『とうさん』
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街の中や、列車の中で、どう見ても養子とみられる家族連れの何組かに出会った。
養子にもらうことに抵抗がないおおらかな国民性を感じた。
子どもは、どの子も「宝物」・・決してわが子だけを囲い込んでしまわない。
まねができないなあ・・と思ったものだ。
親が再婚した場合、子どもの気持ちはどうなのだろう?
どんなに理解のある義父母であっても、双方に葛藤があるに違いない。
最近さまざまな「家族」を描いている内田麟太郎氏に『とうさん』をいただいた。
内田麟太郎・文 つよしゆうこ・絵 ポプラ社
新しい父親を「おとうさん」と呼べなくて「おじさん」と呼んでいる男の子が主人公。
透き通ったやわらかな絵が、この複雑で切ない世界をやさしく包み込む。
極めてリアルな課題を、河童の世界での心理描写にファジーにつなげる。
少年が「おじさん」と呼ぶたびに父親の緑が濃くなっていく。
極限に来たところで、はじけたような場面展開がある。
思わず泣けた。悲しい時でなく、心がぬくくなった時に涙が出るものです。
この絵の世界・・大正解だとおもう。簡単に言い切れない「こころ」の複雑さをうまくつかんで
「子どもの絵本」に無理なく表現している。
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