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野菜洗い係に大卒以上の学歴を要求する中国

  11月19日の産経・石平の「チャイナウオッチ」を要約しコメントする。アモイ市公安局のサイトに載った募集要項が話題となった。職員食堂の「野菜洗い係」募集に、「大卒以上の学歴」が要求されたからだ。

  「中国でここ数年、大卒の就職難は深刻な社会問題となっている。葬儀屋の5人の人員募集に500人の大卒が殺到したとか、蘇州市の公共トイレ清掃係募集に、多くの大卒が応募してきたとか。

 2007年度の場合、中国経済は12・9%の驚異的な成長率を上げているのに、同年の大学卒業生の約3割が就職できなかった。これは、中国政府も認めている。

 今年、教育部が発表した大卒就職率は68%だが、信じる人はいない。上からの就職ノルマを課せられた大学側が、卒業証書と引き換えに、卒業生に就職証明書を強要したことの結果だから。

  政府が言う通り“就職率68%”であっても、それは今年度卒業生610万人のうち、約195万人が就職できていないことを意味する。過去5年間もこの調子だから、大卒失業者の累計人数は膨大になる。

 大卒失業者はどういう生活を送っているのか。10月30日付の中国経済時報によると、北京の郊外には今、約10万人以上の失業状態あるいは半失業状態の大卒が住んでいる。

 彼らは、暖房も浴室もトイレもない狭い一室に住み、自炊しながらやっと食べている。もちろん北京だけでなく、全国各都市にこのような人が大勢いる。彼らは“蟻(アリ)族”と呼ばれている。

 中国史上、富と権力から疎外された若き知識人は、常に反乱の中核となった。“蟻族”が貧困生活を強いられる一方、国内の富豪たちの超セレブ生活や権力の腐敗を目にして、心中穏やかであるはずはない。

 彼らの多くは、この社会がどこかで間違っているのではと、政治や社会全体のあり方に懐疑の目を向けていく。それが、“革命思想”の芽生えとなる。

 予想できる近未来に、中国の就職事情が改善されることはない。07年の13%近い成長率でも、3割の大卒が就職できなかった。今は“8%成長”がおぼつかない状況。就職難はむしろ長期化する。

 人数がますます膨らんでいく“蟻族”の不満は、いつか必ず爆発する。中国社会の抱える“時限爆弾”の一つである。」

  蟻族とは、狭い賃貸住宅にアリのように群居生活をしているからという。政府の認める騒乱数が最近は10万件だとか。その不満の種をまき、それを煽るのが、こうした蟻族の存在かも知れない。軍隊や警察の厳しい弾圧がなければ、とうに爆発している民衆の不満だが、やがて決定的な破局が訪れるだろう。

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