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第9話 解放 〜山本・獄寺〜 ☆

放課後、山本はツナを送り届けると、そのまま全速力で獄寺のマンションへ向かった。

獄寺は、ようやく涙をとめた目を濡れたタオルで冷やしながら、じっとドアを見つめていた。

夕焼けが、彼らの頬を染める。

(次に顔を合わせた時、)

(お前は、どんな顔をしているんだろう。)

(オレは、どんな顔をしているんだろう。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

チャイムの音に、もの思いから冷めた獄寺は、急いでインターフォンをとった。

モニターに映る待ちかねた相手は俯いていて、その表情は伺えない。

無言でボタンを操作し、地階のドアを開けてやると、

山本の姿はモニターから消え、獄寺は慌てて玄関の鍵を開けに行った。

重い身体を引きずるようにしてやっと鍵を開けると同時に、

ドアが勢いよく引き開けられた。

バランスを失って倒れこむ獄寺を、山本はしっかりと抱きとめる。

「ただいま、獄寺!」

「・・・ただいまじゃねえよ。バーカ。」

声でけえよ、と呟いた獄寺の手は、山本の背にまわされていた。

どんなに悩んでいても、こうして抱きしめられてしまえば、その心地よさに抗えない。

言葉に出来ない安堵感に目を閉じた獄寺は、ふいに抱き上げられてぎょっとした。

「なにしやがる!おろせ!」

「だって獄寺、熱い。ってか軽っ!」

ベッドまで運ばれて、さっさと寝かしつけられてしまった。

髪を撫でる手が優しくて、抵抗する気は早々に萎える。

「ごめんな。オレ、余裕無くて、ひどくしたもんな。」

「・・・ちげぇよ。」

髪から頬へと移動してきた手に、顔を摺り寄せる。

一日泣きはらした目はひどく熱を持っていて、山本の冷えた手が心地いい。

「わかってんだろ。お前だけのせいじゃねえ。」

「うん。でも、ごめんな。」

熱を吸い取ろうとするように、山本の手は獄寺のまぶたをふさぐ。

そのまま、軽く口付けた山本に獄寺が文句を言おうとした時。

「ごめん。Drシャマルに聞いた。」

胸を刺し貫かれたような衝撃に、獄寺の身体がこわばった。

口を開くが、言葉が出ない。

「オレ、獄寺が好きだ。」

「な、に言って・・・。」

「獄寺が、生きるために何をしてたって、関係ない。生きてここにいる、獄寺が好きだ。」

流されてしまいたい。

激しい感情に、獄寺は抗った。

受け入れたい。受け入れられたい!

