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「八ツ場ダムの早期決着を」というのが問題の「日経」社説。「福島第一原発」では事故後「想定外」「1000年に一度」のオンパレード。御用学者・御用新聞が横行した。火山、怒り心頭だったが、「台風一過」。最近は「バケの皮」を剥がれた一味、スッカリ鳴りを潜めた。ヤレヤレと思っていたら、今度は<TPP>!「日本農業は崩壊」「農村を破壊するのか」と再び<神話>が横行している。
2008年5月、自民党元幹事長・中川秀直が「わが愛する孫や、まだ見ぬ子孫のためにも、私は闘う。本書は、政治家・中川秀直の決意と覚悟の書」と宣言した「官僚国家の崩壊」(講談社)――。あれから3年5か月というのに、「官僚国家」は<崩壊>どころか西郷隆盛を気取る野田佳彦首相を得て、財務省は意気盛ん。原発事故で評価を一気に失墜した経産省を見下し、独り天下を謳歌している。野田内閣は<直勝>内閣のレッテルが確定した…。<勝>とは幕末の功臣・勝海舟の曾孫・財務次官<勝栄二郎>のこと。「消費税」一直線。
中川秀直は書く。「日本の中枢には<ステルス(見えざる)複合体>が巣食い、日本を牛耳っている。彼らが<空気>を作り、空気で日本を支配する。空気が読めないと、相手が安倍晋三であっても容赦はしない」――。かくて安倍は空気の読めない<KY首相>のレッテルを貼られ、総理の座から追放された。このステルス複合体…。今度は「消費税」だ。
「八ツ場ダムの早期決着を」――。論説委員<殿>!要する「早く<着工>せよ」と迫る。「コンクリートから人へ」!これが民主党のマニフェストだったはず。だが<直勝>に「進化」した野田内閣に「子ども手当」に続き、今度は「ダム」問題でも「撤回」を迫る。
「ダム建設の是非を検証してきた国土交通省関東地方整備局は9月半ば、河川改修など代替案と比べてダムの方がコスト面などで有利という結果をまとめた」と論説委員<殿>!
だがこれ、「原発推進」の是非を、悪名高い「保安院」を所轄する「経産省」に検討させるのと一緒ではないのか。百歩譲っても国交省に検討させること自体がナンセンス。これを「鵜呑み」「垂れ流す」論説委員<殿>の良識を、疑いたい。
「民主党は衆院選挙時のマニフェストで八ツ場ダムと熊本県の川辺川ダムをムダな公共事業と指摘し、当時の前原誠司国交相が中止を表明した。これに地元が反発し…。ただし、地元の熊本県も白紙撤回を求めた川辺川ダムとは異なり、利根川水系の1都5県は八ツ場ダムの治水効果や水源としての必要性を強調している」と論説委員<殿>。ご立派だが…。
お立合いは、ご存知か――。熊本県知事の蒲島郁夫は東京大学名誉教授(政治学)。専門は政治過程論、計量政治学。ハーバード大で博士号(1979年)。熊本県鹿本郡鹿本町生まれ。
2008年4月16日県知事就任。「象牙の塔から政治への転身」が話題となった<良識派>!
2008年9月の県議会で苦悩の決断を提案。賛成を得た。選挙中の公約は「白紙」…。知事就任後、様々な検討、諮問、思案を重ねて決断した。「見識」が違う。利根川水系1都5県
の首長とは「良識」も「良心」も異なる。論説委員<殿>は「爪の垢でも煎じて飲め」!
「ダムに反対する住民が各地で起こした訴訟もすべて住民側が敗訴。各地裁は水需要の将来推計などについて『不合理とは言えない』という判断を示している」と論説委員<殿>。
これもご立派と言いたいが、まだ高裁、最高裁もある。しかも「不合理ではない」というのは「合理的」とは異なる。シブシブ認めた程度。それもそうだろう。「参院選」「衆院選」の「5倍超」とか「2倍超」とかの「一票の格差」を許容し続けた裁判官に、何の「良識」と「良心」が期待できるのか。哲学精神を失い、形式論を繰り返すだけ…。許せない!
「政権交代は日本の政治の上で少なくとも2つの、目に見えるプラスをつくり出している。第一は、長期政権と利益集団との癒着関係のもたらす社会の<ゆがみ>の是正であり、第二は、野党時代に貯えた人材と知識の顕在化である。この2つが互いに関係しあっている。ダム計画の転換は10年以上前から当時のさきがけ、社民党によって研究・討議されてきた」(伊東光晴「政権交代の政治経済学」岩波書店・4頁)――。だから前原国交相は就任早々「八ッ場ダムの建設中止」を打ち出した。国民は颯爽たる勇姿に拍手喝采。火山も驚いた。
だが前原は1996年4月末、「公共事業チェック機構を実現する議員の会」メンバーとして多くの研究者、市民団体とともにアメリカを視察。アメリカは1994年5月、ブルガリアで開かれた国際会議でダニエル・ビアード(開墾局総裁)が「アメリカにおけるダム開発の時代は終わった」と歴史的演説を行った。ビアード総裁は1995年2月、日本でも講演。
「日本とアメリカは事情が違う」と建設官僚が強く反対。だが「前原国交大臣、一朝一夕で考えついたものではない。民主党結成以前からの実証の上での確信であり、旧建設省の官僚が知らないはずはない。だがアメリカと違って抵抗は強い。現に新聞も抵抗に和す記事を書いている」(伊東光晴・18頁)――。まさに「日経」論説委員<殿>も、この一味だ。
「半世紀にわたる資料とデータをもとに、『利水にも治水にも無用な巨大ダム』を徹底検証*徹底解説」…。嶋津暉之・清澤洋子「八ツ場ダム〜過去、現在、そして未来」(岩波書店)を火山は<精読>した。岩波書店のおメガネにかなった専門書には…「政治、官僚、業者の3者による利権構造は鉄のトライアングルと言われるが、まさしくこのトライアングルによって利水・治水の両面で必要性が失われ、地滑りの誘発などの様々の災いをもたらす八ツ場ダム、巨額の公費を浪費する八ツ場ダムの工事が続けられている」とある。
(平成23年10月14日)
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