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山本×獄寺の日常を書いたものを、
こちらに上げています。
腐りつつも、まあ色々と。
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山獄小説 合鍵 第六話アップしました(^^)

山獄小説 合鍵 第六話アップしました(^^)

目次にも、まとめて追加しました。

ようやく終わりましたが、

やりすぎかなぁ〜(^^;

3回は書き直してます。最初、官能小説かぁ!と自分でツッこんでしまうようなシロモノになってしまって(^^;

これ、R18です。

お若い方、そういうの(BLとかですね)理解できないという方、

ご注意くださいね〜(^^;

大丈夫!という方、感想いただけると嬉しいです!

山獄小説 合鍵 第六話←ここから行けます(^^)

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記念写真(前編)

奈々の手が、帯の辺りをぽんと叩いた。

「さ、これでいいわ!どう?」

人の手に着付けをしてもらうのが初めてだった獄寺は、恐縮して頭を下げる。

「お手数をおかけしました。どう扱っていいかわからなくて・・・。」

今どき、浴衣の着付けくらいなら、ネットでいくらでも調べることが出来るのだが、

浴衣を触るのも初めてな獄寺は、ツナの勧めもあって、奈々の世話になることになってしまった。

姿見に映る自分の格好をしげしげと見て、不思議そうに首を傾げる。

「こういうもんなんスか・・・。」

「こういうものです。獄寺君、とても似合ってるわよ!ね、ツっくんと一緒に写真撮ってもいい?」

「は、はい。」

「ツっくーん!山本くーん!出来たわよー!」

階上に向かって奈々が叫ぶと、すぐにバタバタと慌ただしい音を立てて、

ツナと山本が姿を現した。

ツナは甚平姿。山本も浴衣を着込んでいる。

「出来たんだー。獄寺く・・・。」

ツナが獄寺を見て言葉をつまらせた、山本は最初から絶句している。

すらりとした獄寺の浴衣姿は、なんとも言えない色香を纏わせており、

濃紺の生地に白い肌が映えて、目のやり場に困ってしまう程だった。

「お、おかしいっすか、10代目。」

「う、いや、あの、すごくいいよ!似合ってるよ、ね?母さん!」

そうよー!素敵よー!と奈々の歓声に獄寺が気を取られている間に、

ツナは山本の腕を肘で小突いて、山本よだれよだれ、と指摘する。

「さあ!三人並んで!撮るわよー。」

奈々がデジカメを構え、獄寺、ツナ、山本の三人は、

仲良く一枚の写真に納まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今日行く神社はね、前行った所より大きんだ。」

ツナがにこにこと説明し、獄寺も嬉しそうにそれを聞いている。

山本は、やべえ、鼻血出そう・・・などと考えながら、獄寺の浴衣姿を堪能していた。

祭りに行こうと言い出したのは、山本だった。

日本の文化を見るのも、日本人である10代目の右腕としては重要なんじゃないかと言えば、

獄寺に否やのあるはずも無く、

ツナも、花火大会の思い出がよほど楽しかったのだろう、二つ返事で同意した。

そこで更に浴衣を着ることも上手く言いくるめ、このような出で立ちになった。

山本曰く、日本の祭りの正装を知らないと、10代目に恥をかかせることにならないか、と。

あわてて仕立てた獄寺の浴衣と下駄は、山本が選んでやったものだ。

色も柄も、獄寺の容姿を上手く引き立てていて、山本はひとり、悦にいっていた。

(まあ、何着ても獄寺はかわいいけどな!)

神社に着く前に山本は10回以上、ツナから鼻の下鼻の下、と小声で指摘されてしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あー!獄寺君だ!山本も!浴衣着てるー!」