強い、思い。

だが頭の隅で、もうひとりの自分が叫んでいる。

信じるな、と。こいつもいつかは自分を捨てると。

「・・・っやめろ・・っ。」

それでもいいと、今だけの関係でもいいと思い決めても、

信じたい自分が、心を切り裂く。

まぶたの上に置かれた山本の手のすきまから、涙がつたっていく。

山本はそっと手をはずし、まぶたや目じりに口づけた。

涙を舐めとり、ふたたび唇へ。

ゆったりと舌をからめ、口腔を弄る。

「・・・っ。」

「心配すんな。今日はしないから。」

「お前・・・。」

言葉のわりにはたっぷりと獄寺の唇を味わい、

最後に、ちゅ、と音を立てて山本が離れる。

戸惑う獄寺を覗き込み、にやりと笑って。

「目、赤いな。」

「ばっ!これはっ、寝不足だ寝不足!」

「ははっ、そーなのな!」

覆いかぶさるようにして獄寺を抱きしめ、髪のにおいを嗅ぎ、満足そうに溜息つく。

「オレ、獄寺が好きだ。獄寺は?」

「オレは・・・。」

「オレのこと好き?」

甘やかすように問われ、言わずにおこうとした言葉が口をつく。

「すぐに・・・終るなら、いらない・・・!」

「獄・・・。」

それでもいい。

でも、それは嫌だ。

ふたつの思いに胸が張り裂けそうだった。

「お前も、すぐに、いなくなる・・・!」

「獄寺・・・。」

「だったら、最初からいらない・・・っ。」

腕の中の震える獄寺を、山本はしっかりと抱きしめた。

「いなくなんねえよ。ずーっとそばにいる。ずっと、獄寺が好きだよ。」

「嘘だ!」

「嘘じゃない。」

「嘘だ・・・!」

だだっこのような獄寺に、何度もキスをしながら言い聞かせる。

傷つき、疲れ果てたその心に、染み込ませるように。

「オレには、そんな価値、ねえよ・・・!」

血を吐くような叫びに、唐突に山本は悟る。

獄寺が信じられないのは、山本ではない。

信じられないのは、獄寺自身のこと。

自分の存在価値を、獄寺は信じていないのだ。

誰からも必要とされない、取るに足らない物だと思い込んでいる。

うわ、シャマル可哀相、と山本はこっそり笑った。

長い間大切にしてきたんだろうに、その思いは届いていない。

山本としては、それで大いに結構だったが、

獄寺の心を救うために、利用させてもらうことにする。

布団を剥ぎ取り、獄寺に覆いかぶさった。

「やま・・・。」

「価値が無いか、見せてみろよ。」

「なにを・・・。」

パジャマを脱がせ、下着も取り払う。

戸惑って抵抗する肩を押さえつけ、じっくりとその身体を観賞した。

「綺麗だな。」

「嘘つけ・・・!」

「マジやばい。鼻血出そー。」

未だ胸に咲く赤い痕跡も、乾きかけた傷になっている歯形も含めて、

獄寺の肢体は、その色香に目眩すら感じさせる。

弱いらしい耳の裏に口づけてから耳たぶを咬み、その身体が跳ねるのを楽しむ。

「・・・てめっ、今日はしないって・・・っ。」

「んー。最後まではしないって。獄寺って、体中甘いのな・・・。」

「こっぱずかしいこと言ってんじゃねえ!」

胸の突起を味わってから、肉の薄い身体を下へ下へと。

「っ・・・!や、めろ・・・って・・・っ。」

獄寺自身を口に含み、舌で存分に弄ぶ。

細い足が緊張と弛緩を繰り返すのを確認しながら、わざと焦らしたり、追い上げたり。

獄寺をくまなく味わいつくすまで、山本は丹念に舌を滑らせ、

獄寺は山本にされるままに、何度も絶頂を迎えた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「も・・・無理・・・。背中・・・攣る・・・。」

もう何度目かわからない痙攣の後、獄寺が息も絶え絶えに訴えると、

山本はようやく獄寺を解放した。

「なんのつもりだ、この、野球バカがっ!」

「んー。こうしないと、話し進まないから。」

「ああ?」

山本の腕枕から睨みつける獄寺の目もとは、まだ情欲にほんのりと染まり、

常の迫力は全く無い。

よーく聞いてな、と前置いて、山本が言う。

「これまでも、これからも、やったことは全部オレとの思い出にする。」

「な、なんだそれ。」

「いろーんなコトしような。この印も全部、オレが着けたモノな。」

胸の花も歯形も、山本が丹念に舐めまわした。

「そのためにお前・・・。」

「うん。だからさ、ちょっと思い出してな。」

何を言い出すのかと眉をひそめる獄寺の緑の瞳に、

山本は、ひた、と視線をあわせた。

「思い出して獄寺。本当にみんな、獄寺のこと物みたいに扱った?」

「な・・・!」

「獄寺の気持ち、無視した奴ばっかだった?心を感じたこと、なかったか?」

「何言って・・・。」

「思い出して。辛かったら、それは全部オレとの思い出に書き換えてやるから。」

心、と言われて、獄寺の脳裏にいくつかの声がよぎる。

(あんまし一人で頑張んなよ)

・・・跳ね馬。

(いいけどね。相手は選んだほうがいいんじゃない)

雲雀・・・?

(ぶっ壊れねえ方法だ。覚えとけ。)

シャマル・・・!

「あ・・・。」

思い当たることが、いくつもあった。

山本を欲して初めて、

彼らの言っていたことが胸に落ちた。

彼らは、ちゃんと伝えてくれていた。

獄寺の心を、身体を、

思いやってくれていた。

「オレ、アホだ・・・。」

「意外とな。」

「うるせー。お前ほどじゃねー。」

悪態をつきながら、視界があたたかくぼやけていった。

浮かぶ涙は、先ほどまでとは全く意味が違う。

獄寺が自分自身を許し、受け入れることが出来た証だった。

「獄寺、好きだ。」

額に口付けられ、くすぐったそうに身をよじる。

眉間には、いつもの縦皺。

「うるせーよ。ばーか。」

「ひでーのなー。」

着衣のままの山本に抱きしめられ、裸の自分を猛烈に恥ずかしく思いながら、

獄寺はそっと、山本に口づける。

嬉しそうに目を細めるその鼻をぐいとつまんで、何日かぶりに、笑って言った。

「返品不可だ。ざまーみろ。」

痛そうに笑い返す山本を、愛しいと思った。

もう、胸は痛まない。

孤独じゃないと、知ったから。

感謝、愛しさ、喜び、そんな光で満たされながら、

獄寺は、山本ってじつは凄ぇヤツなのかもしれない、と思っていた。

もちろん、言ってはやらないが。

                 −−終わりーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

書いているうちに、すっかり客観性を失ってしまいました(^^;

伝わりますかねぇ・・・。

ま、くよくよしないで続きいきますか!(ホント単純です)


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ごめん、待った
と彼氏のように聞いてみたりして。
UPされてすぐに読んだのに、いつも感想遅くてごめんなさい
あぁああぁー、ついに結ばれてしまいやがりましたね
(ナニ興奮してんの)
くっそう、もっさん、格好悪いところがミヂンもない!
自分の若い頃を思い出して、ああこんなオトコに巡り逢えてたらなと・・・・・
イカンイカン。
感想も次へ続く!

2009/9/26(土) 午後 0:48 MafYu

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ううん。今来たところ(^^)とか言ってみたりして(^^)
MafuYuさん、こんばんは!コメありがとうございます!
MafuYUさんのコメがついて初めて、その記事が完結するような気がしています。MafuYuさんの文章、好きです〜♪
もっさんはですね、ちょっと獄寺フィルターがかかっています。
いまはキラキラして見えています。
もう、いちゃいちゃしてればいいんですよ!この人たちは
(^^)

2009/9/26(土) 午後 6:41 [ 堺蔵 ]

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