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2012年2月9日

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「東京ピーターパン」(小路幸也)

   東京ピーターパン
               小路幸也           角川書店
 
元プロギターリストの杉田辰吾(シンゴ・60歳)は、45歳の時、妻と娘を捨てて家を出、『自分に生き抜くことを課した』ホームレスになる。
 
若い頃、シンゴの影響でバンドを始めドラムをしていた交番の吉川宏巡査部長(52歳)から、さりげないサポートを得、時には路上演奏をして小銭を稼いでいる。
 
児島隆志(26歳)は、所属していたインディーズバンドが解散し、事務所の社長が経営しているつけ麺屋でアルバイトをしているが、ギターが上手いホームレスの噂を聞きつけ捜していた。
 
印刷会社の営業・石井和正(34歳)は、上司から歌の甘さを褒められ、学生時代バンドでボーカルをしていた頃のことを回想し、どこで夢を諦めたのか物思いに耽る。
 
いじめにあい不登校になった田仲聖矢(16歳)は、実家の寺の土蔵を改装し、引きこもっている。
厳格な父には馴染めず、母が病死した後の理解者は姉・茉莉だけ。
その、快適な自分だけの空間に闖入者が
 
聖矢は、土蔵での暮らしを守れるのか

なんで、どうしようもない男達も、小路さんの手(筆)にかかれば、みんなカッコよくなってしまうのでしょう
 
今回、小路マジックにかけられるのは、ホームレス、定年間近の交番のおまわりさん、小太りの中年サラリーマン、つけ麺屋のアルバイト、引き篭もり少年という顔ぶれ。
 
表紙絵のイラストも、お洒落感をより盛り上げる演出に一役買っている。
 
しかし、得てして、お洒落なものって、中身が伴わないものが多い気がする。
本作も例外ではない…
 
男達、それぞれの行き辛さの掘り下げ方が軽く、返却期限が迫り、急いでいたこともあったが、二時間弱で読めてしまった
 
内容は、些か強引で、バンド名の一案にあった<一夜芝居>そのもの。
"ピーターパン症候群"を暗示しているのかのような題名だが、『ブレーメンの音楽隊』ならぬ『東京の音楽隊』の方があっている気がする。
 
ピーターパンにせよ、ブレーメンにせよ、いずれも童話を連想させる印象。
 
本作に続き、昨年末、文庫化された「空へ向かう花」を読み、設定や構成が非常に似ている気がした。
 
 
似ているので、一つの記事にする気力が失せてしまい、感想は読書メーターに、ここには読んだことだけ記すことにします。
 
花咲小路四丁目の聖人」もそうでしたが、いずれも現代を舞台にした童話テイストの話。
 

何故か小路作品が続いたので、パターンが似ているのが気になり、食傷気味になったのかもしれません…
 
ただ、読んだのは新刊ばかりなので、(小路さん、刊行を少し急ぎすぎではあるまいか)と、気になる…。
 
もっと、じっくり書いて欲しいなぁ…。

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