バスと徒歩で行ける距離にある神社なのだから、クラスメイトに会う可能性は考えておくべきだった。

出店を数件覗いたところでおきた事態に、山本は舌打ちする思いを隠し、笑顔を作る。

「おー、みんな来てたのなー。」

「今集合したところー。ね、浴衣かっこいいね、山本!」

男女取り混ぜて6〜7人。特に女子がはしゃいだ声をあげて、山本たちを取り囲んだ。

「ねぇ、撮っていい?めっちゃかっこいいよ山本!」

何人かの女子が携帯やデジカメを構え、山本や獄寺に狙いをつける。

男子たちも、珍しそうに山本をつついたり、獄寺に視線をやったりと忙しい。

ツナの甚平も、事のほか好評のようだ。

「あー、うん。獄寺?」

隣を伺うと、意外な事に、獄寺が微笑んで見返してきていた。

ツナや自分にいつも向けるのとはちがう、社交用の笑顔。

一見穏やかなその笑みは、級友たちには肯定ととれたようだ。

友人に押し出されるようにして、一人の女子がおずおずと獄寺に話しかける。

「あ、あの、獄寺君、一緒に撮って、くれない、かな・・・。」

大きな朝顔模様の浴衣にピンクの帯。

長い髪を簡単に結い上げたその女子の頬は、帯と同じ色に染まっていた。

                         −−続くーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

長くなってしまい、ふたつに分けました〜。

後編へ続くです〜。



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記念写真(後編)

赤くなりながらの女子の申し出に、獄寺がひょいと首をかしげる。

あ、怒るかな、優しく断れるかな、と心配する山本の隣で、

視線をピンクの帯の女子の後ろに彷徨わせていた獄寺が、ああ、と頷いた。

山本だけでなく、ツナや、級友たちも驚いた声を上げ、

気が変わらないうちに、と数人がカメラを構える。

「ここ、邪魔だろ。」

そんな一同に背を向けて、獄寺はさっさと歩き出してしまう。

戸惑いながらもぞろぞろと着いていった山本たちは、大きな木の下に立つ獄寺に、一瞬言葉を失った。

祭りの喧騒から少し離れた暗がりに、獄寺の姿は幻のように浮かんで見えたのだ。

(これは、オレも撮っときたいかも)

