裏地のシミ、原因は何?
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仕舞っている間にこんなシミが!
長く着ないで仕舞ってあった着物、取り出してみたら付けた覚えのないシミが出ていることはありませんか?
特に色の薄い着物の場合、表にまでそのシミが移ってしまった物があります。
これはそのような着物の一例です。
(二十年以上たんすで眠っていた着物です。)
白地に黒・赤・金箔でドットが飛んでいる、とてもおしゃれな着物です。
金箔もアイロンでくっつくような樹脂の金ではなく、本金箔です。染み抜きに持ってこられた物ですが、上から何か付けたと言うようなものではありません。
同じような間隔で、何箇所かに同じシミが出ています。
(中綴じの糸が縫い目どうりに変色が見られます。)
このようなシミの場合は、裏を見るとこのように、表よりひどいシミが見受けられます。縦に等間隔で黄変色が出ている場合の原因は、
① 縫い糸が変色を起こし、それが浮いてきている場合。
② 表または裏地の耳部分が変色を起こしてきている場合。
この着物の変色部分は、八掛部分のみに出ています。
上前オクミの裏には①の影響で出ている黄変色が見られます。
しかし、そのほかの箇所は②のようです。
(こちらのシミは縫い糸ではなく②の変色のようです。)
裏を解いてみると、八掛の耳部分が変色を起こしています。
(八掛けの耳の変色。)
もう一つは、お母様が若い頃お召しになっていた、優しい柄の小紋です。
やはり同じように表に変色のシミが見られます。
(この着物も5年以上仕舞われていました。)
(これも①の変色です。)
この着物の裏に出ているシミは、裏全体の縫い目に添って現れています。
(中の綴じ糸がこのように変色しています。)
私どものように、多くの着物を扱っていると、さまざまな故障を見ることがあります。
その中で案外気付く方が少ないのが、この縫い糸の変色と、反物の耳の変色です。
着物総体の中から見れば、どのくらいの割合で見られるのかは判りませんが、
メンテナンスに出される中に案外多く見受けるのです。
何故縫い糸が黄変してしまうのか?
縫い糸の変色には、仕立ての方が糸をなめて仕立てることがあるのも、一つの原因だろうと思います。
唾液の中には、さまざまな変色原因が潜んでおり、また体質で違うと思います。
中綴じに使うシロモに変色の多くが見つかりますが、以前糸メーカーに
問い合わせたところ、糸が変色を起こすとは聞いたことがないといわれました。
しかし、実際にはシロモの変色は良く見受けます。
それらが全部糸をなめたから?と疑問に思います。
次に八掛の変色ですが、これは明らかに製造上の問題だと思います。
染め段階で何らかの残留物質が、布地に残ったとしか思えません。
これは八掛だけに現れるのではなく、稀に着物本体の耳に出てくる物があります。
染め工程に問題があるのではないかと思われます。
表の色が薄い色のお着物は、時々裏も良く観察いたしましょう。
もしこのような黄変シミが出ていた場合は、残念ながらその部分に染み抜きより
思い切って解いて、洗い張りをいたしましょう。
ただし、黄変色は洗い張りでは消えません、その部分は別に染み抜き(黄変抜き)
が必要になります。
染み抜き代が嵩まぬよう、早期発見で手当てすることをお勧めいたします。
もし今、洗い張りやお仕立に予算を掛けられない、そんな場合はとりあえず
裏地をはずしておくのが良いでしょう。
なぜなら、置いているうちに上記の様に表までシミが出てしまうからです。
思い入れや、思い出がいっぱい詰まった、大切なお着物を長く着ていただくために
目に付いた事例を載せていかなければいけませんね。
書きたいことは山ほどあるのに、なかなか手が回りません。
何故と言うご質問など、着物に関するご相談の窓口になりますよ。
疑問のことなど、ご遠慮なくご質問下さい。
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