
1976年
監督:澤田幸弘
脚本:佐治乾・斎藤信幸
音楽:真鍋理一郎
出演:梢ひとみ、益富信孝、高橋明、牧れいか、庄司三郎、椎名健治、宮井えりな
★★★
澤田幸弘監督の作品も今回初めて観ました。
それにしても、題名は注意を引きそうな感じにつけるもんだな〜とつくづく思いました。
作品を観ると「暴行!」(確かにそういうシーンもありましたが)という感じではなく、
ま、ヤクザ映画を観ているような、そんな感じでしたね。
あ〜そうか!ロマンポルノ→暴行、から私が勝手に“婦女暴行”を連想しただけで、
男同士の殴り合いも暴行ですもんね(笑)
それならこの作品は確かに「暴行!」です!
季節はずれの人影もまばらな避暑地のスナック。そこは別荘の管理事務所も兼ねていたが、
黒木(益富信孝)という元はそこのバーテンをしていた男が今は買い取って主人となっていた。
ある激しい雨の晩、3年前に男と出て行った妻・京子(梢ひとみ)が戻ってきた。
いつか京子が帰ってくるかもしれないとその店を買って待っていた黒木は、喜んで京子を受け入れた。
ところが翌朝、店に銃を持った男達がやってきた。それは暴力団抗争で逃亡している
矢部、信吉(庄司三郎)と連れの女弘美(牧れいか)で、京子の仲間だった。
3年前に京子を連れて行った男・サブがヤクザだったのだ。足を洗いたい京子と
そんな京子を助けたい黒木は、仕方なく男達をかくまうことにしたが、
やがて重傷を負った京子の男サブがやってきて…。
なんでしょう。
好きな部分と好きじゃないなーという部分が一緒になった、
どっちともつけ難い作品でした。
まず、感情移入し難いところがあったんです。
根岸吉太郎監督の「狂った果実」でも、益富信孝さんは自分の女の為にボコボコにされる場面が
ありましたが、あれは私泣きながら観た記憶があります。
今回は、“何故この女の為にそこまでする!?”という気持ちになってしまい、駄目だったんですね。
う〜ん、ということは、「狂った果実」の方の永島暎子さんには魅力があって、
この作品の梢ひとみさんにはあまり魅力を感じなかったということなのか??
役の上で、魅力を感じなかったということはあるでしょうねー。
京子という女に魅力を感じませんでした。
私としてみれば、3年前に男と出て行った女を受け入れる、というところまでは
“まあいいでしょう”としても、その女が完全に黒木だけを思っているのではなく
サブにも惹かれていて、いやどちらかと言うとサブに偏っているのを見ると、
黒木はお人好しを利用されただけのように見えてしまって…
つまり私が黒木だったら“お前なんで俺のところに帰ってきたんじゃい!馬鹿にするな!”と
言いたくなるわけです。
ここには、黒木の優しさや愛情に惹かれて頼りたいという気持ちと、
サブには情もあるし、特に肉体面で強烈に惹かれてしまっているという、
揺れる女心が表現されているのでしょうが、私にはその女心に感情移入するよりも
女の犠牲になっている黒木の立場で観てしまったので、少々イラッとしてしまったのです。
京子は結局サブとよろしくやってるんだから、私が黒木なら1人でホイホイ逃げます。
でも、そんな主人公、嫌ですね(笑)
だから、最後黒木が暴れるところはス〜っとしましたよ。
あそこは感情移入できました!
それにしても、強いぞ黒木!
あんな智恵と力を持っているのなら、もっと早く逃げられたんじゃないの〜。
結局京子にこだわるのは、男の意地・エゴ・プライドなんでしょうね。
死んだサブの前で、京子とセックスする場面なんか、まさにそうですよね。
そうでもなければ銃で撃たれて苦しい中、わざわざセックスなんかしませんよ。
死んだサブを見て勝ち誇ったような顔をしちゃって、
なるほど〜これが男の心理か、と思いました。
ま、男女の愛なんて、多かれ少なかれこういう面がありますね。
セックスの後、大きな壷で京子の頭を殴る場面は好きだった(笑)
あそこは笑えましたね。
私はどうやら笑えるところが好きみたい。
描写はリアルでした。
サブがわき腹に入った銃弾をナイフで抉る場面や、
ラスト黒木が指を石で切断するところなどなど。
ヴァイオレンス・ポルノというだけあって、迫力はありました。
しかし…逃げようとした京子に対するリンチの場面は「?」でした(笑)
矢部が弘美に「裏切り者に対するやり方は知ってるな?女は女がやれ!」と言いますが、
トイレの便器に座らせてトイレ掃除のブラシで顔をグリグリ…
続いて「脱ぎな!」と下着を脱がせて下半身をブラシでグリグリ…
3分程で、「もういいだろう」と矢部…
なんか、あまりリンチになってない(笑)
汚いのと、ちょこっと痛いくらいで、別にこれくらいなら…って感じのリンチですね〜♪
好きじゃないな〜と思ったのは、上記にも書いた感情移入できなかったところと
途中で退屈だな〜と感じてしまったところ。
好きだったのは、黒木が最後に暴れる場面と、音楽の使い方。
黒木が最後に暴れる場面では、ラジオがうまく使われています。
まず、山崎ハコの「綱渡り」が流れてきますね。
それに続いて、松田優作の「ある子供の話」、この歌が黒木と京子のセックス場面にかぶさるように
流れてきます。実は私、松田優作の歌声は初めて聴いたのですが、良いですね〜。
ちょっと哀しくなりました。
それから初めの方で流れていたあの歌…
テレビの名曲紹介などの番組で耳にしますが、確か…「わかってください」という題名でしたか。
“涙で文字がにじんでいたなら わかってくださ〜い〜♪”という歌詞が印象的で、
同時に曲名もそこだったような記憶が…この歌も哀しくなる歌ですね。
この作品で使われる曲は、良いな〜と思いました。
最後に、何歳の設定なのか分かりませんが、
「おじさ〜ん」と言って黒木に駆け寄ってくる、溌剌とした若い娘を演じた宮井えりなには
ちょっと笑ってしまった。あ、合わないな〜…と。
田中登特集の時、「愛欲の標的(ターゲット)」という作品を観たのですが、
その時の悪女の印象が強かったのかもしれませんねー。
いや、それだけではない!絶対に合っていなかった(笑)!
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確かに、宮井えりなはこの作品では合ってなかったですね〜。別に演技力のない人でもないのに、不思議でした。他作品でのイメージのせいもあるかもしれませんが・・・。
2008/10/17(金) 午前 1:44 [ user t ]