山本がこっそり携帯をカメラモードに切り替えようとしていると、

獄寺の声が、立ち尽くす一同にかけられた。

「撮るならさっさと撮れよ。」

ちょい、と手招きされ、獄寺の周りになんとなく全員が集まった。

「カメラはそれか。撮るのは?あんたか。」

獄寺が、確認しながら撮影役の女子に立ち位置を示す。

「もう少しさがれ。ああ、そこでいい。で・・・。」

穏やかだが有無を言わせない調子で、獄寺が人員整理を始めた。

軽く腕を取ったり、背中を押したりして、級友と、山本と、ツナを集合写真のように並べてしまう。

ピンクの帯の女子を最前列の中央に立たせ、その隣に自分が立ち、

「いいぞー。」

撮影者に合図を送って、慌てたその女子がデジカメを操作しているその隙に、

獄寺は、すぐ横にいた男子の腕を掴んで、自分が立っていた位置と入れ替えた。

更に、最後列の山本の隣へと移動し、その肩に半身を隠す。

撮影係りの女子を含め、全員がデジカメに気を取られているうちに、獄寺がまんまと配列を変えたことに気付いたのは、

獄寺に腕を引っ張られた男子と、山本だけだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

じゃあな、と手を振ってクラスメイトと分かれた3人は、再びゆっくりと出店をひやかしてまわった。

その中で、山本は先程の獄寺の行動の意味を聞いてみる。

「獄寺、なんで写真の時、あんな面倒なことしたんだ?」

ヨーヨー掬いに熱中しているツナの後ろで、獄寺がちらりと山本を見る。

「一緒に撮ってくれっつった女の後ろで、睨んでやがる奴がいたんだよ。」

「あー。」

結局彼女の隣に映ることになっていた男子生徒の顔が、山本の脳裏に浮かんだ。

それでは獄寺は、恐らく彼女のことが好きで獄寺に嫉妬したのであろうその男子生徒のために、

彼女の隣りでの記念写真をお膳立てしてやった、ということになる。

「優しいのな、獄寺。」

「ち、ちげーよバカ。めんどくせえことになったら、10代目にも迷惑がかかるだろうが。」

獄寺は、優しい。

特に、小さいものや、弱いものに対して、意外なほどの気づかいを見せることがある。

獄寺にとって、日本の中学生など、稚く、弱く、無力なものに見えていることだろう。

そんな彼らの、ささやかな楽しみをそっと後押しする獄寺の思いやりを、山本は複雑な思いで見ていた。

獄寺が自らを、その外側だと認識していたから。

平凡な中学生の、小さな楽しみや、幸福。

自分には得られないと知るからこそ、大切に思い、壊さないように配慮してやっている。

そんな獄寺に、わずかでもいい、年相応の思い出を作ってやりたい。

そう思ったからこそ、山本は今日の祭りにも獄寺を誘ったのだが、

かえって、彼らとは違うという事を、獄寺に思い知らせてしまったようだ。

溜息を付いて俯く山本の手に、ふいに暖かい物が触れる。

人ごみの中、ツナの背後に並んで立った山本の手を、獄寺が短く、強く握ったのだ。

すぐに離れていった感触に獄寺の方を山本が見ると、

ツナのつむじを見つめる獄寺の頬が赤い。

「10代目と・・・お前がいるから。」

照れ屋な獄寺の短い言葉から、深い感謝を感じ取り、山本に笑みが戻る。

ツナと山本がいるから、十分なのだ、と。

山本の心遣いも、ちゃんとわかっている、と。

普段は冷たい獄寺の手が暖かかったのは、大勢人がいる中で、一瞬とはいえ手を繋ぐことが恥ずかしかったから。

それでも、謝意を伝えようとしてくれた獄寺が可愛くて、嬉しくて、

山本は自分の顔がだらしなく笑み崩れるのを止められなかった。

「うわー、やっとひとつとれたよ・・・って、山本、顔、顔!」

ヨーヨーを手にしたツナに指摘され、獄寺に呆れ顔をされても、幸せなのだからしょうがない。

「次、たこ焼き食おうぜ、たこ焼き!」

山本はツナと、獄寺の手を取ってぐいぐいと引っ張った。

今日は、出店をめいっぱい回って、楽しもう。

それから、ちゃんとお参りしよう。

ずっと、一緒にいられますように。

獄寺が、ひとつでも多く、楽しい思い出を作れますように。

「あれ?獄寺君、お面買ってたの?」

ツナの声に振り向くと、確かに獄寺の首に、お面の紐がかかっていた。

首の後ろに回されていたのは、シンプルな狐の面。

「ああ、これは写真の時に・・・。」

クラスメイトと集合写真に納まるときに、

獄寺は、最後列に立ち、山本に半身を隠した上、狐の面を被ったのだ。

「どうして?そんなに映りたくなかったんなら・・・。」

「仮にもマフィアっすからね。不用意に写真残すわけにいかないんすよ。」

「え・・・じゃあ、母さんが撮ったやつ・・・。」

「アレも、映ってません。ちょっとデジカメに細工させてもらいました。」

すんません!とツナに頭を下げる獄寺を、ツナは驚いたように見つめていた。

こんなにも、考えることや感じることが違うという事に、初めて気付いたというように。

「でも、オレ、生まれた時からの写真、山ほどあるし・・・。」

「10代目とオレはちがうんすよ。ボスと構成員じゃ・・・あ、そんな顔なさらないで下さい。」

ツナが泣きそうに顔をゆがめるのを見て、獄寺が慌てる。

「だって・・・獄寺君、普通に、学校行って、友達とか、思い出とか・・・。」

上手く言えないようだが、ツナも山本と同じようなことを考えていたらしい。

普通の、平和な、楽しい思い出をあげたい、と。

獄寺は形のいい唇に微笑を浮かべて、ありがとうございます、と呟いた。

「オレは幸せ者です。10代目にこんなにお気遣いいただいて。」

ちらり、と山本を見て、お前もな、と付け加える。

そんな獄寺を衝動的に抱きしめそうになって、山本はごまかすようにツナと獄寺の背を叩いた。

「じゃあ、めいっぱい楽しんで、そんでお参りするのな!」

しめっぽくなってしまった雰囲気を、明るい声で一気に浮上させる。

「こんっなに可愛い獄寺のお願いなら、神様もぜーんぶ聞いてくれるのな!」

なにバカな事言ってんだ!と獄寺に蹴りを入れられ、よろける山本を見て、ツナが笑い声をあげる。

ささやかでも、多くは無くても、

いつまでも心に残る思い出を、共有できればいい。

山本はツナと頷きあい、獄寺を促して境内へと向かった。

3人の、声には出さなかった願いは、多分、同じ。

いつまでも、一緒にいられますように。

後日、並盛中に密かに高値で出回った写真は、

やにさがった顔の山本の後ろに、姿のいい狐面の少年が映っている、と、

ずいぶん長い間、七不思議のように語り継がれたという。

                   −−終わりーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

何故、浴衣・・・。

もの凄い季節はずれの話でした〜(^^;

獄寺は、ツナや山本の傍にいても、

生きる世界が違うという事が書きたかったようでございます(^^


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ハルハルダイエット(山×獄です!)

