『本番に強くなる』〜メンタルトレーニング入門
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なかなか良い勉強になりましたね。 昨日と今日の2回シリーズで放送された朝4時からのラジオのインタビュー番組。 白石 豊 福島大学人間発達文化学類教授。1954年生まれ。筑波大学大学院体育研究科修了。大学での講義のかたわら、数多くのスポーツ選手にメンタル面のアドバイスを行っている 白石先生は、高校時代からの体操選手で36年前に筑波大学の体育学部に入学。 入学後すぐに体操部に入部したものの、張り切りすぎたか腰を痛めてしまって動くのもままならない状態になってしまう。 医者を転々とするも全く治る気配はなかったが、悩んだ末に図書館で読んだソ連(現ロシア)の体操選手、ラチニナさんの練習法について書かれた本にめぐり合う。 そこに書かれていたのはメンタルトレーニング。 そのポイントは、 身体はリラックス、心(精神)は集中 その後、自律訓練法(自らに言葉をかける自己催眠法)にたどり着く。 自律訓練法 自律訓練法は、1932年にドイツの精神科医であったシュルツによって体系化された。彼は催眠に誘導された人が腕や脚に重たさや温かさをしばしば報告するという事実から,その感覚を自己暗示により生じさせ催眠状態をつくることを考案した。 自律訓練法は,他者から誘導される催眠法と異なり,自分自身でいつでもどこでも行える特徴がある。そのため今日では,日常生活の多様な場面で行うことのできるセルフコントロール法として用いられている。 ストレス状態がひどくなると、食欲不振・不眠・頭重・動悸・胃のもたれ・便秘や下痢など、さまざまな症状がでる。これらの症状は自律神経の働きが悪くなったために起こる。 自律訓練法は、その自律神経の働きのバランスを回復させる治療法のひとつで、体調を整えることに役立つ。自律神経機能が正常になると、血流がよくなり、皮膚温が上がり、呼吸が落ち着き、胃腸の働きもよくなって健康が回復する。 別の言い方をすれば、自律訓練法は「体から心へ」働きかけて、体と心の緊張を低下させる治療法だと言える。たとえばカウンセリングは心の悩みや問題を話し合うことにより、心の問題から引き起こされた身体症状を治療していく方法。これは「心から体へ」の働きかけによる治療法と言える。これに対し、自律訓練法は体から心へ働きかけて心身の緊張を低下させていく治療法である。 自律訓練法により自己催眠を重ねていくうちに、過度の緊張がとれ、疲労が回復し、心身ともにより健康になることがわかってきた。その後、様々な工夫と検討が加えられ、より簡単に改良されたものが現在のものである。 具体的な方法は、 1.静かな部屋で、ベッド(または椅子)に仰向けに寝る。 2.軽く目を閉じて、体の力を抜く。 3.公式を繰り返し心の中で唱える。頭の中にイメージしながら、何回か繰り返す。 暗唱する公式は次の7つから成っている。 基礎公式 「気持ちがとても落ち着いている」 第1公式 手足の重感「手足が重たい」 第2公式 手足の温感「手足が温かい」 第3公式 「心臓が静かに打っている」 第4公式 「呼吸が楽にできる」 第5公式 「お腹が温かい」 第6公式 「額が涼しい」リラックスすると身体が重くなり、手足が暖かくなるということですね。 結局、白石先生は同じ筑波大学の教育学部で自律訓練法を教えていた大野教授の指導で3ヶ月で動けるようになったそうです。 『ゾーン』について スポーツ選手はときに神がかり的なプレーをすることがあり、そのようなとき本人は無我夢中でそのプレーを覚えていないことが多いらしいです。 私のマラソンにも通じるものがありますね。 確かにフルを自己ベストで走ったときは、5km過ぎから2時間30分台の選手とのマッチレースのようでレースに集中していて途中のことはよく覚えていませんね。 そのような状態を最近では『ゾーン』と呼び、神がかり的なプレーをする瞬間のことを『ゾーンに入った』と呼んでいます。 「ゾーン」体験とは? スポーツで素晴らしい結果を出すことができた試合やプレーの最中に、こんな感覚を持ったことはありませんか? リラックスしているのだけど、ものすごく集中している 試合が自分の思うように進み、負ける気がしない 体と心が完全に一体化していて、自然に体が動いているような感じ 体の調子も良く、気持ちもワクワクしている なにもかもうまくいって最高の気分。絶好調 真剣にスポーツに取り組んでいるアスリートであれば、こうした感覚を過去に一度は経験したことがあるのではないでしょうか。 「ゾーン」体験とは、スポーツ選手が、極度の集中状態にあり、他の思考や感情を忘れてしまうほど、競技に没頭しているような状態を体験する特殊な感覚のことです。 