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手入れもしてないくせに昼間ノロノロと亀のように犬を連れて散歩してるジジイやババアの定番の犬であるポメラニアンだったりヨーキーだったりパグだったりが意外にも予想に反してピカピカに美しかったりする。
一方、陽の落ちかかった夕方の散歩の時に公園などで集まって主婦達が ”犬友達”と群れて駄弁ってるようなオーナーの犬は不健康に見え、オーナー自身は意外と犬の知識はあるくせに何だかその割には犬はみすぼらしヒョロヒョロの骨格で 「こりゃ健康的に歳を取らないなぁ」 と思ってしまうのは私の職業病だろうか?
通常ショーを引退した犬でもその貫禄やオーラのような物は歳を取るにつれ強くなり、それは死ぬまで保ち続ける物である。
無論、その中でもちゃんとした管理は付き物ではあるが、犬質の硬い犬は手を加えなくても「腐っても鯛」どころか 「腐っても本マグロ」といった所であろうか?それぐらい崩れない物である。
私の友人の全米でもランキング上位の犬が輸入されてお披露目になった時、私は一目散に出かけ、見学に行った。
スタッキングを決めてハンドラーが「どうだ!見よ!私のリードワークは!」とでも言いたげな面持ちで「犬バカさんどうもこんにちは」という目で私を見ていたが、完全にハンドリングの素晴らしさはかき消されていて犬本来の素晴らしさの方が大きく上回っていたのを否定する人間は私だけではなかったはずだ。
その犬はビシッと何も手を加えずにスタンディングポーズを決め、一方を見据え、自分の素晴らしさを見てくれ!と言わんばかりの光を放ち、その眼差しと風格に一瞬チビリそうになったのを今でも覚えている。
グレートデンでも何頭か私の心を揺さぶる名犬はアメリカでも数多く見てきたが、やはり素晴らしい犬の余生は素晴らしい終わり方を遂げている。
私の所にもショーを引退した素晴らしい犬がいたのだが、ショーを引退してボーディングが必要なくなったと同時にどこのブリーダーの所も同じだとは思うが家庭犬になっていくわけだ。
だから私も安心して余生を暮らさせようと自由にさせ、運動もそこそこに妻にその犬を託したところ、「散歩」まがいの立ち話集団に加わり、我が妻はいつしか集団の中の「犬知りボス」に成り下がっていたのである。
散歩から帰ってくると犬のブラッシングをしている私に 「今日は○○ちゃんがねぇ」 とか、食事の時も 「○○公園にいつも来てる○○ママなんだけどさぁ」 と、すっかり立ち話犬連れオバさんになってしまい呆れたものである。
妻だけがオバさん化するのは仕方の無いことだが、大事な犬が見る見るうちにみすぼらしくなり、貫禄、オーラ全くゼロの犬になってしまうのを見るのは淋しかった。
ショー関係のお客さんが来て、いつもその犬を見るたびに「素晴らしい、要らなくなったらいつでも下さい」と冗談交じりに絶賛していたのにも拘らず、暫くして来訪した時、その犬を目の前にしているというのに気付かないというまで落ちぶれようになったときはさすがに私も悲しくなった。
しかしどうしてそんなに犬質が悪くなったかはちゃんと理由がある。
管理していた犬がいきなりペット化し、妻があろうことか「散歩」などととは口先だけの運動もしない不健康な噂話の大好き集団の一味になったからである。
ドッグショーで今時期見られる大きなチェックがある。
春先にチェックされるのは秋から冬場の管理がなされていたかどうかを大きく見られる評価の場でもある。
かなりスルー気味で見られるから見落としがちだが、ジャッジはちゃんと見ているのだ。
あるショーで、久しぶりに負け知らずの犬が出陳してて、”どうせグループ戦まで持ち込むんだろ” と思っていたらオーバースペシャルを獲らせてしまったのである。
私はそれを見て「お稲荷さん」を何故か両手に持ち立ち尽くして観戦していたのを覚えている。
触審の時、やたらじっくり見る先生だなぁとは思っていた。
チャンピオンのゲートは申し分ない。
一方相手の形やゲートは引けを足らないほどであったが、まさかチャンピオンを負かしてしまうほどだとは思いもしなかった。
私はそうっとチャンピオンのパドックを視察しに行くとハンドラーが次に引く犬を持ちながら激怒していた。
「だから塗れば良いって言ったんだ!」
と、大声を出して怒り狂っている。
その怒りの元凶を探ろうと私は既にバリケンに納められた先ほどのチャンピオンを見てみると、なるほど〜ジャッジは痛いところを突いて来たなぁと思った。
そういう細かい所をじっくり観察する先生はたまにいる。
だから審査員の性格を良く知らないとドッグショーでは上手くいかない。
「○○先生は小型犬は厳しいからこの日はデーンを出そう」
「○○○先生はゲート中心に見るから今産後でコートが不味くても大丈夫だろう」
とか、先生を見て出陳させることも熟練したブリーダーやショーを良く知ってる人のテクニックの一つでもある。
さて、ジャッジはチャンピオンのどこを見て失格としたか?ハンドラーは何を塗れば良いと言ったか?
