「疑心 隠蔽捜査3」(今野敏)
疑心 隠蔽捜査3 今野敏 新潮社 キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された、妻・冴子曰く「唐変木」の、理性と合理主義の塊・竜崎伸也。 社会人一年目の長女・美紀は竜崎に似たのか、竜崎の大阪府警当時の上司・三村禄郎の長男・忠典との婚約よりも仕事を優先し、忠典の海外赴任を前にもめているらしいが、恋愛感情を理解できない竜崎にはまるで他人事。 一日署長として人気アイドル・山咲真美に色めき立つ署員の興奮も、竜崎には理解できない。 米大統領訪日を控え、竜崎は方面警備本部長任命の異例の人事を受ける。 竜崎を推薦したのは、竜崎に対して反感を持つ、初対面で竜崎と対立した第二方面本部の野間崎管理官と警備企画課長・落合貴幸ようで、彼らの陰謀により、警備部長・藤本実が決断した人事らしい。 大森署に方面警備本部を設置し、大統領訪日に備えるが、藤本警備部長の命を受け美人キャリアの畠山美奈子が竜崎の秘書官に就くが、何としたことか竜崎は徐々に彼女に恋心を抱き始め、そんな自分に驚愕し動揺する。 野間崎と、彼が秘書を務める'''長谷川第二方面部長・長谷川が畠山を使い竜崎を陥れようと虎視眈々と狙っているのか? 羽田近くで大型トラックが三台を巻き込む交通事故を起こし、運転手が行方不明となる。 それに事件性を感じたと戸高刑事は警備事案より運転手捜しを優先し、それを渋々許す竜崎に対し長谷川は納得行かない様子。 大統領警護のシークレットサービスである、ジョン・ストリングフィールドとエドワード・ハックマンが大統領専用機の到着する羽田空港での日本人の協力者がいるというテロ情報を齎す。 ハックマンは、羽田の監視カメラの映像をチェックし不審人物を発見し、羽田空港を閉鎖せよと強く要求。 しかし、日本政府は容認せず、ハックマンを抑えることをはじめすべての責任を藤本より押し付けられ、ストリングフィールドに対しテロの陰謀を暴き首謀者の身柄を拘束することを確約させられてしまう!? このシリーズは堅物のあまり変人の竜崎が、巻を重ねるごとに何かによって変化していくさまが見ものでもあります。 今回、竜崎を丸くしたのはなんと、彼に一番似つかわしくない「恋」。 警視庁の伊丹刑事部長は、竜崎のことを幼馴染で親友と思っていますが、相変わらず竜崎は小学校時代に伊丹とその仲間からいじめを受けたと根に持っていて親友とは認めていない。 しかし、畠山へのどうしようもない感情を相談しに行く相手は伊丹しか思い当たらないという様は、ちょっとまぬけで微笑ましい。 伊丹の助言を真に受け、禅に関する本を買い、その中の「婆子焼庵」に救いを見出す件はほんと竜崎らしくって笑ってしまう。 冴子は竜崎のことを「唐変木」と称しましたが、伊丹は「筋金入りの唐変木」表現するところも笑ってしまう。 竜崎の変化を見逃さず、冴子はズバリ「恋でもした?」と直球を投げる。 一番の大物は私には相変わらず一見従順な妻である冴子に思え、名前の中に牙という字があるのが、興味深く、そして怖いと思いました。 本作は、テロよりも恋がメインに描かれている印象を受け、今までのシリーズとは少しテイストが違う気がし戸惑いました。 竜崎の頭の中が恋一色になっているせいか、冒頭に起きた交通事故を怪しいと疑うのが戸高だけなんて考えられない。 『そこまで警察は間抜けじゃないでしょうに…』と、不満を持ちながら読みました。 その上、いくら戸高が本部を留守にしがちでも、監視カメラの不審者写真に目を通していないなんていうのもあり得ない。 テロの首謀者捜しを延ばしに延ばして描いている印象を受け、飽き飽きしてしまったりも…。 毎回起こる事件や、国への批判などを楽しみに、時には熱く、時にはハラハラしながら読んできたで私としては、ちょっとガッカリ…。 私が、恋愛小説を苦手としているせいでしょうか? それこそ、冴子に「唐変木」と言われてしまうかな?
|
トラックバック(5)
トラックバックされた記事
「疑心 隠蔽操作3」 今野 敏
'''「疑心 隠蔽操作3」 今野 敏 <新潮社>''' {{{ キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。 異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、 大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だ―。 (「BOOK」データベースより) }}} 来ました。 図書館の順番待ちがすごかった...
