強行採決はS29年参議院本会議決議への違反

 
安保法制の強行採決が迫っています。
 
元最高裁判事から具体的根拠を持って「違憲」が突き付けられた法案の審議を打ち切っての強行採決は、良識の府の参議院の崩壊を意味します。
 
実は、これは、本当に、正真正銘の良識の府・参議院の死滅を意味するのです。
なぜなら、強行採決は、60年以上にわたって専守防衛の憲法9条規範を守り、国民と日本の民主主義を守り抜いてきた、まさに、良識の府の現れそのものである、「自衛隊による集団的自衛権の行使を許さず、憲法9条の拡張解釈を許さない」とした「昭和29年参議院本会議決議」を自らの手で無残に蹂躙し、否定してしまうことを意味するからです。
 
自衛隊法等が制定された第19回国会の参議院本会議(昭和29年6月2日)において、全会一致で可決された「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」は、「本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲(ここ)に更めて(あらためて)確認する。右決議する。」として、自衛隊の海外出動たる、自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使を明確に禁止しています
 
そして、決議案提案者(鶴見祐輔議員)の趣旨説明においては、本決議における憲法9条の解釈として、「自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であって、それは我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。故に我が国の場合には、自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。」と明言し、あらゆる集団的自衛権行使を参議院の憲法解釈として全否定しています。
そして、同決議可決の目的について、「憲法の明文が拡張解釈される危険を一掃することを、本会議決議により国民の総意として表明しておくことによって、日本国民を守り、日本の民主主義を守る」ためとしています。
 
つまり、この本会議決議は、国権の最高機関の参議院として、政府に対し、憲法9条の集団的自衛権行使の解釈改憲を禁止するために議決された決議なのです。
 
なお、この本会議決議は、その後、参議院において自衛隊法改正等の際に必ずといってよいほど、数十回以上にわたり、政府に対しこれを遵守しているかについて質疑され、その度に政府においてその趣旨を尊重している旨の答弁がなされているものです。
 
 ところが、「昭和47年政府見解の読み替え」という暴挙によって昭和47年政府見解に限定的な集団的自衛権行使の論理が含まれていたという7.1閣議決定の解釈改憲の主張は、この本会議決議を真っ向から否定するものなのです。
そして、その違憲について何ら審議を尽くさずに(真っ黒な違憲なので政府はひたすら答弁拒否を繰り広げているのですが)、特別委員会の審議を強行採決で打ち切り、そして、本会議で違憲立法を強行採決することは、この昭和29年の本会議決議の趣旨に真っ向から違反するのです。
 
なお、このような限定的な集団的自衛権行使を全否定する本会議決議があるのに、60日ルールによって、参議院本会議を開かずに、衆議院本会議だけで強行採決することは、文字どおり、参議院の全否定となります。
 
なお、重要なことは、この参議院本会議決議は、実は、安倍内閣の「昭和47年政府見解の読み替え」が違憲の暴挙であることを完膚無きまでに立証するものであるということです。
すなわち、昭和47年政府見解を作成した当時の吉國内閣法制局長官等において、「自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為である」という、まさに、歴代政府の憲法9条解釈と軌を一にするこの参議院本会議決議と矛盾することになる「限定的な集団的自衛権行使を容認する憲法9条解釈」などを作り、その政府官界を参議院決算委員会に提出するはずがなく、故に、「昭和47年政府見解の読み替え」は否定され、7.1閣議決定は違憲無効と断じる外ないのです。
なお、この「昭和47年政府見解の読み替え」行為自体が「憲法の明文を拡張解釈するもの」であり、議院内閣制の下の内閣の国会に対する明確な連帯責任違反(憲法66条3項)となるものです。
 
 
■参本会議 昭和290602
○鶴見祐輔君 私は、只今議題となつた自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議案について、その趣旨説明をいたさんとするものであります。先ず決議案文を朗読いたします。
    自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議
   本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。
   右決議する。(拍手) 
 
