近代建築青空ミュージアム

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法務省旧本館 in 「相棒」

ドラマ「相棒」Season4第9話「冤罪」の最後のほうで、すてきな建物が登場してはっとしました。
ドイツ人の建築家、エンデさんとベックマンさん設計の法務省旧本館(旧司法省庁舎)です。
広大に続く赤煉瓦が圧巻です。
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相棒の二人ととてもマッチしていました。
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右が水谷豊さん(杉下右京役)、左が寺脇康文さん(亀山薫役)

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東京をたくさんの西洋建築で埋め尽くし、威厳ある都市としてつくろうとした「官庁集中計画」。
その計画のために日本政府に招かれてやってきたのがエンデさんとベックマンさんを初めとするドイツの方々です。
遠いところからせっかく来て下さったのに、政府内の事情により都市建造計画も十分に実現できないまま帰国され、その設計により完成した建物も2つだけ。

一口に「お雇い外国人」といいますが、遥か彼方の外国へ来てくださるということは命がけであり相当の覚悟の上のことです。本当にありがたい恩恵だと思います。

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エンデさんとベックマンさんの設計をもとに河合浩蔵さんが完成させたこの建物。
ただひとつ残る、ドイツの偉大な“相棒”によるこの法務省旧本館を、私たちはいつまでもいつまでも大切にしなければならないと思います。


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☆この建物内に「法務資料展示室」があり、日本の司法に関する史料やこの建物の建設に関する史料などが展示されています。(10:00〜18:00(入館は30分前まで)、土日祝休、無料 住所:東京都千代田区霞が関1-1-1)



「相棒」Season4のホームページ
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_04/

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コルドバのメスキータ

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先日、スペインの「コルドバの聖マリア大聖堂」(メスキータ)という教会の素晴らしい写真を見る機会があり、この建物のことを知りました。
その写真は、1200年ほど前この建物が最初につくられた時から残る、2段のアーチが印象的なモスクの天井と柱のモノクロ写真でした。


この建物があるスペインのコルドバという街は、後ウマイヤ朝時代に都だった街で、当時からの文化遺産が多く残り、世界遺産に指定されています。

「メスキータ」とはスペイン語でイスラム教の寺院「モスク」を意味する総称ですが、特にこの教会を指すことがよくあります。それは、この教会はもともとイスラム教の寺院だったからです。

メスキータが初めて建設されたのは784年で、コルドバの初代アミールアブド・アッラフマーン1世の時代でした。
その後増築を経て10世紀に現在の形になりました。

しかし、キリスト教国が再征服した「レコンキスタ」のなか、1236年、フェルデナンド3世がコルドバを征服したことによってメスキータはキリスト教の教会として使われるようになります。

そして16世紀に、建物中央部を取り壊し、そこにゴシック・ルネサンス折衷のキリスト教の大聖堂がつくられました。

この異なる宗教の文化が共存する建物は本当に珍しいもののようです。

より新奇なもの、最先端を行くもの、世の中の多くの人・国が賛美するものに目を奪われ、崇拝しがちな私たち…とくに日本人は西欧文化への偏った憧れを明治以来抱き続けています。
確かに世界に誇れる大切な至宝である大聖堂も、素晴らしい建物の破壊の上に存在し、そこにはかつてイスラムの素晴らしい文化がかたちづくられていたことを、心に留めておくことの大切さを知ることができました。

スペインに息づく、悠大なイスラム文化に出会えたすばらしいひとときでした。


写真はWikipedia「メスキータ」より

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ロイヤル・アルバート・ホール

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私が姿を現すと12,000人もの聴衆から熱狂的な歓迎を受けた。
私は心からの感謝を表すために何度も繰り返しお辞儀をしなければならなかった。
(ドヴォルザーク) (*)


ロイヤル・アルバート・ホール
(Royal Albert Hall of Arts and Sciences)

所在地 シティ・オブ・ウェストミンスター(ロンドン)

設計 フランシス・フォーク
竣工 1871年


アントニン・ドヴォルザークの交響曲第8番は、「イギリス」というタイトルがついています。ドヴォルザークとイギリスの関係を調べていて、ドヴォルザークがイギリスで演奏したというロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall of Arts and Sciences)を見て驚きました。

先日ご紹介した建築家、森山松之助さんの両国公会堂にそっくりだからです。
森山さんはこのホールを参考にされたのでしょうか。
http://blogs.yahoo.co.jp/kay31527/33559657.html
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このホールは、イギリスのヴィクトリア女王の夫であるアルバート公に捧げられた演劇場で、多くのイベントが行われています。

