テレビ事業の黄昏
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大手電機各社は、海外メーカーとの激しい販売競争で、家電部門を代表するテレビ事業が一段と悪化して業績全体にも影響しており、各社にとっては、テレビ事業を立て直すことができるかが経営上の大きな課題になっています。(NHK 2012.02.04) 今週出そろった大手電機各社のことし3月期の業績見通しでは、パナソニックが過去最大となる7,800億円の巨額赤字。ソニーもテレビ事業の赤字幅が2,000億円を超える見通しといいます。老舗の東芝とシャープも赤字決算の見通しとのこと。ついに日本の電機メーカーはのっぴきならない崖っぷちに追い詰められたようです。 ところでテレビ受像機の製造は元来RCAやGEなどアメリカの超一流の名門電機メーカーのお家芸でした。それを1960年代になって技術導入を受けてから急激に成長し、ついに先生役のアメリカを追い抜いて日本が世界第一の生産国になり上がりました。世界一になるについては当然のことながらアメリカとの知的所有権問題でスッタモンダのトラブルが頻発したのですが、技術移転の「輪廻・転生」のメカニズムを止めることはできず、1980年代には日本への移転が決定的になりました。(「 持つ」テレビから「ある」べきテレビへ参照) 真空管の時代からトランジスタ時代を経て、ICと液晶の時代まで日本はテレビ受像機生産ではよく頑張りました。この市場支配半世紀は、アメリカのそれよりはるかに長い期間だったのですから。 しかし、日本がアメリカを凌駕したのと全く同じ「輪廻・転生」の力学によって日本が韓国や中国のメーカーに敗退していくというのは少しも不思議なことではありません。既知の技術は、所得の低い場所で生産するのが合理的だからです。その意味で、韓国より中国、中国よりインドの方が合理的なら順次そのように移転するのは必然だからです。 問題は、日本にとって常に先進的であり、日本人より高い所得を常に維持してきた欧米の国民が今日必ずしもそうではなくなったという事実です。上述の伝で言えば、日本からの技術移転先として韓国に行かなくてアメリカに戻ってもよいというような部面も出てくるかもしれないということです。太陽の回転と同期していた近代産業の回転が遡行に向かうとなると、もはや欧米という日本人にとっての先生が見えなくなってしまいます。 こうなればもはや「脱亜入欧」そのものの破たんということです。福沢諭吉を超克すること、これが近未来の主題になるのかも知れません。 こういう時代にあって、「脱欧入亜」、筆者はブータンに精神的接近を試みています。GNP(Dross National Product)からGNH(Gross National Happiness)へというわけですが・・・・ 制作著作 伊藤 洋 http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/itoyo.html |