一人で歩いている彼と行き会うのは、初めてのことだった。

あまり背の高くないその人は、人ごみの中でもひと際目立っていて、

整った顔立ちや、印象的な銀髪に、ハルは一瞬見とれた。

「おう、今帰りか?」

ハルを見咎め、声をかけてくる。

いつもとは違う、低く落ち着いた声音。

こんな話し方もするのかと、意外な思いで頷くハルに、

獄寺はいぶかしげな顔をした。

「顔色悪くね?」

「は、はひ。」

実は授業中貧血をおこし、放課後まで保健室で過ごしてしまったことを告げると、

獄寺は形のいい眉をひそめた。

「待っとけ。」

ちょうどあったコンビニにひょいと入り、ビニール袋をさげて出てくる。

渡されたのは、スポーツ飲料とチョコレート。

「とりあえず血糖値あげとけ。タクシーひろうか?」

「だ、大丈夫なのですっ。あの、これ・・・。」

財布を出そうとすると、いらねーよ、と苦笑された。

こんなところに、彼が日本育ちでないことを思い出す。

外人さんぽいです・・・などと感心し、ペットボトルを開ける。

チョコはどうかと悩んでいると、獄寺が思い出したように声をあげた。

「あ!もしかしてお前、ムチャなダイエットしてねぇ?」

「はひっ。」

図星だった。

どうしてもすぐに痩せたくて、昨日からほとんど何も食べていない。

おずおずとそう言うと、これだからバカ女は・・・と呆れられた。

「食わねぇダイエットは、100%リバウンドすんぞ。」

「はひっ!こんなに頑張ってるのに、そんな〜。」

へなへなとしゃがみこむ。

昨日からの苦労が水の泡になって、立ち上がる気力も出ない。

「ちゃんと安全に痩せる方法載ってる本、貸してやるよ。明日にでも・・・。」

「今読みたいです・・・。」

「は?」

そんな方法があるなら、今すぐ知りたかった。

明日までなど、絶対に待てない。

「これから取りに行っていいですか!?」

「これから・・・?俺、一人暮らしだぞ?」

「ここから遠いですか?」

「近いけど・・・。」

しょうがねぇな、とハルを立たせ、隣に立って歩き出す。

エスコートされていると気づいて、ハルは真っ赤になった。

こんな風に扱われるのは初めてで、なんだかドキドキしてしまったのだ。

(だめです!ハルにはツナさんという人が〜!)

ひとりで慌てているうちに、獄寺の住むマンションに到着してしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はひ〜。広いです〜。あ、鍵かけますか?」

「・・・開けとけ。」

また貧血おこすぞと言われ、ハルはおとなしくソファに座った。

中学生男子の一人暮らしとは思えないほど、きれいな部屋だった。

きょろきょろしていると、マグカップを持った獄寺が戻ってくる。

渡されたカップには、ココアが温かな湯気をたてていた。

「カロリーが、とか言うなよ。冷める前に飲め。」

「は、はひっ。」

ふうふうと息を吹きかけてから口にすると、優しい甘さが身体に染み渡るようだった。

しかし、その味は・・・。

「これ、獄寺さんが作ったですか?」

「ん?ああ。砂糖控えたからそんな甘くないだろ。全部飲めよ。」

やはり、ココアの粉から生クリームやら牛乳やらでたてて作ってくれたらしい。

普段飲みつけない本格的な味に、またもどきどきしてしまったハルは、慌てて話題を探した。

「お、お部屋!きれいにしてるんですね!意外です!」

唇を指でたどりながら考え事をしていた獄寺が、苦笑いしながらハルを見る。

「火薬扱ってるからな。めんどくせーけど埃だらけにしておけねぇ。」

なるほどーとひきつった笑いをうかべ、ハルは内心で叫んでいた。

(大変です!獄寺さんは天然でタラシです!ハルは子供なのでもう無理です!)