建物は8000人が収容できる大ホール。ホールの天井は鉄骨のドームにガラス張りです。

ドヴォルザークの交響曲第8番に「イギリス」とついているのは、楽譜がイギリスで出版されたから、というだけのようですが、この曲にイギリスの雰囲気を見い出しイギリスへの憧れつのる今日この頃です。


参考資料
Wikipedia「ロイヤル・アルバート・ホール」(写真1)
Wikipedia「アントニン・ドヴォルザーク」(*)
Wikipedia「交響曲第8番」(ドヴォルザーク)
Wikipedia「森山松之助」(写真2)

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ボルゲーゼ美術館

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この建物は、イタリア・ローマの北東部、ピンチアーナ門の北側に広がるボルゲーゼ公園のなかにあり、現在美術館となっています。

「ボルゲーゼ」とは名門貴族ボルゲーゼ家のことで、美術館にはボルゲーゼ家のコレクションが展示されています。

この建物はもともと、シピオーネ・カッファレッリ=ボルゲーゼ(1576?〜1633)の別荘で、1616年(あるいは1621年)竣工、設計はお抱えのオランダ人建築家のヨハン・ファン・サンテン(伊名:ジョヴァンニ・ヴァサンツィオ)とフラミニオ・ポンツィオです。





私は「ボルゲーゼ美術館展」を訪れてこの建物が描かれた絵に出会いました。

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この展覧会は絵画展で私も絵を鑑賞しに行きましたが、どうしても建物は特別な目で見てしまい、一瞬建築展覧会になってしまうのでした。


よく見ると趣のある装飾がほどこされています。

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そして、愛着のある建物も連想させます。
ダイビルの新館上部です。

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そしてこのボルゲーゼ公園は、私の好きな画家小野竹喬さんも描いているのでした。
http://blogs.yahoo.co.jp/kay31527/28840961.html
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いろいろな世界の、いろいろな夢の不思議なつながりを見つけることができた展覧会でした。


写真1:京都国立近代美術館「ボルゲーゼ美術館展」看板
写真2:シモーネ・フェリーチェ・デリーノ(原画)、ジョバンニ・ジャコモ・で・ロッシ(刷り)《ポンチアーナ門外ボルゲーゼ卿の庭園景観図》1683年 ボルゲーゼ美術館 (展覧会絵葉書より)
写真4:《ボルゲーゼの庭》1922年 笠岡市立竹喬美術館(「生誕120年 小野竹喬展」(毎日新聞社他発行、2009年)より)


参考HP
http://www.gaido.jp/machikado/machikado.php?ID=7567
Wikipedia「ボルゲーゼ美術館」
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今年はたくさんの展覧会に行くことができ、感謝しています。
みなさまにもいろいろな感動をお伝えしてきましたが、そのたびに共感していただいて感動の連続でした。ありがとうございます。
これまでは、なにかひとつのことに興味をもってそれを探求しても、その世界だけにとどまり、殻にこもっているような感じでした。
建築、絵画、音楽、文学、あらゆる文化の世界どうしでのつながりをここで発見することができて、夢の広がりを得ることができます。
これからもみなさまとさまざまな楽しみを共有していけることを心からうれしく思います。
みなさまのお心がいつも明るくありますようお祈りしています。

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〈News〉 ミラノの新規建築禁止

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一度破壊された環境はつくり直すことはできない。――― フィーニグエッラ氏




イタリア・ミラノの近郊にある都市、カッシネッタ・ディ・ルガンニャーノ市のフィーニグエッラ市長が、新たな建物の建築を一切認めない方針を決めました。



イタリアでは、もともと新規建築の規制が厳しいですが、ミラノのあるロンバルディア州では、建物や道路をつくるとそれに応じて国から交付金が出るため、開発が進められてきました。

交付金のために資材やエネルギーを浪費する悪循環を断ち切ろうとした市長は、新建築は認めない代わりに、古い建物をリフォームすれば商店を出すことができるようにしました。

国の交付金が得られないため、徹底的なコスト削減でカバー。
市長をはじめ市議の月給を削減、市長秘書、公用車も廃止。
市長は自ら運転して通勤するそうです。

市の収益を補うため、資産家に提供してもらったアルプス山脈の別荘を、夜に結婚式を挙げると費用がわずか1500ユーロで済むという結婚式場に。(上の写真の建物)

フィーニグエッラ氏の

「環境は永遠のものではない。未来の世代や子供たちのために近代化をやめよう」

というすばらしい理念が、わたしたちの国でも一日も早く生まれてほしいです。


参考資料(写真)
朝日新聞 2009年12月6日記事「新たな建築認めません」

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