2009/12/11(金) 午前 11:47 [ おうち日和 〜本と料理と日々のこと〜 ]
今野敏「隠蔽捜査3〜疑心」(2009)
[[attached(1,center)]] じゃ〜ん!!! 買いました!!買いました!! いえいえ、本ではありません(汗; 定額給付金で買いました!! SDカード込みで「11000円!!」 Nikon COOLPIX です。 中古です♪ 簿記学校に行く途中にあるお店で目をつけていました。 そして、試験が終わった帰りに買いました!! 嬉しいな♪ まだ、アップ画面は見ていないけれど、今までの古い携帯写メに比べたら、雲
2009/12/12(土) 午後 8:40 [ ばんびのお部屋 ]
疑心−隠蔽捜査3/今野 敏
疑心−隠蔽捜査3 今野 敏 新潮社 {{{ [セブンアンドアイ 内容紹介より] キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だ—。 米大統領訪日の方面警備責任者を命じられた竜崎のもとに、羽田空港でのテロの情報が。あの『果断』に続くシリーズ第3弾。 }}} うわぁうわぁ!!!竜崎さ...
2009/12/30(水) 午後 4:15 [ 本と映画とちょこっと日記☆ ]
今野敏 『疑心 隠蔽捜査3』
キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。 異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、 大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だ―。 (内容「BOOK」データベースより) うむむ? ちょっと方向が変わったような気がするのは気のせい? 前作では「家族」が陰のテーマ、今回はなんと竜崎の恋?! 仕事が手につかないほど夢中になるお相手は竜崎の秘書官となった畠中さん。 しかしその畠中さん、仕事はできるようですが他の魅力があま
2010/1/14(木) 午後 10:56 [ ☆勝手気ままな日々☆ ]
今野敏 『疑心 隠蔽捜査3』
今野敏さん「隠蔽捜査」の第3弾です。 超エリートのキャリア官僚から息子の不祥事により所轄の警察署長に転属された竜崎。 不遜とも思えるエリート意識だけれど、気取りだけではなくちゃんとした国家公務員の義務、職務を全うしているところが面白かったですよね。 今回はなんとアメリカ大統領の来日の際の方面警備本部長に任命されてしまいます。 本来ならば所轄の署長が要請される仕事ではないはずで、竜崎ももちろん間違いではないかと上司に掛け合ったりするのです...
2012/2/13(月) 午後 9:05 [ 大台突破 ]












恋愛小説が苦手じゃ無い私でも、本書はチョットがっかりでしたよ。
いや・・・かなりかな〜〜?
なんだか、集中する事が出来ず・・・。竜崎ってこんなんだったっけ???って・・・
う〜〜〜ん、一番最初の竜崎の方が好きだなぁ〜〜。
勝手なんだけど、、、私は、記事にしていないのでコメのみにて失礼しますm(_ _)m
2009/12/10(木) 午前 10:22
今野敏さんって、「同期」を書いた人だよね?
警察小説をたくさん書かれているようだけど、本書のテーマは恋?
シリアスな作風のイメージだったのでちょっと意外な感じです。
「同期」はとても読んでみたいんだけど・・・
2009/12/10(木) 午前 10:30
わぐまさんの紅子さんへのコメを見て、思わずニヤリとしてきたばかり。
今までのシリーズが緊迫感溢れる内容だっただけに、ちょっと肩透かしを食らったかのような印象を受けました。記事にしていないのね。それにもニヤリ。
2009/12/10(木) 午前 10:33
YUKOさん。ええ、そうです。私も、「同期」は気になっているのですが、基本的に警察小説は好みじゃないので考え中。
このシリーズも、前二冊は面白かったんですよ。
2009/12/10(木) 午前 10:35
あれれ?金平糖さんもわぐまさんもこれはいまいちな感じだったのでしょうか?
