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私にとっての女装

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何でこんなものに、はまったのかしら?
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完全女装のその後

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 初めての完全女装は失望のうちに終わり、もうやめようと女物は処分しました。(でも、その中で特に気に入っていた物は残していました。)
 つきあっていた彼女とは、そのうちお互いに結婚を口にするようになり、それなりに幸せなひとときを過ごしていました。彼女はそこそこ美人でかわいいんだけど、何かが足りない。何だろう、何だろうと考え抜いて、なるほどわかりました。それは、彼女のファッションでした。センスは悪くないんだけど、フェミニンな感じの物を着ることがないのです。
 そんなことが理由とは思いたくないんですが、そのうち仲はどんどん冷めていき彼女からの別れの手紙。妙に悲しくはありませんでした。
 それから、また、女物の買いあさり。

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初めての完全女装

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 「もう こんなことは止めよう」と決心し、止める前に一度だけ完全女装をと、即、次の週末には大阪へ。
 大阪の九条のエリザベスです。場所がよくわからずに、何度も電話をしてやっとたどりつくことができました。マンションの一室で思ったより何の抵抗もなく入ることができました。
「あのー 女装を・・・」
さっきから、電話を何度もしていた男だと、迎えてくれたスタッフの兄ちゃんはすぐにわかったようでした。
「下着とパンストはお買い上げいただきます。」
と言って、私を下着売り場のコーナーへ案内しました。
「どんなのがいい?」
実は私は、女性のアウターには興味はあっても、下着にはあんまり興味がなく、さっぱりわかりませんでした。
「じゃあ、これとこれにしようか。」
シンプルなクリーム色のフロントホックのブラとショーツを選んでもらいルームへ案内されて、メイク担当のお姉さんに引き渡されました。
 
「お洋服は持ってるの?」
「は はい。」
先週、4万円で買ったTブラウスとプリーツスカートを私は持って来ていました。
「じゃあ そこで着替えて。」
私はフィッティングルームへ入りました。どんなふうにこの自分が変身するのかワクワクドキドキする気持ちを抑えながら、ブラジャー、ショーツ、パンスト、スカート、ブラウスを身に着けました。でも、フィッティングルームのカーテンを開けて外へ出ることができません。なぜなら、女の服を着て自分以外の人の前に出たことがなかったからです。
「まだ?どうしたの?」
心配したお姉さんが声をかけてくれました。私は、勇気を出してカーテンを開けて外へ出ました。
「あら 素敵なお洋服ね。そこへ座って。」


いよいよメイクが始まりました。ファンデーション、アイブロウ、アイライナー、アイシャドー、マスカラ、チークそして口紅。
「ウィッグはどんなんのがいい?」
「肩くらいの長さのがいいです。」
初めてでよくわからなかったのですが、私の要望通りの長さのウィッグが持って来られました。いよいよです。鏡に映っているメイクをされた男の私の顔は実に情けない顔をしています。これにウィッグが被されば、ひょっとしたら・・・と一縷の望みを託します。そしていよいよ私の頭にウィッグが被さります。一瞬、視界が遮られた後、目の前の鏡には、ストレートの黒髪をした・・・
「おえーーーーっ  なんじゃ こりゃ・・・・・」
ごつごつした輪郭の顔にロングの黒髪、私は瞬時に武田鉄也を連想してしまいました。
「とっても かわいいわよ。お似合いよ。じゃあ あちらで ごゆっくり・・・」
ショックでした。でも、これで、諦めることができると感じました。私以外にも何人かお客様がいました、みんなモロおかまの顔でした。中には外へと出ていくお客さんもいます。
「えええっーーーー うそだろ・・・」
あんな連中といっしょにされたくない。そう思いました。

 メイクを落として再びショップへと戻りました。さっきの兄ちゃんに聞いてみると、気に入った物があれば試着していいとのこと。ワンピース、スーツ、スカート・・・これでもか、これでもかと試着しまくりました。そして、ブラスリップを買いました。
 何やってんだろ 俺。
(画像と本文は関係ありません)