 ・・・自衛隊出発の初めに当り、その内容と使途を慎重に検討して、我々が過去において犯したるごとき過ちを繰返さないようにすることは国民に対し、我々の担う厳粛なる義務であると思うのであります。
  その第一は、自衛隊を飽くまでも厳重なる憲法の枠の中に置くことであります。即ち世界に特異なる憲法を有する日本の自衛権は、世界の他の国々と異なる自衛力しか持てないということであります。
  その第二は、すべての法律と制度とは、その基礎をなす国民思想と国民感情によつて支えられて初めて有効であります。そして今日の日本国民感情の特色は、熾烈なる平和愛好精神であります。従来好戦国民として世界から非難をこうむつておる日本国民は、今や世界においても稀なる平和愛好国民となつておるのであります。それは日本国民が、最近九年間に実に深刻な経験をいたしたからであります。その一つは敗戦であります。・・・いま一つの事実は、戦争後における勝利者と敗北者との関係であります。・・・この二つの深刻な幻滅の結果として、日本民族の尊き体験として学びとりましたことは、戦争は何ものをも解決しないということであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)殊に原爆と水爆との時代において、戦争は時代錯誤であるということであります。(「そうだ、その通り」と呼ぶ者あり拍手)この惨禍をこうむつた唯一の国民として日本はこれを世界に向つて高唱する資格を持つておるのであります。・・・七年前我々は、平和を愛好する諸国民の公正と信義に信頼して、みずから進んで戦争を放棄したのであります。故に今日創設せられんとする自衛隊は、飽くまでも日本の国内秩序を守るためのものであつて、日本の平和を守ることによつて東洋の平和維持に貢献し、かくしてより高度なる人類的大社会的組織の完成を期待しつつ一つの過渡的役割を果さんとするものであります。それは決して国際戦争に使用さるべき性質のものではありません。・・・この九年間に我々は過去の国家至上主義の思想から解放されて、人間尊重の考え方に転向したのであります。殊にそれは若き世代と婦人との間に力強く成熟しつつある思想であります。この個人を尊ぶという考え方は、民主主義の基底であり、それは世界平和の思想に連なるものであり、この国民感情が憲法第九条の明文と相待つて、自衛隊の行動を制約すると思うのであります。然るにこの自衛隊という文字の解釈について、政府の答弁は区区であつて、必ずしも一致しておりません。この間、果して思想の統一があるか、疑いなきを得ないのであります。その最も顕著なるものは、海外出動可否の点であります。何ものが自衛戦争であり、何ものが侵略戦争であつたかということは、結局水掛論であつて、歴史上判明いたしません。故に我が国のごとき憲法を有する国におきましては、これを厳格に具体的に一定しておく必要が痛切であると思うのであります。自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であつて、それは我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。幸い我が国は島国でありますから、国土の意味は、誠に明瞭であります。故に我が国の場合には、自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。如何なる場合においても、一度この限界を越えると、際限もなく遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。それは窮窟であつても、不便であつても、憲法第九条の存する限り、この制限は破つてはならないのであります。外国においては、過去の日本の影像が深く滲み込んでいるために、今日の日本の戦闘力を過大評価して、これを恐るる向きもあり、又反対に、これを利用せんとする向きも絶無であるとは申せないと思うのであります。さような場合に、条約並びに憲法の明文が拡張解釈されることは、誠に危険なことであります。故にその危険を一掃する上からいつても、海外に出動せずということを、国民の総意として表明しておくことは、日本国民を守り、日本の民主主義を守るゆえんであると思うのであります。
  何とぞ満場の御賛同によつて、本決議案の可決せられんことを願う次第であります。(拍手)
 
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の本院の決議に対しまして、一言、政府の所信を申上げます。
 申すまでもなく自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接並びに間接の侵略に対して我が国を防衛することを任務とするものでありまして、海外派遣というような目的は持つていないのであります。従いまして、只今の決議の趣旨は、十分これを尊重する所存であります。(拍手)
 
 
■参イラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 平成171212
○大田昌秀君 この決議で言う海外出動という言葉は、どういうふうに理解したらよろしゅうございますか。
○国務大臣(安倍晋三君) ・・・基本的にそのときの恐らく院の意思としては、海外に派遣をして、そしてこの自衛隊が言わば武力行使をするということを念頭に置いているのではないかと、このように思います。
 
【解説】本会議決議の内容と上記の当時の安倍総理の答弁については、以下の、私が、平成26年5月に解釈改憲を阻止するために行った参議院本会議代表質問をご参照下さい。
 なお、この鶴見議員の大変に格調高い趣旨説明演説は、今日の解釈改憲・安保法制の問題にも通ずる論点が多くあり、どなたでもインターネットの国会議事録検索で瞬時にご覧頂けますので、ぜひ全文をご覧頂きたいと思います。
 