私はばんばん突っ込みながら大いに楽しく読んだんだけどな〜^^;;(読みどころが違う?笑)
竜崎のあまりの「らしくなさ」が本作のキモだったんではないかと。
しかもそこで「禅」を選んじゃうとこがまた「彼」です(笑)
こちらからもTBさせてくださいね♪
2009/12/11(金) 午前 11:46
竜崎さんが恋・・・
私は恋愛、大好物な人間ですが、竜崎さんはなあ・・・
今野さんの樋口さんシリーズでも彼が恋をしてちょっとがっかりしました。
恋をしそうにない人が恋に落ちる瞬間が実生活では大好きなんですが、竜崎さんみたいな人は奥さんを一番に愛して家庭を大事にしてほしいです、はい。(自分勝手?)
2009/12/11(金) 午後 10:48
ラブリさん。竜崎が独身ならよかったのですが、冴子さんがいながら…って、ついねぇ…^^;
恋と、事件のウェイトを同じくらいしてくれたらもっとよかったかな?
トラバ返しありがとうございました。
2009/12/12(土) 午前 6:54
もう、プラチナさんったら薔薇色の毎日で羨ましいなぁ〜(*・∀-)☆
そうなの。竜崎に一番似合わないのが恋だとはわかるけど、妻子もちの中年堅物竜崎にはやはり恋をして欲しくなかった。彼のようなタイプは、冴子さんを裏切ったこと自分を普通なら許せないと思うんだけどねぇ…。
2009/12/12(土) 午前 6:57
竜崎って、冴子さんとは恋愛結婚だったのかしら??冴子さんに恋した時期があったのかしら??なあんて、意地悪ばばあのようなことを考えちゃったりして… こういう気持ち、もう一度あじわってみたいな〜(爆 トラバします☆
2009/12/12(土) 午後 8:39
ばんびさん。確か作中に堅物の竜崎もいくつかの恋愛は経験し、冴子とも恋愛結婚だったが、我を忘れることはなかったと書かれていた気がしました。ちょっと、冴子さんに対して失礼よね?
トラバ返しありがとうございました。
2009/12/13(日) 午前 10:02
金平糖さん・確かに・・・あのビックリするくらい堅物だった竜崎が・・・いとも簡単に恋におちてしまった気がしてビックリすると同時にガッカリしたのお事実ですね。
あの外人とのやりとりとかかなり面白かったのに、どうしても恋物語、みたいになってしまったのが残念でしたね。
こちらからもトラバさせてください。
2009/12/30(水) 午後 4:14
mrtさん。やっぱり滝崎には恋は似合わないですよね。いつまでも堅物であって欲しかった。だって、冴子さんがいるのに…。
事件の印象より、恋に関する件の印象の方が強烈なのはちよっと子のシリーズらしからぬと思ってしまいました。
トラバ返しありがとうございました。
2010/1/2(土) 午前 10:57
あんな竜崎でも実は冴子さんラブだった!というのならまだしも、他の女性に目がいってしまうなんて・・・普通の男じゃん!(そうなんだろうけど)とテンションが下がりました。でもラブリさんが仰られているようにツッコミながら読んでいるとゲラゲラ笑えるコメディ作品となるのかも^^ただこのシリーズにコメディはいらない気がするのも事実^^;TBさせて下さいね♪
2010/1/14(木) 午後 10:56
紅子さん。変人竜崎がどんどん俗物になっていく様は、ちょっと見るに耐えかねる感じでしたが、コメティーとしては確かに楽しめますよね。でも、私も紅子さん同様、このシリーズはそういう作品には落ちて欲しくなかったなぁ…と(>_<;)
2010/1/15(金) 午前 10:07
やっぱり金平糖さんもガッカリされましたか(^_^;)
あの竜崎が中学生みたいに恋にのたうつ図は見たくなかったですね。
冴子さんの大人ぶりが一段とたくましく見えました。
TBさせていただきますね♪
2012/2/13(月) 午後 9:04
メロディさん。唐変木の遅咲きの恋は描き甲斐があるのかもしれないけど、何も妻子持ちのあの竜崎にさせることはない気がしました。
最新刊は、元の竜崎に戻っていて、そう来なくっちゃと嬉しくなっちゃいましたよ♪
トラバ返しありがとうございました(*^^*)
2012/2/14(火) 午前 9:48