ノーベル賞候補 クラウディオ・マグリス
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トリエステへラブレター、書いちゃいます。 ローマに来てはや○年、ナポリならまかせとけのイクラ記者、トリエステで出会ったこもごもについて長々と書く わたくし、いい加減で遅刻魔とのレッテルを貼られ、ナポリがぴったりね、なんて陰口をたたかれながら、しかし、本当はれっきとした東京育ちなのです。 北イタリアの町中を横切るときの、あの、よそよそしく冷たい感じ、あくまで南部と比べてにすぎませんが、そういうさっぱりとした雰囲気は逆に心が落ち着くもんです。 中でもお気に入りは、周りをクロアチア、スロベニアに囲まれた北東の端のトリエステ。 一番はじめにイタリアに来たときにできた友達はトリエステ出身でした。 ローマで一番仲がいい友達はトリエステの大学を卒業しトリエステに家を持っています。 彼の地の人々はみな大酒飲みです。 前出の友人の誕生日に呼ばれたときなど、 ワインを何本もポンポン空けて騒いでいたかと思うと今度は グラッパがワインと同じ数だけでてきて もうてんやわんやの大騒ぎでした。 このように酒を飲んで酔っ払っうばかりのイクラ記者、 こう見えても本は好きで、休日は一日中家にこもって読書をしたりしています。 そんな人種にぴったり(?)なのがまたまたトリエステ。読書家を引きつける町でもあります。 去年のノーベル賞では そのトリエステ出身知識人でありドイツ文学研究者、随筆家、ジャーナリストの クラウディオ・マグリスがノーベル賞の第一候補でした。 彼は中東欧のユダヤ文化をハプスブルグ帝国文学とでもいうものの中に位置付け 非常に面白い本を書いてます。 代表作の『ドナウ河』は 様々なエピソードからなるドナウ紀行で これを読めばドナウ川下り2800キロの旅でもしたくなるっていうのが人情というもの。 ドナウ川の源と言われるドイツのブレグにある源泉は、じつは 丘の上の老婆が住む古びた家の屋根から雪解け水が雨どいを伝って流れ込んだ水であったので、 その家がドナウの源ではないか、という話からはじまるのもまた一興。 世界一高いウルム大聖堂にまつわることなら、円柱の装飾から寄付されズボンの売り上げまで 何でも記録した建築家や、 ウイーン中の橋や道路などに自分の名前を署名してまわり 発掘された遺跡の石にまでも名前が残っていた宮廷公文書室役人キュセラーク。 「新しい詩人たち。書き始めるのは少し遅いかもしれないが、自分の天職をみつけるに急ぐ必要はない。たとえばこの詩人は79歳。すでに第二詩集を出しているもうひとりの方は 76歳でデビューした」と記録が綴られたルーマニアのユダヤ文学誌。 などなど。 おもしろおかしくも、かつてドナウ川辺に映っていたであろう人々の暮らしを思い浮かべてしまいます。 トリエステはまた トリエステ出身の作家イタロ・ズヴェーヴォと アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスで有名です。 ズヴェーヴォの『ゼーノの意識』はトリエステが舞台ですし、 (ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』が最近の邦訳で読めます) ジョイスもズヴェーヴォを世に知らしめました。 『ユリシーズ』の主人公の一人、レオポルド・ブルーノはズヴェーヴォがモデルだともいわれています。 さてさて、 このように一日中本を読んでいると、当然お腹も空くわけで、ちょっとおいしいお話もしたいもんですね。トリエステの名物はたくさんありますが、お肉とお菓子など寒いところだけあって重厚な味が洗練されています。 ラブレター2通目は食べ物の話になりそうですね。 なんだか懐かしいトリエステへ。
ローマとイクラより。 |
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2008/10/25(土) 午後 0:16 [ 懐古趣味 ]
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