単に調子がいい、とても集中している、というだけでなく、「心と体が完全に調和した無我の境地だった」「体が勝手に動き、苦痛を感じなかった」「試合をやっている自分を上空から眺めていた」など、選手にとって「何か特別なことが起こった」と感じさせるような感覚です。 「ゾーン」体験が、必ずしも競技上での成績、結果に結びつくとは限りません。また、最高の結果を出した時に、必ず「ゾーン」体験をする、というわけでもありません。ですが、多くのスポーツ選手が、最高の結果と「ゾーン」体験を結びつけて語っていることは確かです。 この「ゾーン」体験は、選手の持っている力を最大限に引き出してくれますが、それだけでなく、この体験は選手にとって、スポーツの喜びと生きる喜びが一つになる、とても幸福な体験でもあります。その幸福感、充実感は、結果以上に、「スポーツは素晴らしい!」、「もっともっと続けたい」と思えるモチベーションとなります。 ところが、「ああ、この試合に負けたらどうなるんだろう」「相手チームは強いな、勝てるかな?」などと不安になったり、緊張したり、判断に迷って考えてしまったりすると、視覚情報などを瞬間的に処理することができず、適切な動きを取ることができなくなってしまいます。 このような不安や緊張などがひき起こす余計な情報処理を少なくし、身体感覚に極度に集中できていると、体が直感的に動くことができ、的確で素早い「いい動き」をしてくれます。これが「ゾーン」体験というわけです。「ゾーン」体験ではしばしば心が体に一致した感覚、が語られますが、まさに、心と体が究極的に統一した状態といえるのです。 最近ではメンタルトレーニングとしてメンタルスキルを鍛える方法が使われるが、トレーニング対象となるスキルとして白石教授は以下の7項目を挙げている。 1.意欲 2.自信 3.感情のコントロール 4.リラックス 5.集中力 6.イメージをコントロールする力 7.コミュニケーションスキル 各項目の点数をつけてメンタルスキルのどの部分が欠けているかを見るそうです。 ところで、自信とはどのようにして身につくものなのでしょう? 白石先生曰く、『結果がうまくいくことで自信がつくわけではない。試合前に自信がなければ勝てない』 自信がつくには、自分が一流であるという自己イメージを作り上げることが重要。 一流選手は一流の行動をし、一流の練習をして、一流のプレーをする。このような一流の自己イメージを作ることで自信につながるそうです。 自己イメージは遺伝するものではなくて、トレーニングで変えられるとか。例えば、親や兄弟から『お前はダメだ』とか『プレッシャーに弱い』とか言われ続けると悪い自己イメージができてしまうんですね。 こうして自己イメージの半分は他人からの言葉、あと半分は自分で自分にかける言葉によって作られるそうで、そうであれば、同じルートをたどれば、自己イメージを変えることもできるとのこと? 自分への言葉のかけ方としては、紙に書いて家の中に貼って読み上げる方法が効くらしいです。その内容は? 1.自分が本当にやりたい目標(結果の目標)を書く 2.目標が達成されたときの価値を書く 3.経過の目標(アクションプラン)を立てる アクションプランでは、何時に起きて、朝は何を食べて、何をするかといった具体的な行動計画を立てます。 このような治療でうまくいった例として、元日本女子バスケットの中心選手だった萩原選手のことを紹介されていました。 萩原選手は、に格下のチームとの試合では大量得点して活躍するのに、日本リーグの決勝戦のような大舞台では実力を発揮できず『本番に弱い』選手だったようです。白石先生の診断でもメンタルスキルのうち、意欲と自信の項目の点数が低かったのですが、上の1〜3を書いて実行することでわずか3ヶ月ほどの間に見事にメンタル面で弱い部分を克服し、見事にチームを20年ぶりに五輪出場へ導き、『ゾーン』体験もできたとか。 次に、リラックスと集中力のスキルアップはどのようしたらよいのでしょうか? まずはリラックス。 力が入り過ぎるとダメということで放送ではリラクゼーションの練習もされていました。 つま先から頭のてっぺんまでの身体の各部分に順番に力を入れていく。最後は全身に力が入った状態を5秒間続けて、ゆっくり力を抜く。これを繰り返すリラックス法。鼻から吸って、口からゆっくり吐き出すリラクゼーションの方法も紹介されてました。 最後に、メンタルトレーニングはスポーツ選手だけではなくてキレやすい受験生にも通じるものがあるとか。 返事や挨拶をきちんとする、靴を揃える、腰骨を立てるといった基本的なことができることが重要らしいですね。 うちの子供達も保育所時代にはこれらのことを教わったはずなのに、学校へ行ったらすっかり忘れてますね。 早朝から、私のマラソンにも役立つ色々なお話を聞けて良かったです。 白石先生の著書も読んでみたくなりました。 やっぱり、早起きは三文の徳でしょうかね〜♪
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