■参本会議 平成260528
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
  さて、安倍内閣がその真の姿として、また法案審議の前提として、主権者国民及び国会を尊重し、立憲主義及び議院内閣制を遵守する意思があるかについて、より明瞭に追及いたしたく、議場の先輩、同僚議員の皆様に、ちょうど今から六十年前の一九五四年六月二日にこの本会議場で全会一致で可決されたある決議文を朗読をさせていただきます。「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議 本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。 右決議する。」
  これは、自衛隊創設に当たり、自衛隊の海外出動、つまりは、自衛隊の海外派兵たる海外における武力行使はこれを行わない、すなわち、自衛隊による集団的自衛権の行使はこれを許さないという憲法第九条の解釈を、我らが参議院が確定した決議であり、当時の鶴見祐輔議員は、その趣旨説明演説において、その内容を以下のように明瞭に述べています。
 「 何ものが自衛戦争であり、何ものが侵略戦争であったかということは、結局水掛け論であって、歴史上判明いたしません。ゆえに我が国のごとき憲法を有する国におきましては、これを厳格に具体的に一定しておく必要が痛切であると思うのであります。自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であって、それは我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。幸い我が国は島国でありますから、国土の意味は、誠に明瞭であります。ゆえに我が国の場合は、自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。いかなる場合においても、一度この限界を越えると、際限もなく遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。それは窮屈であっても、不便であっても、憲法第九条の存する限り、この制限は破ってはならないのであります。外国においては、今日の日本の戦闘力を利用せんとする向きも絶無であるとは申せないと思うのであります。さような場合に、憲法の明文が拡張解釈されることは、誠に危険なことであります。ゆえにその危険を一掃する上からいっても、海外に出動せずということを、国民の総意として表明しておくことは、日本国民を守り、日本の民主主義を守るゆえんであると思うのであります。 」
  以上、すなわち、この自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議は、日本国民を守り、日本の民主主義を守るために、憲法第九条の明文が拡張解釈されるその危険を一掃する、つまり、内閣による解釈改憲の危険を許さず、これを絶対に封じるために、国権の最高機関たる参議院において、国民の総意として全会一致で可決されたものであります。
  そして、憲法第九条の拡張解釈による自衛隊の海外出動たる海外派兵、すなわち、集団的自衛権の行使はこれを絶対に許さないというこの本会議決議は、その後の本院における自衛隊法などの審議の際に、繰り返し繰り返し、必ずと言ってよいほどその趣旨が政府との間で確認されてきたものでございます。
  例えば、平成十七年十二月十二日のイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会における当時の安倍晋三官房長官、すなわち現在の安倍総理は、本決議の趣旨を問われ、自衛隊を海外に派遣をして、そしてこの自衛隊が言わば武力行使をするということを念頭に置いているのではないかと、このように思いますと、明快に本決議が自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使を禁止したものであるとの認識を答弁をしております。
  同様の政府答弁は、平成二十年代の新テロ特措法、イラク特措法、旧テロ特措法、周辺事態法制、PKO法に係る審議等々、その数は優に数十回を超え、まさに憲法第九条の解釈に係る本決議は、参議院と政府の間で積み重ねられた法規範に匹敵する、内閣を揺るぎなく強固に拘束する立法府としての決議であります。
  ここで、安倍内閣を代表して、菅官房長官にお尋ねします。
  安倍内閣として、この自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使はこれを許さない、そして日本国民と日本の民主主義を守るために、そうした内閣による憲法九条の拡張解釈は断じてこれを許さないという参議院の確固たる本会議決議を前にして、それでもなお安倍内閣の閣議決定だけで憲法九条の解釈改憲を強行することが許されるとお考えですか。
  そのような蛮行は、国権の最高機関である参議院を否定し、議院内閣制を否定し、さらに、山崎正昭議長以下二百四十二名の全参議院議員と、それらを選出した主権者国民を否定する、断じて許されない行為との認識はございませんか。
  本日二十八日、明日二十九日と、衆参で解釈改憲問題の集中審議がなされます。しかし、かつての六〇年安保改定では百五十五時間、PKO法案では百九十三時間、周辺事態法制では百六十一時間の衆参の国会審議を行っています。
  これらを含め、これまでの全ての安全保障法制の審議は、集団的自衛権の行使は憲法違反であるとの前提の下に行われております。この前提そのものを解釈の変更により覆そうとするのであれば、その憲法九条の解釈の変更案を、紙芝居ではない、集団的自衛権行使の具体的かつ詳細な政策的必要性とともに、衆参の国会に提出して、その新たな解釈の論理的整合性や、これまでの国会論議との整合性について、憲法審査会や特別委員会などの場を含め、まずは徹底的に数百時間以上の審議を受けるべきではないでしょうか。それが自称闘う政治家である安倍内閣総理大臣の取るべき道であり、何よりも、それが国民のために立憲主義を守る内閣の責務であるとは考えないのでしょうか。
  以上、全ては本法案審議の前提となる事項でもありますが、これらについて、参議院本会議場の演壇の上で、内閣として、三権の長たる議長以下、本日ここに集う全参議院議員に対し、そして主権者国民に対し、逃げることのない、明確な菅官房長官の答弁を求めます。
  最後に、日本国憲法の前文においては、日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するとあります。
  この趣旨は、我らが日本国民は、国家による戦争の惨禍から永久に国民自身を守るために、そのことを目的として、国民主権原理を憲法に採用したことを意味します。すなわち、憲法九条の内閣による解釈改憲は、憲法第九十九条の憲法の尊重擁護義務に違反するのみならず、この憲法前文の恒久平和主義に立脚した国民主権原理を否定する憲法違反行為そのものであり、まさに立憲主義そのものを否定する空前絶後の蛮行でございます。
  先輩、同僚議員の皆様におかれましては、閣議決定はもちろん、この本会議場で議決する自衛隊法改正等の法律によっても、なお奪うことのできない自衛隊員や国民のかけがえのない命がある、それを決めることができるのは、主権者国民の国民投票による憲法改正でしかない。
  このまさに立憲主義の原理そのものを破壊しようとする安倍政権の、一部識者の弁によれば政治的クーデターともいうべき過ちから国民を守り、その国民の擁護者として、今こそ我々良識の府たる参議院の存在意義とその真価が問われておりますことを、本法案審議の前提の観点を深く深く込めながら、改めて更に深く深く皆様にお願い、お訴え申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。
  御清聴ありがとうございました。(拍手)
 
