桜
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調剤薬局が立ち並ぶ道のその向かい側にある静かな窓辺で毎日見ていた。
“桜”
待ちくたびれて溜息を吐く頃、突然さらり〜と咲いた絶世の
“桜”
華麗な風情に酔いしれ心うるむ私を尻目に,
宙を舞い冷情無情に はらりと瞬時に散ってしまった桜。
狂気にも近い情念を、一滴残さず燃やし尽くすかのように・・・肩に止まっていた
最後の一枚の花びらもハルルスカートを震わせて大地に戻った。
祝杯を掲げて沸きに沸いた人々は早過ぎる別離を悲しむことも惜しむこともなく
桜吹雪に紛れた草履を探りあてて宴席を後にするのである。
そして気を早く
真新しいグラスを茶棚へ並べては 遠くの山々へ祈りの視線を送るのであった。
幾千年変わりなく廻って戻る桜期約を信じて・・・・・
静かな窓の向かい側にある絶世の桜は
いつの間にか初々しい新緑の衣を纏って5月の白い雲をおいかけている。 まるで兜をかぶってふざけている子共のように・・・・・
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毎日桜を眺めているこの静かな窓辺に思いもよらぬご馳走が
爽やかな春風便(娘)で届けられた。
魅惑の香りを放つそのお届け物は受け取った瞬間から嘆声を
あげずにはいられない。
洗練されたラッピング、一ますごとに異なる美味は幻想の
パラダイス、真心の極致である。
又その美しさは、絶世の美を誇る桜さえも “悔しい” と背中を
向けていつも以上に花びらをまき散らすほどである。
贈ってくださったお方の想いが心に響く一品
( 花梓侘(かしわい)の春のつまみ寿し )
贈り主は、娘をよく使者になさる婚家先だった。
ヒソヒソと寿し姫たちが何やら言い合っているような気がして
耳を澄ましてみると、半端ない使者(娘)のお転婆っぷりには
ビックリ仰天したとか・・・・!!^_^;
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