もうお分かりの人もいるだろう。
そう、”ウィンターノーズ ” だったからである。
秋頃から冬にかけて運動、及び日光浴を怠った犬は鼻の色が黒色から抜けて茶色くなったりする。
だから化学反応を利用したお化粧を鼻に塗れば良かったと後悔して激怒してたのであった。
「うちの子最近鼻の色が薄くなってきたみたい」と思った人はいないだろうか?
冬場の管理が悪いと鼻の色が抜けてしまうため、審査員は「犬質の良さに頼ってばかりで管理がなっていない」という傲慢さを全面否定したのである。
ダッドレイノーズと言われる肉色の鼻の色の犬は毛色の組織によって決まるから全てが悪いわけではなく、ウィンターノーズの場合、管理そのものによって左右されるものだから大きな欠点ではないにしろ、全て飼い主次第というわけでジャッジは落としたのだろう。
因みに「塗る」とは化学反応を利用した液体がショーグッズとして売られている。
色素が薄かったり、それこそウィンターノーズの鼻にそれを塗って真っ黒に変化させて誤魔化すフェキンググッズが存在する。
鼻を触るジャッジはいないのでかなり有効な代物ではあるが、所詮、化粧は化粧である。
ブリーダーは食餌、運動、そして日光浴を重視する。
「日光浴なんて必要ないわ、犬質さえ良ければ」
などというブリーダーがいたら即ブリーダーを辞めることだ。
日光浴は非常に大事である。
日光浴を欠かすとストレスを感じたり、骨粗鬆症になったり、ホルモンバランスが崩れて生理が遅れたり、発情期が遅れたりする。
また、爬虫類は食餌だけではビタミンを体で作ることが出来ないため、人工ライトが使われ、クル病予防に一役買っているが、私の所では爬虫類に有効で効果的なために逸早く人工ライトを犬舎に取り入れた。
ライトそのものの寿命は短いが、毛の艶、骨格、安産と、今まで無かった欠点を補うことが出来た。
実は小型犬のブリーダーは特にこの人工ライトをケージに取り入れてる所が多くなった。今は非常に人工ライトの研究がなされて良いものが出てきた。
その中でもトゥルーライトはプロ絶賛で、これを使ってる業者は年々増加した。
夜行性の動物には不必要だが、昼行性の動物には非常に効果がある。
動物園や老人介護施設や病院でも取り入れてるところもある。
新生児や未熟児の黄疸防止にも使われてるし、散歩が出来ない老人のために使われてるところもある。
小型犬のブリーダーでは、雨の日外に出せなかったりして、屋内で運動させなくちゃならなかったりする時によく使用されてるようである。
トゥルーライトの色温度は5500°Kと言われている。
色温度とは、白熱球では赤みを、蛍光灯などでは青みを帯びて感じるように数値が高くなると
赤から橙色、黄色、白、そして青へと変化していくものを表した数値である。
白熱球の色温度は3000°K、蛍光灯は4500°K位だと思う。
昼光色蛍光灯は6500°Kと明るすぎであるのに対し、トゥルーライトは自然光、すなわち日中の太陽光とほぼ同じ5500°Kである。
また、演色指数というものがある。
これは光に対する物の色の見え方を表す数値であるが、自然光が100%とした場合、トゥルーライトで97%蛍光灯75%、白熱球35%とされていて、自然光に非常に近く、目が疲れにくいし、有益な紫外線を含んでいるからカルシウム吸収に不可欠なビタミンD3の皮下合成を促進して骨粗鬆症を予防できることが大いに期待できる。
紫外線のエネルギー量が有益な数値に設定されてるから日焼けを起こしたりよっぽど近づいたりしないかぎり火傷などの心配が要らない。
また、マラセチアや膿皮症になりやすい犬にも必見で、殺菌効果もあるため、皮膚の状態が正常に保たれたり、体内リズムが正常になり、ホルモンの分泌が正常化するため、ブリーダーは良い仔犬を産ませたいなら使って損はないはずである。
私の所でも皮膚疾患が少なくなったし、仔犬がどれも粒ぞろいに骨格がしっかりとしており、ショータイプ、ペットタイプの隔たりがほとんど見られない程に良い成長を遂げている。
私は決してライトの回し者ではない、使ってみようと思う人は是非お試しあれ。
特に冬場寒くて散歩が億劫だったり、雨の日外に出してあげられないときなどには非常に便利な代物である。
使うのが嫌な人はせっせと犬を昼間出して日光浴させることだ。
夏までに鼻の色は元に戻ってくるが稀に戻らないことがある。
その時は自分の管理の悪さを呪う事だ。
因みにウィンターノーズは病気ではないから獣医に行って相談しても無駄なのと、ガラス越しでは有益な紫外線が遮断されて何の意味もなさないのであしからず。
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