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2010年3月21日

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ブラネン・クーパー

Brannen Cooper handmade (Silver) H-foot joint #18XX
ブラネン・クーパー ハンドメイド 総銀製 リングキー H管
 
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 現在、私がオーケストラにおいてメインで使用している楽器です。音に遠達性があり、良く鳴る楽器です。大ホールでは、他の楽器の中に埋もれてしまうことなく、くっきりと輪郭のある音を奏でることができます。
 そして楽器の特徴は何といってもメカニズムの信頼性、操作性の良さと、幅広い表現力です。ただし、それなりの息の支えが必要ですし、コントロールを誤ると、単なる「バカ鳴り」となって、他からの顰蹙を買うことになるので注意が必要です。(こういった楽器は好き嫌いがありますが)
 スケールは、かのクーパースケールが採用されていますので音程のコントロールは非常に楽です。
 メカニズムは、最近のはブレッガーメカニックのものが標準のようですが、私のはトラディショナルメカニックのものです。(買った当時はブレッガーメカニックが選択肢にあったかどうか不明)
 モントリオール響のティモシー・ハッチンスがブラネンのユーザーですが、調整する暇もない過密スケジュールのなかでその信頼性を選定理由のひとつにあげています。私ももうかれこれ十数年オケではこの楽器を使っていますが、何のトラブルもなく非常に満足していますし、オーケストラのソロ楽器としてベストの選択だと思っています。現在は下記の14K製頭部管と組み合わせて使っています。
 
Brannen 14K Head Joint (Modifid Cooper)
ブラネン 総14K製頭部管 (モディファイド・クーパー)
 
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現在使用している頭部管です。 本体と同じブラネンのためマッチングはとてもいいです。 トーンホールのカットはModified Cooper(モディファイド・クーパー)といって、Albert CooperオリジナルであるOld Cooper(オールド・クーパー;今はラインナップ外れてしまった)とデフォルトで楽器に付いてくるModern Cooper(モダン・クーパー)の特徴を合わせ持った新しいカット形状です。
 
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上段がModified Cooper(14K)、下段がModern Cooper(Silver)

写真を見ていただくとお分かりだと思いますが、Modern Cooperがスクウェアな形状なのに対し、Modified Cooperはやや左右が広がって楕円に近い感じ。 どちらも息の当たる側のアンダーカットが深めですが、Modified Cooperのほうがさらに左右のアンダーカットも大きめに見えます。店頭にあった同じ14Kで吹き比べた感じでは、Modern Cooperが際立ってシャープな音の立ち上がり(特に低音)を持っているのに対し、Modified Cooperはもう少し柔らかめで、音色のコントロールもしやすく、音色の変化をつけ作りやすいと感じました。吹奏感はどちらかというと抵抗が大きめで、私好みのものだったので、こちらのカットの方を選びました。

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ルイ・ロット

 
Louis Lot (Silver) C-foot joint #98XX
ルイ・ロット 総銀製 C管 1929年製
 
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私が今までに所有したフルートの中で最も美しい音の楽器です。まずはこのメーカーについて多少述べてみたいと思います。 テオバルト・ベームからいわゆる「ベーム式フルート」の製造ライセンスを最初に取得したのはフランスのゴッドフロワ(Godfloy)とイギリスのルーダル&カルテ(Rudall & Carte)でした。 当時、ルイ・エスプリ・ロット(Louis Lot,ルイ・ロ)は、このゴドフロワの工房で協業していましたが、1855年に独立しフルート工房を始めました。 その後、世代交代しながらもメーカーとしては90余年の歴史を刻んでいますが、現在も多くの楽器が残っており、特に初代Louis Esprit Lotの時代ものはフルーティストの間で垂涎の的となっています。
フルートメーカーとしてのルイ・ロットは1855年から経営者が交代しながら百年近く、5千本余の金属フルートを製造しています。(シリアルナンバーは金属管が偶数、木管が奇数となっています。)
主な弟子(経営者)とシリアルナンバーの関係は次のようになっています。
 
Louis Esprit Lot (1855-75) No.0-2,000
H. D. Villette (1876-1882) No.2,150-3,390
Debonneetbeau de Coutelier (1882-1889) No.3,392-4,750
M. E. Barat (1889-1904) No.4,752-7,350
Ernest Chambille (1904-1922) No.7,352-9,210
G. Chambille (1922-1951) No.9212-10,442

およそ6千番以前のものは銀管、洋銀管とも板状の材料を叩いて丸めて管を作るシーム管と呼ばれる製法で作られているため、それによる物性値の違いから独特の輝かしい音色を持ち、それ以降のシームレス管(引抜き管)とは区別して扱われています。但し、何分にも古い楽器のため状態の良いものはなかなか店頭に並ぶことはありません。(良いものはとうに売れてしまっており、オーナーもそう簡単には手放さないからです。)またさすがにこれだけ古いものになると、はんだ付けが取れかかっていたり、メカニズムの磨耗が進み、修復の限界を超えてしまっているものも少なくありません。(特に洋銀管は傷みが激しい場合、修復が大変です。)
 私のものは9800番台後半でシャンビーユ(Chambille)の時代のものであり、ルイ・ロットとしては後期のものです。(フランスの名フルーティスト,、フェルナン・デュフレーヌが使っていたのが9400番台でしたので、それより少し後のものになります。)手元の資料では1928年から1939年の間の楽器製作は名工Martial Lefevreが行っていたとあり、この楽器も彼の手によるものでしょう。骨董的価値はそれほど高くはありませんが、実にしっかり作られており、前所有者がよほど大切に使っていたらしく、非常に良い状態で手に入れることが出来ました。
ウンチクはこれくらいにして、肝心の音の方は愛らしく、透き通った優美な音色で、視覚にたとえて言うならエミール・ガレのガラス芸術のようなイメージでしょうか。トーンホールは小さく、鳴るポイントは非常に狭いです。現代の楽器と違いポイントを少しでもはずすとスカスカの音になり、全く思うように鳴ってくれません。演奏者に対して曖昧さを全く許さない楽器です。
 今まで、演奏会本番でこの楽器を吹いたことはありません。私にとってこの楽器の存在意義は、「正しいフルートの吹き方を忘れないための道具」というべきでしょうか。現代のフルートは、息のキャパシティが大きく、非常に大きな音で鳴らすことができ、多少ポイントが外れてもそれなりに鳴ってしまいます。 しかし、それが災いして吹き方が荒れてしまう人もいます。ルイ・ロットを含め、昔のポイントの狭い楽器を吹いてみれば自分の吹き方が正しいかどうかすぐにわかります。 この楽器がうまく鳴らせているときは、どんな楽器に持ち替えてみても絶好調で吹けます。

参考文献) Tula Giannini "Great Flute Makers of France, The Lot & Godfroy Families 1650-1900"

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