はいそれではお言葉に甘え、ドヤ顔ごめんの人生で行きますw。
こういう努力を形にしてる水族館には、ボクはついつい肩入れしたくなって応援するので、すっかり同志のような気持ちになり、このドヤ顔なのでした。
それはそれとして、クラゲで癒やされて下さい。

2014/5/30(金) 午後 2:22 kapaguy 返信する

じゅりままさん、とにかくこのクラゲプラネット水槽だけは、遠くからでも観に出かける価値があります。
もし、他の大水族館でこれより大きいのができたとしても、最初に開発された展示には魂があり迫力が違うものです。それもまた、水槽を観る醍醐味かと思うのですよ。

2014/5/30(金) 午後 2:22 kapaguy 返信する

顔アイコン

去年の夏に行った時は工事中でした。 リニューアル 行きたいです!!

2014/5/30(金) 午後 6:56 kt9*jp 返信する

kt9*jpさん、おしっ!行こうよ!
実はね、内覧会の前に訪れた先日にも、閉館中と知らずに来た車がいて、ボクが来月来て下さいと案内したんw。

2014/5/31(土) 午前 0:27 kapaguy 返信する

大水槽のクラゲさんは宇宙のグレートウォールのようにも見えますね。
加茂水族館のHPを覗いたら、「クラゲドリーム館」グランドオープンまでのカウントダウン表示が。

超現実的なお写真と、村上館長の厳しい現実の中でのご苦労の話が対照的ですね。

ここまできたんですね。山形はお米が美味しいし、機会があったらぜひ訪れてみたいと思いました。ポチ☆

2014/5/31(土) 午後 9:24 眼とろん星人 返信する

顔アイコン

鶴岡市のタイラズムと申します。
ツイッターから来ました。

読ませていただきました。
ありがとうございます。

村上館長あっての加茂水族館。
市民全員が思っています。

分からないのはトップの人達ではないでしょうか。
情けないです。


先日、館内をみせてもらったついでに
私の家に眠っていた1976年の8mmビデオの映像を
村上館長に渡してきました。

【昭和51年】加茂水族館
https://www.youtube.com/watch?v=F-IfTVx5zjs

本日鶴岡市は運動会だらけ。
混むでしょうけれどあえてオープン日に行ってこようかなと思います!

2014/6/1(日) 午前 7:51 [ タイラズム ] 返信する

眼とろんさん、お久しぶり。ていうかボクがちゃんと記事を更新すれば、こうして会えるんよね。反省…w。
古事記には、世界は最初クラゲのようなものがふわふわと浮いているだけだった…みたいなことが書いてありますね。この大水槽はまさしくその宇宙を表してるのかも。クラゲの一つ一つが銀河の集合した銀河団。
一昨日までは古い水族館のHPだったのが、新しいHPに変わりましたね、なんだかワクワクします。ポチ☆ありがとうございます。

2014/6/1(日) 午前 8:28 kapaguy 返信する

タイラズムさん、ようこそ。初めまして。
こんないらんこと書いたら面倒なことになるかもなあ…と思いつつも、やっぱり書かずにいられませんでした。

貴重な映像をありがとうございました。再び新たな歴史の始まりですね。その始まりの日に入館されるのもまたいい記念かと思います。
もうそろそろオープン、きっとすでに駐車場が一杯になってきてるのでしょうね。私の知り合いは東京から初日に行くとのことでした。

2014/6/1(日) 午前 8:34 kapaguy 返信する

顔アイコン

加茂水族館リニューアル。あの巨額を投じて犠牲になり亡くなった2匹のラッコのことが忘れられません。移動先で亡くなった子は移動やストレスがあったに違いありません。 削除

2014/6/8(日) 午後 10:22 [ ラッコ ] 返信する

ラッコさん、水族館動物園の生物たちの命は、ラッコもクラゲもパンダも等しく、人間の好奇心による犠牲と言うならその側面は否定できません。しかしその人の好奇心と命の代償によって、人々の心には多用な生物に対する興味や、愛情や、理解がもたらされます。
水族館動物園はそのことを常に肝に銘じ、できるかぎりたくさんの人々に展示生物を見せ、興味をもってもらえるように努力しなくてはならないと思います。
加茂水族館のラッコは、観覧者を増やし生物に興味を持ってもらうため、そして水族館を存続させるために、なけなしの資金(税金ではない)で購入されましたが、当時は思ったようにはなりませんでした。
もっとたくさんの人々に観てもらえ、飼育環境のいい水族館へ移動させるのは必然であったのかと思います。
その折りに不幸なことになってしまったことには、関わった水族館スタッフの全員が重い責任を感じていることは間違いなく、関わっていない多くの関係者も、「命」を展示することの重責を感じたことでしょう。
水族館関係者は、ラッコだけでなく、クラゲも魚も含めた全ての命に対して、等しく重責を負う覚悟を持っていなくてはなりませんね。

2014/6/10(火) 午後 8:45 kapaguy 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(1)


.


みんなの更新記事