ツナや山本やランボたちといる時は、不機嫌そうに眉をしかめて声を荒げていることが多いのに、

一人の時は全然違う顔を見せる。

こんなギャップを見せられたら、魅かれる者はごまんといるだろう。

ついてきてしまったことを軽く後悔していると、獄寺が立ち上がり、部屋を出て行った。

つめていた息を一気に吐き出して、ハルはココアを飲み干した。

空腹と貧血で冷えていた身体が、ポカポカと温まっていくのを感じ、感謝の思いでカップを置く。

(本をお借りしたら、即効でおいとまするです!もうハルはいっぱいいっぱいですっ)

カバンをかかえ、玄関に続くドアを睨みつけていると、

「・・・具合悪いか?」

後ろから声をかけられて飛び上がった。

「は、はひっ!だだだ大丈夫です!ものすっごく元気です!」

顔を真っ赤にするハルに何を思ったのか、獄寺は小さく笑って、

手にしていた紙袋を差し出した。

「とりあえず何冊かピックアップした。もう読んだから返さなくていい。」

受け取った袋には、3冊のハードカバーが入っていた。

「ちゃんと読んで、もう二度とムチャなダイエットはするな。10代目が心配なさる。」

ツナの名前が出て、ハルは素直に頷いた。

こんな風に、理詰めで説得することもあるのかと感心しながら。

普段の暴れっぷりからは、想像できない。

「じゃ、行くか。」

「は、はひっ。おじゃましましたですっ。」

立ち上がったら、カバンと紙袋を取り上げられた。

わけがわからず獄寺を見ると、送る、とつぶやかれる。

「候補とはいえ10代目の情人に何かあったらコトだからな。」

言われた内容よりも、言ったその人の笑顔に目眩がした。

(無理無理無理です〜!ハルはお子様なのです〜!!!)

首まで真っ赤になって、ハルは玄関へ急いだ。

もう獄寺の顔を見る勇気は無く、足元や壁に視線を逃がしながら。

そうして、一瞬洗面所が目に入り、

コップに立った歯ブラシが視界をよぎった。

歯ブラシが、

「・・・2本。」

考える間もなく口にしていた。

「あ?日本?」

「いえ、歯ブラシが2本あるなぁって・・・。」

息を呑む気配に振り向くと、

獄寺が口元を手で隠し、耳まで真っ赤になっていた。

「い、いや!2本あると便利っつーか、使い分け?気分で使い分けるっつーか!」

「はっ、はひっ!そーですね!2本使いますよね!使います使います!」

あんまり獄寺が狼狽するので、ハルもつられて真っ赤になってしまった。

バカなことを聞いてしまった、と思いながら。

歯ブラシが2本。ならば。

当然、使う人間が二人いるということで。

つまりは獄寺にはそういう相手がいるということなのだ。

「かかか帰ります!どうもありがとうございましたです!」

「あ、送るって・・・。」

がしゃん、と玄関を開けると。

「あれー?ハルちゃんじゃーん。」

いつもより、心持ち低い声でその人は言った。

「や、山本さん。」

「お、獄寺も。二人してどっか行くのかー?」

いつもと同じ、間延びした口調なのに、ハルは怖い、と思った。

理由はさっぱりわからないが、山本は怒っている。

「具合悪いみたいだから、送ってくるだけだ。」

「あ、そーなんだ。ハルちゃん、お大事になー。」

見送る視線が背中に痛い。

来るときと同じようにエスコートされながら、

もはや恐怖でときめくどころではないハルだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

結局自宅前まで送ってもらい、遠ざかっていく銀髪を見ていたハルは、

唐突に気づいてしまった。

あの歯ブラシの主を。

だとしたら、自分は最悪のタイミングでとんでもないことをしてしまったのではないか。

そうは思っても、心の中で獄寺に謝る他に、なすすべの無いハルだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「だ、だから、言ってるだろっ!ムチャなダイエットしてっ!ハルが身体壊したら・・・!」