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完全女装への道

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 ワンピース、スカート、ブラウスとどんどん女物が増えていきます。買い物の方はまだまだ緊張しますが、店の人は親切に対応してくれます。
 ある年、帰省から戻るときの途中で、あるJR駅の中にあるブティックに入りました。
「あのー。25歳ぐらいの女の子で、会社へも着ていけるようなのを・・・」
といつものように店員さんに話しかけたのですが、店の中の雰囲気がいつもの店とは違うことに気づきました。なんとなく高価なイメージがしたのですが、その通りでした。
 結局、Tブラウス(今ならカットソーと呼んでいますが、カットソーとは当時呼んでなかったように記憶しています。)とプリーツスカートで4万円ぐらいの買い物になってしまってちょっと後悔しました。このあとの最終の目的の駅へは、当時付き合い始めたばかりの彼女が迎えに来てくれていました。彼女には帰省するとだけ話していたのですが、いつ何時に駅に到着するかもわからないのに、迎えに来てくれたのでした。さっき買い物をしたブティックの袋が彼女の目にも入ったはずですが、怪しまれることはなかったようです。彼女の車で私のアパートまで送ってもらったのですが、こんなにかわいい彼女がいるのに、俺はなんてことをしているんだろうと自分が情け無くなってきました。
 そこで、もうこんなことはやめようと決心したのでした。「エリザベス」の存在は当時テレビの深夜番組や週刊誌で知っていたので、一回だけ完全女装をしてから、やめようと決心しました。
(本文と画像は関係ありません。)

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進化

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 前ページで書いたブラウスとスカートを手に入れたのが、11月でした。女物はもうそれで十分のはずでした。しかし、不思議なもので「飽き」が来るとでも言えばいいのでしょうか。ぜんぜん着用しても刺激を感じなくなってきました。
 12月、世間はクリスマスモードでした。「そうだ。プレゼントのふりをすれば買えるぞ。」私は新たに女物を調達することにしました。前回とは別のブティックで実行です。今度は、堂々として入ることができました。
「あのー クリスマスのプレゼントなんですけど。」
と40歳ぐらいの美人の店員さんに尋ねると
「その彼女 何歳?」
「23です。」
「じゃあ スカートがいいかしら。身長は?」
なんでスカートなんだろうと思ったりもしましたが、ここはまかせてみることにしました。
「ええと・・・169ぐらいかな」
173と自分の身長を言うのには抵抗もあって控えめに答えました。
「へー ずいぶん高いのね。スタイルいいのね。じゃあ・・・」
私をスカートのコーナーへ連れていくと、その店員さんは、てきぱきと数着のスカートを手に取り
「ウエストはどんな感じ?普通?太ってる?」
「普通です。」
「じゃあ これかしら。」
ロング丈の白地に黒のドット柄のスカートでした。形状が先月買ったスカートと同じ感じだったので、私はできれば、ちょっと違ったスカートが欲しいと思いました。店員さんが手にている別のスカートが目に入りました。
「そっちの方が、彼女には似合うような気がするんですけど・・・」
ピンクのミニスカートでウエストがリボンベルトになっていました。
「身長が169だったら絶対にこっちのロングの方が素敵だと思うわよ。このミニはちょっと似合わないと思うわよ。」
それを着るのは俺だと言うわけにもいかずに、店員さんに押し切られてしまいました。でも、せっかくここまで来ているのだから
「えーと、他に何かないかな」
私の目にピンクのカーデガンが止まりました。
「これも お願いします。」
スカートとカーデガンをゲットです。

 これでスカート2着、ブラウス1着、カーデガン1着。
・スカート(その1)-ブラウス-カーデガン
・スカート(その2)-ブラウス-カーデガン
・スカート(その1)-ブラウス
・スカート(その2)-ブラウス
の4通りのコーディネートが可能になり、けっこう楽しみました。その後、ワンピース、ブラウス、スカート・・・どんどん女物が増えていきました。
(画像と本文は関係ありません)