○国務大臣(菅義偉君) 憲法解釈と国会審議についてお尋ねがありました。
  御指摘の参議院の本会議決議は承知をいたしておりますが、いずれにしても、行政府が日々の権限の行使を行うに当たり、その前提として、憲法を適正に解釈することは当然必要なことであります。このような行政府としての憲法解釈は、最終的に憲法第六十五条に基づく行政権の帰属主体である内閣がその責任において行うものでもあります。
  集団的自衛権等に関する問題については、これまでも国民の代表である国会において御議論をいただき、政府としても丁寧に説明に努めてきたところであります。現在、与党協議が進められており、その結果に基づき、政府としての対応を協議をし、憲法解釈の変更が必要と判断されれば閣議決定をしていく考えであります。
  その上で、準備ができ次第、必要な法案を国会にお諮りすることになりますが、そこでもしっかりと議論をさせていただきたいと考えます。(拍手)
 
【解説】 目前に迫った安倍内閣の解釈改憲を阻止するために、参議院本会議の演壇で60年ぶりにかつての本会議決議の趣旨説明文を読み上げ、安倍内閣に迫った代表質問です。私の演説の趣旨は、「自衛隊の集団的自衛権行使と憲法9条の解釈改憲を明確に禁止する参議院本会議決議があるのに、事前に憲法9条解釈の変更案そのものについて徹底的な国会審議を受けることもなく、安倍内閣の閣議決定だけで解釈変更を強行することが、議院内閣制及び国民主権の趣旨に照らし許されることであると考えているのか」というものです。これに対し菅官房長官はこの趣旨を全く無視した「この本会議決議は知ってはいるが、行政府の憲法解釈は国会の監督を受けることなく、内閣で勝手に行う。また、これまでも国会でいろいろ質問も受けているし、現在の自公の与党協議の結果を受けて必要だと判断すれば閣議決定で解釈変更をする。そして、解釈変更したらその新しい憲法に基づいて安保法制を国会に出すからそこでしっかり議論させてもらうつもりではいる」といった旨の議院内閣制の下の議会政治を根底から否定する暴挙としか言いようのない答弁を行っています。
  本来ならば、この本会議決議の示す監督に従い、安倍内閣において、当然に、憲法9条解釈の変更案そのもの(すなわち、7.1閣議決定の最終案文)を事前に参議院に提出し、徹底的な審議を受ける必要があるのであり、もし、そうしていれば、まさに、「昭和47年政府見解の読み替えが許されるものかどうか」について、本書で論じてきた全論点が国会で追及され、国会の力によって国民の皆様の憲法を蹂躙する安倍内閣の解釈改憲を阻止することができたのです。つまり、安倍総理の解釈改憲は、その内容面のみならず手続き面においても、主権者である国民の皆様と日本の議会制民主主義を否定する究極の暴挙なのです。(なお、我が国の国是である「非核三原則」も国会決議に依拠しているものですが、解釈改憲を前例とすれば、これよりも遥かに簡単に、時の内閣が破ろうと思えばいつでも破ることができることになります)
  なお、私は、この演説の後日(6月11日)に、参議院憲法審査会において、解釈改憲を阻止するため「7.1閣議決定の最終案文そのものについての国会における十分な事前審議を義務付けた附帯決議」を成立させましたが、安倍内閣はその附帯決議も蹂躙して解釈改憲を強行しています。そして、これらの、本会議決議違反、附帯決議違反は、内閣の行政権の行使(憲法解釈の変更を含む)に際しての国会への連帯責任を法規範として定めた内閣法第1条に違反する違法行為になります。
 
 
 
 

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