「ツナが心配するもんな。それはよーくわかるよ?」

獄寺は上気した頬に涙目で、必死に訴える。

「別にやましいことは・・・してない、って!あっ。」

マンションに戻った獄寺は、すっかり目の据わった山本に即効で捕まり、

何を説明する間もなく押し倒され、制服を剥ぎ取られてしまっていた。

焦らすように口付けられ、首や鎖骨や、脇腹や二の腕を嘗め回されるが、

肝心の場所に触れてもらえず、苦しくてたまらない。

「でも、部屋まで上げることはないんじゃないかなぁー?二人して、真っ赤になっちゃって、さ。」

胸のしるしを口に含んだまましゃべられて、獄寺の息があがる。

「そ、れは、悪かったって・・・っ。」

「ん〜。聞こえないなぁ〜。」

もう片方は指の腹でいじめながら、山本の舌が執拗にそこを吸い舐る。

そのたびに獄寺はこらえきれない嬌声をあげ、山本の嗜虐心をあおった。

「も、かんべんしろ・・・!」

「まーだまだ。獄寺にはたーっぷり反省してもらわないとな〜。」

・・・山本の《おしおき》は深夜まで続き、

結局獄寺は、翌日学校を休むはめになった。

教訓:人に親切にする時も、気を緩めてはならない。

人助けをしたはずなのに、むくわれない獄寺であった。

                     −−−終わりーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あ〜おもしろかった〜!

途中まで、完全に 獄×ハルですな!

山本のおしおきは、ちょっとここでは書けませんでした(^^)

そーいうのは、今後内緒でアップしていく予定です〜。

読んでくださってありがとうございました!


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山獄小説 合鍵 第一話(ツナ付き)