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罪悪感

 社会人になりました。学生時代も、「スカートが穿きたい。」「ワンピースが着たい。」とか思ったことはありましたが、「それは変態だ。」いう確かなブレーキが私の心の中にはありました。欲しいと思っても、親からの仕送りでスカートを買うなんて、考えると悲しむ親の姿を想い浮かべました。
 社会人になって、自分の給料で自由に好きな物を買って、何が悪いのだろうか?何も悪いことではないじゃないか?と次第に考えるようになりました。でもなかなか女性の服は買えませんでした。何度か意を決してブティックの入口まで行くのですが、入れませんでした。でも、女性用のファッション雑誌はコンビニでどさくさに紛れて買うことができるようになりました。
 本は買えても、やっぱり服は無理。とそんな考えが私の中で定着してしまったかに思えた頃。1人で出張していて、その日の業務を早めに終え、ホテルの近くの喫茶店で夕食を終え、その隣の本屋さんで立ち読みで時間をつぶして、時計を見ると、8時10分前。ホテルに戻ろうとして本屋さんを出ると、向かいにシャッターを半分降ろしかけたブティックが目に入りました。閉店間際の客の出入りがないブティック。私が何回ともなく、思い描いた理想のシチュエーションが現実に目の前にあったのです。
 私はショーウィンドーを通して外から、中に人が1人しかいないことを確認すると、降りかけのシャッターのところへ行き、通行人の中に私を見ている人がいないことも確認すると、身をかがめてシャッターを素早くくぐりました。
「こんばんわ。」
「いらっしゃいませ。」
「・・・あ・・あのー・・・予算1万円内で・・・」
「プレゼントですか?」
「そ、そうです。」
私より3、4歳年上ぐらいのお姉さんが対応してくれました。
本当は、ワンピースやスーツが欲しかったのですが、サイズがわかりまん。それにプレゼントというのも不自然です。私は、ブラウスを並べてある棚の前へ行き
「こんなのなら会社へも着ていけますよね。」
「そうですね。同じ会社の彼女ですか?」
「え は はい。」
レース衿のクリーム色のブラウスは私のワイシャツと同じくらいの身幅に見えたので、サイズは問題ないと思いました。
「これをお願いします。」
「ラッピングしますね。」
なんとか、ブラウスをゲットすることができましたが、ブラウスだけでは中途半端です。なんとかしなくてはいけません。
「えーと。それに合うスカートとかないですか?」
「ありますよ。これとか、これとか、これなんかも・・・サイズは普通の体型なら問題ないですよ。」
目の前に夢のような光景が広がりました。どれもこれも全部欲しかったのですが、その中で黒を基調にした花柄のサスペンダー付のスカートを選んでリボンをつけてラッピングしてもらいました。
 ブティックを出ると、ホテルの部屋まで走って帰り、部屋に着くと、着ている物を全部脱いで裸になり、たった今、ラッピングしてもらったばかりの包をむしり破って、中のブラウスとスカートを取り出しました。
 私はどちらから身に着けるか一瞬迷いましたが、ブラウスを先に着ることにしました。ブラウスの袖を通すと、もう心臓はドキドキです。震える指でいつもとは逆衿のくるみボタンを留めました。
 そして、スカートを穿いて、ユニットバスの中の鏡の前に立ちました。鏡に向かって笑ったり、ポーズをとったりしてみましたが、ぜんぜん駄目です。次に私が思いついたのはトイレットペーパーをちぎって丸めてブラウスと胸の間に押し込むことでした。でも、これでも、顔は髭の生えた男のままだし、誰が見てもただの変態でした。
 自分が着る女物の服を自分で買ってしまったという変態行為の事実だけが残ってしまい、しばらく罪悪感にさいなまれました。


 

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開設日: 2005/5/3(火)


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