野球部の朝練を終えた山本が教室に入ると、

ツナの横に、1週間ぶりに見る姿があった。

「獄寺!帰ってきてたのか?」

「おう。」

「おはよう、山本。」

獄寺しか目に入っていない様子の山本に苦笑しながら、ツナがあいさつをして来る。

それに全開の笑顔を返してから、

山本は、抱きしめたくて堪らない細い身体を、じっと見つめた。

「なんか、痩せたか?」

訊ねる山本を一瞬にらみつけ、獄寺は舌打ちをする。

余計なことは言うな、という事か。

「本当に痩せたみたいだよ?忙しかったの?」

心配そうに覗き込むツナに、獄寺はおおげさに胸をはって、

「たいしたことないっすよ、10代目!ご心配いただくような・・・。」

不自然に言葉を切って、獄寺が近くの机に手をついた。

もう片方の手をあてた顔が、青ざめている。

「獄寺君?具合悪いの?」

「獄寺?」

詰め寄る二人に首を振って、答える声にはいつもの力が無い。

「ちょっと寝不足で・・・。保健室で寝て来ます。」

よろける身体を、山本が支える。

ほんの少しの間、その手に寄りかかった獄寺だったが、すぐに振り払って数歩離れた。

「歩ける。」

短く言うと、ツナに微笑を残して、

獄寺は教室を出て行った。

後を追おうとした二人だったが、

タイミング悪く担任がやって来てしまい、

席につかざるを得ない。

「Drシャマルがいるから、大丈夫だよね。」

小声で言ってくるツナに頷いて、休み時間に様子を見に行こうと打ち合わせたものの、

山本はいつもに輪をかけて、授業に身が入らなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

授業が長引いたり、教師の都合があったりで、

山本とツナが保健室へ足を向けたのは、結局昼休みになってからだった。

小走りに辿り着いた白い部屋には、

青ざめた顔で眠る獄寺の姿があった。

「獄寺君、どこか悪いの?」

不安そうにツナがシャマルに尋ねる。

不真面目な保健医は、あごに生やしたまばらな髭をなでながら、肩をすくめて見せた。

「どっこも悪くねえよ。まあ、極度の過労ってとこだな。」

「過労・・・。」

山本は口の中で呟いた。

握ってみた獄寺の手は、いつもより更に冷たい。

「風邪とかじゃなかったんだ・・・。過労って、仕事で・・・?」

ツナの問いかけに、シャマルは答えなかった。

獄寺の《仕事》に関しては、ツナや山本には明かされていない部分が多くあり、

いつ、どこまで話すかは、リボーンの判断や、獄寺の意思によって決められる。

そこは承知の上でも、ツナは黙っているわけにはいかなかった。

獄寺が倒れるほど酷使されているなら、事情はどうあれ、止めなければ。

「こんな風になるなんて、どんな事をさせられたのか知らないけど、酷いです。抗議したいから、

誰の指令かだけでも教えてくれませんか、Drシャマル。」

改まったツナの様子に、シャマルは苦笑して両手を上げた。

「おいおい、勘違いすんなって。仕事自体はそう危険なもんじゃなかった。隼人が・・・。」

シャマルが顎で眠っている獄寺を示す。

青白い顔。浅い寝息。

「そいつが、とんでもねえスピードで終らせたってだけだ。よっぽど早く帰りたかったんだろうさ。」

「獄寺君・・・。」

「不眠不休に近かったらしい。1週間、それなりの集中力も緊張感も必要な中でな。」

ツナと山本が、顔を見合わせた。

二人には、思い当たる原因があったのだ。

1週間前、仕事でイタリアへ渡ると言った獄寺に、二人がかけた言葉。

『怪我なんかしないで、無事に早く帰って来てよ』と、ツナ。

『あんまり長いこといないと、心配になるからな。』と、山本。

無茶をしがちな獄寺を案じての言葉だったのだが、逆効果になってしまったようだ。

「そんなツラすんなって。ぐっすり寝て、しっかり食えば元通りになる。一晩ありゃ十分だろ。」

点滴も打ったしな、とシャマルが見せてきたのは、空になった点滴のパック。

見れば、山本が握る獄寺の右手には、肘の内側にかすかに血の滲んだ絆創膏が貼ってある。

「もう少ししたら、隼人はマンションに送り届けてくるからな。担任にこの書類渡しといてくれ。」

ツナの手に、シャマルの署名の入った早退届けが渡された。

「ここで寝かせておけないんですか?マンションだと獄寺君ひとりになるし・・・。」

ツナの提案に、シャマルが首を横に振る。

騒がしい学校では、きちんと休養がとれないと言われては、頷くしかないツナだった。

「オレ、ついて行くから。」

山本が言うと、それもシャマルに却下された。

ツナや山本が自分のために早退したり、部活を休んだりしては、獄寺が気に病む、と。

結局二人はシャマルに保健室を追い出され、教室に戻るしか無かった。

「オレ、放課後獄寺君の家に行ってみるね・・・って、起こしっちゃったらマズいか・・・。」

「Drシャマルが戻ったら、聞いてみるのな。」

午後の授業が終ったらすぐ、もう一度保健室へ行こうと打ち合わせて、二人は席についた。

授業の内容など、全く頭に入らなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後、ノックと同時にドアを開けると、Drシャマルは珍しく机で書き物をしていた。

そうしていると、普通の養護教諭のようだ。

「あー。来ると思ったぜ。」

「何度もすみません。獄寺君の様子が知りたくて・・・。」

言葉通りマンションへ送っていったのだろう。

獄寺の姿は、すでに保健室には無い。

シャマルはばりばりと頭を掻き、顎で壁に立てかけてあるパイプ椅子を示した。

「この際だ。お前らに言っておきたいことがある。」

シャマルの声音に逆らえないものを感じとり、二人はおとなしくパイプ椅子を出してそこに座った。

廊下からは、下校する生徒たちのざわめきが聞こえてくる。

「山本、部活は?」

ツナの小声の問いかけに、

「遅れるって言ってきた。」

山本はきっぱりと答えた。

野球も大事だし、獄寺も大事。

どちらも優先する方法は、山本の中にきちんとルール付けされている。

「おし。しっかり聞けよ。」

二人に正面から向き合って、シャマルはおもむろに話し始めた。

「だいたいな、隼人の自己管理は、お前らとは次元が違うんだよ。」

思いもよらない切り出しに、山本とツナの目が丸くなる。

                        −−続くーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんだか獄寺君がぶっ倒れる話ばかり書いているような感じなのですが、

その理由を、第2話でシャマルが語ります。

このブログにおける、獄寺君の設定の一部をお話にしたくて、

この 合鍵 を書き始めましたが、

どうかなぁ〜?話が逸れちゃうのも、よくあることなので、

まあ、あまり長くならないようにまとめたいと思います。

基本的に獄寺君大好きなあまり、語り始めるとキリが無いので(^^)


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